珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年12月18日分)

◆黒坂ツイート

黒坂真
 志位さんら日本共産党員は、「財界」を中国共産党朝鮮労働党のような支配者と見ています。日本に政治犯収容所や、国家安全部、国家安全保衛省はないのですが

 「はあ?」ですね。政治犯収容所や政治警察*1がなければ「その国に支配者はいない」のか。支配者のいない国などあるわけも無い。首相、大統領といった政府トップが勿論支配者の訳です。黒坂は「複数政党制の民主国家には支配者がいない。支配者がいるのは独裁国だけだ」とでもいうのか?
 そして財界は「支配者と必ずしもイコール」ではないものの、古今東西、何処の国でも支配者に「政治資金やマンパワー選挙運動員など)」を提供すること(そしてその見返りとして財界の政治的野望を政治家によって叶えること)で大きな政治力を行使してきました。「支配者側の集団=財界」といっていいでしょう。

黒坂真
 志位さんは、護衛艦や潜水艦、トマホークの購入資金を国債ではなく税により賄えと主張したいのではありません。日本共産党護衛艦、潜水艦、イージス艦、戦闘機、対潜哨戒機、空中給油機など自衛隊の殆どの武器に反対。
志位和夫
 これは驚きの方針。護衛艦や潜水艦も「国債」で買うとは。つい先日の首相会見で、「借金で賄うのがほんとうにいいのか。安定財源を確保すべき」と言っていたことを、もう平気で覆す。

 「志位氏の防衛論」の是非*2に関係なく、岸田の食言行為(「防衛費に国債は使わない発言」を早くも反故)は非難されて当然なので、黒坂のツイートは何の反論にもなっていません。

黒坂真
 中村正男さん。日本共産党員は、中朝露が日本を先制攻撃する事などありえないと確信しているのですね。

 日本共産党に限らず、「黒坂のようなウヨ」ですら本心ではそんなことがあるとは思ってないでしょう。
 特に非常識なのが「ロシアの日本攻撃」ですね(「中朝の日本攻撃」だって非常識ですが)。ウクライナで苦戦する今、そんな余裕があるわけがない。大体そんなことをしたら「サハリン2からの日本企業撤退論(現在は三井物産三菱商事がサハリン2に出資)」を助長しかねません。なお、「ウクライナ戦争後のロシア」がどうなるかについて言えば、「未来のことは分からない」としか言い様がないですね。プーチン政権崩壊の可能性もありうるからです。まあ、仮にプーチン政権が存続してもウクライナ戦争のダメージが大きすぎて「当面対外侵攻など無理」では無いかと思いますが。

黒坂真
 中野顕さんら日本共産党員は、昭和49年の国連の決議で世界史を侵略国家、被侵略国家に区別するべきと考えているようですね。国家主権、という考え方がそれなりに確立されたのはせいぜい二次大戦後です。今の基準を昔に適用したら大帝国を築いた民族は侵略者。近世欧州の脅威だったオスマンは侵略国家。植民地主義を過去に遡って非難すべき論を日本共産党は支持するなら、最寄りのモンゴル人に(ボーガス注:元寇を理由に)断固抗議*3すべきです。
◆中野顕
 1974年国連の「侵略の定義に関する決議」の第3条に照らしてみても、戦前の日本がアジアに対し「侵略行為」をしたことは明白です。

 満州事変(1931年)、太平洋戦争(1941年)の侵略性を否定しようと「侵略の定義が明確化したといえるのは第二次大戦後」と無茶苦茶言い出す黒坂です。
 しかしこの黒坂の理屈では
1)「ナチドイツのポーランド侵攻ソ連フィンランド侵攻(1939年)」も「侵略戦争」でないことになるし
2)「東南アジアの解放」という太平洋戦争の開戦理由が否定される(侵略の定義が不明確なら、そもそも欧米の東南アジア支配に問題がないので)ことになる。
 その辺り、問いただされたら、黒坂は何と答えるのか。
 「反共右翼」黒坂が「ソ連フィンランド侵攻は侵略ではない」というとはとても思えませんが。
 とはいえ「1939年のフィンランド侵攻」を侵略と認めたら、「1941年の太平洋戦争」について「侵略の定義が当時は不明確」と言う詭弁は使えなくなります。
 また、「侵略」云々が問題になる場合「近現代での欧米や日本のアジア、アフリカ侵略(米国のフィリピン支配、英国のインド支配、フランスのベトナム支配、オランダのインドネシア支配、日本の韓国支配など)」など「現代とつながりのある話」をするに決まってる。元寇だの「オスマントルコのヨーロッパ侵攻」だのの話をするわけもない。
 中国、韓国、北朝鮮だって「白村江の戦い(唐・新羅連合軍が日本・百済連合軍に勝利)」「秀吉の朝鮮出兵(明、李氏朝鮮が秀吉政権と戦争)」だので日本批判はしない。

*1:実際には政治警察が存在しない国はどこにもないでしょうが。日本の公安警察も立派な政治警察です。

*2:俺個人は是の立場ですが。

*3:これが「日本軍兵士のモンゴル抑留(シベリア抑留に比べて無名ですがモンゴルでの抑留もありました)」についてモンゴル政府に「明確な謝罪」をするように抗議ならまだしもそんなバカなことは誰も言わない。