衆院法務委員長に西村智奈美氏が就任へ。選択的夫婦別姓の法制化の機運高まる - kojitakenの日記
国会に別姓法案の提出もされてない*1時点で随分楽観論だと苦笑しました。
1)自公が与党法案として別姓法案提出
→恐らくその可能性は、2)や3)に比べて低いでしょうが
2)自公議員を含む与野党超党派議員の議員立法として別姓法案提出
3)「夫婦別姓反対」を公言してる極右政党「保守党、参政党」を除く全野党(立民、維新、国民民主、れいわ、共産、社民*2)の共通提案で夫婦別姓法案提出
→自公過半数割れの状態で、全野党提出法案に反対する事を躊躇し、自公が妥協する可能性がある
ならともかく、そうでないなら、「参院選までお預けの可能性」(参院選でどんな結果が出るかによる、不幸にして自民勝利だと法案成立の見込みが減る)」は充分あるでしょう。
今回の選挙で「安倍派が打撃を受けた→成立の見込み」とするkojitakenですが、「夫婦別姓導入が法制審議会で答申されたのは1996年(当時は橋本内閣)」で、その当時は「安倍*3派ではなく、橋本*4派(後に小渕*5派)」が最大派閥だった。
つまりは「安倍派以外の自民党派閥」も「夫婦別姓には決して好意的ではない」わけで、「安倍派の衰退→成立の見込み」とは単純には言えません。
実際
「宗教右派」が政権に力を持つかぎり「夫婦別姓」の実現はあり得ない 国連勧告が出ても、賛成論が増えても:東京新聞 TOKYO Web2024.10.22
(ボーガス注:神社本庁など)「宗教右派」と呼ばれる勢力にとって、別姓制度の導入を阻止することは大きな運動の目的の一つ。保守政治家たちにとっては大きな票田の一つであり無視はできず、連携してきたという経緯があります
と言う指摘もあるわけです。
日本最大の右翼結社「日本会議*6」の役員にも
役員名簿 « 日本会議【令和5年6月1日現在】
【顧問】
久邇朝尊*7:伊勢神宮大宮司
鷹司尚武*8:神社本庁*9統理
【副会長】
田中恆清*10:神社本庁総長
【代表委員】
秋本協徳:新生佛教教団最高顧問
打田文博:神道政治連盟会長
岡野聖法*11:解脱会長老
桶屋良祐:念法眞教燈主
小野貴嗣:東京都神社庁庁長
九條道成*12:明治神宮宮司
齊藤郁雄:伊勢神宮少宮司
関口慶一:佛所護念会教団会長
高橋伸彰:崇教真光管理局長
中野悦子:オイスカインターナショナル*13総裁
廣池幹堂:(公財)モラロジー道徳教育財団理事長
保積秀胤:大和教団教主
丸山敏秋:(社)倫理研究所*14理事長
山口建史:靖國神社宮司
【理事長】
栗田勤:明治神宮崇敬会理事長
として複数の宗教右派が名を連ねている。
kojitakenに寄れば「井田奈穂なる御仁(夫婦別姓派団体「あすには」代表理事)」が「内閣改造で新たに法相になる見込み*15と報じられてる鈴木*16議員は我々の別姓運動に理解があった。夫婦別姓の進展に期待したい(俺の要約)」と旧ツイッターで浮かれてる*17ようですが、「過去の主張を平然と反故にする人間(例:第三次安倍内閣国家公安委員長就任以降、以前主張していた脱原発を反故にした河野太郎*18)」は自民党に山ほどいるので、こうした井田氏の「鈴木への期待」が「裏切られた(鈴木が夫婦別姓に後ろ向きな態度)」としても俺は不思議には全く思いません。鈴木の法相登用を「夫婦別姓への石破首相の配慮」と見なす井田説には「何らまともな根拠」はない。
これが「自民党・夫婦別姓派の大物」野田聖子*19辺りが法相になるなら「そうした期待もまだわかります」が、鈴木はそこまでの大物ではない。
井田氏の期待が裏切られた場合は、彼女は「恥知らずな私利私欲暴言(夫婦別姓が実現できれば裏金議員が法相でもOK)」をして恥をさらしただけの「愚か者」になるわけです。まあ井田氏やkojitakenが「夫婦別姓支持」をこじらせたがあまりに「楽観論を根拠もなく放言してるだけ」で「夫婦別姓法案が成立しなかったら、いやそれ以前に国会に法案提出すらされなかったら完全に恥をさらすのにこいつら、軽率でバカ過ぎねえか?」が俺の感想です。特に「kojitakenのようなチンピラ」はどうでもいいとして、仮にも「あすには」代表理事という役職を持つ井田氏がそんなに軽率でいいのか。「あすには」に対する信頼や支持を失いかねない失言でしょう。まあ、「あすには」はもしかしたら「井田氏の私党集団(構成員の数も少ないし、大した政治力もない)」にすぎないのかもしれませんが。
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ということで読んでみましたが
安全保障委員長と消費者問題特別委員長は維新が、決算行政監視委員長は国民民主が担う。
つうのにはげんなりですね。よりによってウヨ政党の維新に「安保委員長」を与えることに立民は同意するのか。立民でポスト獲得する気はないのか。安保問題で「維新の自公への協力」で「悪法が成立するリスク」が当然あるわけです。
【追記】
夫婦別姓「広く理解進むこと大事」 鈴木法相が就任会見 個人的な賛否は差し控える - 産経ニュース
鈴木法務大臣初登庁後記者会見の概要 令和6年11月12日(火)
◆選択的夫婦別氏制度及び同性婚に関する質疑について
【記者】
選択的夫婦別姓制度と同性婚についてお尋ねします。
選択的夫婦別姓制度の導入を望む意見は国民の間に一定数あり、今年は財界*20からも早期実現を求める提言がなされ、さらに国連の女性差別撤廃委員会からも導入するよう勧告があったばかりです。また、大臣は、以前、報道機関のアンケートに制度導入に関して賛成と回答されたと認識しております。現在の個人としての賛否と、法務大臣として制度導入に対するお考えを教えてください。
また、同性婚についても、これを認めない現行法を違憲とする司法判断がいくつか出されております。さらに大臣は、同じように報道機関のアンケートで、この法制化に賛成と回答されていたように思います。同性婚についての個人のスタンス、そして大臣として、法改正に対するお考えを教えてください。
【大臣】
今、選択的夫婦別氏*21の話、そして同性婚についてということで御質問いただきました。
(ボーガス注:選択的夫婦別姓について)私個人としてどう考えるか、これは法務大臣としてという会見ですので、個人としてということは、この場にてお答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。その点は御理解いただきたいと思います。
その上で、法務大臣としてということですけれども、夫婦の氏をどうしていくのか、この問題については、まさに御指摘のように国民の間でも様々な意見、議論というものがあります。そういった中で、様々な動きも最近出てきています。国民各層の意見、あるいは国会の議論もあろうかと思いますので、こういった国会における議論等を踏まえてその対応を検討していくことが必要ではないかと思っています。そういったことで言えば、国民の間に加えて、やはり国民の代表ということですので、国会議員の間でしっかりと議論をいただいて、より広く、この理解が進んでいくことがまずは大事だと思いますし、その上で、法務省としても積極的に色々な情報提供を引き続き行っていきたいと考えています。
同性婚の導入につきまして、やはりこれも我が国の家族の在り方の根幹に関わる問題でもあります。国民的なコンセンサスの意味では、進めるのであれば、得ていかなくてはいけないと思います。そういった中で同じような答えで恐縮ですけれど、やはり国民各層の意見や、国会における議論の状況、それに加えて同性婚に関する訴訟の動向や、あるいは地方自治体でのパートナーシップ制度の導入や運用の状況というものについても、注視していきたいと考えています。
鈴木法務大臣記者会見の概要 令和6年11月15日(金)
◆選択的夫婦別氏制度に関する質疑について
【記者】
公明党の斉藤*22代表が、昨日テレビ番組で、選択的夫婦別姓について、自民党を説得したいと、制度導入に向け、首相に働きかける意向を示しました。
大臣は、国民や国会で議論が進んで、理解が広まることが重要とのお考えでしたが、こうした与党党首の動きについて受け止めをお願いします。
【大臣】
お話しされた報道については承知しています。
その上で、選択的夫婦別氏制度の導入ですけれども、この前申し上げましたが、現在でも国民の皆様の間に、意見というものがあります。
今後とも国民各層の意見、そして国会における議論等々を踏まえまして、その対応を検討していく必要があるというふうに、私としては考えています。
予想通り、夫婦別姓について「過去には賛成と答えたことがあるが今どうお考えか」「公明党が賛成方針になったようだがどうお考えか」等と聞かれ、「内閣の立場を無視して個人的回答をすることは控えたい」「法案提出云々よりも、まずは国民の理解や国会での議論が必要。それを踏まえた上で十分な検討を行いたい」(俺の要約)という「歴代法相と同じ逃げ口上」の鈴木法相です。「いつまで検討すれば気が済むんだ」と呆れますが。
kojitakenや井田氏の希望は見事に否定されました。まあ、都合が悪いから、彼らは今後は「自分たちの過去発言(夫婦別姓に好意的な態度を過去に取った鈴木法相に期待)」をなかったことにして黙りでしょうが「政治センスがないにも程がある」。
*1:というか11/11開会なのでそもそも国会もkojitaken記事の時点(11/10)では開かれていない。
*2:維新、国民民主の態度は曖昧だったかと思いますが「保守党、参政党」と違い、「反対を公言」ではなく一応「別姓法案に賛同する可能性」はあります。
*3:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官等を経て首相
*4:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相等を経て首相。首相退任後も森内閣で行革相
*5:竹下内閣官房長官、自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相等を経て首相
*6:日本会議については、青木理『日本会議の正体』(2016年、平凡社新書)、上杉聡『日本会議とは何か』(2016年、合同出版)、菅野完『日本会議の研究』(2016年、扶桑社新書)、俵義文『日本会議の全貌』(2016年、花伝社)、山崎雅弘『日本会議:戦前回帰への情念』(2016年、集英社新書)、藤生明『ドキュメント日本会議』(2017年、ちくま新書)、俵義文『日本会議の野望』(2018年、花伝社)、櫻井義秀『宗教と政治の戦後史:統一教会・日本会議・創価学会の研究』(2024年、朝日新書)等の著書がある。
*7:元皇族「久邇邦昭(1929年生まれ。1947年に臣籍降下。伊勢神宮大宮司、神社本庁統理等を歴任)」の子(久邇朝尊 - Wikipedia参照)
*8:五摂家の一つだった鷹司家(戦前は公爵家)の当主。NEC通信システム元社長(鷹司尚武 - Wikipedia参照)
*9:日本各地の神社を包括する宗教法人。但し靖国神社、日光東照宮、伏見稲荷大社(京都市)など神社本庁に属さない神社も一部ある。その中にはもともと神社本庁に参加していたが、本庁との意見対立から離脱した神社がある(気多大社(石川県羽咋市)、梨木神社(京都市)、富岡八幡宮(東京都江東区)、金刀比羅宮(香川県琴平町)、鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市))(神社本庁 - Wikipedia参照)
*10:石清水八幡宮宮司、京都府神社庁長、神社本庁副総長を経て神社本庁総長(田中恆清 - Wikipedia参照)
*11:解脱会 - Wikipediaによれば、2019年に死去しており、古いままで更新されていない。
*12:五摂家の一つだった九条家(戦前は公爵家)の当主。明治神宮禰宜、権宮司を経て宮司(九条道成 - Wikipedia参照)
*13:三五教(あなないきょう)を母体として設立された公益財団法人。オイスカ総裁の中野悦子は三五教教主も務める(オイスカ - Wikipedia、三五教 - Wikipedia参照)
*14:1945年、丸山敏雄によって設立された。現在の理事長は、丸山敏雄の孫の丸山敏秋。倫理研究所は自らを「宗教団体ではない」と規定している。しかし、倫理研究所のルーツが「ひとのみち教団」(現在のPL教団)にあることは、倫理研究所自身も認めている(倫理研究所 - Wikipedia参照)
*15:一応、断っておけば「(維新、国民民主が自民を支持し、石破の再選の見込みが高いとはされているものの)正式に指名がされるまで」は自公過半数割れなので、石破が首相になるとは決まってませんし、法相任命見込み報道も、多くの場合、自民党のリークでその通りになるとはいえ、正式に「任命する」と石破が発表したわけでもない。まあ、法相に就任しても鈴木が夫婦別姓に好意的な態度か、疑問ですが
*16:第3次安倍内閣国交大臣政務官、第4次安倍内閣外務副大臣等を歴任
*17:鈴木は裏金議員なのに「私たち別姓派にとって有利なら裏金議員でもOK(井田氏)」とは「ふざけてるのか?」と心底呆れます(鈴木の裏金問題については例えば「法相は検事総長に対する指揮権を有しています。鈴木氏の起用が「適材適所」と言えないことは明らかで、政治への信頼回復にも逆行します。」と石破を批判する裏金議員を法相へ/鈴木馨祐氏 「赤旗」日曜版報道で発覚参照)。全ての夫婦別姓支持派が井田氏のような「愚か者」とは思いませんが、「裏金議員を容認するのが夫婦別姓支持派なのか?」と夫婦別姓支持派への反感を買いかねない暴言でしょう。俺も一応「夫婦別姓支持」ですし、こんなことで「夫婦別姓支持」をやめたりはしませんが、井田氏のような御仁には「自分にとって都合が良ければ裏金議員でもいいのか?。どんだけ、あんた自己中心主義なんだ」「地元への利益誘導を理由に裏金議員に投票する選挙民と同じではないか?」と「怒り」「軽蔑」しかない。これが1)鈴木が法相として夫婦別姓推進の立場を明確に打ち出し、2)井田氏が「裏金議員であっても、夫婦別姓推進の立場を打ち出したことは評価する」というならまだ理解もできますが、今のところ鈴木は法相に正式に就任もしてないですからね。
*18:第三次安倍内閣国家公安委員長、第四次安倍内閣外相、防衛相、菅内閣行革相、岸田内閣デジタル相等を歴任
*19:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣科学技術等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣総務相、岸田内閣少子化等担当相等を歴任
*20:日本経団連のこと(例えば「一刻も早く」 経団連が選択的夫婦別姓求める異例の提言を公表 | 毎日新聞(2024.6.10)、経団連、選択的夫婦別姓を求める提言 「早く法改正を」 - 日本経済新聞(2024.6.10)、経団連、選択的夫婦別姓の実現を政府に提言 「旧姓の通称使用、ビジネス上のリスクに」:朝日新聞SDGs ACTION!(2024.6.19)参照)