今日の産経ニュースほか(2024年10/25日分)(追記あり)

◆各社の最終選挙情勢
 「小選挙区で自民と立民が接戦」であり、その結果次第ですが、自民が大きく減らしそうなこと*1(自民過半数割れの可能性)、「下げ幅がどの程度か」はともかく維新や公明も減らしそうなことはいいことですが、その分「国民民主が比例で大きく得票し20議席台の可能性(現有議席から大幅増(3倍増?))」「保守党がいわゆる政党要件確保(5議席)の可能性」というのは本当に勘弁して欲しい。
 「自民、維新減→国民民主、保守党増(自民、維新から支持が移動?)」では「トータルでは右翼政党が大して打撃を受けてない」ということにもなりかねません。
 しかし過去においては「新自由クラブ」「新党さきがけ」「たちあがれ日本」「次世代の党」など自民と支持者がかぶる右翼政党は自民に敗北していったところ、今回のような「国民民主、保守党増(予想)」は本当に謎です。
 社民は現有1議席は確保の見込みのようですが、残念ながらやはり増議席は難しそうです。
 共産は「現有議席(沖縄の1,比例の9で10)は維持し、小選挙区で2以上(つまり沖縄以外で勝利)は難しいが、場合によっては倍増などの大幅増は無理だが、比例でさらに数議席増加しそうだが、投票先不明の人間もおり、議席減の可能性もゼロではない」という「それ毎度の、いつもと同じ予想じゃん」「裏金疑惑を暴露しても支持が大きく伸びないのか」「何で国民民主なんぞが伸びるのか」とげんなりします(「減予想(自民、公明、維新)」「増予想(国民民主、れいわ)」など他党に比べ共産だけは「増か減か確定できない」として予想がかなり曖昧*2)。
 勿論「共産議席増を目指し最後まで奮闘し、不幸にして議席減でも諦めず戦う」だけですが。
 なお、神谷や松竹は共産に悪口ばかりですが、例えば今回の選挙では「今までそんなこと言ってなかったやろ?、むしろ財源がない(大学無償化)とか、企業経営に悪影響(最低賃金引き上げ)とか消極的やったろ、何処まで本気や?」「共産のパクリやろ」とは思いますが、与野党各党(つまり自公すらも!)が「大学無償化」「最低賃金引き上げ(共産の主張「全国一律1500円」よりは低いにせよ、引き上げを主張)」など、一部については「共産と同じ主張」をしてることを指摘しておきたいと思います。
 「共産の伸び悩み」の一因(正直、共産以外の多くの政党、特に『実行しようとすればできたはずの与党』自公は空手形としか思えず、全く信用できないと思いますが)であるとともに「共産の先見性」の証明でもあるのではないか。


衆院選が終盤戦に入り、〝自公過半数割れ〟の可能性が出てきた、立憲・国民・れいわには勢いがあるが、共産は微増にとどまっている、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その42) - 広原盛明のつれづれ日記
 タイトルで見当付くでしょうが、共産に悪口してるだけの駄文です。「共産に何の問題もない」とはさすがに言いませんが、広原に限りませんが、「自分の無力さ(広原など多くのアンチ共産は、ほとんど政治的に無力)」を棚に上げて、「共産に悪口しかしない連中」って「本当に何考えてるんだろう?」と呆れます。
 「今の自民の苦境」は「安倍派等の裏金」「非公認2000万円問題」を暴いた共産のおかげではないのか。
 そもそも立民やれいわならともかく「自民補完勢力の国民民主」が伸びるかもしれないと言うことは、広原の立場なら、相当深刻に悩むべき話でしょうに。


萩生田光一氏、活動費支給は「ありがた迷惑」 返金も検討 自民執行部に苦言も - 産経ニュース
 ならば赤旗が報じる前に自主的に返金すべきだし、そもそも「もらった金2000万円」を萩生田はどうしたのか。「一部を選挙資金で既に使った」というなら「何がありがた迷惑か」と言う話です。


<主張>特攻隊80年 国を挙げて追悼と顕彰を 社説 - 産経ニュース
<産経抄>特攻隊80年、山岡荘八の見た「美しい心」 - 産経ニュース
<正論>特攻の「精神史的意義」再評価を 東京大学名誉教授・小堀桂一郎 - 産経ニュース
 1944年10/25(80年前の今日)が「日本初の特攻(レイテ沖海戦*3で関行男ら)」だそうですがそれはさておき。
 まず「私見の結論」を言えば特攻隊という「非人道的な作戦(自殺攻撃)」は顕彰、つまり「素晴らしい行為」として美化すべきではない。
 そもそも特攻(当初は航空特攻)が開始された「大きな理由」は「戦争長期化によるベテランパイロットの死亡」で新米パイロットばかりになり「どうせ新米ではうまく攻撃できないのだから、いっそ特攻させた方がいい」という異常な価値観が登場したことに寄ることが大きい。
 「まともな価値観」で立てられた「まともな作戦」とは到底言えない。
 そして顕彰するのならば「ならば現在の自衛隊も同じ事をするのか」と言う話になります。しかもあの戦争は自衛ではなく「大義なき侵略」「ハルノートを受諾すれば回避可能な戦争(しかも大国・米国相手の勝ち目に乏しい戦争)」「特攻開始時(1944年10月)は日本敗戦が確実視*4され早期降伏すべきだった」からなおさらです。
 大体、特攻は、戦前日本の支配層内ですら

小沢治三郎 - Wikipedia
 徹底抗戦を主張する軍令部次長の大西瀧治郎*5海軍中将が、鈴木貫太郎*6内閣の終戦工作に反対して東郷茂徳*7外相に「二千万人の特攻死を出せば、日本は勝てる」と言った時には、海軍総司令長官(連合艦隊司令長官海上護衛司令長官兼務)だった小沢*8は「二千万人の男を殺して、誰がこの国を再建できるのか」と叱責したとされる。

として一定の批判がありました。また「死ねばいい」と言う話ではないですが、「関係者の一人」大西が戦後、自決したこと自体、彼がこの作戦を「美化できない」と自覚していたことを示しています。
 そして追悼は「全ての戦没者」に行われるべきであって「特攻」だけが特別扱いされる理由はないでしょう。
 そして顕彰されるべきは「数少ない」とはいえ、むしろ当時「戦争に反対したり、否定的だったりした人々」でしょう。特攻に限らず、好戦的な空気の中で戦争協力することは正直「楽なこと」です。
 なお、産経が紹介する山岡は、戦前は小説『軍神杉本中佐(杉本五郎 - Wikipediaを描いた)』や神風特攻隊を美化するエッセイを発表したり、戦後も、安保闘争時に当時の岸信介首相を美化する小説を書いたり、右翼結社「日本を守る会」(1974年結成、現在の日本会議の前身)の代表を務めるなどかなり右寄りの人物です(山岡荘八 - Wikipedia参照)。そうした人間の特攻美化は何ら不思議ではないでしょう。


『あしたのジョー』ちばてつや、漫画家初の文化勲章「漫画界を代表してお預かりする」 - 産経ニュース
 ちばや小さんの偉大さを認めた上での話ですが、ちば(1939年生まれ)の「漫画家初の文化勲章」には、五代目柳家小さん(1915~2002年)が落語家初の人間国宝になったとき(1995年)の「八代目桂文楽*9(1892~1971年)、古今亭志ん生(1890~1973年)、三遊亭円生(1900~1979年)はもらえる前に早く死んで運が悪かった」という世評と同じ、「手塚(1928~1989年)、藤子F(藤本弘:1933~1996年)、石森章太郎(1938~1998年)は」感がしますね。
 手塚(ちばとは11歳差)はともかく、藤子Fはちばと6歳、石森はちばと1歳しか違わないので、ちばには失礼ながら、年齢的には「今も存命」の可能性があったし、今も存命なら彼らがもらってたかもしれない。まあ、藤子Fと石森は本当に早死にです。
 なお、ちばは2014年に文化功労者になってるので今回の文化勲章は「予想の範囲内」ではあります(文化功労者が数年後に文化勲章を受章する事が多い)。
 なお、「知らない方」も多数いますが、今回ちば以外で、俺が親しみ(?)がある人間としては

文化勲章
◆東大名誉教授(商法)の江頭憲治郎*10(1946年生まれ)
 詳しくはないが一応法学部卒なので名前ぐらいは知ってる。
文化功労者:名前順】
◆プロゴルファーの青木功(1942年生まれ)
◆俳優の草笛光子(1933年生まれ)
◆東大名誉教授(日本中世史)の五味文彦*11(1946年生まれ)
 詳しくないが歴史ファンとして名前ぐらいは知ってる。
◆東大名誉教授(労働法)の菅野和夫*12(1943年生まれ)
 詳しくはないが一応法学部卒なので名前ぐらいは知ってる。

ですね。

*1:つまり「選挙結果がどうなる」にせよ、早期解散での勝利を狙った石破の企みは「マスコミ選挙予想を信じるならば」完全に失敗しました。自民政権が続くにせよ、そして「ポスト石破が誰になるかはともかく」、「選挙後の石破引責辞任」の可能性すら否定できないでしょう。そのようなことが可能だったかはともかく、「早期解散ではなく何らかの成果を上げて支持率を上げてからの解散」を狙った方が結果的には石破にとって良かったかもしれない。

*2:何故か、毎日新聞だけは「共産の上限予想」も減予想(多分毎日予想が一番酷い)ですが、他紙は「予想議席の下限は減予想だが、上限は数議席の増予想」であり、毎日の予想数値には「はあ?」ですね。共産に何か恨みや偏見でもあるのか、はたまた朝日、読売、日経、産経などと違う独自情報源でもあるのか?

*3:フィリピン沖海戦ともいう。この戦いにより、米軍はレイテ島に足場を築くことに成功し、フィリピン奪回を進めることとなった。また、日本軍は米軍に一定の損害を与えたものの、与えた損害をはるかに上回る損害を被った(レイテ沖海戦 - Wikipedia参照)

*4:1943年2月のスターリングラード攻防戦でのドイツ敗北でドイツの敗色が濃厚になった。1944年6月には連合国軍によってイタリアの首都ローマが陥落(但し、ムソリーニは1945年4月にパルチザンに殺害されるまでイタリア社会共和国 - Wikipedia(ドイツの傀儡国でムソリーニに実権はなかった)によって連合国に抵抗)。1944年7月のサイパン陥落(日本軍全滅)により、米軍爆撃機が日本を空襲するようになり、東条内閣が総辞職に追い込まれた。要するにレイテ沖海戦での特攻時点(1944年10月)で日本や枢軸国(独伊)の勝ち目は既になくなっていました。レイテ沖海戦自体「いわゆる一撃講和論(1回でもいいいから局地戦で日本が米国に勝利することで、立場を少しでも改善し、良い条件(例:天皇制の維持)で和平(勿論日本の敗戦が前提)に持ち込もうとする構想)」に基づく物で、日本の全面勝利など想定されていません。

*5:佐世保航空隊司令、横須賀航空隊副長、海軍航空本部教育部長、第二連合航空隊司令官、第一連合航空隊司令官、第11航空艦隊参謀長、海軍航空本部総務部長、第一航空艦隊司令長官等を経て軍令部次長。戦後、自決

*6:海軍省人事局長、海軍次官練習艦隊司令官、海軍兵学校長、第二艦隊司令長官、第三艦隊司令長官、呉鎮守府司令長官、連合艦隊司令長官、海軍軍令部長侍従長、枢密院副議長、議長を経て首相

*7:外務省欧米局長、ドイツ大使、ソ連大使、東条、鈴木内閣外相等を歴任。戦後、禁固20年で服役中に病死。後に靖国に合祀

*8:第一航空戦隊司令官、第三戦隊司令官海軍大学校校長、第一南遣艦隊司令長官、第三艦隊司令長官、軍令部次長等を経て海軍総司令長官(連合艦隊司令長官海上護衛司令長官兼務)

*9:現在は八代目文楽の弟子である九代目文楽(1938年生まれ)がいます

*10:2018年、文化功労者。著書『結合企業法の立法と解釈』(1995年、有斐閣)、『会社法の基本問題』、『商取引法の基本問題』(以上、2011年、有斐閣)、『続・会社法の基本問題』(2023年、有斐閣)等(江頭憲治郎 - Wikipedia参照)

*11:著書『中世のことばと絵』(1990年、中公新書)、『藤原定家の時代』(1991年、岩波新書)、『絵巻で読む中世』(1994年、ちくま新書)、『大仏再建』(1995年、講談社選書メチエ)、『武士の時代』(2000年、岩波ジュニア新書)、『梁塵秘抄のうたと絵』(2002年、文春新書)、『源義経』(2004年、岩波新書)、『中世社会と現代』(2004年、山川出版社日本史リブレット)、『日本の中世を歩く』(2009年、岩波新書)、『西行と清盛』(2011年、新潮選書)、『平家物語、史と説話』(2011年、平凡社ライブラリー)、『後鳥羽上皇』(2012年、角川選書)、『「枕草子」の歴史学』(2014年、朝日選書)、『増補「徒然草」の歴史学』(2014年、角川ソフィア文庫)、『鎌倉と京:武家政権と庶民世界』(2014年、講談社学術文庫)、『藤原定家』(2014年、山川出版社日本史リブレット人)、『源実朝』(2015年、角川選書)、『中世社会のはじまり〈シリーズ日本中世史 1〉』(2016年、岩波新書)、『日本の歴史を旅する』(2017年、岩波新書)、『武士論』(2021年、講談社選書メチエ)等

*12:労働政策審議会会長、中央労働委員会会長、独立行政法人労働政策研究・研修機構理事長など労働関係の役職を歴任(菅野和夫 - Wikipedia参照)