今日の産経ニュース(2022年11/15、16分)(副題:改めて『前衛』2019年7月号の記事を紹介する)

北海道百年記念塔 存続派が東京で集会 「保持すべき建築文化財」 - 産経ニュース
 「建築物の解体」と言えば「約3年前」の拙記事新刊紹介:「前衛」7月号(追記あり:映画『ハーヴェイ』のネタばらしがあります) - bogus-simotukareのブログ(2019.6.10)で

◆旧都城市市民会館(都城市民会館 - Wikipedia参照)
 1966年に菊竹清訓の設計により完成。メタボリズム建築の代表作の一つとされ、2006年にはDOCOMOMO JAPAN選定「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定されている。
 文化的価値を理由に保存を訴えるユネスコや日本建築学会などの意見に配慮し「映像記録&模型制作」するが「建物老朽化」と「修復、維持にかかる高額な費用」を理由に建物自体は2019年に都城市が解体

の解体を取り上げ、id:Bill_McCrearyさんから

新刊紹介:「前衛」7月号(追記あり:映画『ハーヴェイ』のネタばらしがあります) - bogus-simotukareのブログのコメント欄
id:Bill_McCrearyさん
 古くなっている公共建築といえば、群馬県高崎市にある群馬音楽センターは、高崎市民にも非常に人気のあるホールですので、新しいホールができても現段階取り壊される予定はないようですね。
【年の瀬記者ノート】「群馬音楽センター」の今後は 「音楽のある街・高崎」牽引を(1/2ページ) - 産経ニュース2018.12.28
 まあこういっては最終段階の回答ですが、やはり市民の熱意が、このような公共建築の行く末を決めるんでしょうね。

とのご意見も頂きましたが、今回も同じでしょう。
 今回「産経らウヨ以外は『解体反対』とは騒いでないらしい」、つまり「文化的意義があるか疑わしい北海道百年記念塔」と違い、ユネスコや日本建築学会が文化的価値を理由に保存を訴えた『旧都城市市民会館』ですら都城市は「修復、維持にかかる高額な費用」を理由に解体し、それを都城市民も容認しました(ただしユネスコなどの意見に配慮し「映像記録&模型制作」はした)。
 ある意味経済のほうが政治よりよっぽど現実(実状)に正直だ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)といっていい。
 「文化財としての価値→建物自体を保存(政治)」という主張は「でも維持に金がかかるじゃん」「維持にかかる金で都城市には別のことをして欲しい」「日本建築学会やユネスコが維持費を出すわけじゃないんでしょ?」という経済に勝てなかったわけです。
 今回も同様に「修復、維持にかかる高額な費用」は北海道による解体は不可避でしょう。何せ文化財的価値があるかどうかが怪しいですし。


外務省、領事事務所長を懲戒免 詳細は非公表 - 産経ニュース

「被害者のプライバシーを守るため公表は控える」としている。

 意味不明すぎて「おいおい」ですね。懲戒免職ならそれは「重大な犯罪行為や不祥事」でしょう。それを明らかにしないとはふざけています。当人を不当にかばってるか、外務省の責任問題追及を恐れて隠してると疑われてもおかしくない。
 「被害者のプライバシー」云々と言うことは「部下に対するパワハラやセクハラ」か。
 しかし「被害者を特定しない形」である程度情報を明かすことはできるでしょう。それとも「妻に対するDV」など「被害者が特定されざるを得ない不祥事」なのか。それにしたって「何があったか」すら分からないというのは論外でしょう。
 「妻に対するDV」で「妻が公開を望んでない」と仮に仮定したとしても「親密な関係にある人物への不当な暴力行為(その人物が誰かは当人の希望で明かせない)」とか、いくらでもマスコミに情報提供できるのではないか。


米下院議長候補にマッカーシー氏選出 共和党 - 産経ニュース
 上院での共和党敗北、下院での共和党伸び悩み(過半数は確保し、民主党に勝利すると思われるが事前予測ほどの大勝ではない)から「反トランプのマッカーシー氏」がトランプ派を破り、共和党の下院議長候補となったことを素直に喜びたい。この中間選挙が「トランプの没落&共和党の正常化」につながればいいのですが。


【産経抄】11月16日 - 産経ニュース

 野口英世*1は、福島県の貧農の家に生まれた。医師への道を開いたのは、1歳5カ月のとき左手に負ったやけどだった。 
▼母のシカが目を離したすきに囲炉裏(いろり)に落ちた。農作業ができないのなら学問で身を立てさせるしかない。自責の念にさいなまれるシカは、寝る間も惜しんで働き、息子を学校に通わせた。偉人伝の前半の読みどころだが、美談と悲劇は紙一重である 
大阪府岸和田市の市立保育所の駐車場に止めた乗用車内で12日夕方、保育所に通う女児(2)が意識不明の状態で見つかった。搬送先の病院で熱中症による死亡が確認された。父親によるとその日朝、娘3人を乗用車に乗せて自宅を出て、長女(4)と三女(1)を別の認定こども園に送り届けた。そのまま帰宅、夕方になって保育所に迎えに行き次女の預け忘れに気づいた 
▼まさか親が子供を車に置き去りにするとはと、衝撃を受けた人がいるかもしれない。実は同様の事故は過去にもある。専門家は、子供への愛情の深さに関係なく、油断により誰にでも起こり得ると指摘する 

 こういう事件が起きると「親としての愛情が足りない」と悪口する輩もいますが、それとは違うまともな記事だと思います。


中条きよし氏「新曲買って」 参院文教委で発言、修正へ - 産経ニュース
 維新らしい無茶苦茶さで心底呆れます。過去にタレント議員は多数いますがここまで酷い人間も珍しいのではないか。
 というか「それでもプロの歌手か?」ですね。
 こんなことを言ったら「そんな無茶苦茶な宣伝を国会でしないといけないほど落ちぶれてるのか(実際、中条は落ちぶれてるのかもしれませんが)」と馬鹿にされるかもしれないと思うのが「普通のプロ」ではないか。


中条きよし議員、質疑中の新曲PRを陳謝 芸能活動引退の意向表明 - 産経ニュース
 むしろ政治家を引退しろと言いたい。こんなことを言うなんてやはり芸能人としてオワコンなのでしょう。だからこそ政治家に転身した。
 芸能人として儲かってれば「当人は勿論、引退したがらないし、所属事務所など彼の周囲が引退を許さない」でしょう。
 「例は何でもいいです」が例えば松竹のドル箱となった『男はつらいよ』が山田監督や主演・渥美清の一存で辞めるわけにいかなかったのと同じ話です。山田はともかく渥美は明らかに『男はつらいよ』の存在が重荷になっていたと思います。これについてはけっきょく渡哲也は、渥美清と同じ轍を踏んだと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)や拙記事渥美清で色々と書いてみる - bogus-simotukareのブログを紹介しておきます。
 あるいは「名探偵コナン青山剛昌)」「ドラえもん藤子・F・不二雄)」など「一部の人気マンガ」ももはや「出版社のドル箱」で

名探偵コナン
 テレビアニメ(日本テレビ系列の読売テレビ)、アニメ映画(東宝:1997年から年1回のペースで作成)
ドラえもん
 テレビアニメ(テレビ朝日)、アニメ映画(東宝:1980年から年1回のペースで作成)

などは「テレビ局や映画会社にとってもドル箱(昔と比べテレビ、映画のアニメ人気が落ちてるにしても)」で、「山田や渥美の場合と同様に」もはや作者(青山や藤子F)の一存では辞められないわけです。
 中には

ゴルゴ13さいとうたかを死後もさいとうプロで小学館ビッグコミック』に連載継続)
日本テレビアニメ「それいけ!アンパンマン」(やなせたかし原作)
→1989年から年1回のペースでアニメ映画化
◆フジテレビアニメ「ちびまる子ちゃん」(さくらももこ原作)、「サザエさん」(長谷川町子原作)
→「ちびまる子ちゃん」は東宝で過去に三度(1990年、1992年、2015年)、アニメ映画化
テレビ朝日アニメ「クレヨンしんちゃん」(臼井儀人原作)
→1993年から年1回のペースでアニメ映画化(東宝が配給)

など作者の死後も続いてるケースもある(藤子「ドラえもん」のテレビアニメ、アニメ映画も勿論その一つです)。
 しかし上に上げたマンガの「アニメ映画化」の多く(クレヨンしんちゃんちびまる子ちゃんドラえもん名探偵コナン)が東宝であるのは「東宝にとってアニメ映画はかなりのドル箱なのだろう」と感じさせます。


再発防止の指針策定へ 五輪汚職で検討PT設置 - 産経ニュース
 指針策定よりまず先にすべきことは「情報公開」や「疑惑追及の調査」ではないのか。


【欧州を読む】政治不信高まる英国 保守党、カオスに陥る - 産経ニュース
 「無料部分しか読めませんが」、無料部分に書いてあることは「保守党への不信」ではあっても「政治への不信」ではないと思います。


【政界徒然草】「接種控え」広がる中 ワクチン慎重議連が活動 - 産経ニュース

 「子どもへのワクチン接種とワクチン後遺症を考える超党派議員連盟」(会長・川田龍平*2参院議員=立憲民主党)が活発に活動している。

 まともな議連なら反対はしませんが、「途中までしか読めないこと」で、この産経記事ではそれがよく分かりません(会長が立民の川田と言うことで産経だと有料部分で、立民にこじつけた悪口をしている疑いもありますが)。
 小生も

Qアノン日本版メンバーか、4人逮捕 ワクチン接種の会場に侵入容疑:朝日新聞デジタル2022.4.7
 新型コロナウイルスのワクチン接種を行っていた医療機関に無断で立ち入ったとして、警視庁は7日、反ワクチン団体「神真都(やまと)Q会」のメンバーとみられる4人を建造物侵入の疑いで現行犯逮捕した。

が批判する【神真都(やまと)Q会(日本版Qアノン)】のような異常な反ワクチン団体を擁護する気は勿論ありませんが、一方で【1】議連名から見て、この議連が問題にしてるのは「子どもへの接種」限定らしいこと、【2】当初は国(岸田政権)も「子どもへの接種」には積極的ではなかったことを考えれば、詳しい検討もせずにこの議連を「日本版Qアノン」扱いする気もありません。
 この議連について適切に評価できる何かいい記事があればいいのですが。
 なお、「子どもへのワクチン接種とワクチン後遺症を考える超党派議員連盟」発足 — 家田 堯 | アゴラ 言論プラットフォーム(2022.6.15)によれば「その後、新規入会や退会で増減した可能性があります」が、川田以外の議員は

衆議院議員阿部知子*3源馬謙太郎*4、多ヶ谷亮*5辻清人*6中島克仁、野間健*7山田勝彦*8
参議院議員須藤元気、芳賀道也

とのこと。

*1:野口の業績のうち最大とされるのは、梅毒スピロヘータの発見である。一方で、のちに否定された研究業績として挙げられるのが病原性梅毒スピロヘータの純粋培養と黄熱病の研究である。急性灰白髄炎(ポリオ、小児麻痺)、狂犬病、黄熱病、トラコーマの病原体発見の業績に関しても、のちにウイルスなど、別の病原体であることが判明していることから否定されている(野口英世 - Wikipedia参照)。

*2:立憲民主党両院議員総会

*3:社民党政策審議会長、日本未来の党代表兼幹事長、みどりの風代表代行、民進党副代表、立憲民主党両院議員総会長などを歴任。

*4:立憲民主党副幹事長(国際局長兼務)

*5:れいわ新選組国対委員長

*6:第四次安倍内閣外務大臣政務官

*7:国民新党政調会長国対委員長

*8:菅内閣農水相を務めた山田正彦の息子(世襲議員