今日の産経ニュース(2022年11/27~28分)

被害者救済新法 立民は強硬姿勢、孤立リスクも - 産経ニュース
 政府案をどう評価すべきか(宗教二世や弁護団は否定的、批判的なようですが)ではなく「立民の孤立リスク」云々などと言う「統一協会撲滅」と関係ない記事を書く産経には心底呆れます。しかし「維新や国民民主にすり寄った結果」、両党の思惑で政府案に賛成するかどうか立民は決めるらしい(両党が賛成するならば今後の選挙協力狙いで同調して賛成する気らしい)と言う産経記事が事実ならば1)宗教二世や弁護団を無視してると言う意味でも、2)共産、社民、れいわとの野党共闘を勝手にぶち壊してる(しかもそんなことをしてもどう見ても立民の支持増加につながってない)という意味でも「最低最悪」ですね。
 立民支持層のかなりの部分(市民連合は典型ですが)はリベラル層でしょうから、こんなことをすれば立民からリベラル層の支持はどんどん離れていきます。一方で「右派の票が自民、国民民主、維新から奪えるか」と言えば恐らくそう上手くはいかないでしょう。「あるべき政治」と言う面を無視して「党勢拡大」という「損得勘定の面だけ」でも今の泉路線は「支持層を失う自滅の道」でしょう。というか参院選での惨敗がまさにそうでしょう。


岸田首相、防衛費増額にコロナ予算活用検討 収束後に - 産経ニュース
 コロナが今後どうなるかわからないのに「当てになるか分からない金(コロナ予算)」のことを持ち出すこと自体「いかに岸田の軍拡路線が無茶か」ということです。「とにかく何でもいいから金が欲しい」と言うみっともない話ですから。にもかかわらずマスコミ世論調査では「軍拡について批判が必ずしも強くない(むしろ支持が多い)」のには「日本人はアホか」とげんなりします。とはいえ、「まだ抽象的で具体案が出てないから」というのも「批判の弱さの一因」ではあるでしょう。
 「どうやって金を捻出するのか」等の具体案が出ればさすがに批判が高まってくると思いたいところです。


岸田内閣支持率は最低の33%、共同調査 - 産経ニュース
 俺的には「まだ高い」「日本人(特に自民党支持層)はアホか」ですが岸田政権支持率が低迷することは悪いことではない。


【正論】坂本多加雄先生の没後20年に 学習院大学教授・井上寿一 - 産経ニュース
 吹き出しました。坂本*1などウヨ業界ですらそれほどのビッグネームではないでしょう。
 ちなみに単なる偶然でしかありませんが「新しい歴史教科書をつくる会理事*2」という「歴史修正主義右翼」坂本が亡くなった2002年には、「坂本のようなウヨに批判的な」家永三郎*3(東京教育大名誉教授)が亡くなっています。


秋葉復興相、被災地視察見送りを陳謝 - 産経ニュース
 さすがに「野党が因縁をつけるせいで視察できなかった」と言う気はないようです。まさか「無意味な視察ではない」でしょうから「疑惑で業務に支障が出る」ようでは大臣辞任が当然でしょう。


【門井慶喜の史々周国】旧武士が滅び去った場所 東京都千代田区・紀尾井坂 - 産経ニュース

 西南戦争のごときは一万人ほどが命を落とした。彼らは結局、あんまり気位が高すぎたのである。毎年何もしなくても着々とお米がもらえる立場にあまりにも慣れ親しみすぎていた。

 おいおいですね。後世の我々の目から見れば、仮にそう見えたとしても、当時の武士は少なくとも主観的には勿論「幕臣(幕府の家臣)」や「藩士(藩の家臣)」として働く「代価」として米をもらっていたわけです。無為徒食であるかのように評価するのは失礼ではないか。廃藩置県秩禄処分とは従って、旧武士の主観的には「明治新政府」が勝手な理由で武士の職を奪った上、ろくにその後の面倒も見ないと言う話であり、憤激し反乱を起こすのも当然でしょう。
 それはともかく、大久保暗殺があった紀尾井坂ですが、果たしてそれを「旧武士が滅んだ場所」と評価すべきかどうか(武力反乱路線が滅んだというならともかく)。確かに「武力反乱(佐賀の乱萩の乱秋月の乱西南戦争など)」「暗殺」と言う形での政府批判は「ほぼなくなった(その後も森有礼暗殺などあるので全くなくなったわけではない)」とは言え「自由民権運動」の担い手の一つは旧武士でした。武力反乱の挫折が旧武士を「自由民権」に向かわせたわけです。


【フォト】日本、コスタリカに黒星 「次は勝とう」声援やまず - 産経ニュース
 つまりは日本の「ドイツへの勝利」は「相撲での金星(金星を取った力士が必ずしも優勝争いに加わってるわけではなく、場合によっては負け越す力士すらいる)」と同じでコスタリカと日本の差は大きくなかったわけです。
 勿論そんなことは、日本代表も理解していたでしょう。「ドイツに勝った俺たちはコスタリカには楽勝して当然」のような油断など全くなかったと思います。
 しかし、1)コスタリカが前の試合で「7-0」でスペインに大敗したため、日本にはどうしても勝ちたかったこと、2)日本がドイツに勝利したことでコスタリカが日本を警戒し、徹底的に調査研究したことを日本は崩すことができませんでした。
 勿論「強豪スペインに日本が負けることはほぼ確実(ドイツへの勝利に続く再びの奇跡は、スペインも勿論警戒してるから困難でしょう)」「コスタリカは勝てない相手では恐らくなかった」ことを考えれば残念ですが、気を取り直して残りの試合に全力投球で「1次リーグ突破」を目指すしかないでしょう。

*1:1950~2002年。学習院大教授。著書『山路愛山』(1988年、吉川弘文館人物叢書)、『近代日本精神史論』(1996年、講談社学術文庫)、『新しい福沢諭吉』(1997年、講談社現代新書)、『歴史教育を考える』(1998年、PHP新書)、『求められる国家』(2001年、小学館文庫)、『国家学のすすめ』(2001年、ちくま新書)、『スクリーンの中の戦争』(2005年、文春新書)、『天皇論』(2014年、文春学藝ライブラリー)など

*2:この産経記事に「つくる会と坂本の関係」について一切書いてないことが興味深い。産経も内心では「つくる会理事」と書けば、坂本が「非常識極右扱いされること」をよく分かってるのでしょう。

*3:1913~2002年。著書『戦争責任』、『太平洋戦争』(以上、2002年、岩波現代文庫)、『一歴史学者の歩み』(2003年、岩波現代文庫)など