今日の産経ニュース(2022年11/12分)

【フォト】女性への暴力、根絶願う紫 各地の名所をライトアップ、25日まで - 産経ニュース
 スカイツリーや迎賓館、熊本城など目立つ場所もライトアップされてるようですが、「その理由をどれだけの人が知ってるのだろうか?」感はあります。


消費減税公約見直しを 枝野氏「衆院選の敗因」 - 産経ニュース
 世論調査などまともな根拠があるわけでは全くなく「俺が敗戦理由だと思うから、そうなんだ」という全くふざけた話です。
 仮に「減税公約で負けた」のだとしても「そんな選挙の勝ち負けだけで政策を決めること自体がおかしい(あえて言えば、不人気政策でも、自らが信じる道に従い、国民にその必要性を訴えるのが政治家のあるべき姿)」ですが、「敗戦理由と見なすまともな根拠がない」のだから、それ以前の話です。単に「消費税増税派」枝野が減税公約を何が何でも否定したいだけのくだらない話です。
 そんなんでいいのなら「モリカケ桜疑惑などというデマ中傷を自民党にするから負けた、枝野は安倍昭恵氏に土下座して詫びろ」とも何とでも言えてしまう。おそらくそう言われたら枝野は「何が根拠だ」「モリカケ桜疑惑追及はデマ中傷ではない」と怒るでしょうが、奴の発言はそのくらい無根拠です。
 しかも「枝野は今は無役」でこの公約は「野党共闘公約」です。現執行部を無視し、また共闘相手(共産党社民党、れいわ)に相談もなくこんなことを放言していいわけもない。
 まあ、俺個人の感想を書けば【1】共産、社民、れいわに要求されたので渋々公約したが、減税公約が本気でないこと、【2】民主党政権時に三党合意で消費税増税の方向に動いた事(当時、枝野は野田内閣経産相)へのまともな釈明がないことが選挙民に「枝野の減税公約は信用できない」と思われたと言う意味でなら「減税公約は敗戦理由」でしょう。しかしそれは公約それ自体の問題ではなく「枝野に政治家としての信頼がない」と言うだけの話です。
 あえて言えば、問題は「消費税減税か増税か」ではない。「選挙の勝ち負けだけで政策を決めてる」と公言して恥じない枝野のふざけた態度です。枝野のようなふざけた態度を取る限り、公約が何であろうと立民は負け続けるでしょう。あえて言えば「不誠実で、政治家の風上にも置けない枝野はもはや政界を引退すべき」ではないか。「枝野への皮肉、嫌みで書いています」が選挙敗北の教訓があるとしたら、むしろそれではないか。
 それにしても「自民党増税公約である以上、枝野の言うとおりに立民が増税公約にしても、そのこと自体は自民党との差別化に勿論つながらず、立民への投票を増やしたりはしない」のですが、枝野は一体、立民をどこで「自民党と差別化する」気なのか。枝野が敗戦理由を云々するならこんなバカな発言ではなく「立民と自民の違い」「立民の個性、独自性」「立民のメリット」を「どうアピールし、得票につなげるのか?」を発言すべきでしょうに、それはしないのだから心底呆れます。


ローマ教皇へ対米仲介要請 松岡外相、太平洋戦争前に バチカン公文書 - 産経ニュース

 日本が太平洋戦争に踏み切った1941年の直前期に、当時の松岡洋右外相がローマ教皇ピウス12世と会い、対米開戦回避に向けた仲介を要請していたことが12日までに、教皇庁バチカン)公文書から分かった。

 吹き出しました。仲介者が誰であろうと「日本が蒋介石政権打倒を諦めない」限り、米国は対日禁輸を辞めないのにそんなことも理解できてなかったわけです。
 なお、ピウス12世は
バチカンがナチスのユダヤ人迫害に弱腰だったピウス12世の秘密文書公開へ 2019年3月15日 - キリスト新聞社ホームページ2019.3.16

ヴァチカン、第2次世界大戦中の教皇の関連文書を公開 ホロコースト黙認か - BBCニュース2020.3.3
 BBCのマーク・ロウエン記者によると、この問題をめぐる議論が、ピウス12世の列聖が遅れている原因と考えられている。

ピウス12世 (ローマ教皇) - Wikipedia
 バチカンナチス・ドイツユダヤ人迫害に対してはっきりと非難しなかったことは、戦後激しく批判されることになる。
 ホロコースト研究者の間では、「ローマに住むユダヤ人が連行されているにもかかわらず一貫して沈黙を通した」という批判的見解が主流である。批判的な立場からナチス教皇庁の関係を描いた作品として、ロルフ・ホーホフートの戯曲『神の代理人』(1963年)があり、コスタ・ガブラス*1監督によって『ホロコーストアドルフ・ヒトラーの洗礼』(2002年公開)というタイトルで映画化されている。

ということで「バチカン黒歴史の象徴」といっていいでしょう。


【メディアの革命児 前田久吉】「産経の成立史、メディア研究でも画期的」 佐藤卓己・京都大大学院教授 - 産経ニュース

 今年、源流100年を迎えた産経新聞の草創期を描く「メディアの革命児 前田久*2」が11日、完結した。メディア史研究の第一人者*3佐藤卓己*4 ・京都大大学院教授は「評伝の形をとった産経の成立史。メディア研究のうえでも画期的だ」と評価する。

 吹き出しました。産経文化人のおべっかに何の意味があるのか。


激動の時代生きた三笠宮伝記刊行へ 未公開資料も展示 - 産経ニュース
 皇族崇拝が産経の建前のため、三笠宮に悪口するわけにも行かず

三笠宮崇仁親王 - Wikipedia
◆1950年代後半から『紀元節』復活への動きが具体的なものになってくると、歴史学者としての立場から「神武天皇の即位は神話であり史実ではない」として、「『神話』と『史実』は切り離して研究されるべき」と強く批判し、皇族でありながら積極的に「紀元節復活反対」の論陣を張った。このため「赤い宮様」と渾名された。
 一方で、旧紀元節復活を推進する人々は三笠宮を激しく非難した。
南京事件等、日本軍の残虐行為について『1943年1月、私は支那派遣軍参謀に補せられ、南京の総司令部に赴任しました。そして1年間在勤しました。その間に私は(ボーガス注:南京での)日本軍の残虐行為を知らされました』『辞典には、虐殺とはむごたらしく殺すことと書いてあります。つまり、人数は関係ありません。私が戦地で強いショックを受けたのは、ある青年将校から「新兵教育には、生きている捕虜を目標にして銃剣術の練習をするのがいちばんよい。それで根性ができる」という話を聞いた時でした。また南京の総司令部では、満州にいた日本の部隊の実写映画を見ました。それには、広い野原に中国人の捕虜が、たぶん杭にくくりつけられており、また、そこに毒ガスが放射されたり、毒ガス弾が発射されたりしていました。本当に目を覆いたくなる場面でした。これこそ虐殺以外の何ものでもないでしょう。』などと述懐している。
「文藝春秋」の1951年(昭和26年)12月号でのイギリス人女性との対談では「天皇への敬礼は強制さるべきではなく、各人の判断のままでよい。頭を下げる人、手を振る人、あるいは知らん顔をしたり、最悪の場合には『あかんべえ』をしていても、ちっとも構いません」と発言。この直後、昭和天皇京都大学巡幸では、京大天皇事件が発生し、学生はさっそく「あかんべえ」をして昭和天皇を迎え、宮内庁を狼狽させた。
江沢民・元国家主席回顧録に、1998年(平成10年)に彼が訪日した際に、宮中晩餐会三笠宮が同席して「『今に至るまでなお深く気がとがめている。中国の人々に謝罪したい』と発言した」との記述がある。

という産経にとって都合の悪い部分には全く触れてない点が興味深い。


【主張】葉梨法相を更迭 任命者の首相は猛省せよ - 産経ニュース
 UR甘利*5経済財政担当相、ドリル小渕経産相、「ナチス発言」麻生副総理・財務相など安倍政権の疑惑、暴言閣僚には甘かった分際で良くも言ったもんです。しかも岸田派の葉梨(暴言)、寺田(政治資金規正法違反)は批判しても統一汚染の安倍派・萩生田は批判しません 。
 「池田*6首相」「大平*7首相」「鈴木*8首相」「宮沢*9首相」「河野*10総裁」「谷垣*11総裁」とリベラル派、ハト派が多かった宏池会の流れをくむ岸田派を産経が敵視する一方で「岸*12派の流れをくむ極右派」安倍派に甘いわけです。
 断言してもいいと思いますが、葉梨や寺田が安倍派で「今が安倍政権」なら産経は平然と擁護ではないか。
 とはいえ、過去の宏池会首相、総裁はともかく「軍拡主張の岸田」はおよそリベラル派やハト派とは言えませんが。
 それにしても、「モリカケ桜疑惑の安倍」と比べ、ここまで産経が岸田に冷たいのではもはや「岸田政権崩壊を希望してるのか?」と疑いたくなります。
 とはいえ、仮にそうだとしても安倍死後「会長代理の塩谷氏*13」が事実上会長とはいえ会長狙いの萩生田*14や下村*15らの反対で「正式な会長が決まらない安倍派のていたらく」では、産経が望む「安倍派首相」はありそうにないですが。
 正直、岸田が図に乗ってるのも「茂木派ボスの茂木幹事長」以外は派閥領袖で「首相狙い」といえる人間がいないからでしょう。
 「二階派」二階元幹事長や「麻生派」麻生副総裁が「首相を狙ってる」とは思えないし、「政治力衰退を恐れて、田中角栄元首相が竹下登*16禅譲するのを嫌った」ように、二階、麻生両名とも「派閥を禅譲する気もなければ」、派閥ボス退任を助長しかねない「自派閥からの総裁候補擁立」も考えてるようには見えません。


【産経抄】11月12日 - 産経ニュース

 トランプ米前政権で国防戦略をまとめたコルビー元国防次官補代理が、雑誌『ウェッジ』11月号への寄稿文で訴えていた。日本の防衛は嘆かわしいほど不十分だというのである。
 コルビー氏は、防衛力を強化しない日本は日米同盟の崩壊を招くと警鐘を鳴らす。所得の3・5%以上を防衛に費やす米国民の間で、日本は無気力で不公平だとの認識が生まれるからである。
「米国民がなぜ、自分自身を犠牲にする気がない人たちのために多大な犠牲を払わなければならないのか」

 現状においても日本の軍事費は巨額なので「ふざけるな」としか言い様がないですね。
 そして「現状の軍事費が米国にとって巨額」と思えば減らせばいいだけのことです。
 「米国にとって利益」と思うから巨額の軍事費を使ってるのであって、それは同盟国(日本に限らない)のためでも何でもない。
 恩着せがましい発言も大概にして欲しい。
 そもそも「トランプ政権の幹部を持ち出す」など1)今はバイデン政権、2)共和党内穏健保守派の反トランプが強いのでトランプが復権する可能性は決して高くないという意味で馬鹿げていますが。

*1:1973年9月に南米チリで発生した軍事クーデター最中に起きた米国人男性チャールズ・ホーマン失踪事件を描いた『ミッシング』で1982年にアカデミー脚色賞、カンヌ国際映画祭パルム・ドールを、ハンガリーにおけるユダヤ人虐殺を描いた『ミュージック・ボックス』で1990年にベルリン国際映画祭金熊賞を受賞

*2:1893~1986年。『日本工業新聞』(現在の『産経新聞 』)創業者

*3:産経にとって都合のいいおべっかを言ったからと言って「第一人者呼ばわり」です。大笑いしました。何が根拠なのか。

*4:著書『言論統制』(2004年、中公新書)、『メディア社会』(2006年、岩波新書)、『輿論と世論』(2008年、新潮選書)、『増補・大衆宣伝の神話』、『増補・八月十五日の神話』(以上、2014年、ちくま学芸文庫)、『青年の主張』(2017年、河出ブックス)、『現代メディア史・新版』(2018年、岩波テキストブックス)、『テレビ的教養』(2019年、岩波現代文庫)、『流言のメディア史』(2019年、岩波新書)、『「キング」の時代』(2020年、岩波現代文庫)、『メディア論の名著30』(2020年、ちくま新書)、『負け組のメディア史:天下無敵・野依秀市伝』(2021年、岩波現代文庫)など

*5:第一次安倍内閣経産相、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相、自民党政調会長、選対委員長(第二次安倍総裁時代)などを歴任した安倍の子飼い

*6:吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*7:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*8:池田内閣郵政相、官房長官、佐藤内閣厚生相、福田内閣農林相、自民党総務会長(佐藤、田中、大平総裁時代)などを経て首相

*9:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*10:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官自民党総裁、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*11:小泉内閣国家公安委員長財務相福田内閣国交相自民党政調会長(福田総裁時代)、総裁、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第二次安倍内閣法相など歴任

*12:自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相などを経て首相

*13:麻生内閣文科相自民党総務会長(谷垣総裁時代)、選対委員長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*14:第四次安倍、菅内閣文科相、岸田内閣経産相などを経て自民党政調会長

*15:第二次安倍内閣文科相自民党選対委員長(第二次安倍総裁時代)、政調会長(菅総裁時代)など歴任

*16:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣首相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相