今日の中国ニュース(2023年3月28日分)(副題:イラン、サウジ国交正常化ほか)

米軍高官、中国が台湾侵攻なら日本などが「姿見せるだろう」 | 毎日新聞
 中国はあくまでも「台湾が独立宣言すれば」という前提をつけてるのに、全く米国も無茶苦茶言うもんです。
 こういうことを言うからこそ「米国は独立宣言を支持する気ではないか」と言う疑念を中国が持つのでしょうに。


ゼレンスキー大統領、習近平氏をウクライナに招待…侵略開始後は接触なし : 読売新聞2022.3.29
 会談(但し時期は未定*1)がどんな成果を生むのか期待したいところです。いずれにせよ中国もウクライナもお互い少なくとも「建前の世界」では敵対してないわけです。「中国がロシアべったり」であるかのような認識は明らかに適切ではないでしょう。

 中国はロシアのウクライナ侵略に関し、露軍の完全撤退や全領土の返還に触れていない「12項目の提案」を示している。

 アンチ中国の読売らしいですが、現時点で「そこまで踏みこんだ提案はできない」のは当たり前です。ロシア、ウクライナ双方が飲める案となれば、初期段階ではどうしても「曖昧な案」にならざるを得ないでしょう。「軍撤退」「領土返還」はある程度交渉が進んでからの話でしょう。「大学生の会社訪問」「結婚のお見合い」などだって初期は踏み込んだ話なんかしません。


「友好ムード」強調 関係正常化合意のサウジとイラン 中国の仲介で急進展 - 産経ニュース

 両国は2021年*2には、イラクオマーンの仲介で関係正常化を模索する直接協議を始めたとされる。だが、協議は停滞していたようだ。
 ロイター通信によると、イランでは最高指導者ハメネイ*3が昨年9月、協議が進まないことにいらだちを示し、中国に調停を打診。中国の習近平国家主席は昨年12月、訪問先のサウジで橋渡しに意欲をみせた。中国は今年2月のライシ師*4訪中に合わせ、サウジが作成した関係正常化の提案書をイラン側に渡したという。

 俺的には「赤字部分が重要」ですね。中国が仲介役を成功させたとはいえ「それ以前」から「別の国を仲介役として」国交正常化の動きはあったし、その動きには米国は恐らくノータッチだったわけです。
 なお、「親米国家であるイラクオマーンの仲介で国交正常化」なら、「反中国ウヨ」によって「米国外交の失敗」がこれほど騒がれることもなかったでしょう。


サウジがイランの核開発を容認 中国仲介の国交回復、5項目の合意判明 - 産経ニュース

 中東のイランとサウジアラビアが3月に中国を介して国交回復で合意した際、イラン核問題への対応など5項目で一致していたことが27日分かった。イラン政府当局者らが明らかにした。サウジはイランの核開発を巡り、核兵器獲得につながらない範囲で容認。両国の事実上の代理戦争となっているイエメン内戦の終結を目指す。

 ということで「イラン側の発表」であり、サウジや中国がどう反応するか分からないとはいえ、発表を信じれば単に国交正常化したに留まらず、「核兵器開発につながらない核開発(原発保有)を容認」など「かなり内容的に踏み込んだ部分」もいろいろあるようですね。この点「中国の仲介がそれなりに意味を持った」のか知りたいところです。
 「代理戦争化するイエメン内戦」云々ですがイエメン内戦 (2015年-) - Wikipediaによれば現政権をサウジが、反政府派フーシ派をイランが支援しているとのこと。
 勿論現政権もフーシ派も「ただのサウジやイランの走狗」ではなく一定の自主性が当然あるでしょうし*5イエメン内戦 (2015年-) - Wikipediaによればイランやサウジ以外にも支援国はあります。
 とはいえ「最大の支援国がイランとサウジ」である以上、両国の和解が「イエメン内戦和平につながる可能性」はあるでしょう。
 サウジやイランにしても「支援する現政権やフーシ派の崩壊」など「軍事支援が失敗に終わる形」での内戦終結は勿論望んでないでしょうが、一方で「軍事支援が経済的負担(内戦は2015年から7年以上に及ぶ)」で「できれば辞めたい」のでしょう。

*1:とはいえここまでゼレンスキーが言った以上、近いうちに会談自体はするのではないか。

*2:海外記事とは言え産経ですら西暦表記であることが興味深い。

*3:国防次官、イスラム革命防衛隊司令官、大統領等を経て最高指導者

*4:検事総長、司法第一副長官、司法長官などを経て現在、大統領

*5:外国の支援を受け「代理戦争」云々と呼ばれるケースでも「完全な傀儡」はほとんどないでしょう。