リベラル21と阿部治平のバカさに呆れる(2022年12月13日分)(追記あり)

リベラル21 「敵基地反撃能力」反対をいうだけでは無力である阿部治平

 自民党の「敵基地反撃能力」論は、世論において断然説得力を持つようになると思う。なぜなら、政府自民党は、ウクライナのロシア領内の軍事基地攻撃をやむを得ないものとする世論を利用して、ウクライナがやるのはやむを得ない、日本がやるのはけしからんという理屈は通らないとして、「敵基地反撃能力」の必要性を展開するだろう。

 松竹も似たようなことをウクライナの露軍基地攻撃は「侵略」か | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Amebaで言っていますが「はあ?」ですね。
 勿論「ウクライナの行為自体が適切かどうかも問題(米国やNATOも表だって反対はしない物の、現時点において積極支持もしてない)」ですが、それは置くとしても「自民党の画策する敵基地攻撃」は「先制ミサイル攻撃」なのだからウクライナの基地攻撃(ロシアの侵攻への反撃なので先制攻撃ではないし、ミサイルではなくドローン使用)とは全く違います。
 そこは「反撃能力(これでは『敵基地攻撃能力』反対の共産党社民党も反対しない専守防衛との区別がつかない)」とまで今や表現を曖昧にしたことでも明白でしょう。
 勿論、阿部や松竹が言うような「自民党や維新など右翼政党の、ウクライナを利用した政治宣伝」の「可能性*1」には警戒すべきですが、そこで「ウクライナと日本は違う」の言葉が一言も松竹や阿部に出てこないことには呆れます。
 また以下の文章(国会開会中の岸田の態度)は「俺の願望込み」ですが、阿部は「あまりにも悲観的すぎないか」。
 過剰に楽観的なのも問題ですが、過剰に悲観的なのも問題です。
 国会開会中、岸田は「敵基地攻撃論」よりもむしろ「統一協会被害者救済法」をアピールしました(共産や被害者弁護士団体などが「有効性に乏しい」と批判する法律の是非はひとまず置きます)。これは「各論反対はあり得ても総論反対はあり得ない」救済法をアピールする方が「総論でも市民連合日弁連、共産、社民など反対が多数ある」敵基地攻撃論アピールより受けるという判断が明らかにあるでしょう。明らかに岸田は「阿部ほど状況を甘く見てない」。防衛増税のアピールが「12/10土曜の国会閉会」の後になったことも恐らく事情は同じでしょう。防衛増税アピールはやろうとすれば12/10以前(国会会期中)にもできたはずです(岸田も全く卑怯な男です。どこが「聞く力」か)。
 またウクライナが実際に行った「具体的な敵基地攻撃」は「ロシアの厭戦ムードを高め、ウクライナの戦意高揚につながる」可能性はありますが「ロシアの継戦能力を完全に破壊したわけではない(そこまでの能力は恐らくウクライナにはない:というかそんな能力があるなら敵基地攻撃ではなく、ロシアをウクライナ全土から追い出してるでしょうが)」ので「軍事的な意味限定でもやるべきだったか疑問符がつく(単にロシアの怒りを昂進させ、無茶苦茶なウクライナ軍事攻撃に拍車をかける恐れ)」点にも注意が必要でしょう。正直あの攻撃は「1942年のドーリットル空襲 - Wikipedia」的な意味(日本の面子は大いに破壊されたが、1945年の東京大空襲などのように継戦能力に重大な打撃を与えたわけではなく、軍事的な意味は乏しい)しかないでしょう。
 しかし自民の画策する「敵基地攻撃」はそんな「ささやかなもの」では明らかにない。
 それにしてもこの阿部の記事は
リベラル21 歴史的暴挙を阻止しよう(岩垂弘)
リベラル21 軍事力拡大ではなく外交力で対立の解決を(岩垂弘)
(阿部や松竹の言うような「ウクライナの敵基地攻撃」云々には特に触れてない)とは大分テイストが違うように思いますが、リベラル21では「敵基地攻撃能力」についてきちんと内部で討論してるのかと言ったら、恐らく何も内部討論などしてないでしょう。そして恐らく今後も議論などしない(というか敵基地攻撃能力以外の問題でも内部討論など過去に全くしてないし、今後もしないのでしょうが)。
 「リベラル」「護憲・軍縮・共生」を自称するメンバーが好き勝手に、自分の書きたいことを書いて内部討論もなくそれで終わり。
 おそらくリベラル21としての「リアルの政治集会」や「政治勉強会」などもしてないのでしょう(多くの政治団体、市民団体はそういうことを勿論しますが)。
 「私たちは護憲・軍縮・共生を掲げてネット上に市民メディア、リベラル21を創った。」などと大言壮語していますが、「夜郎自大」「エコーチェンバー」というかおよそまともな運動ではありません。
【追記】
 なお、阿部の「同工異曲」の文章リベラル21 大声で軍拡反対を叫ぶだけでよいのか(阿部治平:2022.12.30)について拙記事
リベラル21と阿部治平のバカさに呆れる(2022年12月30日分) - bogus-simotukareのブログで批判しました。

*1:今のところそうした宣伝が自民や維新によって組織的、大規模に行われてる事実はないでしょう。