今日の産経ニュースほか(2022年12/10~13分)

近現代史研究家 阿羅健一氏 根拠なき政府見解は撤回を - 産経ニュース
 南京事件否定のデマ右翼を「近現代史家」扱いとはふざけるのも大概にしろという話です。
 それにしても

南京事件はなかった、目覚めよ外務省!」(展転社

ねえ。過去には『「南京事件」日本人48人の証言』(2001年、小学館文庫)ということで小学館から著書を出したことがある阿羅ももはや今では展転社くらいしか相手にしてくれないわけです。なお、南京事件否定論については南京事件−日中戦争 小さな資料集を紹介しておきます。メジャーな否定論なら、このサイトに「どこがデマなのか」分かりやすく批判が書いてあります。


立民「反撃能力」早期の意見集約困難に リベラル系反発 - 産経ニュース

 座長を務める玄葉光一郎*1元外相らは、日本側からの「先制攻撃」ではないことを明確にしたうえで、反撃能力を別の表現に呼び変え、条件をつけた上で事実上容認する方向で意見集約を目指している。

 「岸田の軍拡増税発表」といい、この件といい「12/10の土曜」に国会が閉会してからやりだすことが「姑息」「卑怯」と思いますね。
 明らかに「国会開会中にやったら」、「野党の追及を受ける(岸田)」「大問題になって泉執行部が立ち往生する(泉)」、だから「国会が閉会して、また慌ただしい年の瀬にやれば、あまり騒がれないのでは(年明けだと騒がれる)」ということなのでしょう。
 改めて「共産支持、この道しかない(自民のアベノミクス宣伝風に)」と確信しました。俺の知る限り共産はこんな卑怯者ではないので。
 1)維新や国民民主は「極右」の上に「今回の岸田や泉に負けず劣らず、甲乙つけがたい卑怯者」ですし、
 2)れいわは「MMT国債はどんなに発行しても無問題)支持」「山本の天皇直訴(田中正造北原泰作*2などの時代とは違い時代錯誤)」「ロシアへの甘い態度」など支持できない面が多い上に山本太郎の個人商店
 3)社民党は政策的には支持してもいいのだが、最近の世論調査では党勢が共産どころかれいわや参政党すら下回っており、しかも「辻元清美氏」など幹部連がどんどん「民主党系(後継の立民含む)」に移籍する有様、今後も移籍者が出て最終的には党消滅すら危惧される
となったら「共産支持、この道しかない」わけです。
 それはともかく、今ですら「維新へのすり寄り」で(地方での個別の共闘はともかく)中央においては壊滅状態に近いといっていいであろう野党共闘ですが、こんなことをすれば「敵基地攻撃能力に反対」を表明する共産党としても公式に「共闘打ち切り」を表明せざるを得ないでしょう。既に「敵基地攻撃能力反対」を表明している市民連合もさすがに「縁切り」を表明せざるを得ないでしょう。連合傘下労組だって左派系の労組はこんな方針にはとても従えないでしょう。
 ということで、立民にとって左派、リベラルの票は確実に減りますが、とはいえ「自民や維新、国民民主」から立民に右派の票が動く保証は全くありません。というか「泉の提案型野党の失敗(参院選での敗北)」は「そうした右派路線が、政治倫理等(あるべき政治の姿)を無視し、損得勘定オンリーでも立民にとって不利益」であることを証明してるでしょうに、何をとち狂ってるのか、泉執行部は「党方針をもっと右に寄せたい」というのだから呆れて二の句が継げません。
 自民党や国民民主、維新と何の違いがあるのか。もはや泉立民はこれらの政党のどれかと正式に一緒になったらどうか。
 一方、党内リベラル派とやらも「泉執行部の方針にさすがに反対*3」はしたものの、市民連合共産党、れいわ新選組社民党、「連合内部の左派労組」などと連携し「党を敵基地攻撃能力反対の方向」にもって行く気概も、集団で抗議離党する気概もないようです。
 どうみても今の立民は「自滅の道」でしかない。もはや立民も衰退し、四分五裂して弱小勢力に落ちぶれ、維新の後塵を拝する日も近いのではないか(そうなることを「アンチ維新」「野党共闘支持」の俺は勿論希望していませんが)。
 しかし「衆院選の敗戦による枝野退陣&維新の議席増」以降の「泉立民の野党共闘破壊」には「衆院選挙の不振が無念だ」と思う反面、「選挙の勝敗など損得勘定だけで動いており信念がまるでないらしい立民連中*4」とは「いずれこうした破局がきた」のであり「やむを得ない(苦い思いですが)」とも思う気持ちもあります。一回や二回の後退で「あるべき政治の姿無視」で「野党共闘より維新にすり寄った方がいいのでは」などとぐらつくようでは話になりません。しかもそうしたところで今のところ何ら「支持率アップ」等の成果は出てませんからね。


茨城県議選 自民勢力維持も有権者の視線厳しく - 産経ニュース

 県連幹事長を含む10人が落選した。ただ県連は、落選した10人のうち「(少なくとも)8人は保守系と対決した結果」(梶山弘志*5会長)と分析。今後、新人の保守系議員が会派に入れば、自民は選挙前とほぼ同等の勢力を維持しそうだ。

 産経の言う「現有維持」とは「選挙後、(自民に近いとみられる)保守系無所属議員を自民会派に取り込めば現有維持できる」という「たられば」の話なので産経記事タイトル「勢力維持」は詐欺も甚だしい。「自民現有議席割れ、10人落選、県連幹事長も落選」とでも書くべきでしょうに、どこまで自民擁護すれば気が済むのか。
 実際他社は自民が保守王国・茨城の県議選で苦戦 県連幹事長ら現職10人が落選(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース茨城県議選で自民は現職10人落選の35議席、維新は初の議席獲得 : 読売新聞オンラインと書いています。
 落選した自民議員の後釜が「保守系無所属」で自民会派入り、あるいは会派入りしないまでも「自民に同調することが多そう」というのは自民批判派として残念です。「共産党など自民批判を鮮明にしてる候補」が後釜ならなお良かったのですが、自民王国茨城で「10人落選し、うち1人が県連幹事長(当然、選挙直後は現有議席を割って議席減)」というのは「自民批判者の俺」にとって嬉しいニュースです。
 岸田としても「地方選で国政と関係ない」で居直るわけにも行かないでしょう。岸田が早晩辞任に追い込まれることを期待したい。
 勿論「1議席に留まるとは言え、維新が初議席獲得」「共産が議席増(2→3または4)を目指し4人擁立したが、現有議席割れ(2→1)」という「悲しいニュース」も一方ではありますが。
 投票率が大幅に下回ったことがやはり共産にとっては不利益に働いたのでしょう。自民王国・茨城ではやはり「投票率をまずは上げる(その上で共産への集票を目指す)」必要があるでしょう(どう上げるべきかは俺も妙案はありませんが)。


「立憲主義守るか問われる」 共産が立民牽制 敵基地攻撃能力めぐり - 産経ニュース
 産経らしいですが牽制ではなく「客観的事実」でしょう。「敵基地攻撃能力」は共産の立場では「違憲」であり、それを認めることは「立憲主義」に反します。「立憲民主党の立憲とは何か」という批判があるのも当然の話です。


維新、防衛財源で「議員定数削減など先行を」 - 産経ニュース
 軍拡自体が間違ってるのであり「費用捻出」の問題ではないのだ、支出削減するならそれは軍事費なのだという批判を強める必要があります。
 勿論これほど巨額の軍拡は「よほど無茶苦茶な福祉切り捨て」でもしない限り増税は不可避という意味でも維新の主張は間違っていますが(と言うか維新も「まずは支出削減」としており、増税を否定しているわけではありません)
 それにしても支出削減が「政党助成金廃止」ならともかく「定数削減」と言う無茶苦茶さが実に維新らしい。


杉田水脈氏の罷免求め意見書送付 アイヌ民族団体、首相らに:東京新聞 TOKYO Web
 いい加減、岸田も杉田を更迭したらどうなのか。

*1:菅内閣少子化等担当相(民主党政調会長兼務)、野田内閣外相、民進党選挙対策委員長岡田代表時代)、立憲民主党副代表など歴任。「次の内閣」外相

*2:1906~1981年。戦前、全国水平社本部常任。戦後、部落解放同盟、全国部落解放運動連合会(全解連:阪本清一郎(1892~1987年)、上田音市(1897~1999年)、木村京太郎(1902~1988年)、岡映(1912~2006年)といった当時の部落解放同盟主流派に批判的なグループが結成)で活動(北原泰作 - Wikipedia参照)

*3:俺のいうような「左派・リベラル票の減少(しかし右派票は増加しない)」は彼らも容易に理解できるでしょう。とくにそれの害悪が大きいのは「左派・リベラル層」を支持基盤とする彼らですし。

*4:とはいえ既に書いたように「政策を右に持って行くこと」で立民が選挙に勝てる保障はどこにもないのですが。というかむしろリベラル、左派票の離反で負けると思いますね。実際、支持率は「枝野時代」や「泉が今ほど維新にすり寄ってなかった時代」と比べて現在、大幅に増えたなどという事実はなく、未だに「支持率で、自民とは大幅な差、枝野退陣となった衆院選の敗戦後に維新に追いつかれて引き離せないどんぐりの背比べ状態」で泉路線が国民から評価されてないことは明白です。

*5:菅内閣経産相梶山静六自民党幹事長の息子。