リベラル21と田畑光永のバカさに呆れる(2023年1月21日分)

リベラル21 オヤ!どうした風の吹きまわし?(田畑光永

 当の中国はと言えば、中国人同士で殺し合う「台湾有事」を一般国民が望むはずはない*1が、政権の危機には「国より政権」という選択もあり、の風土だから、お上のすることに口を出せない民衆はハラハラドキドキというのが本当のところではないかと思う。

 田畑のバカさには心底呆れます。
 第一に、ここでの政権の危機には「国より政権」とはどういう意味なのか。
 もし「習近平政権が国民の不満で政権危機に陥れば、不満を外に向けるため台湾侵攻するかも?」というなら「田畑はバカか?」ですね。
 まず第一に習政権は現在政権危機に陥ってないし、当面陥る可能性もない。
 第二に「政権危機解消」「国民の不満を外に向ける」ために台湾侵攻などするわけがない。
 そんなことをしたら「現在ロシアに対してされてるような対中国経済制裁」などによって、かえって国民の不満が高まり、政権危機を助長するでしょう。
 お上のすることに口を出せない民衆も「田畑はバカか?」ですね。
 積極支持ではない消極的支持(諦め)であれ、「デマ扇動やメディア統制による詐欺的支持獲得(いわゆるポピュリズム)」であれ、国民の支持無しでは独裁は成り立たない(追記あり) - bogus-simotukareのブログにも書きましたが「独裁なら国民世論を無視して何でもできる」と思ったら大きな間違いです。独裁だろうが「国民が猛烈に反発し、かえって政権危機を助長しかねないようなもの」は到底実行できません。
 台湾侵攻も勿論同じです。

 18日、中国の劉鶴*2副首相と米のイエレン*3財務相が折から恒例の「世界経済フォーラムの年次総会」が開かれているスイスのダボスで会談*4した。もっとも米中間では昨年11月14日にインドネシアでのG20に出席したバイデン*5大統領と習近平*6国家主席が対面で会談しているし、今月中にはブリンケン*7国務長官が訪中して中国の秦剛*8新外相と会談する予定だから、対決状態とはいえ、なにもそれほど険悪な間柄というわけでもない。
 驚いたのは、19日に劉鶴・イエレン会談を社説で取り上げた『環球時報』(『人民日報』系国際問題紙)が、この会談を(ボーガス注:米中友好につながり、また中国の経済分野での国益が増進する)きわめて明るい、好ましいニユースとして伝えたことである。

 「はあ?」ですね。
 「台湾問題で米中が対立する中、米中首脳会談が驚きだ」というならともかく「『環球時報』記事」の何が驚きだかさっぱり分かりません。
 『環球時報』は田畑も書くように中国共産党機関紙」人民日報系列の新聞なのだから「中国共産党の外交方針」に肯定的で何らおかしくない。むしろ否定的に描き出したら、その方が『驚き』でしょう。
 むしろ『環球時報』が「人民日報系列(つまりは中国共産党系列)の国際問題紙」であることを考えれば、こうした中国共産党の対米外交は『環球時報』(というか『環球時報』と何らかの関係、つながりがある党や政府の国際問題担当者の意見)の影響の可能性すらある。
 また、『中国共産党に批判的な民主派』ですら「米国は中国に融和的になるな、人権問題での中国批判を弱めるな」という類の批判はしてもまさか「中国は米国と敵対しろ」とは言わないでしょうし、ましてや「中台有事など戦争の危機を煽ったりもしない」でしょう。田畑はどれほどバカなのか。

 ウクライナをめぐってロシアと米をはじめとする西側諸国の対立が深まる中で、昨年は中ロ蜜月とでも言うべき路線をとった中國が、今年は別とばかりに、米との協調路線にのり出すことは可能なのだろうか。あるいは昨年は「台湾有事」論が加熱しすぎた*9としてしばらく冷却期間を置こうするものか。

 やれやれですね。
 まるで中国が節操なく米国にへいこらしてるかのように描き出す『反中国右翼』田畑ですが、そもそも米国側が『中国の対話要求』に応じなければ、中国側が要望しても

習近平国家主席、バイデン大統領会談
◆秦剛外相、ブリンケン国務長官会談
◆劉鶴副首相、イエレン財務長官会談

等の米中対話が成立しないこと(つまり米国も、台湾問題などで中国と対立する一方で、経済的利益の観点などから、中米対話にそれなりに積極的であること*10)を無視してるのが酷い。例えば極端な話

プーチン、バイデン両氏の会談に否定的 ウクライナ侵攻めぐり米高官 「実のある手段ではない」:東京新聞 TOKYO Web2022.12.3
 米国家安全保障会議NSC)のカービー*11戦略広報調整官は2日のオンライン記者会見で、バイデン大統領がウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン*12大統領と停戦に向けて会談する可能性について、「現時点では実のある手段ではない」として否定的な見解を示した。プーチン氏が戦争を終結させる兆しをみせておらず、条件が整っていないと説明した。

が報じるように「プーチン大統領、バイデン大統領会談」は「仮にロシアが希望したところ」で今の情勢では「ロシアと会談しても成果はないだろう」とするウクライナ等の反発に「米国政府が配慮すること」で実現可能性は低いでしょう。
 それはともかく、米国としても1)中国がロシアに融和的なのは不快だが、それでも米中対話は必要だ(温暖化問題で中国の協力を得る、米国企業の中国進出など)、2)むしろ中国と対話することで少しでも中国の対露融和姿勢を変えたい、3)中国の態度は不快だが、ロシアに融和的な国は「シリア内戦に介入し、同じくシリア内戦に介入したロシアと一定の協調をする必要があるトルコやイラン」「旧ソ連時代からのしがらみがあるベトナムラオスキューバ北朝鮮」「BRICSでつながりのあるブラジル、インド、南ア」など他にもあるし、中国ばかりを非難できない等、米中会談においてはいろいろ思惑はあるでしょう。
 なお、以上については田畑記事にコメント投稿しましたが、どうせ掲載拒否でしょう。自称リベラルが「コメント掲載拒否常習」とはそのデタラメさに心底呆れます。

*1:とは必ずしも言えないでしょう。「南北戦争(米国)」「戊辰戦争(日本)」など内戦で「国民同士が殺しあったこと」は古今東西いくらでもあります。

*2:国家発展改革委員会副主任、中国共産党中央財経領導小組弁公室主任等を経て副首相

*3:大統領経済諮問委員会委員長(クリントン政権時代)、FRB連邦準備制度理事会)副議長(オバマ政権時代)、議長(オバマ、トランプ政権時代)等を経てバイデン政権財務長官

*4:マスコミ報道に寄ればこの会談で「年内のイエレン長官の訪中」を目指すことに米中が合意したとのことです。

*5:オバマ政権副大統領を経て大統領

*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席等を経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*7:オバマ政権副大統領補佐官(国家安全保障担当)、大統領副補佐官(国家安全保障担当)、国務副長官等を経てバイデン政権国務長官

*8:外務副大臣、駐米大使などを経て外相

*9:むしろ加熱させてるのは「中国の反発を無視してペロシ訪台を強行した米国バイデン政権や台湾・蔡英文政権」「中国封じ込め目的で岸田に大幅軍拡を唆す米国バイデン政権(そしてそれに迎合する岸田政権)」の方でしょう。反中国右翼の「リベラル21と田畑」には心底呆れます。そしてブレーキがぶっ壊れた岸田政権の対中暴走-日米「2+2」と日米首脳会談-|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページという浅井基文先生の「米国や岸田政権」への批判には全く同感です。

*10:まあ中国からすれば「米国は手前勝手にもほどがある」と不快でしょうが、「米国のこうした融和姿勢」を上手く利用して「米国が仕掛ける中米対立」を少しでも緩和する思惑でしょう。

*11:米軍統合参謀本部広報担当特別補佐、国防総省報道官、国務省報道官等を経て国家安全保障会議NSC)戦略広報調整官

*12:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領