今日のロシアニュース(2023年2月4日分)(追記あり)

ロシア・ウクライナ戦争:ベネット・イスラエル前首相発言|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 浅井先生曰く、今のところ「ロシア系メディア・スプートニク」が報じてるだけで信憑性に難があるそうですが、それにしても「ベネット・イスラエル元首相」が「ベネットから聞いたプーチン発言(後で読売記事を紹介します)に安心したゼレンスキーは『NATO非加盟を明言する』など、ロシアとの融和的態度を取り、停戦に動こうとしたがバイデン米国大統領とジョンソン英国首相が反対した*1ので、ゼレンスキーは対決姿勢に傾いた」と語り、バイデン、ジョンソンを「戦争をけしかけた」と非難して、プーチンを擁護したという報道は「真実の場合」は勿論「ベネットの思惑は何か」と言う意味で重要ですが、「ロシアのフェイク」の場合も「ロシアの思惑は何か」と言う意味で重要でしょう。
【追記】

ゼレンスキー氏を「殺すつもりはない」、プーチン氏確約 : 読売新聞オンライン2023.2.6
 イスラエルのナフタリ・ベネット元首相はプーチン露大統領とモスクワで(ボーガス注:2月の侵攻後の)昨年3月に会談した際、プーチン氏がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を「殺すつもりはない」と確約したと明かした。4日に公開されたイスラエルメディアのインタビューで語った。
 ベネット氏は当時、首相として停戦の仲介に意欲を見せていた。報道によると「ゼレンスキー氏を殺害するつもりか」とのベネット氏の問いかけに答えたもので、ベネット氏が「(注:停戦を仲介するには)殺害しないと約束してもらう必要がある」と念を押すと、プーチン氏は「殺すつもりはない」と繰り返したという。
 ウクライナのドミトロ・クレバ外相は5日、「プーチン(氏)はクリミアを占領しない、ウクライナを侵略しないと約束したが、全て実行した。ウソの達人だ」と述べ、発言の信頼性に疑問を投げかけた*2

 上で指摘したようにスプートニク報道に寄れば

「ベネットから聞いたプーチン発言に安心したゼレンスキーは『NATO非加盟を明言する』など、ロシアとの融和的態度を取り、停戦に動こうとしたがバイデン米国大統領とジョンソン英国首相が反対したので、ゼレンスキーは対決姿勢に傾いた」と語り、バイデン、ジョンソンを「戦争をけしかけた」とベネットは非難して、プーチンを擁護した

そうです。
 勿論、スプートニク報道はガセの可能性が否定できませんが、読売記事レベルでも『2月の侵攻後の3月』に停戦仲介に動いたベネットは、ウクライナにとって、かなりロシアに融和的ではあるでしょうし、だからこそ読売記事に寄ればベネット発言にはクレバ外相が反発しています。
 勿論、「ウクライナや米英仏独などの適切な対応で、ベネットの仲介で3月に停戦を実現できなかったか」という立場に立とうとも「プーチンの2月の侵攻」や「その後の数々の戦争犯罪行為」を「全面正当化はできないこと」は指摘しておきます。


「北方領土の日に日本人と連帯」ウクライナ大統領が声明 - 産経ニュース

 日本が「北方領土の日」を迎えた7日、ウクライナのゼレンスキー大統領は「北方領土の日において、われわれは日本政府や日本人と連帯する。日本とウクライナ国際法と正義が回復されなければならない」とする声明をツイッター上で発表した。

 日本政府主催の式典もあったそうですが、「2/7*3北方領土の日とは知らなかった」というのが率直な感想です。
 正直「3/11(東日本大震災)」「8/6(広島原爆)」「8/15(終戦記念日)」ほどのインパクトを大抵の日本人は感じてないでしょう。つまりは「俺に限らず」旧島民など当事者を除けば、ほとんどの日本人は「あの島に興味が無い」「あの島が近い将来帰ってくると思ってない」ということです(その点は竹島の日(2月22日*4)も同じでしょうが)。
 そういう意味ではゼレンスキーツイートは「日本人大多数への影響力」は皆無に等しいでしょう。


EU首脳、キーウでゼレンスキー氏と会談 追加制裁表明、加盟は遠く [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
 そもそもEU加盟には確か「赤字財政の克服」など通常なら一定のハードルがあります。
 今の「戦時下」ウクライナにそのハードルは越えられないでしょうし、とはいえ「例外措置」で加盟を認めれば
1)加盟申請してもハードルを理由に認められず今ハードル達成に努力中の国
2)加盟できたがそれまで散々ハードル達成のために努力させられた国
から「不公平だ(多分ロシアの侵攻がなくてもハードルは越えてなかったので)」の批判が出るでしょうから当面加盟は無理ではないか。


G7、ロシア産ディーゼル油に価格上限 1バレル100ドル: 日本経済新聞
 何もしないよりはマシでしょう。
 一方で上限が適切か(もっと下げられないか)という問題もある。
 しかし誰しも思うのは「何故全面禁輸できないのか」というモヤモヤ感でしょう。

*1:一方、マクロン仏大統領、シュルツ独首相はスプートニク報道によればベネットの停戦路線を支持したとのこと

*2:浅井先生も指摘していますがこうした「ロシアに融和的」と思われる発言にウクライナ側が反発するのはいつものことです。

*3:1855年2月7日に日露和親条約が締結され北方領土をロシアが日本領と認めた事による(2月7日 - Wikipedia参照)

*4:1905年2月22日に竹島島根県編入されたことによる(2月22日 - Wikipedia参照)