「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2024年10/2日分:荒木和博の巻)

金正恩の体型と北朝鮮の未来(R6.10.1)|荒木和博ARAKI, Kazuhiro

 アメリカの保険会社か何かの推定では(ボーガス注:金正恩*1は肥満による生活習慣病(糖尿病等)で)持って後3年とのこと。最高指導者の体型は歴史を変えます。

 以前も荒木は同様の放言をしており、その時の批判と同じですが、第一に「保険会社」について具体的な会社名を出せないのが怪しい。荒木がデタラメを放言してるだけではないか。
 第二に「金正恩が死ねば体制崩壊」と言いたいのでしょうがそんなことが拉致解決と何の関係があるのか?
 第三に仮に金正恩が死去したとして「体制崩壊」する保証はどこにもない。
 勿論、トップの死去で

織田信長(家臣・明智光秀が暗殺(1582年:本能寺の変))
 織田氏は天下人の地位から転落し、光秀を討った豊臣秀吉が、柴田勝家などライバルを打倒し、織田氏にかわり天下人(関白、太政大臣)になる
豊臣秀吉(病死(1598年))
 彼の死後、関ヶ原の戦い(1600年)で勝利した徳川家康が天下人(征夷大将軍)になり、豊臣家も大坂夏の陣(1615年)で滅ぼされる

など「体制崩壊(?)」するケースもありますが

暗殺事件の一覧 - Wikipedia参照
源実朝鎌倉幕府3代将軍(初代将軍源頼朝の子、2代将軍源頼家の弟):頼家の子・公暁が暗殺(1219年))
 源氏将軍は実朝で絶えたが、その後も1333年まで鎌倉幕府は続いた。
 但し将軍は藤原頼経(4代将軍)、藤原頼嗣(5代将軍)(公家将軍)、宗尊親王(6代将軍)(皇族将軍)など形式的な物となり、実権は執権の北條氏が握った。なお、公暁は北條氏によって討伐された。
足利義教室町幕府6代将軍(3代将軍足利義満の子):守護大名・赤松満祐が暗殺(1441年:嘉吉の乱))
 幕府は打撃を受けたが、幕府自体は滅亡せず(幕府末期は将軍は三好三人衆織田信長などの傀儡化していたが、15代将軍足利義昭が信長によって京都から追放されるまで幕府は続いた)。義教の死後、長男・義勝が7代将軍を継いだが、義勝が程なく病没すると、その弟の義政が8代将軍を継いだ。また赤松氏は幕府によって討伐された(但し、後に長禄の変 - Wikipediaの功績で、赤松政則が赤松氏を再興)。
足利義輝室町幕府13代将軍(12代将軍足利義晴の長男):三好三人衆が暗殺(1565年:永禄の変))
 幕府は打撃を受けたが、幕府自体は滅亡せず。三好三人衆が14代将軍(傀儡)として足利義栄*2を立てるが、足利義昭(義輝の弟)を立てた織田信長に敗北。義昭が15代将軍に就任(但し、信長との対立から後に義昭は京都を追放されその時点で室町幕府は滅亡)
大久保利通(内務卿:不平士族が暗殺(1878年:紀尾井坂の変))
 当時、首相ポストはないが、大久保が「首相にあたる中心的人物だった」とされる。勿論、明治新政府が崩壊する事はなく、大久保死後、
伊藤博文(内務卿、初代首相、初代枢密院議長、初代貴族院議長等を歴任、元老の一人)
井上馨(外務卿、第一次伊藤内閣外相、黒田内閣農商務相、第二次伊藤内閣内務相、第三次伊藤内閣蔵相等を歴任、元老の一人)
黒田清隆(第一次伊藤内閣農商務相、首相、第二次伊藤内閣逓信相、枢密院議長等を歴任、元老の一人)
松方正義(大蔵卿、第一次伊藤、黒田、第一次山県、第二次山県内閣蔵相、首相、内大臣等を歴任、元老の一人)
山県有朋(陸軍卿、内務卿、第一次伊藤内閣内務相、首相、第二次伊藤内閣司法相、枢密院議長等を歴任、元老の一人)らが台頭
◆アレクサンドル2世(ロシア皇帝:反体制派による暗殺(1881年))
 ロマノフ王朝自体は、ロシア革命(1917年)まで滅亡せず、アレクサンドル3世(アレクサンドル2世の子、最後の皇帝ニコライ2世の父)が即位
ウンベルト1世(イタリア王:反体制派による暗殺(1900年))
 王政自体は崩壊せず、エマヌエーレ3世(ウンベルトの子)が即位。第二次大戦当時、3世がムソリーニを支持したことで、敗戦後、国民の反発から王政を廃止される。3世ら王族はエジプトに亡命(3世は1947年に亡命地のエジプトで死去)
朴正熙(韓国大統領:KCIA部長・金載圭による暗殺(1979年))
 全斗煥が大統領に就任し、独裁体制自体は1988年の民政移管まで崩壊せず。犯人の金は後に死刑
サダト(エジプト大統領:イスラム過激派が暗殺(1986年))
 ムバラク副大統領が大統領に就任、独裁体制自体は2011年のムバラク失脚まで崩壊せず。ムバラク失脚後、民政移管しムルシ(2019年に失意の内に病死)が大統領に就任するが、2013年に軍がクーデターを起こし、現在まで軍事独裁(クーデターの中心人物であるシシ国防相が2014年に大統領に就任し、現在も大統領)。

ということで過去に政治家が暗殺や病気等で急死した時でも多くの場合「後継者の台頭」等で体制は崩壊しなかった。
 仮に金正恩が死去したとして、北朝鮮も「誰を後継者にする」にせよ、当然「朝鮮労働党の支配体制(そして、可能ならば金日成金正日金正恩と続く金一族の世襲支配体制)継続」に全力を挙げるでしょうし、「北朝鮮の崩壊を望まない」中露も、北朝鮮を全力で支援するでしょう。

*1:北朝鮮国務委員長。朝鮮労働党総書記

*2:足利義維(11代将軍足利義澄の子)の長男。