珍右翼・高世仁に悪口する(2023年1/29日分)

収容所から強盗指示―なんでもありのフィリピン - 高世仁のジャーナルな日々

 昨日のTBS「報道特集」。村瀬キャスターが、フィリピンの入国管理事務所のバクタン(Bacutan)収容所にいる今村磨人(きよと)容疑者を直撃していた。
 彼の暮らしぶりは―月々6万円でVIPルームに居住、職員に賄賂をわたして携帯を使い、特殊詐欺の犯行中もライブで、「逃げろ」とか「叩け」(強盗の隠語)などと指示を出していたという。詐欺でだまし取ったお金は、部下にフィリピンに送金させ、収容所職員が銀行から降ろして今村に届けている。
 フィリピンでは、収容所の中で勝手なことができるのか?!と多くの人は驚いたと思うが、フィリピン滞在4年の私が、その実態の一部を紹介しよう。
 TBSに「拳銃密輸犯」のインタビュー取材を依頼された私は、収容所のなかにビデオカメラを持ち込んで本人への直撃を試みた。

 といっても高世の取材話は

フィリピンの密造拳銃2 - 高世仁のジャーナルな日々
 フィリピンの密造拳銃の取材をしたのは84年だった。

ということで今から「39年前の1984年」ですからねえ。38年経っても刑務所の腐敗が変わらないというフィリピンもとんでもない国ですが、39年前のことを自慢する高世も「おいおい(苦笑)」ですね。
 ちなみに1984年には以下のような出来事がありました。

1984年 - Wikipedia1984年の日本 - Wikipedia
◆3月11日
 スタジオジブリのアニメ映画「風の谷のナウシカ」(宮崎駿監督)が公開
◆3月18日
 グリコ・森永事件:江崎グリコ社長・江崎勝久が何者かに誘拐される
◆4月19日
 登山家・植村直己(2月13日に行方不明、遭難死したとみられる)、俳優・長谷川一夫(4月6日死去)に国民栄誉賞
◆7月28日
 ロス五輪開催
◆10月31日
 インド首相、インディラ・ガンジー暗殺
◆12月19日
 サッチャー首相と趙紫陽首相が香港返還合意文書に調印。これにより1997年7月1日に香港が中国に返還

 その後、私はフィリピンの囚人をドナーとする国家犯罪ともいうべき腎臓移植スキャンダルをスクープ

 これも今から「35年前の1988年」のことです。ちなみに1988年には以下のような出来事がありました。

1988年 - Wikipedia1988年の日本 - Wikipedia
◆2月6日
 衆院予算委員会浜田幸一予算委員長が日本共産党宮本顕治議長に「殺人者」と不規則発言。2月12日に浜田は委員長を引責辞任
◆2月25日
 韓国で盧泰愚大統領が就任。
◆4月14日
 ソ連アフガニスタンからの撤退に関して合意(ジュネーヴ合意)。5月15日から撤退開始。翌年2月15日までに撤退を完了。
◆6月18日
 朝日新聞リクルートによる川崎市助役への未公開株譲渡を報道しリクルート事件発覚
◆7月6日
 江副浩正リクルート会長がリクルート事件の責任で辞任
◆7月23日
 遊漁船「第一富士丸」と海上自衛隊の潜水艦「なだしお」が衝突、死者30名。負傷者17名。8月25日に瓦力*1防衛庁長官引責辞任
◆8月20日
 イラン・イラク戦争が停戦
◆9月17日
 ソウル五輪開幕
◆12月9日
 宮澤喜一*2蔵相がリクルート疑惑で辞任。12月14日には真藤恒*3NTT会長(後に収賄で懲役2年、執行猶予3年、追徴金2270万円の有罪判決が確定)が同様の責任で辞任。


中村哲医師とタリバン - 高世仁のジャーナルな日々

 Z世代の若者が世界的に脚光を浴びている。
 Z世代とは90年代半ばから2010年代生まれの世代だそうで、川崎レナさん(17)が、「国際子ども平和賞」を日本人ではじめて受賞したことが話題になった。マララ・ユスフザイさん*4やグレタ・トゥンベリさん*5も受賞している権威ある賞らしい。
”ワクワクする気持ち大切に”国際子ども平和賞 川崎レナさん | NHK | ニュース深掘り

 ググったところ「X世代(1960年代後半から1970年代)」「Y世代(1980年代から1990年代前半)」でその後なのでZ世代だそうです。

 『日経ビジネス』(2001年10月22日号)のインタビュー記事「アフガンで活動18年、中村医師が語るタリバンの真実~恐怖政治は虚、真の支援を」で、タリバンの「恐怖政治」はウソだと明言している。
 中村さん、まず報道を批判している。
「日本の報道で一番伝わってこないのが、アフガンの実情です。(ボーガス注:タリバンと対立する)北部同盟の動きばかりが報道されて、西側が嫌うタリバン政権下の市民の状況が正確に伝わらない」
「今(ボーガス注:タリバンと戦う英雄として)もてはやされている北部同盟の故マスード*6将軍はハザラという一民族の居住区に、大砲や機関銃を雨あられと撃ち込んで犠牲者を出した」とも。
 かつて乱暴狼藉を働いた北部同盟を、日本のメディアは、「英雄」ともちあげた。私も当時の報道に関与したので、この批判はきついが、そのとおりである。

 中村氏を称えることが「中村氏が創設した団体との友好的関係」につながり、今の高世の利益になるからでしょうが躊躇いなく「北部同盟を評価したことは間違っていた!」という高世です。
 そういうことであるなら、小泉元首相、田中均氏、蓮池透氏らに陳謝する用意くらいはあるんだろうな - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が批判するように小泉氏等にはろくに謝罪しませんが。
 ちなみに「もてはやす」の一例が、「マスード」でググってヒットした長倉洋海*7マスードの戦い』(2001年、河出文庫→増補新版、2021年、河出文庫)、『アフガニスタン敗れざる魂:マスードが命を賭けた国』(2002年、新潮社)、『アフガニスタンマスードが命を懸けた国*8』(2022年、白水社)でしょう。「中村氏の支援者に媚びたい」程度の動機しかないであろう高世に「長倉氏のようなマスードに好意的な人士」を批判する度胸があるかは甚だ疑問ですが。

*1:竹下、小渕、森内閣防衛庁長官、橋本内閣建設相など歴任

*2:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*3:石川島播磨重工社長、電電公社総裁、NTT社長、会長など歴任

*4:1997年生まれ。2014年ノーベル平和賞受賞者

*5:2003年生まれ

*6:1953~2001年。アフガン国防相、副大統領など歴任。2001年に暗殺された。

*7:著書『激動の世界を駆ける』(1987年、講談社文庫)、『フォト・ジャーナリストの眼』(1992年、岩波新書)、『子どもたちのアフガニスタン』(2002年、岩波ブックレット)、『私のフォト・ジャーナリズム』(2010年、平凡社新書)など

*8:副題が2002年の新潮社本と同じだが、新潮社本の増補新版かどうかは不明。