今日のロシアニュース(2022年11月15日分)(副題:ウクライナのポーランド誤爆疑惑)(追記あり)

露軍のミサイルがポーランドに着弾、2人死亡 AP通信など報道 - 産経ニュース
 今まで「ウクライナ以外への攻撃などなかった」し、ウクライナ戦争で苦戦する中「他国を軍事攻撃しても」ロシアの立場が悪くなるだけ(国際的非難は免れないし、ポーランドウクライナと違いNATO加盟国なので、NATOウクライナ戦争参戦理由には一応なり得る*1と思われる)ですし、着弾場所は

ウクライナとの国境に近いポーランド東部

だそうですし、事実としても「ウクライナ攻撃がポーランドに外れた誤爆ではないか*2」と思いますね*3
 勿論誤爆であっても問題行為ですが。
 そして誤爆であっても「今のロシア」では「事実無根」と居直りそうなのが何ともかんとも。
 いずれにせよ「今後のロシアやNATOの動き」が注目されます。
【追記】
ポーランドのミサイル 米大統領 “ロシアからとは考えにくい” | NHK | ウクライナ情勢
ポーランドがNATOに協議要請検討…ミサイル着弾で、バイデン氏「露から発射の可能性低い」 : 読売新聞オンライン
「ロシアからとは考えにくい」ポーランド着弾ミサイルでバイデン氏 | 毎日新聞
 バイデンに嘘をついてまでロシアをかばう理由はないでしょう。意外な発言ですが、これが【1】バイデンの懸念通り実はロシアではない(ロシア以外の、むしろロシアに批判的な西側メディアからもウクライナ軍の迎撃ミサイルか ポーランド着弾、真相究明―米:時事ドットコム元陸自幹部分析、「露空対地ミサイル迎撃に失敗か」 - 産経ニュースとして「ウクライナ誤爆*4」が一つの可能性として出ています)、【2】実はロシアの犯行だが、バイデンの当初得ていた情報ではそのようには認識できなかったのか、どちらなのかが注目ですね。いずれにせよ現時点では「ロシアの犯行」と断定することは無理なようです。
 そして「ロシアの犯行」と決めつけず、バイデンが慎重な態度を取ってることは評価できると思います。薄弱な証拠でロシアの犯行と決めつけてそれが間違いだったとなれば、「ロシアを利すること」にもなりますので。
 いずれにせよ、もし「ウクライナ誤爆」であるのならば、その点についてはウクライナは批判されて当然でしょうし、ポーランドに謝罪すべきでしょう。まずはウクライナが「ウクライナ誤爆説」に対して調査に応じるかどうかですね(勿論ロシア犯行説の調査も同時並行ですべきですが)。
 それが果たしてゼレンスキーにできるかどうかが「一つの問題」ではあるでしょう。
 「ロシアのデマに加担するのか」でゼレンスキーが調査要求から逃げたら、あるいは「ロシアがミサイル攻撃しなければ迎撃しなかった、たとえウクライナ迎撃ミサイルの誤爆でも悪いのはロシアだ」と居直ったりしたら、その時点で「化けの皮が剥がれた」「お里が知れた」といっていいでしょう。


岸田首相、ロシアを非難 ポーランドミサイル着弾で - 産経ニュース
ポーランド落下ミサイル NATO「ウクライナの防空ミサイルか」 | NHK | ウクライナ情勢
 バイデンに続いて、NATO事務総長や岸田首相からも「ウクライナ誤爆説」支持発言です。彼らに嘘をついてまでロシアをかばう動機はないので、もはや「ウクライナ誤爆」は間違いなさそうです。
 しかし

岸田首相、ロシアを非難 ポーランドミサイル着弾で - 産経ニュース
 岸田文雄首相は16日、ウクライナに隣接するポーランド東部に着弾したミサイルの発射元について「(ボーガス注:ロシア誤爆説、ウクライナ誤爆説など)さまざまな見方がある」と指摘した上で、「(ボーガス注:ウクライナ誤爆だとしても)そもそもウクライナ各地でロシアによるミサイル攻撃が続いている中で、今回の爆発が起こった(ボーガス注:のでウクライナは悪くない、と言いたい?)」との認識を示した。

ポーランド落下ミサイル NATO「ウクライナの防空ミサイルか」 | NHK | ウクライナ情勢
 ポーランド国内に落下*5したミサイルをめぐって、NATO北大西洋条約機構のストルテンベルグ*6事務総長は16日、記者会見を開き、詳しい状況はまだ調査中だとしたうえで「意図的な攻撃だったことを示す情報も、ロシアがNATOに対して軍事行動の準備を進めていることを示す情報もない」と述べました。
 そして「初期の分析では、ロシアの巡航ミサイルによる攻撃から国を守るための、ウクライナの防空ミサイルによって、引き起こされた可能性がある。ただ、はっきりさせたいのは、ウクライナが悪いのではなく、不法な戦争を続けるロシアが最終的な責任を負っている」と強調しました。

ねえ。赤字部分には「おいおい」ですね。ウクライナの法的、道義的責任を追及しない気なのか?。どんな理由があれ、誤爆で人が死んだ以上、「ロシアの侵略が悪い」で済む話ではないでしょうに。ちなみに産経も

【主張】ポーランド着弾 露の責任厳しく追及せよ - 産経ニュース
 バイデン米大統領は、軌道からみて、着弾したのはロシアが発射したミサイルではないという見方を示した。ポーランドのドゥダ大統領は、ウクライナの迎撃ミサイルが落下した可能性が高いと語った。
 ロシアの非道な侵略とウクライナへのミサイル攻撃がなければ、今回の悲劇はもとより起き得なかった。責任が全面的にロシアにあることは明白である。

でほとんど同様のウクライナ擁護をしています。
 警官が暴徒に対して発砲したら、誤射による流れ弾で一般住民が死んだ際に「暴れる暴徒が悪い、警官は悪くない」と言うレベルの暴論です(BLM運動の発端となった白人警官の黒人容疑者殺害でこれに近い「暴れるのが悪い」を言っていたのが米国保守派ですが)。いかに相手が犯罪者であろうと「死なせたこと」に故意や過失があれば勿論、犯罪が成立します。
 大体この産経の理屈なら「太平洋戦争時の米国の行為(例:東京大空襲)」も「そもそも真珠湾攻撃した日本が悪い」で全て正当化できるでしょう。
 あるいは「産経が悪口する通州事件」も「そもそも中国侵略する日本が悪い」といえるでしょう。勿論産経はそういう立場ではないですが。
 勿論、「今回の誤爆」を理由に「ウクライナ支援を完全に打ち切る」と言うことはあり得ないとは言え、ウクライナに「謝罪要求」すらしないのなら論外でしょう。勿論、本来ならゼレンスキーの側が進んで謝罪表明すべきですが。
 まさかとは思いますが「ロシア打倒のためならこの程度の誤爆NATOポーランド等に黙認してもらえる」とゼレンスキーは思い上がってるのか?
 本来なら、NATOが「謝罪ぐらいしないのなら今後はウクライナの要求に応じることは考え直さざるを得ない」「ロシア打倒のためならこの程度の誤爆は許されると、ウクライナが思い上がり、勘違いしてるのなら大きな間違いだ」ぐらい厳しいことを言ってもいいでしょうに。このような「ウクライナに甘い態度」は【1】ロシアにNATOウクライナ批判の口実を与えるとともに、【2】「何をやっても俺たちは黙認してもらえる」とウクライナの暴走を助長しかねないでしょう。


ゼレンスキー氏「露軍が発射」 ポーランドへのミサイル落下 米と見解相違 - 産経ニュース

 米国家安全保障会議(NSC)のワトソン報道官は16日、落下したミサイルがウクライナの防空ミサイルであっても「最終的な責任はウクライナへのミサイル攻撃を続けるロシアにある」とする声明を発表した。北大西洋条約機構NATO)のストルテンベルグ事務総長も同様の見解を示した。
 米NSCのワトソン氏は声明で、落下したミサイルはウクライナが運用する露製防空システムから発射されたものである可能性が現時点で最も高いと指摘。ウクライナはロシアのミサイル攻撃に対して自衛権を発動したに過ぎず、結果的にポーランド市民が死亡した「悲劇的事故」の責任はロシアにあるとした。
 ストルテンベルグ氏も16日の記者会見で、ミサイル落下について「違法な戦争を続けるロシアに最終責任がある」と指摘した。

 無茶苦茶ですね。誤爆した以上、ウクライナが「無罪」というわけにもいかないでしょうに。そんなにウクライナ批判をしたくないのか(呆)

 ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、落下したミサイルは露軍が発射したものだとウクライナ軍が報告したとし、「私は露軍のミサイルであることを疑わない。一緒に戦う軍を信じない理由はない」と強調。

 予想の範囲内ですが「やはりゼレンスキーはクズだった」と言うべきでしょう。
 「ロシアだけがウクライナ誤爆を主張」ならともかく「NATOや米国もウクライナ誤爆説」なのに何でこんな無茶苦茶な態度なのか。
 ゼレンスキーの性格がクズなのか、あるいは厳しい情報統制か敷かれているロシアよりも、「セルフ情報統制」している日本の方が大問題: 白頭の革命精神な日記のコメント欄でで白頭氏がその可能性を指摘していますが、「もともとはコメディアンで政治素人のゼレンスキー」の政治基盤が予想以上に弱く「軍の意向を無視できない」のか。
 今回の誤爆が「重大な過失で、本来、回避可能だった」のか、「過失とは言いがたいような些細な過失で、回避は困難」だったのかはともかく、たとえ後者でも死者が出た以上「謝罪の意思」を表明するのが当然でしょうに(前者なら勿論謝罪して当然)。

*1:もちろんだからと言って「自動参戦」が義務づけられてるわけではないでしょうから、参戦するとは限りませんが。

*2:とはいえ「NATOと全面戦争になっても構わない」「(逆に)この程度ではNATOと全面戦争にはならずむしろロシアの戦意高揚になる」「ポーランドの自作自演などと居直ればいい」等と言う考えによる「プーチンの無法」や「プーチンを無視した『関東軍満州事変』的な軍部の暴走」(つまり意図的なポーランド攻撃)の可能性は全否定できないとは思います。そもそもウクライナ侵攻やブチャの虐殺自体が無茶苦茶ですからね(追記:後述しますが西側メディアからもウクライナ誤爆説が出てきました。

*3:疑えば「NATOの自作自演」の可能性もありますし、恐らくロシアはそういうのでしょうが、その可能性はひとまず無視します(追記:後述しますが西側メディアからもウクライナ誤爆説が出てきました。)

*4:さすがに「誤爆」であって「ロシア批判を国際社会に生み出すためのウクライナの故意の自作自演」ではないと思いますが、もし仮にそうした「黒い企みがある」ならウクライナはいっそう非難されて当然です。

*5:産経記事が「着弾」なのに対し、NHKが「落下」と表現しているのには苦笑しました。おそらくロシアの誤爆なら「着弾」と表現したでしょう。「ウクライナに甘い日本政府」への「国営放送らしい忖度」でしょうが、どこまでウクライナに甘いのか。

*6:ノルウェー産業相、財務相、首相を歴任