日中議連が27日から訪中 二階俊博、小渕優子両氏らが最高指導部との会談模索 - 産経ニュース
超党派の日中友好議員連盟は19日、北京を27~29日の日程で訪問すると発表した。会長の二階俊博*1自民党元幹事長や事務局長の小渕優子*2同党選対委員長らが参加する見通し。二階氏に近い森山裕*3総務会長も同行する方向だ。
日中議連による訪問とは言え、現役の与党(自民)幹部である森山、小渕の訪中にはそれなりに意味があるでしょう。
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「卓球強国」中国の強さが改めて明白です。
パレスチナ問題と北京宣言-中国「大国平和外交」-(浅井基文)
第一に中国の「パレスチナ外交」は明らかに「イスラエル及びイスラエルに甘い欧米諸国(米英仏独など)」への批判という要素がありますね。浅井先生も指摘するように「欧米がイスラエルをかばい続ける」ならば「相対的にアラブ世界での中国の評価が上がることになる」でしょう。
第二に「イランとサウジの和解仲介」とセットで考えれば「中東への影響力を少しでも強めたい」と言う狙いもあるでしょう。
第三にこうした平和外交(イランとサウジ、ファタハとハマスの和解)をアピールすることで「台湾が独立宣言しない限り侵攻しない」と言う主張の説得力を高める狙いもあるでしょう。
ちなみに、中国外交部発表文によれば、閉幕式には、14組織*4の代表に加え、アルジェリア、サウジアラビア、カタール、ヨルダン、シリア、レバノン、ロシア及びトルコの駐中大使(または代表)が出席しました
ということで「中国発表」を信じるならば、これらの国は「中国の外交」を評価する立場にあるわけです。
全ての中東の国が出席してるわけでは無い(例えばイラン、イラクの出席がない*5)とは言え、複数の中東の国が出席してることは意義があると思います。
それにしても「ファタハとハマスの和解」公表後に「ハマス最高幹部殺害」を実行するネタニヤフには「どれほど政治センスが無いのか」「ファタハもハマスと一緒に潰す気なのか?。パレスチナ自治政府抹殺が目的なのか?」とげんなりしますね。
こんな事をイスラエルにやられてはファタハもそう簡単に「和解をチャラ」にすることはできません。そんなことをすれば「イスラエルに媚びるのか」という非難は避けられないでしょう。
西側(日本を含む)では、習近平が領導する中国外交を「戦狼外交」とレッテルを貼る向きが多いですが、そのような杓子定規では、なぜ中国がこのような外交的成果を収めるのかを説明できません。
こうした浅井先生の指摘には全く同感です。
2023年6月14日、習近平は訪中したパレスチナのアラファト*6(ボーガス注:原文のまま、本当は「アッバス*7」が正しい)大統領*8と会談し、両国の戦略パートナーシップ関係成立を宣言しました。
といった積み重ねが意味を持ったと言うべきでしょう。
*1:二階派領袖。小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相、自民党総務会長、幹事長(第二次安倍総裁時代)等を歴任
*2:麻生内閣少子化等担当相、第二次安倍内閣経産相等を経て自民党選対委員長
*3:森山派領袖。第三次安倍内閣農水相、自民党国対委員長(第二次安倍、菅総裁時代)、選対委員長(岸田総裁時代)等を経て自民党総務会長
*5:但し浅井先生も指摘するとおり、イランなど参加しない国も少なくとも建前ではこうした和解を評価しています。
*6:1929~2004年。1993年にイスラエルとの歴史的な和平協定を果たしてパレスチナ自治政府を設立。これによって、イスラエルのラビン首相、ペレス外相と共に1994年にノーベル平和賞を受賞。PLO議長、パレスチナ自治政府議長(大統領)を歴任
*7:1935年生まれ。アラファト議長(大統領)の下でパレスチナ自治政府内務相、首相を歴任。アラファト死後、自治政府議長(大統領)
*8:一般には「議長」と表記されることが多い。