池内恵の幻の著作『アラブの春とは何だったのか』とは何だったのか(2023年2月27日記載)(追記あり)

 黒井文太郎に突っ込む(副題:米軍のイラン革命防衛隊幹部暗殺を美化する黒井)(2020年1月3日分) - bogus-simotukareのブログのコメント欄でのご指摘で知った話です。

☆中東おじさん★①ー呉座騒動の脇役・池内恵氏の謎を追う~アラブの春篇~ - 亀田俊和検証委員会
 池内氏には、もう一つの看過できない「謎」があるのです。約8年前の2015年頃から、ずっと未刊行の状態が続いている自著の存在です。それが下記の『アラブの春とは何だったのか』(東京大学出版会)という研究書のことです。
【主要目次】
はじめに 本書の構成
第1章 アラブの春の政治変動 概要
第2章 アラブの春で試される政治学諸仮説
第3章 若者と情報
第4章 社会運動と闘争の政治 デモと伝播のメカニズム
第5章 政権の崩壊と持続 その軌跡と分岐点
第6章 共和制・世襲・終身大統領制の崩壊
第7章 アラブ君主制は倒れないのか?
第8章 介入の地域/国際政治
第9章 体制と体制の間 移行期政治の困難
第10章 イスラーム主義の勃興と挫折、ジハード主義の台頭
第11章 国家の逆襲 セキュリティ国家化
第12章 国家の崩壊、グローバル・ジハードの出現 国際秩序の再構成
エピローグ アラブの春は何をもたらしたのか 今後何をもたらすのか

1)東京大学出版会から2015年発売予定として、アマゾン等で目次まで広報されたのに「今年(2023年)で既に7年以上経つ」のにいつまで経っても発売されず
→なお、発売予定とされた2015年以降も池内は著書自体は、『増補新版・イスラーム世界の論じ方』(2016年、中央公論新社)、『【中東大混迷を解く】シーア派スンニ派』(2018年、新潮選書)、『ウクライナ戦争と世界のゆくえ』(共著、2022年、東大出版会)を刊行
2)そのことについて池内から何の説明もなく
3)他の出版社(池内が過去に著書を刊行した講談社、新潮社、中公新社、文春等)から同名の著書が刊行されるわけでもない
→池内は過去に『現代アラブの社会思想:終末論とイスラーム主義』(2002年、講談社現代新書)、『イスラーム国の衝撃』(2015年、文春新書)、『増補新版・イスラーム世界の論じ方』(2016年、中公新社)、『【中東大混迷を解く】シーア派スンニ派 』(2018年、新潮選書) などを刊行
というのはあまりにも不可思議すぎます(今後、何らかの形で刊行されるにせよ*1)。
 どんな黒歴史か分かりませんが、どうも池内にとって☆中東おじさん★①ー呉座騒動の脇役・池内恵氏の謎を追う~アラブの春篇~ - 亀田俊和検証委員会が指摘するように、この件は口にしたくない「何らかの黒歴史」の疑いがありますね。
 まさかとは思いますが
1)「目次だけ麗々しく掲げたもの」の、原稿は実はその当時「存在しなかった」(善意に理解しても池内には『大雑把な原稿案』しかなかった)
2)原稿が存在しない(当然、東大出版会側も原稿を見ていない)のに東大出版会側が池内の虚言(原稿が存在する、あるいは今は『大雑把な原稿案』しかないが、刊行予定日までには原稿が完成する)を何故か鵜呑みにし、刊行予定とした物の、いつまで経っても原稿が提出されず実は刊行不可能なことが判明した
3-1)その後も原稿はいつまで経っても完成せず(当然、東大出版会だけでなく他社からも出版不可能)
あるいは
3-2)原稿は完成したが池内の無茶苦茶な行為に激怒した東大出版会側が刊行を拒否。経緯が経緯なので他社にも原稿を持ち込みにくい(あるいは持ち込んでもトラブルを恐れる出版社側に断られた)
という「およそ信じられない話(池内の詐欺行為)」なのか。
 いかに池内が東大教員(2015年当時は准教授、現在は教授)で、過去に(東大出版会ではなく他の出版社だが)著書も刊行しているとは言え、原稿も見ずに東大出版会が刊行を決定し宣伝までするなんておよそあり得ない*2と思います。また池内が「そのような無茶苦茶をやるほどの非常識」なのか知りませんが、それにしては「いつまで経っても刊行予定が刊行済みにならない(そしてそのことについて池内が何一つ説明しない)」とは不可思議な話です。

【追記】

帰ってきた☆中東おじさん★①呉座騒動の脇役・池内恵氏の謎を追う~アン・コールター篇~ - 亀田俊和検証委員会2023.5.21
 『読売新聞』朝刊(2004年11月14日付け)書評欄「アン・コールター『リベラルたちの背信 アメリカを誤らせた民主党の60年』(翻訳:栗原百代草思社)」「評者・池内恵(※当時の肩書きは、日文研助教授)」から。
 書評にて、池内恵氏ご本人*3は、当時から既に悪名高い極右の陰謀論者でもあったアン・コールターの主著を、ほぼ無反省に賛美しておりました。
 アメリカの多くの識者や専門家が指摘しているように……上記のヴェノナ文書(ヴェノナ作戦)等を元にした一部の議論(?)など典型的な陰謀論のオンパレードであり、真っ当な研究者からは、殆ど相手にされていない模様です。
 そもそも、池内恵氏が鵜吞みにしている可能性もあるアン・コールターの主著『リベラルたちの背信』の内容は……史学的根拠に乏しく、「仮定に仮定を幾重にも重ねる」偽史と、ほぼ同様の手法を取っていると考えられます。それらの結論は、現在でもアメリカの知識層からは、ほぼ完全否定されているのが実状だそうです。
 自分も、検証のために『リベラルたちの背信』を何年かぶりに改めて読み直してみましたが……今は亡き極右雑誌『諸君!』(文藝春秋)、WGIP江藤淳歴史修正主義者の渡部昇一らの陰謀本で「耐性」がそれなりに付いていたとはいえ、ある意味、読破するには徹夜以上の苦痛でした。
 妄想を「真実」として語る。理路整然と嘘を付く。自身の中の「矛盾」に全く気付いていないらしいなど、極限まで党派性に凝り固まった、本物の陰謀論者の誇大妄想等を延々と読まされるのは……。
 よく言ったところで、粗悪な安物のアブサンを、ストレートで一気飲みしたような読後感が、悪酔いの酩酊感が……!?
 当時の池内恵氏が、如何なる意図で、このような現代の『シオン賢者の議定書』も同然の陰謀本を一般紙の『読売新聞』の書評にて、大真面目に賞賛していたのかは存じませんが……冗談やネタ本だとしても、笑うに笑えません。
 池内氏曰く、「数多の反ブッシュ本とあわせて読めば、バランスの取れたアメリカ像が得られよう。」
 いや、『リベラルたちの背信』は、そんな生易しい代物ではないのですが。

 上記はコメント欄で指摘があった件ですが、「本心で陰謀論を信じてる」にせよ「故意のデマ垂れ流し、商売右翼」にせよ池内も本当にどうしようもないバカです。

*1:とはいえ普通に考えてこれでは刊行されそうにありませんが

*2:かつ池内がそんな無茶苦茶をしながら共著とは言え、『ウクライナ戦争と世界のゆくえ』(共著、2022年、東大出版会)が刊行できるだろうか?とも思います

*3:そもそも中東史が専門で「米国政治」が専門ではない池内が「米国政治の本」を書評すること自体が変です。好意的書評を読売が希望したところ、まともな米国政治研究者にはそんな人間が一人もいなかった(だから池内が書評した)という「酷い話」ではないのか?。もしこの俺の「邪推」が正しいのならそんな本に好意的書評を求める読売も、そんな読売の要望に応える池内も呆れたバカです。