【正論】年頭にあたり 「習一強体制」は何に由来するか 拓殖大学顧問・渡辺利夫 - 産経ニュース
安定的であるためには体制存続の正統性がなくてはならない。しかし、共産党の一党独裁下にあってその不在は明らかであり、そのことを習自身がよく知っているがゆえにこその絶対的権力維持である。選挙を通して国民からの支持を得ているのであればこれは確かな正統性の根拠であるが、ここにはそれがない。
中国に対する悪口雑言には吹き出しました。例えば複数政党制の民主国家であっても「安倍が石破を干し続けたこと」はどう説明する気なのか。民主国家であろうとも多くの政治家は「自派閥で権力を固めようとする」でしょう。まあ、安倍の場合「人格低劣」と言う問題もありますが。なお「正統性(国民による政権支持)の確保=民主主義」では必ずしもない。「利益の提供(中国の場合経済発展)」など「正統性(国民による政権支持)の確保」の方法はいくらでもあります。
共産党である以上、イデオロギー的な正統性があってしかるべきだが、社会主義はもとより共産主義などとうの昔に放擲されてしまっている。正統性が欠如しているがゆえに統治を持続させるためには恐怖政治が不可欠となる。
中国に対する悪口雑言には吹き出しました。拙記事積極支持ではない消極的支持(諦め)であれ、「デマ扇動やメディア統制による詐欺的支持獲得(いわゆるポピュリズム)」であれ、国民の支持無しでは独裁は成り立たない(追記あり) - bogus-simotukareのブログでも触れましたが「恐怖だけで成立する政治」は存在しません。中国においても「経済発展」などの「利益政治」も当然あります。
2つの「空格」と長期展望 | コラム | 拓殖大学海外事情研究所(富坂聡*1)
中国を正しく描くなら中国共産党に深く入り込む必要があります。しかしこれは手間に見合うリターンは望めません。だからみな民主活動家に群がるのです。日本人が大好きな反政府コメントをくれますから。
このままでは10年後の日本でも「中国といえば天安門*2と人権弾圧、そして文化大革命」という時代が続くのかもしれませんね。
ウヨが流す「中国経済崩壊論」「習近平終身主席論」などについて「中国共産党や習主席を叩きたい右寄りの反中国派が結論ありきで流してるモノで根拠に乏しい」と批判する富坂です。俺も全く同感ですね。
正直、真面目に中国分析しようとするならば「情報が足りない」ので「断言できないこと(AともBとも解釈できるなど)」の方が多いのでは無いか。
台湾海峡の平和「中台双方の責任」 蔡英文総統が中国に呼びかけ - 産経ニュース
蔡政権は「(中台は)互いに隷属しない」として中国が求める「一つの中国」を拒否。習指導部は蔡氏が呼びかける「対等な対話」に一貫して応じておらず、来年1月に予定される総統選での与党、民主進歩党(民進党)の追い落としを図る狙いだ。
産経らしいですが「一つの中国を認めない限り対話しない」が以前からの中国の方針でそれは別に「追い落とし」と言う話では無いでしょう。勿論、総統選で民進党が敗北することを希望はしているでしょうが。
自衛隊と台湾軍が連絡ルート構築 中国の軍事圧力に対抗(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
事実ならば「中台有事で自衛隊が出撃することを想定してるのか(集団的自衛権行使で違憲)」という疑いを誰しも感じるところでしょう。日中関係、中台関係を悪化させる恐れも大です。
王毅氏が中国外交トップに、楊潔篪氏の後任 外務省が新たな肩書掲載 - 産経ニュース
前任者の楊潔篪氏も外相からの昇格なので順当な人事でしょう。
中国 新外相に駐米大使の秦剛氏が就任 国営メディアが伝える | NHK | 中国
過去の中国外相にも「李肇星*3(2003~2007年)」「楊潔篪*4(2007~2013年)」と駐米大使経験者がいることを考えれば順当な人事でしょう。
*1:著書『北京「中南海」某重大事件』(1997年、講談社)、『ルポ 中国「欲望大国」』(2008年、小学館101新書)、『中国の地下経済』(2010年、文春新書)、『日本に群がる! 中国マネーの正体』(2011年、PHPビジネス新書)、『中国人民解放軍の内幕』(2012年、文春新書)、『中国の破壊力と日本人の覚悟』(2013年、朝日新書)、『習近平と中国の終焉』(2013年、角川SSC新書)、『中国という大難』(2013年、新潮文庫)、『中国の論点』(2014年、角川oneテーマ21)、『習近平の闘い:中国共産党の転換期』(2015年、角川新書)、『中国・無秩序の末路:報道で読み解く大国の難題』(2015年、角川oneテーマ21)、『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(2015年、PHP新書)、『風水師が食い尽くす中国共産党』(2016年、角川新書)、『中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由』(2017年、ビジネス社)、『感情的になる前に知らないと恥ずかしい中国・韓国・北朝鮮Q&A』(2018年、講談社)、『「米中対立」のはざまで沈む日本の国難:アメリカが中国を倒せない5つの理由』(2019年、ビジネス社)、『「反中」亡国論:日本が中国抜きでは生きていけない真の理由』(2021年、ビジネス社)、『「皇帝」習近平と中国の「死角」(仮題)』(2023年刊行予定、ビジネス社)など
*4:米国大使、外相、党中央外事活動委員会弁公室主任など歴任