黒井文太郎に突っ込む(2024年7月10日分)

黒井文太郎
 イランでは下っ端にすぎない大統領に権限などない

 勿論イランの最高指導者は「ハメネイ*1」であり、大統領には「限界がある」事は確かですが、ここまで軽く扱っていい存在では明らかに無いでしょう。アンチ「イラン」の黒井が結論ありきの話をしてるだけです。
 そもそもハメネイが最高指導者になる前に一時「大統領を務めたこと」は明らかに最高指導者就任に有利に働いたでしょうし、事故死したライシ*2前大統領はマスコミ報道に寄れば「ハメネイ後継(次の最高指導者)」の有力候補の一人でした。黒井の主張通り(大統領など下っ端)だったらそんなことはあり得ない。
 また「イランの選挙管理委員会に当たる組織(保守派の支配下にある)」が「資格審査」の口実で「改革派の出馬」を今回「1人しか認めない(他の改革派は候補者資格を否定、その結果、ほとんどの候補者が保守派)」なんてことをする必要は無いでしょう。
 あるいは保守派批判の盛り上がりによって2回目の決選投票で「改革派の大統領ペゼシュキアン*3」が誕生したりしない。
 勿論「過去の改革派大統領も保守派の厚い壁に阻まれて、あまり何もできなかった」として棄権した国民もいますが、一方で「改革派の当選」に動いた人間もいるわけです。
 保守派も「何処まで妥協するか」はともかく「全く妥協しない」わけにもいかないでしょう。ある程度は規制緩和が起こることを期待したい。

参考

イラン大統領選は「出来レース」か、改革派ペゼシュキアン氏の勝利はハメネイ師の思惑通り?選挙操作の可能性も 慶大・田中浩一郎教授に聞く(1/5) | JBpress (ジェイビープレス)
 「不思議」なのは、6月28日の開票プロセスです。私は今回、イランの指導層が(ボーガス注:保守派の意見が分裂し、保守派が一致団結して押せる候補がいなかったが為に)「改革派に勝たせてもいいか」と半ば諦めの境地にあったのではないかと見ています。
 開票が始まると、けっして前評判の高くなかったペゼシュキアン氏がジャリリ氏*4をリードしたからです。7月5日の決選投票後にジャリリ氏が潔く負けを認め、保守派支持層からの反発も起きていない

 ということで勿論「保守派批判の高まりでペゼシュキアンが当選したこと」は確かでしょうが、
1)あらゆる手段を使って保守派を勝たせてもかえって保守派への批判が強まる
2)むしろペゼシュキアンを当選させた方がいい(彼が当選すれば、国内外の保守派批判が弱まる一方で、彼も最高指導者ハメネイなど保守派の政権有力幹部を無視して好き勝手はできないだろう)
と途中から「保守派」が「保守派の一部に留まる」としてもペゼシュキアンに投票した「片八百長の可能性(つまり、リクルート事件批判に対応して竹下派が一時的に、傍流の海部首相を担いだような話)」が指摘されてますが、仮にそうだとしても「保守派を無理に当選させたらかえって保守派批判が高まる」と逃げ腰になること自体、改革世論の高まりでは無いか?

*1:国防次官、イスラム革命防衛隊司令官、大統領、最高国防会議議長等を経て最高指導者

*2:検事総長、司法第一副長官、司法長官等を経て大統領

*3:保健医療相、国会第一副議長等を経て大統領

*4:外務次官、国家安全保障最高評議会書記等を歴任