今日のロシアニュース(2024年6月5日分)

米紙ニューヨーク・タイムズが停戦条約の草案入手 ロシアとウクライナが22年に協議 - 産経ニュース

 2022年4月15日時点の草案前文で英国、中国、ロシア、米国、フランスの5カ国*1ウクライナの安全を保障するとし、第1条にウクライナ北大西洋条約機構NATO)加盟断念を意味する「ウクライナの恒久的な中立化」を盛り込んでいる。

1)何故当時、この停戦協議が挫折したのか?
2)何故現在、停戦条約案をNYタイムズが入手したのか?(誰が何の意図で提供したのか?)
が気になるところです。勿論「どんな意図(例えば停戦交渉派による停戦交渉ムードの助長)であれ、本物であれば報じる」というのも一つの判断です。


G7、ロシア凍結資産活用 ウクライナ支援7.8兆円 - 日本経済新聞
 勿論、ロシアにとってこれが「痛くないわけがない」のですが「(抜け穴がある等、理由はともかく)制裁してもロシアへの打撃が思ったほど大きくない」「欧米の支援疲れ」で「欧米がこうせざるを得ないところに追い込まれた」と言う面もあるでしょう。
 欧米が今まで「凍結資産活用」をしてこなかった理由「合法か疑義がある」「ロシアの報復措置を助長する」が解消したか疑問ですし。


ハリス米副大統領「プーチンが求めているのは交渉ではなく降伏」“和平交渉の条件”めぐりロシアを批判 | TBS NEWS DIG
撤退要求「ヒトラーと同じ」 プーチン氏にウクライナ大統領反発:時事ドットコム
 ヒトラーだの降伏要求だの言うと、ロシアと交渉の余地がなくなると思いますが果たしてそれでいいのか?。
 「そんな要求は受け入れられない」程度の批判で良いのでは無いか?


プーチン大統領 “和平交渉は4州からウクライナ軍撤退が条件” | NHK | ウクライナ情勢
 「4州からのロシア軍撤退とNATO加盟は譲れない、プーチン主張は論外」として、プーチン主張を検討せずに蹴飛ばすというのも一つの判断ですが、「これがプーチンの本心なのか、揺さぶりにすぎないのか」は重要でしょう。
 揺さぶりにすぎないなら「4州からウクライナ軍撤退とNATO非加盟」をウクライナが呑んでも「ウクライナ軍が本当に撤退するか怪しい」等「あれこれ言い訳」してロシア軍は撤退しないでしょう。
 一方で本心なら、「4州からウクライナ軍撤退とNATO非加盟」をウクライナが呑めば戦争終結の可能性がある(それどころか、この要求が「最初に最大要求を吹っかけて後で要求を落としていく」というロシアのハッタリなら、もっと不利な条件でもロシアが停戦する可能性すらある)。領土割譲はさすがに呑めない*2にしても「NATO非加盟」は呑んでもいいのではないかと個人的には思います。


ウクライナ、必要な追加動員数を下方修正、50万人→約12万人に 部隊編成見直しで - 産経ニュース
1)単に「当初見積もりが過大だった」のか
2)もとから「12万人」の動員しかする気が無かったが「50万」の数字を最初にぶち上げることで「50万から大幅に減った」イメージで「12万動員」への不満を低減しようという画策
3)国内の批判(そんなに動員するのか?)に耐えられず、泣く泣く下方修正(本当は50万動員したい)
のどれであるか、によって意味は違ってきますがその辺り、今後明らかになるのでしょう。


ロシアの子供連れ去り問題協議へ ゼレンスキー氏、仲介取り組むカタールを訪問 - 産経ニュース

 ウクライナのゼレンスキー大統領は5日、自身のX(旧ツイッター)でカタールを訪問したと明らかにした。タミム首長と会談し、ウクライナの子どもがロシアに連れ去られている問題について協議するという。カタールは子どもの帰還に向けた仲介に取り組んでいる。

 ゼレンスキーが何処まで本気でカタールの仲介に期待してるか、「客観的に見て」カタールの仲介が子ども取り戻しの上でどこまで期待できるかはともかく、「奪われた領土を取り戻すためにロシアと徹底抗戦」の彼ですら「ロシアによるこども拉致」についてこれですからね。
 「どんな手を使ってでも子どもを取り戻せ」という親の意見を無視できないのでしょう。
 拉致被害者家族(娘を拉致された横田早紀江や有本明弘など)は何で「政府はどんな手を使ってでも家族を取り戻せ」にならず「事実上、日朝交渉否定なのか」と改めてげんなりします。
 家族会の態度は「ロシアによるこども拉致」に置き換えれば「ロシアは無条件で子どもを帰せ(ウクライナ拉致被害者家族)」と言ってるのと同じで、それで済むなら誰も苦労しません。

*1:普通に考えればこの5カ国がこの草案について事前に知らされ内容に同意したとみるべきでしょうが、果たしてそうなのか?

*2:とはいえ短期で奪還する見込みがないため、ここも「継戦し続けていいのか」「(将来的には奪還を目指すとしても当面は)4州割譲を呑んで停戦すべきでは無いか」と言う悩みがありますが。