珍右翼・高世仁に突っ込む(2023年3/25日分)

ブチャ虐殺1年のウクライナ - 高世仁のジャーナルな日々
 高世記事の日付は3/24ですが、ブチャの虐殺 - Wikipediaによればロシア軍によるブチャ陥落が「2022年2月27日」、ウクライナ側の反撃によるロシア軍のブチャ撤退が「2022年3月30日」なので、ブチャ虐殺(ロシア軍は犯行を否定してるが、3月30日の撤退後、虐殺されたとみられる遺体が発見された。市民400人程度が虐殺されたとみられる)から1年というと「2023年3月30日」とする見方が多いようです。なお、ロシアによるウクライナへの全面侵攻開始は2022年2月24日で「高世記事の日付(3/24)」の1年前です。


衝撃のドキュメンタリー映画『ナワリヌイ』 - 高世仁のジャーナルな日々
 プーチン政権と言えば、

暗殺事件の一覧 - Wikipedia参照
プーチン政権犯行説が通説】
リトビネンコ事件 - Wikipedia(2006年)
 英国公安がロシアの諜報機関FSBソ連KGBの後継組織、エリツィン政権時代にプーチンがここの長官を務めた)の犯行と断定。容疑者アンドレイ・ルゴボイ(主犯)の引き渡しをロシアに求める側がロシアは拒否。ルゴボイは2007年にロシア下院議員選挙にロシア自由民主党*1から立候補し、当選、下院議員に就任。ルゴボイの議員就任は「論功行賞」ではないかと疑われている。
◆セルゲイ・スクリパリ*2暗殺未遂(2018年)
 犯行にはノビチョクが使用された。英国公安がGRU(ロシア軍の諜報機関旧ソ連時代にはゾルゲ事件ゾルゲが所属したことで知られる)の犯行と断定。容疑者の引き渡しをロシアに求める側がロシアは拒否(ロシアの元スパイ暗殺未遂事件、英当局3人目の容疑者を特定:朝日新聞デジタル(2021.9.22)参照)
プーチン政権の犯行が疑われる】
◆ポリトコフスカヤ暗殺(2006年)
 2011年8月25日、ロシア警察は、ポリトコフスカヤ殺害を指揮したとして、モスクワ警察元警視ドミトリー・パブリュチェンコフを逮捕。パブリュチェンコフはモスクワ警察第4捜査課長だった2006年に、何者かに金をもらい、部下にポリトコフスカヤの殺害を実行させたとして、2012年に懲役11年の実刑判決。また、2014年5月22日には、ルスタム・マフムドフら実行犯2人に終身刑、残り3人に懲役12~20年の実刑判決。
 依然、パブリュチェンコフに金を渡したとされる黒幕は明らかになっておらず、ポリトコフスカヤの長男イリヤら遺族や支援者は、暗殺を命じた人物を突き止めるようロシア政府に真相究明を求めている(アンナ・ポリトコフスカヤ - Wikipedia参照)
ネムツォフ暗殺(2012年)
 エリツィン政権でニジニ・ノヴゴロド州知事、第一副首相、下院副議長など歴任。犯人は今だ逮捕されていない。
◆ボロネンコフ元ロシア下院議員暗殺(2017年)
 亡命先のウクライナで銃撃され死亡。実行犯はボディーガードと銃撃戦の末現場で拘束されたが、その後病院で死亡し背後関係の有無等は不明。ボロネンコフはロシア共産党に所属し、プーチン政権への批判的な発言で知られていた。

等と「プーチンの政敵や反対派」の「暗殺疑惑(未遂含む)」に事欠かない「物騒な連中」ですが、今回、高世が取り上げるナワリヌイ(反プーチン派)も、2020年に「旧ソ連が開発した毒物ノビチョク」で重体に陥り、今は「詐欺や横領といった一般刑事犯罪*3」を理由に「懲役9年の判決」で服役中、獄死が危惧されるという御仁です。
 なおノビチョクについては、「週刊漫画ゴラクで連載中」で「2023年7月にテレ朝でドラマが放送予定」と発表された漫画警部補ダイマジン - Wikipediaでネタになっていたので割と有名かもしれません。
 ただし「ダイマジン」でノビチョクを使う(それも、政敵暗殺という特定人物暗殺ではなく、都内の住宅街に散布した大量殺害という地下鉄サリン的な無差別殺人)のは「日本公安警察内部に結成された秘密結社44」で彼らはロシアとは何の関係もなく「ロシアの脅威」をネタに「公安警察防衛省自衛隊の権限拡大を狙う自作自演」と言う設定ですが。これに対し「44撲滅を目指す公安警察正義派」の一人としてダイマジンこと「台場陣(ドラマでは生田斗真*4だが、漫画のダイマジンはそれほどのイケメンではない)」が活躍すると言う話ですが正直、漫画もドラマも「どう落とすのか」感があります(ドラマはさすがに44撲滅話でもノビチョク云々は描写しないかもしれませんが)。
 「話が脱線します」が最近の週刊漫画ゴラクは他にも、

◆鬼ゴロシ
 全国からも注目される「某地方都市のやり手市長(大阪維新がモデル?)」は実は裏では暴力団と結託し「政治資金源として自ら覚醒剤の製造販売」に着手。そうした彼の暗部を暴こうとする人間を容赦なく大量殺戮。
 漫画においては、『特定の人間だけを殺害すると動機がばれる、相手の隙を見て殺そうとすると手間がかかる』として部下に『白昼堂々暗殺しても、犯行目撃者を何人殺しても、手っ取り早くマシンガンやダイナマイトを使っても構わない』と無茶苦茶な命令。また、警察に部下が逮捕されると、口封じのために『逮捕を免れた部下』に警察襲撃までやらせ、警官も容赦なく殺害する*5のでやたら死人が増える。
 但し、【1】市長の暗部を暴こうとする人間の多くは「単純な正義派」として描かれてるわけではなく(多くは『市長と似たり寄ったりの悪人』として描かれてる)、【2】また現時点では市長の体制は盤石(日本版プーチン?)であり、落ち(市長が無事なまま終わる、あるいはそこまで酷くなくても病死といった彼の汚点が暴かれない落ちもあり得る)が全く読めず、カタルシスを得にくいピカレスク描写。
◆スマイリー
 暴力団と結託し「活動資金源として自ら覚醒剤の製造販売」に着手する某新興宗教団体。そうした団体の暗部を暴こうとする人間(ジャーナリスト、弁護士など)を容赦なく大量殺戮(どう見ても坂本弁護士一家殺害、松本サリン、地下鉄サリンなどのオウム真理教がモデル)。鬼ゴロシと違い「教団追及派」は「正義派」として描かれてるところは救いだが、今のところ、教団に警察の捜査が入っておらず、落ちが全く読めない。

など物騒な話がやたら多いです(好き嫌いは分かれるでしょうし、悪党たちが断罪される落ちに一応なるのならともかく、現時点では小生自身はあまり好きではない)。一方で江戸前の旬 - Wikipediaのようなほのぼのした作品もあることはあります。
 なお、ダイマジンでは何故かノビチョクの開発国は「北の大国」と婉曲に表現されています。ロシア政府の抗議を恐れてるのかもしれませんが、一方では松武伸比行(まつたけ・のびゆき:拙記事週刊漫画ゴラクの新連載『裸のカルテ』第一話に吹き出す(2023年3月10日記載) - bogus-simotukareのブログ参照)ですからねえ(苦笑)。まあ、ロシアに比べたら松竹など確かに怖くはないでしょうが。

*1:プーチン与党ではないが、プーチンに近い準与党(日本での「自民補完勢力」維新や国民民主のような存在)とされる。与党「統一ロシア」から出馬させるとあまりにも露骨なため、ロシア自民党からの出馬とみられる。

*2:英国スパイとして活動していたことを理由に、2006年にロシアで禁錮13年の判決。ロシアと米国のスパイ交換により、2010年、米国側に引き渡され、後に英国に亡命(セルゲイ・スクリパリ - Wikipedia参照)

*3:勿論政治犯罪ではないのは「政治弾圧ではない」とプーチン側が言い訳するためでしょう。

*4:1984年生まれ。ジャニーズ事務所所属。2011年、主演映画『人間失格太宰治の同名小説の映画化)』、『ハナミズキ』でキネマ旬報新人男優賞、ブルーリボン賞新人賞を受賞(生田斗真 - Wikipedia参照)。

*5:白昼堂々、警察襲撃、警官大量殺害なんかしたら、日本警察の追及がすさまじいものになるのであり得ない話ですが