産経の記事が意外にもまともだった(2024年11月15日)(副題:コロナワクチン副作用、ほか)

「私を取り戻す」ために 大阪特派員 木村さやか - 産経ニュース

 友人に誘われて21歳でクライミングを始めた倉田さん*1は握力40キロと成人女性の平均(約25キロ)を上回るパワフルさが身上で、ロープを使わずに登るボルダリングを中心に楽しんでいた。だが人工透析担当の看護師として奈良市内の病院で勤務していた昨年1月、医療従事者として受けた5回目の新型コロナウイルスワクチンの接種後に高熱を発症。目が覚めると立ち上がれなくなっていた。
 予防接種後の健康被害救済制度に申請するため、集めた1年分の受診証明書や診療記録は千枚超。膨大なコピー作業を手伝ってくれた娘は「もう無理」と泣いた。今年4月にやっと認定されて手帳を取得したが、今後自動的に医療費が給付されるわけではなく、都度申請が必要だ。あまりに理不尽な状況を何とかしたいと、「新型コロナワクチン後遺症患者の会」に参加し、「近畿患者の会」の運営リーダーを引き受けた。
「ワクチン接種でこうなると、反ワクの人からは『それみたことか』と言われ、容認派からは『そんなわけはない』と、どちらからも責められる。極端な議論に押され、効能や副反応、後遺症などについての正しい情報が社会に十分伝わっていないと感じています」
 救済制度は昭和51年の予防接種法改正に伴い始まったものだ。対象はインフルエンザや日本脳炎など、同法に基づく予防接種後の健康被害。新型コロナもこの制度を活用しているが、厚生労働省によると52年2月以降、新型コロナ以外のワクチンで同制度の救済対象に認定されたのは先月8日時点で3687件だったのに対し、新型コロナは現時点ですでに8300件を超えている。既存の枠組みでの対応が困難なのは明白で、適切な制度を創設し、救済を急ぐ必要があるだろう。
 倉田さんの現在の握力は、左手9キロ、右手3キロ。右手は親指から中指の感覚はほぼなく、つえを使って自力歩行できるのは20メートルほど。体幹の深部感覚は消失している。「映像を思い浮かべて考える」ことができなくなり、スマートフォンの画像を確認して人を判別している状態だ。それでも、「以前との落差にばかり目を向けると、できる部分を捨ててしまう」と前を向く。

 ワクチン陰謀論は論外ですが、一方で重篤な副作用があるのは事実であり、国の対応が求められます。
 こうしたまともな記事だけ書いてれば、俺も産経を批判しないのですが。
 なお、木村記者ですが以下の通り「それなりにまともな記者」かと思います。

木村 さやか - 産経ニュース参照
被害者支援の〝筆頭格〟が「マスコミ対策」という現実 日曜に書く 論説委員・木村さやか - 産経ニュース2024.11.3
 (ボーガス注:世間の見方がメディアスクラムを理由に)「マスコミ=被害者の敵」という位置づけである現実に愕然とした。同時に、この現実を直視し、社会的理解を得るための努力をすべきだと思った。「マスゴミ」と揶揄される時代、「メディアの仕事は被害者報道であって、被害者支援ではない」と正論を振りかざしても、理解も共感も得られないのではないか。
【論説委員 日曜に書く】木村さやか 本当の「社会化」はいつか - 産経ニュース2023.2.5
 「ああいう言い方をしてよかったんだろうかと、今も悩んでいます」
 働く人の介護相談に取り組むNPO法人「となりのかいご」代表理事の川内潤さん(42)はこう言う。昨秋出版した共著『親不孝介護*2』のことだ。
 「介護=親のそばにいる=親孝行」という固定観念を「親孝行の呪い」と表現し、それに縛られるから親の介護が「辛(つら)く苦しい」のだと指摘。子が直接介護するのではなく、適切な距離をとってプロに任せるべきだと説いた書は、年間約600件の介護相談に携わってきた経験からたどり着いたものだ。とはいえ、「そこまで口をはさんでいいものか」という自問自答は尽きないという。
 それでも言う。
 「あなたは親孝行と思って介護しているかもしれないけど、お母さんは本当は望んでいないんじゃないですか」。
 親孝行のためにと自分を犠牲にして介護に奮闘した挙げ句、(ボーガス注:かえって精神を病み)子が親に手を上げてしまうような悲劇を、決して生み出したくないからだ。
(中略)
 川内さんは「たくさん手出しすることが本当に良い介護なのか。本人のための介護とは何か、という議論が足りないのではないか」と話す。
「『何かあったらいけないから』と、見守りという名の下に終日監視カメラで見張られたら、嫌でしょう?。家族の不安解消と本人の自立支援とは、分けて考える必要があるんです」
 家族が要介護になると「こうしてあげたい」との思いは無限に広がるが、子は親を客観視できないため、冷静で適切なケアにはつながらない、という。「適切な距離」は親という一個人を尊重し、親子関係を大切にするために、必要なのだ。
 大学卒業後、外資系コンサル会社勤務を経て在宅・施設介護職員として11年働いた川内さんだが、(中略)介護職が最初に学ぶのは「(ボーガス注:親を客観視することができないため)自分の親の介護はできない」だという。


大阪市での「男性専用車両」イベント中止受け 主催団体代表が訴え 「いつか開催したい」 - 産経ニュース

◆東京大大学院の瀬地山角*3教授(ジェンダー論)の話
 電車内での異性からの性被害や痴漢の冤罪被害の防止目的に男性専用車両の必要性を訴えるのならば、まずは男性の痴漢被害の認知件数や冤罪のデータを示すべきだ。恐らく、女性の痴漢被害に比べて男性の痴漢被害はものすごく少ないだろう。また、男性の痴漢被害は男性(同性)からも多いはずで、男性専用車両はその解決策にはならない。女性の痴漢被害の深刻さを理解しているとは思えない。

 まあそういうことだろうと思います。主観がどうであれ、客観的に見てこの「男性専用車両」に意義があるとは思えません。