関東大震災時の朝鮮人虐殺に新資料 - 高世仁のジャーナルな日々
こんな記事を書く高世ですが「救う会会長の西岡、副会長の島田」「特定失踪者問題調査会代表の荒木」ら「拉致右翼」が「関東大震災での朝鮮人虐殺」など(他にも南京事件、慰安婦など)の「戦前日本の暗黒面」を否定したがる連中であることをどう思ってるのかと聞きたくなります。
参考
福田康夫氏「関東虐殺の日韓共同調査を」(中央日報日本語版) - Yahoo!ニュース
福田康夫元首相(88)は1日、在東京駐日韓国文化院で開かれた「第101周年関東大震災韓国人殉難者追念式」に出席した後、韓国の記者団と会い、「日本の人々は、残念なことに(関東大震災朝鮮人虐殺に対して)実際のところよく知らない」と明らかにした。自民党出身の元首相が関東大震災朝鮮人犠牲者追念式に出席したのは今回が初めてだ。
福田氏は「このような(追悼式への出席)機会がなかった」とし「過去を考えると胸が痛い。だが、このような痛みをこれから考えていかなくてはならない」と強調した。
福田氏は関東大震災の朝鮮人犠牲者に対する韓日両国調査に関連して「歴史的な事実なので、そのような調査は必要だ」と答えた。
偶然知ったニュースですが事実なら「男は黒豹」発言などを割り引いても、やはり福田氏は「今の自民ではまともな方、良識派」でしょう。勿論「ならば森、小泉内閣官房長官や首相の時にやって欲しかった(無役だから言える発言ではないのか?)」「群馬自民の重鎮なら山本群馬県知事(慰霊碑を強制撤去)や群馬選出の自民党ウヨ国会議員(中曽根弘文*1とか)を何とかして欲しい」というネット上での指摘、批判は一理ありますが「何も言わないよりはマシ」でしょう。
和歌山毒入りカレー事件を問い直す映画Mommy - 高世仁のジャーナルな日々
和歌山毒物カレー事件の冤罪疑惑を追った(ボーガス注:二村真弘監督の)映画Mommy(マミー)を観た。
事件が起きたのは1998年7月、夏祭りで提供されたカレーに猛毒のヒ素が混入、67人がヒ素中毒を発症し、小学生を含む4人が死亡した。近くに住む林眞須美が犯人とされ、09年に最高裁で死刑が確定した。林眞須美は一貫して無罪を主張し再審を請求するも却下されてきた。
映画は26年前の事件を再検証し、これが冤罪であることを説得力ある調査報道で明らかにしている。林家のヒ素とカレーに入れられたヒ素が同じものだという科学鑑定、眞須美がカレー鍋に何かを入れたとの目撃証言が次々にくつがえされる。
(中略)
取材には十分な裏付けがあり、私は冤罪だと思う。
林眞須美を犯人とする明確な証拠はない。状況証拠とされるものをつなぎあわせて死刑判決にもっていったのだが、その状況証拠が二村さんの取材でことごとく否定されていく。二村さんは言う。「これで死刑になるのか、という空恐ろしさを感じた。
恐ろしいと感じたのは、主要メディアの記者やディレクターたちが、私が知り得た内容のほとんどを既に把握しているということだ。しかし、冤罪の可能性を報じることはほとんどない。現場で知り合った若い記者が耳打ちしてくれた。
『冤罪の可能性を記事にしても上司にボツにされてしまいます。そうした上司は事件当時、現場で取材し、林眞須美が犯人に間違いないと書いてきた人たちです』
「警察、検察、裁判官、証言者、マスコミなど、登場人物全員がそれぞれの立場で『正義』を行っていると信じている。それゆえに後戻りできない状況を生み出してしまっているように思える。かくいう私も、もし事件当時の現場に取材者として入っていたとしたら、間違いなく林眞須美を『毒婦』と呼び、糾弾することに何の疑いも抱かなかっただろう。冤罪の可能性を追及することは、自らの考えや認識を検証し続けることを余儀なくされる。私は取材中、何度もつぶやいた。誰が林眞須美を殺すのか?」(二村さんのディレクターズノートより)(中略)
(ボーガス注:最高裁小法廷の)5人の裁判官全員一致で(ボーガス注:死刑判決で)ある。映画を見て冤罪を確信した上で、この判決文を読むと恐ろしさがこみ上げてくる。また、メディアにかかわる一人として反省させられる。
短期間だが(ボーガス注:日本電波ニュース時代、またはジンネット時代に?)私は二村さんとテレビ番組の取材をともにしたことがあり、感慨も一入だった。
今なお林眞須美氏が犯人だと思っている人はぜひこの映画を観てほしい。きっと愕然とさせられ、日本の裁判制度、メディアの体質、さらにはそれを信じこまされてきた自分自身への問いかけが始まるだろう*2。
映画『マミー』公式サイト
冤罪説を支持するという高世ですが、特にコメントはしません。「そんな訳ねえだろ」と頭ごなしに否定すべきでは無いと思いますが、とはいえ「袴田事件(再審請求が認められた)」「北海道庁爆破事件」(再審は認められてないが日弁連やアムネスティが冤罪認定している)(例は何でもいいですが)等の「死刑冤罪」と違い、世間の扱いは冤罪扱いではなく、素人にはなかなか判断が難しい。
確かに犯行形態(食品に毒物を混入した無差別殺人)は有名な冤罪事件「名張毒ぶどう酒事件」*3」に似てはいますが。
ちなみに和歌山毒物カレー事件 - Wikipediaによれば二村監督の映画以外にも「俺は未読」ですが、以下の著書が冤罪主張しているとのこと。
◆河井潤(京都大学教授)『鑑定不正:カレーヒ素事件』(2021年、日本評論社)
日本評論社と言えば、浜田寿美男『証言台の子どもたち:「甲山事件」園児供述の構造』(1986年、日本評論社)、『狭山事件虚偽自白』(1988年、日本評論社)など、それなりにまともな本を出してる出版社ですが、これについては評価は保留します。
なお、話が脱線しますが、「名張毒ぶどう酒事件」については冤罪説に立った以下の著書があります(但し、俺は全て未読)。
【刊行年順】
◆江川紹子*4『名張毒ブドウ酒殺人事件:六人目の犠牲者*5』(2011年、岩波現代文庫)
◆東海テレビ取材班『名張毒ぶどう酒事件・死刑囚の半世紀』(2013年、岩波書店)
東海テレビは冤罪説に立った番組「黒と白:自白・名張毒ぶどう酒事件の闇」、いもうとの時間 名張毒ぶどう酒事件・裁判の記録 | 東海テレビ、眠る村〜名張毒ぶどう酒事件 57年目の真実〜|東海テレビを放送。また番組作成に関わった阿武野勝彦*6プロデューサーは映画『約束:名張毒ぶどう酒事件・死刑囚の生涯』(2013年)を製作。
◆浜田寿美男『名張毒ぶどう酒事件・自白の罠を解く』(2016年、岩波書店)
浜田氏は奈良女子大学名誉教授(発達心理学・法心理学)。冤罪事件における自白や証言に至る心理に関心を寄せて自白分析、供述鑑定にも携わる。名張事件を取り上げた上記本の他にも『証言台の子どもたち:「甲山事件*7」園児供述の構造』(1986年、日本評論社)、『狭山事件虚偽自白』(1988年、日本評論社)、『ほんとうは僕殺したんじゃねえもの:野田事件・青山正の真実』(1991年、筑摩書房)、『自白の研究』(1992年、三一書房)、『自白の心理学』(2001年、岩波新書)、『取調室の心理学』(2004年、平凡社新書)、『自白が無実を証明する:袴田事件、その自白の心理学的供述分析』(2006年、北大路書房)、『虚偽自白はこうしてつくられる:狭山事件・取調べ録音テープの心理学的分析』(2014年、現代人文社)、『もうひとつの「帝銀事件」: 二十回目の再審請求「鑑定書」』(2016年、講談社選書メチエ)、『虚偽自白を読み解く』(2018年、岩波新書)、『袴田事件の謎』(2020年、岩波書店)など冤罪事件に関する著書多数(浜田寿美男 - Wikipedia参照)
それにしても、映画「マミー」の監督「二村真弘氏」と親しい関係にあるが故の「二村氏へのただのこびへつらい」の可能性もありますが、「世間が有罪扱いする和歌山毒カレー事件」すら「冤罪ではないか?*8」という高世が、「国内で40人以上発見され、ほとんどが自発的失踪(そもそも犯罪ではない)。なかには足立区女性教諭殺害事件 - Wikipedia(特定失踪者が国内で他殺体で発見され、犯人は北朝鮮とは全く無関係)と言う事件もあり、明らかに認定がデタラメな特定失踪者」についてダメ出しできないことには「そんなに家族会や救う会が怖いのか」と呆れます。まあ高世の名誉(?)のために言えば「特定失踪者の国内発見(警察発表)」についてはさすがに報じるとは言え、特定失踪者自体を「デタラメ」と批判しない点ではマスコミも『高世と同じ』ですが。
まあ、「林夫婦は冤罪じゃないか?」といえば、彼らを真犯人と思ってる遺族は激怒するでしょうが、確かに彼らは「個人攻撃して田中均氏を外務省退官に追い込んだ横田早紀江ら家族会」よりは高世にとって「怖くない」でしょう(高世への皮肉のつもり)。
遺族は「二村監督や高世を許せない、何が冤罪か!」と言ってもさすがに「救う会、家族会の個人攻撃による田中氏の外務省退官」のように「関係者に圧力をかけ、映画の上映を完全に辞めさせた上で映画業界から二村氏を追放」「関係者に圧力をかけ、高世の講演活動等(例えば欧州を揺さぶるロシアへの警戒感 - 高世仁のジャーナルな日々(2024.3.17)、小池百合子学歴詐称疑惑によせて - 高世仁のジャーナルな日々(2024.6.18)、中村哲医師が長生きの意味を問う - 高世仁のジャーナルな日々(2024.8.19)が紹介する高世講演)を完全に辞めさせる」等まではする気はないでしょうし、そもそもしたくてもできないでしょう(関係者がそういう圧力に応じない)。また「横田早紀江」と違い、高世は「カレー事件遺族」とは特にしがらみ(人間関係、つきあい)もない。
一方で「特定失踪者はデタラメだ」と言えば、「救う会言いなり」の「横田早紀江ら家族会」が高世を攻撃するでしょうし、高世はそれが嫌なのでしょう。
それにしてもメディアの体質、自分自身への問いかけねえ。
偉そうなことを抜かす高世ですが、
北朝鮮が崩壊する前に自分の会社を倒産させた無様で無残な話 - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.4.28
けっきょく「横田めぐみ拉致問題における安明進証言」などというものにのっかったのが、高世仁が会社をこかした淵源(の少なくとも1つ)ではないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.5.25
巣食う会とか家族会系の連中とかかわった北朝鮮関係の言論人は、その後ろくな状況でないと思う(関川夏央や高世仁、恵谷治、李英和ほか) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.7.14
高世仁の幼稚なデマ自慢を平然と垂れ流すNHKの馬鹿さとクズぶりに本気であきれ返る - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2022.1.11
自分に都合の悪いことを他人などのせいにしているあたりが、高世仁が会社の経営に失敗した遠因でもあったのだろう(福島香織の独立の失敗もあまりにひどい) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2022.5.9
高世仁の経営する会社(ジン・ネット)が倒産したのは、高世の経営手腕の低さと制作した番組の評価が低いということに尽きるだろうに - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2022.6.20
高世仁が主張するような人間はそうはいないし、いたらそれは多くの場合精神疾患や強度の発達障害などがある(高世も無責任なデタラメをほざく人間だ) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2024.3.15
という「デタラメ人間」高世の方こそ自分自身への問いかけをしたらどうなのか?。メディアにかかわる一人として反省させられる。というなら和歌山毒カレー事件より「拉致問題での振る舞い」を反省したらどうなのか(例えばそういうことであるなら、小泉元首相、田中均氏、蓮池透氏らに陳謝する用意くらいはあるんだろうな - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)の高世批判を参照)。
自分自身への問いかけや反省は多くの人間(勿論、凡人の俺も当然含まれます)にとって辛い物(容易にはできない物)だし、拉致問題において、高世にそれができるとは思っていませんが。
なおメディアの体質というならむしろ「特定失踪者」などという明らかなデマを容認する「メディアの態度」にこそ該当するでしょう。
*1:中曽根元首相の息子。小渕、森内閣文相(科技庁長官兼務)、麻生内閣外相、自民党参院議員会長(谷垣、第二次安倍総裁時代)等を歴任
*2:林が冤罪かどうかに関係なく、既に袴田事件等の冤罪で裁判所や「マスコミの犯罪事件報道(当初は袴田氏を犯人扱い報道など)」については批判的な人間は多いと思います。
*3:再審無罪判決は出ないまま、奥西死刑囚が病死(獄中死)したとはいえ、冤罪とみていいと思います(名張毒ぶどう酒事件 - Wikipedia参照)
*4:著書『私たちも不登校だった』(2001年、文春新書)、『人を助ける仕事』(2004年、小学館文庫)、『勇気ってなんだろう』(2009年、岩波ジュニア新書)、『「カルト」はすぐ隣に:オウムに引き寄せられた若者たち』(2019年、岩波ジュニア新書)、『「想定外」をやっつけろ!: 検証・なぜ墨田区はコロナ禍第5波で重症者を出さなかったのか』(2022年、時事通信社)等
*5:書かなくても分かるとは思いますが「6人目の犠牲者」とは、江川が冤罪被害者と評価する奥西死刑囚のこと(残りの5人は事件で殺害された被害者です)
*6:1959年生まれ。 東海テレビ業務部長、報道局報道部長、報道局専門局次長、報道スポーツ局専門局長等を歴任。2024年1月31日付で東海テレビを退職しフリーの映像作家として活動。著書『さよならテレビ』(2021年、平凡社新書)(阿武野勝彦 - Wikipedia参照)
*7:甲山事件は後に再審無罪判決(甲山事件 - Wikipedia参照)
*8:但し、二村氏と親しい関係にあっても、高世が今も「テレビ局の下請け会社」ジンネットを経営していたら「元請け」であるテレビ局の反発を恐れて、こんなことは書かなかった可能性は十分あると思います。ジンネットは勿論倒産しましたが