今日も松竹伸幸に悪口する(2022年12/23日分)(副題:『北の国から』の主役候補には高倉健、中村雅俊、藤竜也、西田敏行などがいたらしい)

党首公選への挑戦・ウェブ論座連載の最終回 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba
 いつもの「党首公選バラ色論」で馬鹿馬鹿しいことこの上ない。党首公選の結果、「安倍や泉」のようなゲスが選出されたことを松竹はどう思ってるのか。
 しかも松竹の主張は「(自衛隊日米安保容認など)もっと路線を右にシフトすれば国民の支持が得られる」という何の根拠も無い与太です。
 「自社さ連立」を契機に「自衛隊日米安保容認」など路線を右にシフトした社会党社民党)が今や没落し、支持率や議席数で立民、共産、国民民主どころか、れいわ新選組の後塵を拝するまでに至ったことを松竹はどう理解してるのか。
 松竹の主張が正しいなら社会党が没落することは無かったでしょう。
 あるいは「民社党」「新自由クラブ河野洋平*1)」「新党さきがけ武村正義*2)」「新進党」「国民新党亀井静香など)」「自由党小沢一郎)」など共産党よりも右寄りの政党が「消滅してること*3」を松竹はどう理解してるのか。あるいは「国民民主党の支持率や比例での獲得票数が共産党を下回ってること」を松竹はどう理解してるのか。松竹の主張が正しいならこれらの政党が共産党よりも先に消滅したことや国民民主党の支持率が共産党を下回ってることはおかしいのではないか。松竹の主張ははっきり言って穴だらけの与太です。
 そして、日本共産党の支持層の多く*4は「党員に限らず」そんな右傾化を恐らく希望してない(社会党の右傾化時に支持層が激減したのと同様の事態が起きかねない)し、右にシフトしたところで自民など保守政党から共産に票が来る保証も無い。
 松竹の主張は演歌歌手やオペラ歌手に「売れているAKB48やジャニーズの真似をしろ」、老舗和食店に「売れているマクドナルドハンバーガーやケンタッキーフライドチキン(要するにファストフード)の真似をしろ」と言うくらい馬鹿馬鹿しい。
 「演歌ファン」も「ジャニーズ、AKBファン」も演歌歌手にジャニーズ、AKB的なモノを、「和食ファン」も「ファストフードファン」も、老舗和食料理店にファストフード的なモノを求めてない。
 そんなことをしても従来の客が減るだけでしょう。松竹の「右にシフト」はそのレベルの与太です。自民党支持層も共産党支持層も、共産党自民党的なモノなど求めていない。
 勿論売れる努力は必要ですがそれは「売れてる物を真似すればいい」と言う単純な話では無い。
 「売れてる物を真似すればいい」という松竹のような考えなら例えば「北の国から」は成功しなかったでしょう。「北の国から」の主役「田中邦衛」は当時、脇役専門で主役をやるタイプの俳優では無かったからです。
 話が脱線しますが、以前、日経「私の履歴書」に倉本聰が登場しましたが、倉本が「田中主役」を提案したらフジテレビから驚かれたそうです。
 何せ

倉本聰さん語る「北の国から」田中邦衛さんの素顔 | 日刊スポーツ | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
「6人ばかり候補がいたんです。高倉健さんも、そうだったし。それから中村雅俊藤竜也西田敏行もいましたね。その中に邦さんが入ってた。この中でいちばん情けないのは誰だろうっていう話になったら、間違いなく邦さんだと。それで邦さんになっちゃった。健さんみたいにかっこのいい人だと、ちょっと面白くない。おやじ、情けないなっていうふうに思える人間というのが、ちょっと欲しくてね。それで邦さんになったんですね」

です(北の国から - Wikipediaによれば緒形拳菅原文太仲代達矢なども候補だったとか)。売れることを考えればまず確実に「田中邦衛以外」になるでしょう(まあ、田中以外の「黒板五郎」で「北の国から」を見たい気もしますが、もはや田中以外の「黒板五郎」は想像できないのも事実です)。田中以外の面子は「北の国から」が放送された1981年時点で

緒形拳
 1965年のNHK大河ドラマ太閤記』(主演)、1974年の映画『砂の器』(事件の重要なキーマンで被害者)、1978年の映画『鬼畜』(主演)、1979年の映画『復讐するは我にあり』(主演)など
高倉健
 1975年の映画『新幹線大爆破』、1977年の映画『幸福の黄色いハンカチ*5』『八甲田山』、1980年の映画『遙かなる山の呼び声*6』(いずれも主演)など
菅原文太
 1973年の映画『仁義なき戦い』、1975年の『トラック野郎・御意見無用』(いずれも主演)など
仲代達矢
 1961年の映画『用心棒』(三船敏郎の敵役であるヤクザ卯之助)、1962年の映画『椿三十郎』(三船演じる三十郎の敵役である室戸半兵衛)、『切腹*7』(浪人・津雲半四郎で主演)、1974年の映画『華麗なる一族』(主人公・万俵大介の長男・万俵鉄平)、1976年の映画『不毛地帯』(主演・壱岐正)など
中村雅俊
 1974年の日テレ『われら青春!』、1975年の日テレ『俺たちの旅』、1978年の日テレ『ゆうひが丘の総理大臣』(いずれも主演)など
西田敏行
 1978年の日テレ『西遊記』(猪八戒)、1980年の日テレ『池中玄太80キロ』(主演・池中玄太)など
藤竜也
 1976年の映画『愛のコリーダ』など

ということで主役や準主役をやってヒットさせたり、話題になったりしたことがあるが、田中には当時、そこまでの実績は無いからです。
 しかも映画「仁義なき戦い(主役・菅原文太と対立する悪党ヤクザ)」「若大将シリーズ(主役・若大将の引き立て役の青大将)」によって当時の彼には「情けない小悪党イメージ」が強くあった。
 共産党がすべきことは「北の国から」での「田中邦衛抜擢」のような「共産党にしかできない、しかし魅力ある政策」であって「自民党の真似」ではない。
 そもそも「もっと路線を右にシフトすれば国民の支持が得られる」と本気で松竹が思うのなら「党首公選」など言うまでも無く、とっとと離党して

社会党を離党して社民連を作った江田三郎
社会党を離党して新社会党を作った矢田部理
◆自民を離党して新自由クラブを作った河野洋平
◆自民を離党して新党さきがけを作った武村正義
◆自民を離党して国民新党を作った亀井静香
◆自民を離党してみんなの党を作った渡辺喜美
◆自民を離党して大阪維新を作った橋下徹
◆自民を離党して都民ファーストを作った小池百合子

などのように離党して新党を作ればいいでしょう。何故そうしないのか。それは松竹が「自分にそうした能力がないこと」を自覚した上で既に一定の政治的地盤がある「共産党を居抜きで使いたい」などとふざけたことを考えてるからでしょう。「離党して新党を作れない無能」がなんで「共産党を居抜きで使えば成功する」と思えるのか訳が分かりません。
 それとも「右傾化を契機に支持層が離反し衰退し存続の危機にある社民党」のように共産党を内部崩壊させ衰退させることが松竹の目的なのか。志位氏に強い恨みを持ってるらしい松竹のようなゲスならそうした「ふざけた考え」だとしても何ら不思議では無いですが。党執行部もいい加減このゲスを除名した方がいいのではないか。まあ以前から朝日新聞など大して評価もしていませんが「共産党はもっと右にシフトすべきだ」というふざけた駄記事を良くも掲載したもんです。
 朝日とて「朝日より売れてる読売(実売がどうか*8はともかく公称部数は朝日より多い)を見習ってもっと右にシフトしろ」と言われたら怒り出すでしょうに。


『立候補宣言』本に内田樹さんが推薦文 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba
 内田*9とは松竹ごときを高評価する人間なのかと心底呆れます。内田はもはや「共産党支持層」と見なすべき人間では無いでしょう。

 松竹さんは共産党が成熟した国民政党になることを切望している。

 松竹や内田には「国民政党って何かね?」と聞きたくなります(「成熟したって何かね?」はひとまず置きます)。
 日本共産党は「労働者階級を支持基盤とする階級政党(平たく言えば貧乏人の政党)」ですがそれと松竹らの言う「国民政党」は両立するのか?。松竹らはもしかして、共産党に「科学的社会主義や階級政党であること」の廃棄を求めているのか?(ならば、ごまかさずにはっきりそう言うべきですが。ごまかすのは卑怯極まりない)
 国民と言ったところで「金持ちと貧乏人」「都市住人と地方住人」「性的多数派(異性愛)と少数派(LGBT)」「健常者と障害者」など「属性」の違いによって、国民の価値観や利害関係は変わってくるので「国民政党」という物言いは「極めて詐欺的」だと俺は思っています。
 まあ「国民新党」「国民の生活が第一」(以上、既に解散)「国民民主党」など「国民」をアピールする政党は日本にもありますが。

*1:中曽根内閣科技庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相など歴任

*2:細川内閣官房長官、村山内閣蔵相を歴任

*3:勿論、自民、維新、国民民主と存続してる右派政党もありますが

*4:勿論俺もそんな右傾化は希望していません

*5:高倉が日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞

*6:高倉が日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞

*7:仲代がキネマ旬報主演男優賞を受賞

*8:まあ実売の把握は困難ですが。何処の新聞社も公称部数は水増ししてると言われますからね。

*9:神戸女学院大学名誉教授。著書『寝ながら学べる構造主義』(2002年、文春新書)、『ためらいの倫理学』(2003年、角川文庫)、『私家版・ユダヤ文化論』(2006年、文春新書)、『街場の現代思想』(2008年、文春文庫)、『日本辺境論』(2009年、新潮新書)、『武道的思考』(2010年、筑摩選書→2019年、ちくま文庫)、『街場の大学論』(2010年、角川文庫) 、『街場のメディア論』(2010年、光文社新書)、『街場のアメリカ論』(2010年、文春文庫)、『映画の構造分析:ハリウッド映画で学べる現代思想』、『他者と死者:ラカンによるレヴィナス』、『レヴィナスと愛の現象学』(以上、2011年、文春文庫)、『修業論』(2013年、光文社新書)、『街場のマンガ論』(2014年、小学館文庫)、『街場の共同体論』(2016年、潮新書)、『街場の文体論』(2016年、文春文庫)、『街場の読書論』(2018年、潮新書) 、『街場の天皇論』(2020年、文春文庫)、『戦後民主主義に僕から一票』(2021年、SB新書)など。個人サイト内田樹の研究室