帝銀事件と731部隊と松本清張(戦後はまだ終わっていない&今年は清張没後30年)(追記あり)

【最初に追記】
 NHKスペシャル「松本清張と帝銀事件」 - apesnotmonkeysの日記*1の存在に気づいたので紹介しておきます。
 テレビで取り上げたこと、特に平沢無罪の見地を強く打ち出したことは評価するが、山田朗帝銀事件と日本の秘密戦』(2020年、新日本出版社)を超えるような新情報は特になかったという評価です。
【追記終わり】
 「おめでたい正月」の前に書くのには我ながら「何だかなあ」の「おぞましい」記事内容「帝銀事件731部隊」ですが「清張ファン」として書いておきます。

常岡浩介がリツイート
mipoko
◆Nスペ帝銀事件731部隊出てきたわ。アレ*2がいないとこんなにNHKも風通し良くなるか。平沢が真犯人だと思ってる人など、ほぼ皆無ではないだろうか。恐ろしいことだ。なんでこんなんで「死刑」が確定してしまったんだよ。(ボーガス注:GHQ陰謀説が事実なら)戦後は終わってないよ。
◆「登戸研究所」について「過去の戦争遺物」の扱いではなく、がっつり地上波で流れたのって、いつ以来なんだろうね。
「帝銀事件」に迫る松本清張 大沢たかお主演でドラマに! NHKスペシャル 未解決事件 松本清張と帝銀事件 |NHK_PR|NHKオンライン
 1957年、作家として勢いに乗っていた松本清張大沢たかお)は、作品の題材として「帝銀事件」に着目。逮捕された画家・平沢貞通(榎木孝明*3)のほかに真犯人がいるのではないかと疑念を抱く。
松本清張役・大沢たかお インタビュー】
 父が松本清張先生のファンで、僕自身も作品を読んだり原作ドラマを見たりする機会が多かったので、いつか作品に出演する機会があればと思っていたんです。
 でも、まさか清張先生ご本人を演じさせていただけるとは思ってもみなかったので、最初にお話をいただいたときは驚きました。外見は似ていないし*4、ましてや清張先生を描く初の映像作品。果たして自分に役が務まるのだろうかと思いながら企画書を読んだのですが、企画のすばらしさに思わず胸が熱くなりました。
 清張先生は、帝銀事件のほかにも(ボーガス注:『日本の黒い霧』などで)GHQの占領下で起きた数々の未解決事件を徹底的に取材して執筆されましたが、その熱量が尋常ではないんです。その原動力は何だったのか? 何に対してそこまで怒っていたのか? 僕がいちばん知りたかったのはそこで、いつも答えを探しながら演じていたので、撮影が終わるとぐったりするくらいエネルギーを使いました。
【演出・梶原登城ディレクターより メッセージ】
 1959年、清張は帝銀事件を題材にしたフィクション『小説帝銀事件』を発表した翌年、GHQの占領下で起きた重大事件を考察したノンフィクション『日本の黒い霧』でも帝銀事件を検証しています。
戦後最大のミステリー「帝銀事件」の新たな真実に迫る衝撃のドキュメンタリー NHKスペシャル 未解決事件 松本清張と帝銀事件 |NHK_PR|NHKオンライン
 当初、警察は軍関係者による犯行と見て捜査していましたが、突如、捜査方針を転換し平沢=犯人へとかじを切りました。この点に疑問を感じ、GHQの関与をいち早く唱えたのが松本清張でした。清張が追っていた警察やGHQの動向に着目しながら、戦後の日本を取り巻く当時の社会情勢に光を当てます。
【中川Dの取材メモ】
 今も平沢の無念を晴らそうと裁判のやり直しを求めている人々がいます。どう伝えたらこの事件の本質を多くの人に知ってもらえるだろうと考えながら取材を重ねてきました。
 今回の取材ですべての真相が明らかになったわけでは、ありません。ただ、日本の戦後社会の起点となる時代に起きたこの事件を検証することで、戦後の日本の闇や、矛盾、問題点が浮き彫りになったように感じます。それは現代にも通ずる部分だと思うので、遠い時代の話ではなく身近な問題として感じながらご覧いただければ幸いです。
【新名洋介 ディレクター メッセージ】
 没後30年となる2022年の放送に向け制作が始動し、松本家の皆さんや文藝春秋の関係者をはじめ、清張先生をよく知る方々のご協力のもと細部まで取材させていただきました。
 清張作品は、何十年も前に書かれたものなのに色あせることなく現代性を感じさせるテーマが大きな魅力だと思うので、ドラマもドキュメンタリーも現代性を意識して制作しています。

 常岡ツイートには「へえ?」ですね。この番組の存在に気づかなかったので今回ばかりは常岡に感謝しておきます(とはいえ、常岡の専門外とはいえ、ここで話を全く膨らませることができないのが常岡の無能さですが)。
 NHKもこうしたまともな番組をきちんと作っていれば誰も批判しないのですが。
 帝銀事件について一定の知識がある人間なら知ってる「殺害に使われた毒物は青酸カリでは無く、731部隊が開発していた青酸毒物の可能性がある(つまり犯人は731部隊関係者の疑いがある)」「司法取引(人体実験データを731部隊側が米国に提供するかわりに米国が731を刑事責任追及しない)で追及しなかった731部隊に光があたることを恐れたGHQが捜査をねじ曲げ、平沢死刑囚に濡れ衣を着せた可能性がある」という話ですかね。改めて米帝の非道さ*5に怖気や怒りを覚えます。そして「米帝批判意識」皆無で、ウクライナ戦争でも米帝礼賛のウヨid:kojitakenには心底呆れます。
 確かにウクライナ戦争での「米国の軍事支援」を俺も評価しますがそれは「単純な人道精神」ではなく、「国益判断」にすぎず、米帝とは所詮、帝銀事件のように「国益のために冤罪被害者を作ることすら躊躇しないゲス」でしかない。
 スターリンが引き起こした人災であるウクライナの大飢饉(1932-33)をスルーするプーチンの厚顔無恥 〜 黒川祐次『物語 ウクライナの歴史』(中公新書, 2002)を読む - kojitakenの日記などプーチンロシア批判ばかりしないで少しは米帝を批判したらどうなのか。
 なお、松本清張と言えば、日本の数々の怪事件(松川事件三鷹事件下山事件*6など)に『GHQが関与した疑いがある』とする松本『日本の黒い霧』の著書がありますね。
 また、未読ですが小説帝銀事件 - Wikipediaという小説もあります(「日本の黒い霧」のように帝銀事件についてGHQの捜査ねじ曲げ説を採ってるようですね)。
 ちなみに清張が実在の事件をヒントに書いた小説としては他に

◆未解決殺人事件BOACスチュワーデス殺人事件 - Wikipedia(1959年発生、1974年に刑事訴追時効成立)を元ネタとした黒い福音 - Wikipedia
◆未解決事件三億円事件 - Wikipedia(1968年発生、1974年に刑事訴追時効が、1988年に民事賠償請求時効が成立)を元ネタとした小説 3億円事件 - Wikipedia
別府3億円保険金殺人事件 - Wikipedia(1974年:第一審・控訴審で死刑が言い渡され、被告人は一貫して無罪を主張し上告したが、最高裁判決が出る前に病死し控訴棄却)を元ネタとした疑惑 (松本清張) - Wikipedia
ロベルト・カルヴィ - Wikipedia暗殺事件(1982年)を元ネタとした霧の会議 - Wikipedia

があります。「疑惑」については野村芳太郎監督の映画版を見たことがあります。「岩下志麻*7(弁護士)と桃井かおり(被告人)の対決シーン」といい「桃井が無実かどうか最後まで分からない展開(可能性としては事故もあり得るし、そもそも桃井が運転していたかどうかも不明確)」といい、素晴らしいので一見をすすめます。
 またいずれも未読ですが

常石敬一*8『謀略のクロスロード:帝銀事件捜査と731部隊』(2002年、日本評論社
山田朗*9帝銀事件と日本の秘密戦』(2020年、新日本出版社

NHKと同様の問題意識なのでしょう。
【参考:731部隊登戸研究所帝銀事件

登戸研究所 - Wikipedia
 1948年1月26日に発生した帝銀事件では、警視庁は犯行に使われた毒物が登戸研究所が開発したものと推定し、第二科の研究者を中心に捜査が行われた。この中の捜査メモ「甲斐文書」に、731部隊関東軍防疫給水部)と共同による人体実験の関与を指摘する供述が記録されている。第二科の関係者の多くは、登戸研究所で開発されたアセトン・シアン・ヒドリン(青酸ニトリル)である可能性があると証言している。

山田朗帝銀事件と日本の秘密戦』(2020年、新日本出版社
アマゾン紹介
・犯罪史上、類例のない帝銀事件。特捜部は執念の捜査で、ついに日本の秘密戦機関・部隊のほぼ全貌を明らかにしていく。しかし、そこに立ち塞がった「捜査の壁」とは? これまで問題にされたGHQの捜査介入だけでなく、警察内部資料を分析して日本の秘密戦関係者の免責措置がGHQによってとられていたことを確認。戦犯免責取引が解明される。

<つなぐ 戦後76年>帝銀事件「風化させない」 登戸研資料館館長が講演 秘密戦部隊との関わりに迫る:東京新聞 TOKYO Web2021.8.31
 一九四八年に帝国銀行の行員十二人が毒殺された「帝銀事件」について、旧日本陸軍の秘密戦部隊の関わりに迫る講演がオンラインであった。事件をめぐっては、逮捕された画家の平沢貞通・元死刑囚の遺族が現在も再審請求を続けている。戦後最大の冤罪(えんざい)事件とされ、「風化させてはいけない」と明治大の平和教育登戸研究所資料館が開催した。(山本哲正)
 同資料館では、事件から七十年の節目に当たる二〇一八年に、改めて当時の捜査資料を分析した。講演では山田朗館長が研究成果を披露した。
 着目したのは、使用毒物の不可解な変更だった。
 警視庁の捜査本部に集約された情報を記した「捜査手記」では当初、暗殺用の毒物などを取り扱った登戸研や、中国東北部で細菌兵器の開発を進めた731部隊関東軍防疫給水本部)などの関係者がリストアップされ聴取されていたことが分かるという。
 一九四八年四月に聴取を受けた登戸研の関係者は、事件の使用毒物について「(事件の)状況は青酸カリとは思えない」と指摘。登戸研で開発されて暗殺に使いやすく、一般には入手の難しい「青酸ニトリール」との見立てを語っていた。
 だが、同年八月に逮捕されたのは、軍とも毒物とも無縁の平沢画伯だった。
 実際に使われた毒物の十分な鑑定ができていない状況で、この登戸研の関係者は見解を変更。同年九月に捜査会議に出席した際には「一般市販の工業用青酸カリ」と断定したという。
 背景には、米国の思惑があったとみる。当時、米ソ冷戦の激化を背景に、米国が731部隊や登戸研関係者に対して、研究成果の提供と引き換えによる免責を進めていた。
 山田さんは「旧軍関係者を守るため、軍の秘密について警察にも口外しない口止め圧力が、帝銀事件の捜査の過程で強まった」と指摘、青酸カリ使用説に転換していったとの見方を示す。「米軍による731部隊や登戸研関係者への免責と帝銀事件捜査への介入が、まさに時期的に符合する。占領政策の転換によって、戦前的なものが戦後に生き永らえていく*10過程だった」と指摘した。
帝銀事件
 1948年1月26日、東京都豊島区の帝国銀行*11支店に男が現れ「近くで集団赤痢が発生した。進駐軍が消毒する前に予防薬を飲んでほしい」と行員ら16人に毒物を飲ませ12人を殺害。男は現金を奪って逃走した。
 同年8月、平沢画伯が逮捕されたが、公判で無罪を主張。死刑確定後も再審請求を重ね、87年に95歳で亡くなった。2015年には遺族が第20次再審請求を申し立てている。

【参考:今年で清張没後30年】

松本清張没後30年 台湾とのつながり紹介の企画展 北九州市|NHK 北九州のニュース2022.8.2
 北九州市出身で昭和を代表する作家の松本清張が亡くなってことしで30年です。
 北九州市の記念館では、これに合わせて130を超える翻訳本が出版されている、台湾とのつながりを紹介する企画展が開かれています。
 代表作の1つ「砂の器」は、1980年代に台湾でも映画が公開されて「清張ブーム」を後押ししたということで、異なる翻訳者による複数の翻訳本が展示されています。
 松本清張記念館学芸員柳原暁子さんは「台湾のミステリーの歴史的背景には松本清張の存在があったことを知ってもらいたい」と話しています。
 この企画展は10月23日まで開かれています。
 今回の企画展は松本清張記念館と台湾にある台湾文学館が共同で企画したもので現地でも同じテーマで展示が行われています。
 台湾文学館の蘇碩斌館長は、松本清張が台湾に与えた影響について「『砂の器』などの作品によって台湾の多くの人が推理小説のストーリーに社会の実情を反映させることができることを知った。清張は台湾の社会派の推理小説に極めて重要な影響を与え台湾と日本の間に深いつながりをつくった」などと述べています。

没後30年、松本清張は常に新しい。 | 新潮文庫メール アーカイブス | 新潮社
 1992年8月4日、松本清張は肝臓がんにより82歳の生涯を閉じました。「週刊新潮」に連載していた時代長編「江戸綺談 甲州霊嶽党」が絶筆*12となりました。
 今年は松本清張没後30年。この節目の年を記念して、2冊の新刊を発売しました。
 1冊目は『文豪ナビ 松本清張』。新潮文庫には「文豪ナビ」という作家ガイド本のシリーズがあるのをご存知でしょうか? 2004年開始の第1期は漱石、芥川、三島、太宰、川端、谷崎、(ボーガス注:山本)周五郎の7名、2020年からの第2期は池波(ボーガス注:正太郎)、藤沢(ボーガス注:周平)、司馬と刊行を続けてきました。膨大な作品群を、どれから、どの順番で読んでいったらよいかを指南する「作品ナビ」や、その作家の本質を突く「5つのキーワード」、作家の人生と素顔がわかる「評伝」まで、この1冊で文豪の「通」になれる最強のガイドブックです。
 清張作品の大きな特徴のひとつとして、映像化の多さ*13が挙げられます。そこで『文豪ナビ 松本清張』では、清張映画・清張ドラマについてもじっくりとご紹介しています。すぐれた映画評論を多数お書きになった長部日出雄さん*14による「松本清張映画ベストテン」を再録。ドラマフリークの作家・柚木麻子さん*15は「家政婦は見た!」(一作目*16は清張の原作!)と、あのアカデミー賞映画の意外な共通項を発見。そして平成の清張ドラマを牽引した米倉涼子さん*17スペシャル・インタビューも!。小説、映画、ドラマ、どれをとっても魅力的な清張作品の案内役として、本書をお役立ていただけたら幸いです。
 2冊目はミステリ・SF評論家の日下三蔵さんが編んだ短編アンソロジー『なぜ「星図」が開いていたか―初期ミステリ傑作集―』です。清張といえば社会派推理小説のイメージが強いですが、(ボーガス注:『西郷札』、『或る「小倉日記」伝』など)歴史や実在の人物を題材にした歴史時代小説で出発し、ミステリに進出したのは1955年発表の「張込み」からでした。本書は清張ミステリ最初期の傑作8編*18を収録。どこにでもいそうな平凡な人物が犯す犯罪とその隠匿は、読む側に他人事ではないリアリティを感じさせます。これらの作品が、ミステリを一部の愛好家向けの「探偵小説」から多くの人に受けいれられる「推理小説」へと変化させる契機となりました。「社会派」と「本格」は矛盾する概念ではない*19と論じる日下さんの編者解説も必読です。
 『日本の黒い霧』や『昭和史発掘』などのノンフィクションで昭和という時代を追究した清張はしばしば「昭和と共生した作家」などと評されますが、平成、そして令和になっても清張作品の面白さはまったく減じることがありません。人間の闇、時代の暗部を活写した作品世界をご堪能ください。

松本清張没後30周年 映像化作品一挙放送 | WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
◆点と線(8月4日(木)14時~)
 松本清張の同名ベストセラー小説を映画化した、社会派推理映画の傑作。男女の心中と思われた事件の背後に潜む疑惑の影。東京駅のホームの“空白の4分間”のトリックとは?

松本清張 没後30年の今年、「事故」「顔」「混声の森」を続けて放送 - NHK
テレ朝POST » 没後30年、松本清張作品を一挙放送!米倉涼子、『黒革の手帖』は「やっぱり特別な存在」
「衛星劇場 8-9月特別企画 没後30年 松本清張特集~松竹映画18作品~」特設サイト | 衛星劇場
「ホームドラマチャンネル 没後30年 松本清張特集~傑作ドラマ5作品~」特設サイト | ホームドラマチャンネル

*1:ただし第1部のドラマは見なかった、第2部のドキュメンタリー部分だけ見たとのこと。個人的にはドラマも見た上で「描写に問題が無かったかどうか」などコメントして欲しかったところです。

*2:安倍のこと

*3:ちなみに榎木はフジテレビ『悪魔が来りて笛を吹く』(2006年放送、横溝の金田一耕助もの)では椿英輔子爵と飯尾豊三郎(横溝が帝銀事件にヒントを得て描いた強盗殺人事件・天銀堂事件の犯人、椿によく似た風貌のため椿が犯人と疑われる)の一人二役をやっていますが、今回の「平沢役」は単なる偶然なんでしょうか?(悪魔が来りて笛を吹く - Wikipedia参照)

*4:大沢たかお」ねえ。実際の清張はそんな美男子では無論ないので思わず苦笑します。

*5:俺の共産支持理由の一つはやはり「米帝批判」ですね。日本ではほとんどのウヨ政党(自民、維新、国民民主等)は「自称愛国」のくせに米帝への批判意識は皆無です。

*6:他殺説と自殺説があり、清張はGHQ関与の他殺説

*7:『申し訳ない』のですが、俺的には『鬼畜』(1978年)、『悪霊島』(1981年)、『疑惑』、『この子の七つのお祝いに』(以上、1982年)、『極道の妻たち』(1986年)のせいで岩下には「怖い人」イメージが強いですね。勿論うまい役者は、善人を演じればほんとに善人、悪人を演じればほんとに悪人に思える - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)ではあるのですが。

*8:神奈川大学名誉教授。731部隊研究をライフワークとする。著書『標的・イシイ:731部隊と米軍諜報活動』(1984年、大月書店)、『消えた細菌戦部隊:関東軍七三一部隊』(1993年、ちくま文庫)、『七三一部隊』(1995年、講談社現代新書)、『医学者たちの組織犯罪:関東軍七三一部隊』(1999年、朝日文庫)、『化学物質は警告する』(2000年、洋泉社新書Y)、『毒物の魔力:人間と毒と犯罪』(2001年、講談社+α新書)、『化学兵器犯罪』(2003年、講談社現代新書)、『クロニクル日本の原子力時代 1945~2015年』(2015年、岩波現代全書)、『731部隊全史』(2022年、高文研)など

*9:明治大学教授。著書『昭和天皇の戦争指導』(1990年、昭和出版)、『大元帥昭和天皇』(1994年、新日本出版社→2020年、ちくま学芸文庫)、『軍備拡張の近代史:日本軍の膨張と崩壊』(1997年、吉川弘文館)、『歴史修正主義の克服』(2001年、高文研)、『護憲派のための軍事入門』(2005年、花伝社)、『世界史の中の日露戦争』(2009年、吉川弘文館)、『これだけは知っておきたい日露戦争の真実:日本陸海軍の〈成功〉と〈失敗〉』(2010年、高文研)、『日本は過去とどう向き合ってきたか』(2013年、高文研)、『近代日本軍事力の研究』(2015年、校倉書房)、『兵士たちの戦場』(2015年、岩波書店)、『昭和天皇の戦争:「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと』(2017年、岩波書店)、『日本の戦争:歴史認識と戦争責任』(2017年、新日本出版社)、『日本の戦争Ⅱ:暴走の本質』(2018年、新日本出版社)、『日本の戦争III:天皇と戦争責任』(2019年、新日本出版社)など

*10:公職追放されていた岸信介満州国総務庁次長、東条内閣商工相)、禁固7年の判決で出所後も公職追放されていた重光葵(東条、小磯内閣外相)、終身刑判決を受けた賀屋興宣(第一次近衛、東条内閣蔵相)が釈放、追放解除などで政界復帰(岸は石橋内閣外相を経て首相、重光は鳩山内閣外相、賀屋は池田内閣法相、自民党政調会長(池田総裁時代)など)したのも同じ流れです。

*11:1954年に三井銀行に改称。1990年に太陽神戸銀行と合併し、太陽神戸三井銀行。1992年にさくら銀行に改称。2001年に住友銀行と合併し三井住友銀行

*12:他にも神々の乱心 - Wikipedia週刊文春連載)が絶筆(未完)ですがまあ、ライバル社ですから書かないのも当然でしょうね(苦笑)

*13:野村芳太郎監督の映画『張り込み』(1958年)、『ゼロの焦点』(1961年)、『影の車』(1970年:原作は『潜在光景』)、『砂の器』(1974年)、『鬼畜』(1978年)、『わるいやつら』(1980年)、『疑惑』(1982年)、『迷走地図』(1983年)、山田洋次監督の映画『霧の旗』(1965年)、NHK土曜ドラマ『遠い接近』、『中央流沙』、『愛の断層(原作は『寒流』)』、『事故』(以上、1975年)、『棲息分布』、『最後の自画像(原作は『駅路』)』(以上、1977年)、『天城越え』、『虚飾の花園(原作は『獄衣のない女囚』)』、『一年半待て』、『火の記憶』(以上、1978年、なお、NHKドラマは全てに清張がカメオ出演)など

*14:1934~2018年。1973年『津軽じょんから節』、『津軽世去れ節』で直木賞を、1979年『鬼が来た:棟方志功伝』で芸術選奨文部大臣賞を、1986年 『見知らぬ戦場』で新田次郎文学賞を、2002年『桜桃とキリスト:もう一つの太宰治伝』で大佛次郎賞和辻哲郎文化賞を受賞。

*15:1981年生まれ。2008年、『フォーゲットミー、ノットブルー』でオール讀物新人賞を、2015年、『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞

*16:家政婦は見た! - Wikipediaによれば原作は清張『熱い空気』でドラマ名も『松本清張の熱い空気:家政婦は見た! 』。二作以降は清張とは関係ないオリジナル脚本となっている。また第一作では主人公の家政婦は「河野信子」と言う名前だが二作以降は「石崎秋子」に変更されている(どちらも演じたのは市原悦子)。

*17:テレビ朝日黒革の手帖』(2004年)、『けものみち』(2006年)、『わるいやつら』(2007年)で主演

*18:顔、殺意、なぜ「星図」が開いていたか、反射、市長死す、張込み、声、共犯者

*19:そもそも清張の『点と線』自体がアリバイトリックものですからね。