珍右翼・高世仁に悪口する(2023年2/3日分)(追記あり)

中村哲医師とフランクル1 - 高世仁のジャーナルな日々

 中村哲医師は、2004年、「イーハトーブ*1」(宮沢賢治学会主宰*2)を受賞した。

宮沢賢治賞・イーハトーブ賞 - Wikipediaによれば

 宮沢賢治賞は、宮沢賢治の名において顕彰されるにふさわしい研究・評論・創作を行った個人または団体に対して贈られるもので、おおむね過去3年以内に発表されたものが対象とされる。イーハトーブ賞は、宮沢賢治の名において顕彰されるにふさわしい実践的な活動を行った個人または団体に対して贈られる。

とのこと。
 中村氏以外の「イーハトーブ賞」歴代受賞者(俺が上手く紹介できそうなモノのみ紹介)は以下の通りです。なお、宮沢賢治賞は宮沢賢治関係の著書がある「宮沢賢治研究者」が多いようですが、イーハトーブ賞は「賢治関係の受賞(例:賢治作品一人語りの林洋子氏、長岡輝子氏、賢治作品漫画化のますむらひろし氏、賢治作品アニメ化の高畑勲氏など)」もありますが、そうでないもの(例:原発批判派の高木仁三郎*3、経済評論家の内橋克人氏、アフガン医療支援の中村氏、ベトナム医療支援の服部匡志氏など→高木氏の脱原発活動や内橋氏の新自由主義批判、中村氏、服部氏の医療支援が賢治の精神に通じる*4と言う評価でしょうが)もあります。

宮沢賢治賞・イーハトーブ賞 - Wikipedia宮沢賢治賞・イーハトーブ賞受賞者一覧 - 宮沢賢治学会イーハトーブセンター/宮沢賢治イーハトーブ館参照
以下全て本賞
【第4回(1994年)】
林洋子 (女優) - Wikipedia(1930年生まれ)
 女優。1980年、クラムボン*5の会を設立し宮沢賢治作品の一人語り出前公演を開始
【第5回(1995年)】
高木仁三郎 - Wikipedia(1938~2000年)
 原子力資料情報室代表。著書『プルトニウムの恐怖』(1981年、岩波新書)、『元素の小事典』(1982年、岩波ジュニア新書)、『核時代を生きる:生活思想としての反核』(1983年、講談社現代新書)、『単位の小事典』(1985年、岩波ジュニア新書)、『原発事故 日本では?』(1986年、岩波ブックレット)、『マリー・キュリーが考えたこと』(1992年、岩波ジュニア新書)、『プルトニウムの未来』(1994年、岩波新書)、『宮沢賢治をめぐる冒険:水や光や風のエコロジー』(1995年、社会思想社)、『もんじゅ事故の行きつく先は?』(1996年、岩波ブックレット)、『市民科学者として生きる』(1999年、岩波新書)、『原発事故はなぜくりかえすのか』(2000年、岩波新書)など
【第8回(1998年)】
長岡輝子 - Wikipedia(1908~2010年:岩手県盛岡市出身)
 女優。晩年は宮沢賢治の童話と詩を岩手の方言で読む朗読会を実施
【第9回(1999年)】
井上ひさし - Wikipedia(1934~2010年)
 作家、戯曲家。宮沢賢治を取り上げた戯曲として『イーハトーボの劇列車』(新潮文庫)がある。
【第11回(2001年)】
ますむらひろし - Wikipedia(1952年生まれ)
 漫画家。著書に『イーハトーブ乱入記:僕の宮沢賢治体験』(ちくま新書)や宮沢賢治小説の漫画家である『銀河鉄道の夜』、『風の又三郎』、『グスコーブドリの伝記・猫の事務所・どんぐりと山猫』(以上、扶桑社コミックス)など
【第12回(2002年)】
オペラシアターこんにゃく座 - Wikipedia
 宮沢賢治作品『セロ弾きのゴーシュ』『グスコーブドリの伝記』を公演
【第13回(2003年)】
赤坂憲雄 - Wikipedia(1953年生まれ)
 著書『子守り唄の誕生:五木の子守唄をめぐる精神史』(1994年、講談社現代新書→2006年、講談社学術文庫)、『柳田国男の読み方:もうひとつの民俗学は可能か』(1994年、ちくま新書→2013年、ちくま学芸文庫)、『「注文の多い料理店」考』(共著、1995年、五柳書院)、『イーハトーブ風景学:宮沢賢治の〈場所〉』(共著、2022年、七月社)など
【第16回(2006年)】
内橋克人 - Wikipedia(1932~2021年)
 経済評論家。著書『原発への警鐘』(1986年、講談社文庫)、『共生の大地:新しい経済がはじまる』(1995年、岩波新書)、『「節度の経済学」の時代』(2006年、朝日文庫)、『もうひとつの日本は可能だ』(2006年、文春文庫)、『共生経済が始まる:人間復興の社会を求めて』(2011年、朝日文庫)、『大震災のなかで:私たちは何をすべきか』(2011年、岩波新書)など
服部匡志 - Wikipedia(1964年生まれ)
 ベトナムで眼科医療に従事。2022年、マグサイサイ賞を受賞。著書『はっちゃんベトナムに行く』(2007年、アーティストハウスパブリッシャーズ)など。高世も以前、「ベトナムの赤ひげ」服部匡志医師 - 高世仁のジャーナルな日々で服部氏を取り上げている。
【第25回(2015年)】
高畑勲 - Wikipedia(1935~2018年)
 アニメ作家。1982年に宮沢賢治作品『セロ弾きのゴーシュ』をアニメ化
【第27回(2017年)】
色川大吉 - Wikipedia(1925~2021年)
 東京経済大学名誉教授。著書『イーハトーヴの森で考える:歴史家から見た宮沢賢治』(2019年、河出書房新社)など
【第30回(2020年)】
わらび座 - Wikipedia
 宮沢賢治作品『銀河鉄道の夜』を公演
【第32回(2022年)】
人形劇団プーク - Wikipedia
 宮沢賢治作品『オッペルと象』を公演

【追記】
 宮沢賢治賞についても(俺が上手く紹介できそうなモノのみ)紹介しておきます。

宮沢賢治賞・イーハトーブ賞 - Wikipedia宮沢賢治賞・イーハトーブ賞受賞者一覧 - 宮沢賢治学会イーハトーブセンター/宮沢賢治イーハトーブ館参照
【第1回(1991年)】
堀尾青史 - Wikipedia(1914~1991年:本賞)
 著書『年譜・宮沢賢治伝』(1991年、中公文庫)など
【第2回(1992年)】
小倉豊文 - Wikipedia(1899~1996年:本賞)
 広島大学名誉教授。著書『宮沢賢治雨ニモマケズ手帳」研究』(1996年、筑摩書房)など
【第3回(1993年)】
原子朗 - Wikipedia(1924~2017年:本賞)
 早稲田大学名誉教授。著書『新宮澤賢治語彙辞典』(1999年、東京書籍)、『宮沢賢治とはだれか』(1999年、早稲田大学出版部)など
【第4回(1994年)】
森荘已池 - Wikipedia(1907~1999年:本賞)
 著書『野の教師宮沢賢治』(1960年、普通社)、『宮沢賢治の肖像』(1974年、津軽書房)など
 なお、「大宅壮一ノンフィクション賞」を受賞した文藝春秋社の本ですら、文春文庫に(他社の文庫にも)なっていないことがある - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)と言う指摘がありますが、この森は『1943年に 『山畠』『蛾と笹舟』で第18回直木賞を受賞』しながら『文春文庫に(他社の文庫にも)なっていない』かわいそうな(?)人物です。
【第5回(1995年)】
中野新治 - Wikipedia(1947年生まれ:奨励賞)
 著書『宮沢賢治 童話の読解』(1993年、翰林書房)、『宮沢賢治の磁場』(2018年、翰林書房)など
【第6回(1996年)】
斎藤文一 - Wikipedia(1925~2017年:本賞)
 著書『宮沢賢治とその展開』(1977年、国文社)、『宮沢賢治と銀河体験』(1980年、国文社)、『宮沢賢治 四次元論の展開』(1991年、国文社)、『銀河系と宮沢賢治:落葉広葉樹林帯の思想』(1996年、国文社)、『アインシュタイン銀河鉄道の夜』(2001年、新潮選書)、『宮沢賢治の春』(2002年、国文社)、『宮沢賢治の世界』(2003年、国文社)、『科学者としての宮沢賢治』(2010年、平凡社新書
鈴木健司 (国文学者) - Wikipedia(1953年生まれ:奨励賞)
 著書『宮沢賢治 幻想空間の構造』(1994年、蒼丘書林)、『宮沢賢治という現象』(2003年、蒼丘書林)、『宮沢賢治文学における地学的想像力』(2011年、蒼丘書林)、『宮澤賢治の深層』(共著、2012年、法蔵館)など
【第7回(1997年)】
佐藤泰正 - Wikipedia(1917~2015年:本賞)
 著書『宮澤賢治を読む』(2002年、笠間書院)、『宮沢賢治の切り拓いた世界は何か』(2015年、笠間書院)など
西成彦 - Wikipedia(1955年生まれ:奨励賞)
 立命館大学名誉教授。著書『森のゲリラ 宮沢賢治』(1997年、岩波書店→2004年、平凡社ライブラリー)など
【第8回(1998年)】
奥山文幸 - Wikipedia(1955年生まれ、奨励賞)
 著書『宮沢賢治春と修羅』論』(1997年、双文社出版)、『宮沢賢治論』(2014年、蒼丘書林)など
【第10回(2000年)】
押野武志 - Wikipedia(1965年生まれ:奨励賞)
 北海道大学教授。著書『宮沢賢治の美学』(2000年、翰林書房)、『童貞としての宮沢賢治』(2003年、ちくま新書)、『文学の権能:漱石・賢治・安吾の系譜』(2009年、翰林書房)など
【第11回(2001年)】
天沢退二郎 - Wikipedia(1936~2023年:本賞)
 明治学院大学名誉教授。著書『宮沢賢治の彼方へ』(1968年、思潮社→1993年、ちくま学芸文庫)、『《宮澤賢治》論』(1976年、筑摩書房)、『《宮沢賢治》のさらなる彼方を求めて』(2009年、筑摩書房)など
【第12回(2002年)】
松田司郎 - Wikipedia(1942年生まれ:本賞)
 大阪国際大学名誉教授。著書『宮沢賢治の深層世界』(1998年、洋々社)、『宮沢賢治イーハトーヴへの切符』(2000年、光村推古書院)、『宮沢賢治存在の解放へ』(2005年、洋々社)
【第14回(2004年)】
山根知子 - Wikipedia(1964年生まれ:奨励賞)
 ノートルダム清心女子大学教授。著書『宮沢賢治 妹トシの拓いた道』(2003年、朝文社)、『わたしの宮沢賢治』(2020年、ソレイユ出版)など
【第20回(2010年)】
西田良子 - Wikipedia(1931~2018年:本賞)
 大谷大学名誉教授。著書『宮沢賢治論』(1981年、桜楓社)、『宮沢賢治 その独自性と同時代性』(1995年、翰林書房)、『宮沢賢治読者論』(2010年、翰林書房)など
【第21回(2011年)】
吉田文憲 - Wikipedia(1947年生まれ:本賞)
 著書『宮沢賢治 妖しい文字の物語』(2005年、思潮社)、『宮沢賢治 幻の郵便脚夫を求めて』(2009年、大修館書店)など
【第30回(2020年)】
今福龍太 - Wikipedia(1955年生まれ:本賞)
 東京外国語大学名誉教授。著書『宮沢賢治 デクノボーの叡知』(2019年、新潮選書)など

*1:畠山重篤 - Wikipediaとの同時受賞

*2:宮沢賢治賞・イーハトーブ賞 - Wikipediaによれば主催は岩手県花巻市(賢治の出身地)で選考が学会とのこと

*3:高木氏には『宮沢賢治をめぐる冒険:水や光や風のエコロジー』(1995年、社会思想社)と言う著書がありますがこれが賢治評論として評価されたと言うよりは原発批判が評価されたとみるべきでしょう。

*4:まあ確かに賢治(1933年死去)が現在、存命だとしてどんな立場を取ったかは分かりませんが、一般的なイメージでは彼は「原発推進」「新自由主義支持(格差や貧困を容認)」ではないでしょう。

*5:宮沢賢治『やまなし』に『クラムボンはわらつたよ』『クラムボンは死んだよ』『クラムボンは殺されたよ』という「蟹の子どもの会話」として出てくる謎の存在(やまなし - Wikipedia参照)