北朝鮮が兵士1万人をロシア軍に派遣か、「頭を下げ支援を求めざるを得ず」…英国の元駐露武官が分析 : 読売新聞
“ロシア軍 北朝鮮兵士 最大3000人の部隊編成”ウクライナ報道 | NHK | ウクライナ情勢
ウクライナの英字ニュースサイト「キーウ・インディペンデント」はロシア軍に北朝鮮兵1万人が派遣されていると報じた。ウクライナ国営通信は複数の露軍部隊に北朝鮮兵約3000人が加わっていると伝えた。
ワシントンポストやニューヨークタイムズなど定評のあるメディアならともかく「ウクライナのメディア」ではどこまで信用できることやら。そもそも本当にそんなに「大規模軍事支援」してるのにワシントンポスト等で報道がないのは怪しすぎます。ゼレンスキー氏“北朝鮮がウクライナとの戦闘に兵士約1万人を派遣準備” | NHK | ゼレンスキー大統領というウクライナ政府はともかく欧米政府でそんな「派兵の事実」を認めてる国もない(追記:その後、北朝鮮がウクライナ侵攻「参戦」 軍特殊部隊1500人露極東入り 韓国情報機関 - 産経ニュースということで、韓国政府もウクライナ同様「派兵」認識を示しましたが、一方でNATOは「現段階で確認できない」NATO事務総長、ウクライナへの北朝鮮派兵報道で - 産経ニュースとのこと。現時点ではやはり「派兵」を事実として認定はできないでしょう)。
従って(北朝鮮によるロシアへの武器の提供ならまだしも)「派兵」を事実扱いする<主張>ウクライナへ派兵 北の脅威をもっと論じよ 社説 - 産経ニュースは間違っています。
それにしても
<主張>ウクライナへ派兵 北の脅威をもっと論じよ 社説 - 産経ニュース
6月に露朝が結んだ「包括的戦略パートナーシップ条約」には「一方が戦争状態になれば、遅滞なく軍事的、またはその他の援助を提供する」とある。朝鮮半島有事になれば、ロシア軍の参戦の可能性があるということだ。
とは全く非常識です。ウクライナ戦争で手一杯のロシアにそんな余力はないし、だからこそロシア、北朝鮮側から韓国に侵攻する可能性などない。
ロシアの態度は「米韓の北朝鮮侵攻は許さない」という政治的牽制でしかない。
とはいえ、米国、韓国から北朝鮮に侵攻することはないでしょうが。米国は「ウクライナ戦争」「ガザ戦争」の対応に手一杯で自分から戦争をする余力などないでしょう。
なお、別途「中朝友好協力相互援助条約」において同様の軍事支援条項があることを指摘しておきます(中朝友好協力相互援助条約 - Wikipedia参照)。
【10.20追記】
北朝鮮兵の軍服サイズ調査 ロシア支給、派兵裏付け - 産経ニュース
米CNNテレビは米東部時間19日、ロシア軍がウクライナ侵攻を支援する北朝鮮兵に装備品を支給するため、軍服や靴のサイズを質問する朝鮮語の調査票を用意していたと報じた。
定評のあるメディアと言っていいCNNの報道なので、ひとまず紹介しておきます(但し、ニュースソースは、CNNの独自取材ではなく、ウクライナ政府とのこと。またこの報道が事実だとしても派兵規模までは分かりません)。
一方で黒井文太郎は
黒井文太郎
オースティン国防長官が、北朝鮮軍が対ウクライナに投入するためにロシアに派遣されたという報道を「確認できない」と発言。CIAなどが掴んでいたら公式にこうは言わないので、(ボーガス注:政治的判断による発言ではなく)本当に米インテリジェンスには情報がないのだろう。米インテリジェンスは、(ボーガス注:派兵を発表した)韓国国家情報院やウクライナ国防省情報総局から、ある程度の情報提供を受けたはずだが、確証に至らず。
つまり事実認定はまだできないことに留意。
仮に北朝鮮軍先遣隊が事実の場合でも、ロシア側があくまで自軍に偽装する前提での企みの際は、今回、初動段階での露呈で取りやめる可能性も。
として俺と同様の評価です。
【追記終わり】
ゼレンスキー氏、対ロシア戦勝計画を初公表 実現なら「来年中にも終戦」と見通し - 産経ニュース
ゼレンスキー大統領は16日、ウクライナ議会で演説し、ロシアに対する「戦勝計画」を公表した。計画が実現されれば来年中にも戦争は終結するとの見通しを示した。
典型的な「来年のことを言えば鬼が笑う」「捕らぬ狸の皮算用」ですね。
何を根拠に「来年終戦」なんて放言できるのか。
しかもその放言の根拠は報道に寄れば「NATOがもっと軍事支援してくれれば(例えば戦闘機の提供や長距離ミサイルによるロシア本土攻撃の容認など)」「NATOがウクライナの加盟を認めてくれれば」と言う代物。
「NATOが軍事支援、加盟承認しないから悪いと責任転嫁してるだけじゃねえのか」と言いたくなります。
産経も記事内で「戦勝計画の実現可能性は不透明」と書いています。
【追記】
東部要衝にロシア迫る ウクライナ、22年に奪還 - 産経ニュース
こうした報道はゼレンスキーの強気発言が事実に反することの証明ではないか。
独首相、プーチン氏と協議前向き 戦争終結「あらゆること模索」:東京新聞 TOKYO Web
ドイツのショルツ*1首相は16日、議会での演説で、ロシアとウクライナの戦争終結に向け、ロシアのプーチン大統領との話し合いに前向きな姿勢を示した。一方で「ウクライナの頭越しや(ボーガス注:NATOの)同盟国の合意なしに決定が下されることは決してない」とも強調した。
ショルツ氏は、「ウクライナへの支持は明確だ」とした上で「戦争がいつまでも続かないようにするために、あらゆることを模索しなければならない時が来た」と述べた。
ゼレンスキーの強気の発言がいかに事実に反するかが明白でしょう。
やはりシュルツ発言の背景は極右政党「ドイツのための選択肢(ウクライナ支援に消極的)」が一定の躍進をしていることでしょうか。
参考
ドイツのウクライナ軍事支援の中止を要求 独右翼共同党首が単独会見 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル2024.7.1
6月上旬の欧州議会選で国内第2党に躍進したドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢」(AfD)のアリス・ワイデル共同党首(45)が29日、朝日新聞のインタビューに応じた。ロシアの全面侵攻を受けるウクライナへのドイツの軍事支援について、「真っ先にやめるべきだ」と要求。