新刊紹介:「前衛」2025年1月号

◆今月のグラビア「栃久保・石積棚田」(市川英昭)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

杤久保棚田 | 笠置町で暮らす。-岐阜県恵那市笠置町-
 岐阜県恵那市笠置町河合にある栃久保棚田は、江戸時代中期(約330年前頃)から開拓された小さな集落にある石積み棚田です。
 平成22年には後世へ伝えたい岐阜県の棚田として「ぎふの棚田21選*1」に選定されました。

棚田の種類
 棚田には、構造的に法面(のりめん)を石で積んだ「石積の棚田」と土で固めた「土坡(どは)の棚田」との二つに大別されます。東日本一帯に存在する土坡に対して、西日本一帯では石積みを主体に法面が築造されています。

山里のくらしを支える石積みの技 |一般財団法人セブン‐イレブン記念財団
 農地の石積みは間にコンクリートモルタルを流し込まず、隙間をあけたまま積んでいくので「空石(からいし)積み」と呼ばれますが、もともと農家の人たちが自分で積んでいたものですから、そんなに難しくはありません。多少の上手下手はありますけど、誰でも積めるようになります。昔積んだ石が山から持ってきたのか川で拾ったのかなどによって、石の形状に違いはあっても、下の二つの石に力がかかるように上の石を積むという基本は日本全国、世界各国でも同じです。構造的にはお城の石垣も同じですが、あちらは立派に見せることと、人が登ってこないように隙間をつくらないことが重要です。一方、農地の場合は隙間があったほうが棒を差し込んで物を干したり板を渡したりと、かえって便利なんです。見かけをよくする必要もないので、石を削るという無駄な作業はほとんどしません。


◆政治を歪める〝裏金〟への批判がつくりだした新しい国会状況:真相解明と企業・団体献金禁止は不可欠(上脇博之*2
(内容紹介)
 Q&A形式で書いてみます。

 今回の衆院選結果についての感想をお願いします。

 私に対しては「政治とカネ」の面からのコメントが求められてると思うのでそれを中心に話します。
 やはり自公過半数割れは「裏金問題」、「非公認2000万円問題」での怒りでしょう。これを「裏金疑惑の真相解明(国会での追及)」「政治資金規正法の再改正(企業・団体献金の廃止、政策活動費の廃止など)」「政党助成金(裏金の原資となった)の廃止」など良い方向につなげたい。また「政治とカネ」だけでなく「少数意見の切り捨て」となっている小選挙区制も廃止し、比例制度などより民意を反映した選挙制度に変えるべきです。
 勿論良いことばかりではなかった。今回、裏金問題が争点化したのに投票率は上がりませんでした。
 どうやって投票率を上げるべきか、悩ましい話ですが考える必要があります。
 「投票率が上がらなくても自公過半数割れになった。どうせ、無投票は政治無関心層(あるいは現状容認層)だから無視していい」というのは「適切ではない」と思います。そうした層に「政治にどう関心を持ってもらい、現状に問題があることを理解してもらうか」取り組む必要があります(勿論楽なことではないし、私にも妙案はありませんが)。
 裏金議員のウチ、下村*3文科相などは落選し、安倍派は最大派閥ではなくなりましたが、萩生田*4政調会長などは当選し、全ての裏金議員が落選したわけではなかった。
 また「裏金追及の功労者」共産は残念ながら議席を減らした点については今後の分析、反省による巻き返しが必要です。
 また議席を増やした国民民主、れいわは決選投票で棄権し、事実上、「石破政権の存続」を容認しました。特に国民民主は「103万円の壁撤廃」等を口実に自民にすり寄り、事実上の与党と化しています(選挙前から自民補完勢力ではありましたが)。
 今後、国民民主やれいわの問題点を指摘し、これらの政党が伸びても政治を変えることにはならないこと、共産こそが「真の野党らしい野党」であり、「共産が伸びること」こそが「政治改革であること」をアピールする必要があります。


◆新しい国会への期待と共産党へのエール(青木正美*5
(内容紹介)
 医師の立場から、筆者が共産への期待(マイナ保険証中止など)を述べていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します(なお、マイナ保険証中止はともかく、多くの意見は、あくまでも青木氏の私見であり、所属組織である日本女医会の見解では必ずしもない)。
 青木氏が「首相時代に自民に衆院選で敗北し下野した野田*6立民党代表」に懸念を表明してるのは同感です。
 「何故、当時、野田政権は自民に衆院選で敗北したのか。それは『野田政権と自民党と何も違わない』という失望が原因ではないか。それ以前の細川、羽田政権も同様の理由で短命に終わった。鳩山政権も誕生当初は高支持率だったのにすぐに支持率が低下し、菅、野田内閣も巻き返せずに終わった。非自民政権が長期にわたって続いたことは未だ一度もない。参院選でこの立民の上げ調子が何処まで続くか私は楽観視してない。1年後の参院選で自民がダブル選挙を仕掛け、自公勝利の危険性すら懸念してる。そうなれば、今は立民にすり寄ってる維新も自民にすり寄るだろうし、自民安定政権になってしまうかもしれない。野党各党、特に立民の真価が問われる」とは重要な指摘でしょう。
 また青木氏は「田村委員長など女性を幹部登用してる共産」に対し「男女平等を活動目的とする女医会幹部」として「男女平等方面」での活躍を期待しているとしています。
 最後に青木氏の政治関係ツイートをいくつか紹介しておきます。俺的に「好感が持てそうな御仁=青木氏」で何より。特に「自民だけでなく立憲、国民民主も厳しく批判してる」点が俺的に高評価。

青木正美
(ボーガス注:リニア新幹線計画を推進した元首相)安倍氏も(ボーガス:元JR東海名誉会長)葛西氏も鬼籍に入った。もうやめようじゃないか、膨大な無駄遣いのリニア。
財投3兆円投入、リニアは第3の森友・加計問題*7
 リニア新幹線には、安倍首相の号令のもと財投3兆円が投入されている。葛西・JR東海名誉会長という、安倍氏の「無二の親友」への巨額融資。(ボーガス注:国の融資額が)森友学園加計学園への「お友だち優遇」の比ではない「第3の疑惑」を追うと、融資スキームの直前に、2人が頻繁に会合を重ねていた事実に突き当たる。

青木正美リツイート
 この党*8の胡散臭さ、非民主主義的思考、人権感覚の未熟さ、歴史的世界史的な学習の未熟、民主主義下での政治家としての資質の無さを如実に示している。
◆バジ(GC)
 国民民主・榛葉幹事長
「緊急事態条項がないことが権力者の暴走を招きかねない」
(ボーガス注:韓国のユン大統領の暴走を見ても)まったく逆。日本国憲法に「緊急事態条項」がないのは権力者の暴走を防ぐため。

青木正美リツイート
◆鈴木耕*9
 (ボーガス注:韓国のユン大統領の暴走を見ても詭弁で緊急事態条項を正当化しようとは)もう(ボーガス注:極右の)本性を隠さなくなったな、国民民主党原発強硬推進論といい改憲論といい、もはや自民党よりも右へ振れて行く。そうとうヤバイ。しかもこの榛葉幹事長、鋭い質問で迫る横田一*10記者を、記者会見に「出禁」にしたという。耳に痛い質問は聞かない。まことに国民民主党らしい対応。

青木正美リツイート
◆日日和
 本来なら国がやるべきことですよね…
 ご飯を食べられない子どものために民間が持ち出しで始めた食堂が全国津々浦々で増え続け、とうとう1万カ所を突破って…
 政治の失敗以外のなにものでもない。
子ども食堂1万カ所突破 24年度、全都道府県で増加 | 共同通信

青木正美リツイート
◆藤原のりまさ(立民党衆議院議員・弁護士) 愛知10区
 軍拡のあとには増税がくる。そして国民生活は困窮する。
 規模の批判に終始して岸田軍拡そのものを批判しなかった野党の議員は猛省すべきだ。たとえ立憲民主党の人であったとしても

青木正美が岡野八代をリツイート
◆岡野八代*11が山添拓をリツイート
 巨額の軍事費で、誰が何を守るのか?を精査すべき。どんどん苦しくなる、一人ひとりの生活費なのだ。
◆山添拓*12
 国民民主が補正予算案賛成へ。103万円の壁が多少引上げられても巨額の軍事費や大企業支援満載の補正予算案は賛成しかねる。

青木正美が辻野晃一郎をリツイート
◆辻野晃一郎*13田中均リツイート
 今回の昭恵氏のトランプ訪問、「閣議決定」で昭恵氏は「私人」と位置付けたわけだし、今回も個人的な招待なのであれば、メディアもいちいち取り上げないで無視すればよいのに、と思う。
田中均*14
 (ボーガス注:昭恵氏を持ち上げたいのか、石破氏をネグりたいのか)昭恵さんのトランプ氏との面会を大げさに取り上げ、首相が面会出来ていないことを騒ぎたてる。(ボーガス注:元首相夫人とは言え私人にすぎないのだから)私的な交流として静かに見守れば良い。そもそも就任前の大統領が首相に会わないと言われれば、そう受け止め、就任後深い関係を作る努力をすれば良い。

青木正美リツイート
◆川上芳明(12月16日]
 今日の#参院予算委員会で#吉良よし子*15議員が追及していたけど、軍事費が文教予算の2倍って異常ですよ!軍事費減らして文教予算に回し学費値上げストップはもちろん、学費無償化をすえて値下げに踏み切るべき!

青木正美リツイート
◆ディールガイ
 能登被災者への暖房費の支給を却下した立憲の補正予算。被災地への補償を極限まで削ることで一致した自民と立憲。彼等には「極寒の中で震える被災者の姿」が見えていません。

青木正美リツイート
しんぶん赤旗日曜版
 都議会自民党政治資金パーティーでノルマ分を超えて販売した収入を都議らが会派に納めず「中抜き」し、収支報告書に記載せず“裏金”処理していた疑惑。自民党元都議は「都議会自民党ではノルマ分だけを納める仕組み」と語ります。「現金を会派の控室に持っていった」との証言も=赤旗日曜版12月22日号

青木正美リツイート
◆テオレマ
(ボーガス注:チャンネル桜(今年の12/3放送)に公然と出演する等、右翼言動が酷い原口一博*16を)立憲民主党はいつまで看過するつもりなのか。
 完全にデマとレイシズムじゃないか。
 即、離党勧告モノのはず。
 そうでなければ、(ボーガス注:アイヌ在日韓国人差別の)杉田を最後まで擁した自民と何ら変わらない。
[https://www.youtube.com/watch?v=u4tIajhXjVc:title=大東亜共栄圏の果てしなき夢とBRICS・グローバルサウスの未来[チャンネル桜R6/12/3放送]]


◆沖縄「赤嶺政賢*17圧巻の九選」、示した県民と「オール沖縄」の力:県民が選択した沖縄の平和の心を国政をに届ける国会議員(鶴渕賢次*18
◆近畿ブロック「比例を軸に」「近畿はひとつ」を貫き、2議席を確保。踏ん張った総選挙のたたかい(林信一郎*19
(内容紹介)
 選挙結果を振り返っていますがやはり「比例での得票が減ったことが痛かった(この点は赤嶺当選を実現した沖縄も程度の差こそあれ比例得票が減っている)」と言う点は当然の指摘でしょう。
 この点を「どう巻き返していくのか」、小生も妙案はないですが、今後の検討課題ではあります。


◆トランプ前大統領はなぜ返り咲きに成功したのか?:画餅に帰したバイデン・ハリス政権の経済政策(萩原伸次郎*20
(内容紹介)
 副題の画餅に帰したバイデン・ハリス政権の経済政策が重要ですね。
 勿論、敗因理由は「移民問題」「中絶問題、性的マイノリティ問題等でリベラルな路線を取る民主党に反発する保守票がトランプ共和党に集中した(勿論、一方でリベラル派は民主党に投票するわけですが、物価高騰やイスラエル問題(トランプほどではないがハリスもイスラエルに甘い)等で、リベラル派の中には民主党に投票せず棄権する者などもいた)」等、様々あるでしょうが、萩原氏が重視するのが「物価高騰(インフレ)による生活苦」です。「物価高騰(インフレ)による生活苦」に対してバイデン政権は「国民が満足する成果」を出せませんでした(副題で分かるように萩原論文は専ら経済政策、特にインフレについて論じています)。
 これに対して「どこまで実現可能性があるのか」はともかくトランプは「自分なら物価高騰を解決できる」とアピールした。
 一方、ハリスが「バイデン政権批判派」として、登場したのならともかく彼女は「副大統領」という「政権ナンバー2」であり、事実上「バイデンの後継指名」を受けています。
 「バイデンと私は違う」とは言いづらい。「だったら副大統領であるハリスは、今すぐ物価高騰を是正しろ」というトランプの攻撃を招くからです。とはいえインフレ退治が困難であることは事実ですし、トランプ政権が果たしてインフレを解決できるかも未知数ですが。トランプがインフレを解決できなければ、2年後の中間選挙では共和党が逆に敗北するでしょう。


◆戦火の中東とアメリカ・イスラエルの「特別な関係」(坂口明*21
(内容紹介)
1)事実上「パレスチナ自治政府抹殺(過去のオスロ合意の否定)」を画策してるとしか思えないイスラエル「ネタニヤフ政権」の無法
2)民主党共和党ともに主流派が「米国国内イスラエルロビー」の政治力に屈し、ネタニヤフの無法を容認してる米国
を批判しています(トランプの方がイスラエル贔屓とは言え、イスラエル批判に腰が引けてる点ではバイデン、ハリス政権も残念ながら大きな違いは無い)。


◆オンライン座談会「切実さ増す賃上げと労働時間短縮:「自由に使える時間」の拡大を」(東條進*22、高村亜希*23、土井直樹*24、廣瀬政美*25大門実紀史*26
(内容紹介)
 出席者の顔ぶれ(出席者名につけた脚注参照)で分かるでしょうが、一般的な「賃上げと時短」というよりは「長時間低賃金労働」と化して「人手不足」が生じている「医療、介護、福祉分野」での「賃上げと時短」が論じられていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


◆北欧の教育に学ぶ:派遣調査に参加して(宮本岳志*27
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介等で代替。なお、8月に「高等教育(大学教育)無償化」を主たる視察目的として北欧諸国のウチ、デンマークフィンランドスウェーデンを訪問したとのこと(北欧でもアイスランドノルウェーは訪問先に入ってない)。衆院視察メンバーは宮本氏の他は「田野瀬太道(自民:訪問当時、衆院文科委員長。第3次安倍内閣文科大臣政務官菅内閣文科副大臣)」「永岡桂子(自民:岸田内閣文科相)」「中村裕之(自民:第4次安倍内閣文科大臣政務官)」といった「文教議員」とのこと。
【参考:視察報告】
北欧に学ぶ高等教育無償化 宮本岳志議員講師に学習会/日本共産党大阪府委が開催 北欧でもたたかいの中で確立・・・今日の「赤旗」記事 - (新版)お魚と山と琵琶湖オオナマズの日々2024.9.24
北欧に学ぶ高等教育無償化へ 講師:宮本たけし衆院議員*28(52分程度の動画)
【参考:デンマーク等の教育(主に教育無償化)】
「教育費は基本的にタダ」岩竹美加子のフィンランド情報に大竹まことも驚き? | 文化放送2024.12.4
 「コピペ貼り付け禁止設定」で引用できないので、「フィンランドは基本的に教育費無償(岩竹)」という話に興味のある方は上記の文化放送サイトをご覧下さい。
 大竹氏のインタビューを受けてる岩竹美加子氏には『フィンランドの教育はなぜ世界一なのか』(2019年、新潮新書)、『フィンランドはなぜ「世界一幸せな国」になったのか』(2022年、幻冬舎新書)、『フィンランドの高校生が学んでいる人生を変える教養』(2024年、青春新書インテリジェンス)の著書があります。また岩竹氏については

フィンランドは大学まで学費無償で、私立学校でも儲けるのは禁止|フィンランドはなぜ「世界一幸せな国」になったのか|岩竹美加子 - 幻冬舎plus文化放送での大竹インタビューと当然内容は一部かぶります)
 教育費は小学校から大学まで無償。給食は保育園から高校まで無償。教科書と教材は、小学校から高校まで無償だ。小中学校では、ノートなど学用品ももらえる。従来、高校の教科書は有償で親が買う必要があったが、2021年秋から高校まで義務教育になったことに伴って無償化された。
 無償は、貧富の差による教育格差を広げないための政策だ。
(中略)
 日本では、生活保護世帯の子どもは大学に進学することができない。大学進学は、「贅沢」とみなされるためだ。「社会的弱者は排除されても仕方がないという発想」が国の制度になっている。貧困を再生産しないために無償の教育を提供するフィンランドから見ると胸が痛む。学習支援について、詳しいことは拙著『フィンランドの教育はなぜ世界一なのか』(新潮新書)に書いているので、興味のある方はそちらをご覧いただきたい。

を紹介しておきます。
 しかし以前も別記事で取り上げましたが、

マイナ政官財癒着/“推進は財界。商売上の思惑”/ラジオで「赤旗」報道紹介2023.7.23
 文化放送大竹まこと ゴールデンラジオ!」は21日、13日付「しんぶん赤旗」が報道した「マイナンバー 政官財の癒着 受注4社が自民党献金5・8億」も紹介、マイナンバー制度のひどさを告発しました。

大竹まことゴールデンラジオ 「赤旗」日曜版に注目/高すぎる 国保値上げに怒り2024.8.1
 文化放送の「大竹まこと ゴールデンラジオ!」は30日、「しんぶん赤旗」日曜版(7月28日号)1面の「国保に家計つぶされる」をとりあげました。

という「大竹氏」は(共産支持者かどうかはともかく)左派なんですかね?。いかに番組スタッフが「このテーマを取り上げたい」と言っても「MCの彼」がウヨなら「ダメ出しする」でしょうし。
 大竹発言ではないとはいえ、コントユニット『シティボーイズ(大竹氏の他は斉木しげる、きたろう)』については

シティボーイズが語る「歳をとったコメディアンは、もはや老害」 | CINRA
斉木:
 俺たちの若い時は、新劇が盛んで、思想の押しつけ的なものをすごく感じていたんだよ。それに対して冗談じゃないって思っていた。それだったらコメディアンの先輩の方がずっとすごいと思ったわけで。

なんて発言があるので大竹氏はあまり政治には関心がないのかと思ってましたが。 
 一方で、文化放送には「極右・上念司」をレギュラー出演させる『おはよう寺ちゃん(元文化放送で今はフリーの寺島尚正がMC)』という酷い右翼番組もありますけど。
 『おはよう寺ちゃん』の裏番組のTBSラジオ森本毅郎スタンバイ」を聞かざるを得ませんね。スタンバイの裏番組が『吉田照美ソコダイジナトコ』の時代は「それなりにまとも(少なくとも寺島よりはまとも)」だったんですが。

フィンランドの賢人が語る「教育無償化」の現実味…日本人は負担しすぎている(井手 壮平) | +αオンライン | 講談社(1/3)2024.3.18
フィンランドでは伝統的に平等を重視する立場から、大学教育は無償となってきた。家にお金がないからといって大学進学の機会が失われることがあってはならないという考え方だ。」

高等教育無償化を/宮本岳志議員 世界の常識だ/衆院文科委2024.5.31
 宮本氏がデンマークの制度についてただすと、国立国会図書館のローラー・ミカ専門調査員は「デンマークとEU(欧州連合)の学生の授業料は無償」「月収約38万7千円を超えない学生は、1人暮らしの場合月額約13万8千円、学生同士の世帯で子どもを養育している場合は月額約5万9千円の追加給付がある」「90%の学生が給付型奨学金を受給する」など、手厚い給付奨学金があることを明らかにしました。

IT先進国スウェーデン、学校で「紙と鉛筆のアナログ教育」に戻る計画を発表 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD2023.9.27
 2023年8月中旬から始まった新学期では、スウェーデン全土の学校で、印刷された本や静かに本を読む時間、手書きの練習に重点が置かれている。その分、タブレットを使った自主的なオンライン調査、キーボード操作のスキルに割く時間は減らされた。
 この動きを主導しているのは、約1年前にスウェーデンの学校担当大臣に就任したロッタ・エドホルム氏である。
 実は近年、特に2016年から2021年にかけてスウェーデンの児童の読解力は低下している。小学4年生の読解力に関する国際的な評価である「国際読解力調査(PIRLS)」において、ヨーロッパ平均は上回っているものの、毎年ポイントを下げているのだ。
 以前より、保育園でのタブレット導入など、スウェーデンの教育へのデジタル化アプローチが基礎的な学力の低下につながっているのではないか、という政治家や専門家から疑問の声があがっており、エドホルム大臣の決定はこれらに応えた形だ。

 上記記事が報じる「スウェーデンでの紙教科書への回帰」については、宮本記事でも簡単に触れられています(記事のメインは高等教育無償化ですが)。


特集「戦後80年:戦場体験をどう受け継ぐのか」
◆知られざる満州国」における治安戦:『満州事変、ある日本人兵士の日記*29』の意義と従来の「満州事変史」の欠落(笠原十九司*30
(内容紹介)
 満州国」における治安戦(反日ゲリラ掃討作戦)について論じられていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
参考

満州事変に従軍 故森下さんの日記発見 | 十勝毎日新聞電子版-Tokachi Mainichi News Web2016.11.14
 満州事変に従軍した幕別町出身の森下明有さん(1910~2001年)が現地での戦闘や住民の様子などを克明に記した日記が、幕別町札内の自宅で見つかった。遺品を整理した四女の長谷部悦子さん(70)=帯広=が読み込んで分かった。戦史を研究する関係者は「表記内容は戦時記録と照らし合わせても合致しており、極めて貴重な資料」と注目している。


◆元兵士の戦場体験とその思いとはどのようなものだったのか(遠藤美幸*31
(内容紹介)
 遠藤氏の著書に触れたマスコミ記事等の紹介で代替。今回の前衛記事は「マスコミ報道の後追い記事」であるのでしょう(それが悪いという話ではなく「単なる事実の指摘」です)。
【遠藤氏のX】

遠藤美幸
 2024年9月7日の毎日朝刊に近刊『戦友会狂騒曲』の書評が掲載されました。ありがとうございます!「戦友会の戦後史」研究の必読書とあり、大変嬉しいです。

遠藤美幸
 週刊金曜日(2024年11月1日号)に拙著『戦友会狂騒曲』の書評が掲載されました。軍拡化を憂う105歳*32の元兵士*33は「こんな日本にするために戦友らは若い命を散らしたのではない。戦友に顔向けができない。不戦こそが最高の慰霊*34」と語ります。

遠藤美幸
 ビルマ戦のある慰霊祭の幹事を遺族でもないのにずっとやっている。99歳で亡くなった元将校と約束したから。遺族も高齢化し今年の参列者は4人だけ。来年はもしや私だけになっちゃう?それでもやります。

 今後は「太平洋戦争、日中戦争」の戦友会や遺族会も構成員の死去でどんどん消滅していくのでしょう。何せ終戦(1945年)から79年経ってますからね。戦争経験者はどんなに若くても80歳以上ですから。


【ネット上の記事】

刊行:戦争の実相、綿密な調査で 元兵士らの聞き取りや資料『悼むひと』 遠藤美幸さんが刊行 | 毎日新聞2023.12.24
 第二次世界大戦下、ビルマ戦線での日本軍と中国軍などの死闘を研究する遠藤美幸さん(60)の新著『悼むひと:元兵士と家族をめぐるオーラル・ヒストリー』(生きのびるブックス)が刊行された。絶望の戦場から奇跡的に生還した元兵士や遺族の聞き取りや資料収集と分析など、20年以上に及ぶ調査研究の成果が凝縮した好著だ。

悼むひと 遠藤美幸著 戦場体験 沈黙にも耳傾け - 日本経済新聞2024.1.6
 近現代史研究者の著者は20年にわたり、第2次世界大戦の中国雲南省ビルマ(現ミャンマー)戦線に従軍した元日本軍将兵に聞き取りを重ねてきた。戦友会の「お世話係*35」を引き受け、兵士本人に加えて家族や遺族とも密接に付き合いつつ戦場や戦後の苦労話に耳を傾ける。その一部始終を本書にしたためた。

『悼むひと 元兵士と家族をめぐるオーラル・ヒストリー』|執筆ノート|三田評論ONLINE(遠藤美幸)2024/03/11
 2002年から戦場体験の聞き取りを20年以上やっている。きっかけは日本航空の客室乗務員時代にたまたま機内で知り合った拉孟(らもう)戦の元飛行兵*36との出会いだった。
 その後日航を退社し、慶應義塾大学・大学院経済学研究科に進み、数十年の歳月を経て拉孟戦*37の研究者になった。当初はイギリス近代史を専攻していたのだが、ある日、あの元飛行兵から「凄惨な『玉砕』戦の史実を後世に伝えてほしい」との主旨の手紙と陣中日誌などが詰まった段ボール箱が自宅に届いた。門外漢の私は途方に暮れて指導教授に相談すると、「縁ある遠藤さんが拉孟戦の研究をやるべきです」と背中を押された。
 ビルマ防衛戦の「最後の砦」として策案された拉孟戦(1944年6月-9月)は、史上最悪の作戦として有名な「インパール作戦(1944年3月-7月)」に比べると知名度は低い。援蔣*38ルート(連合軍の補給路)を遮断するために約1300名の日本軍が中国雲南省の山上で約4万の中国軍と対峙して全滅した拉孟戦場の実相を明らかにするために旧日本軍だけでなく連合軍側の1次史料と元兵士の聞き取りを駆使し、最終的に『「戦場体験」を受け継ぐということ』(高文研)にまとめた。
 この度、9年後に上梓した『悼むひと』は、拉孟戦研究をする過程で、研究者というよりも非当事者の「お世話係」という立ち位置で、長い歳月の中で戦友会や慰霊祭で出会った元兵士やその家族の諸々の感情を掬い上げたオーラル・ヒストリーの歴史実践である。実はビルマ戦以外の中国戦線やレイテ沖海戦などの戦域も含まれている。靖国神社に足繁く通う元中隊長は戦友会では「軍隊も自衛隊もいらない!*39」と放言する。慶應の元学徒兵の意外な語りは実に痛快だ。父から受けた暴力(暴言)でいまだ心病む遺族もいる。沈黙にも耳を傾け、嘘や矛盾に満ちた語りも否定せず傍らでひたすら聴き続けた。元兵士らが何を思って戦後を生きていたのか。戦友会や慰霊祭に集う元兵士や家族(遺族)の思いも一枚岩ではない。戦争は過去のものではない。

ビルマ戦線元兵士・家族の姿…歴史学者・遠藤美幸さん「悼むひと」刊行 : 読売新聞2024.3.13
 第2次世界大戦のビルマ(現ミャンマー)戦線を研究する歴史学者の遠藤美幸さん(61)が、元兵士や家族との交流、聞き取りの日々をつづった『悼むひと:元兵士と家族をめぐるオーラル・ヒストリー』(生きのびるブックス)を刊行した。
 現在は埼玉大と神田外語大で兼任講師を務めるが、研究を始めた当時は肩書のない主婦だったため、元兵士たちの信頼を得ようと、戦友会や慰霊祭に足しげく通った。剣道の名手だった元陸軍中尉に関心を持ってもらうため薙刀を習い、絵が趣味の元陸軍大尉の展覧会には必ず足を運ぶなどした*40。戦友会で食事の手配や配膳などの雑用を一手に引き受けるうち、会に欠かせない存在となっていった。
 本書では元兵士への聞き取りの過程や成果だけではなく、彼らの家族が元兵士をどう見て、何を感じていたかを書いた。 凄惨な記憶から逃れられず、家族に暴力を振るうこともあったという話*41を、家族とも信頼関係を築いて聞き、戦友会などで見せるのとは異なる元兵士の姿を知ることができた。

自腹を切るのは当たり前…「地獄のビルマ」から帰還した日本軍兵士たちが、トラウマ残る「かつての戦場」に再び戻りたがったワケ(遠藤 美幸) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)2024.4.28
※本記事は、遠藤『悼むひと:元兵士と家族をめぐるオーラル・ヒストリー』(生きのびるブックス)を抜粋・再編集したものです。
 「地獄のビルマ」から生還した元日本兵士らは、戦後、戦友会を作り、ビルマでの遺骨収集や慰霊活動に熱心だった。戦友会には、同じ釡の飯を食い、共に寝、共に暮らし、同じ戦場で苦楽を共にして戦い抜いた強固な絆、いわゆる「戦友愛」がある。この戦友愛によって彼らは戦時中だけでなく戦後も結束し行動を共にした。
 凄絶な戦場体験を持つ戦友同士はまさにぬきさしならない関係で、時と場合に依っては親兄弟、妻子よりも優先順位が高くなる。娘の大学進学の費用をビルマ戦の戦没者慰霊碑の建立費に充てた元兵士もいた。「部下の骨を拾うことは家族の事より大事」と言い切った元大尉もいた。恩給では足らずに家を担保に借金までして慰霊活動に身を投じた元軍曹もいた。親族は堪ったもんじゃないが、この手の話はいくらでもある。
 戦友会の結成の全盛期は1965年から1969年頃である。戦後20年が経ち、生活も安定した中年期に差し掛かった元兵士らは、死んだ戦友のために遣り残したことをやろうと戦友会を作った。そして戦場に残してきた戦友の遺骨を祖国に持ち帰ることが生きて帰ってきた戦友と遺族の最大のミッションとなった。
 1971年10月、政府から遺骨収集の打ち切り案が浮上すると各戦友会や日本遺族会の猛反対に遭う。そんな矢先の1972年2月、残留日本兵横井庄一さんがグアム島のジャングルから奇蹟の生還を果たした。横井ブームで遺骨収集の世論が再燃し、打ち切り論はいつのまにか立ち消えた。1973年から3年を目途に政府は可能な全戦域への遺骨収集団の派遣を決めたが、その対象地域にビルマ、インド、中国雲南が含まれていなかった。1973年7月、ビルマ戦友会の全国組織「全ビルマ戦友団体連絡協議会」が結成され、政府にビルマ、インド、中国雲南の遺骨収集の政府調査派遣団の実現を強く求めた。その甲斐あってか、1974年1月に第一次ビルマ方面戦没者遺骨収集政府派遣団(政府職員10名、戦友90名、遺族25名、青年団15名)が派遣された。
 その後、第二次(1976年1月)、第三次(1977年3月)と三度派遣された。
 1975年1月、元陸軍将校の中村清一さん(当時55歳)は、前述の第一次戦没者遺骨収集政府派遣団の戦友90名の1人として訪緬した。派遣団第9班の班長として戦後はじめてウェトレット村の戦場跡を訪ねた。中村さんは村に向かう途中、村人に石を投げられることを覚悟した。
 ところが思いもよらぬ展開が待っていた。村長のウエモン(ウは敬称、エモンが名前。当時43歳)(中略)の話を聞いていると、当事者の自分よりも彼の方が当時の戦闘の様子を熟知しているではないか。
 中村さんは第一勧業銀行(現みずほ銀行)を定年退職した後、本格的にビルマでの遺骨収集と慰霊活動に専念した。退職金や恩給の全額を主としてウェトレット村の慰霊活動に投じた。
 「兵隊は自分の指揮で死んだ。今でも死んだ兵隊の顔が忘れられない。家族や自分の幸せよりも、指揮官として50名の部下の慰霊のために残りの時間を捧げたい」と家族の前で語った。
 1998年、中村さんはウェトレット村に井戸を寄贈した。「中村の井戸」と呼ばれて村人の生活を支えている。
 2000年1月1日、中村さんはウェトレット村に念願の旧日本軍戦没者の慰霊塔とパゴダを建立した。ここにウェトレットの戦いで戦没した全ての日本兵の氏名が刻まれている。
 2007年には、中村さんはさらに寺院を寄贈した。「中村テンプル」と親しまれ、公民館のように村人が集う場所になっている。この年を最後に80代後半の中村さんはウェトレット村へ行けなくなった(2019年5月9日に、中村清一さんは戦友の眠る地に旅立たれた。100歳目前であった)。

「親日」だからと甘えていいのか…戦争の記憶が薄れゆく日本人に、かつての「戦場」に住む人々が抱いている「意外な本音」(遠藤 美幸) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)2024.4.29
※本記事は、遠藤『悼むひと:元兵士と家族をめぐるオーラル・ヒストリー』(生きのびるブックス)を抜粋・再編集したものです。
 ウェトレット村の慰霊祭を知った日本人はこれこそが「日緬友好の証だ」と絶賛するに違いない。まさにその通りなのだが、十分に留意しないと「ビルマ戦は英国の植民地支配からビルマを解放した戦争だ」と主唱する人たちにウェトレット村の事例は都合の良い「証拠」を提供することになりかねない。現に最初に中村さんを紹介してくれたのが保守系右派団体「日本会議」の40代の男性であり、彼は都合の良い「証拠」としてウェトレット村を語っていた。歴史的事実に基づいたビルマ戦の記憶の継承のためにも、戦場の真相を日英緬から多面的に検証すべきだ。中でも日本占領期のビルマナショナリズム運動の特質を理解することなく「ビルマ人は『親日的』だ」という安易な「親日論」が次世代のビルマ戦の記憶となっては非常に危うい。
 さて、英軍側の興味深い史料がある。英領ビルマ総督が避難先のシムラー*42(インド北部の都市)でまとめた日本軍のビルマ侵攻に関する1943年11月10日付の報告書だ。植民地行政府の長から見た英国のビルマ作戦(日本軍に敗北した初期のビルマ防衛戦)に関する記録である。日本のビルマ侵攻を、日本側からでも、ビルマナショナリスト側からでもなく、敗退した英国側行政トップから見た記録だけに非常に興味深い。この報告書には「英軍撤退時、ビルマ人は西欧人に対して親切な行動をした。彼らは親日的ではないと解釈できるが、一方で、日本軍敗退時に同じような親切を日本兵にも行った」と記載されている。
 つまり、戦時中のビルマ人は「親日的」でもあり「親英的」でもあった。僧侶の言葉を借りれば、ビルマ人は民族に関係なくお釈迦様の教えに忠実に目の前の苦しんでいる人を助けたのである。功徳を積んだとも言い換えられる。
 ビルマ人は民族自決、独立を成し遂げるためには「親日的」にも「親英的」にもなり得るのだ。ビルマ近現代史の専門家の根本敬さん*43ビルマ人のアンビバレントな立場を「抵抗と協力のはざま」と分析する。協力姿勢を見せて相手の信頼を得ながら、自己主張と抵抗の基盤を徐々に拡大するやり方だ。これも生き抜く術なのだろう。
 元日本兵が語る、「ビルマ人によくしてもらった、彼らは『親日的だ』」という記憶は、中村さんの体験からも事実だと思う。でもビルマ戦の記憶を受け継ぐ私たちは、それを鵜呑みにして終わらせてはいけない。

自虐史観を批判する若者 元将兵は喜ぶどころか「私が…」 | 毎日新聞2024.8.12
 元(ボーガス注:日本航空)国際線客室乗務員が、なぜか旧日本軍「戦友会」の「お世話係」に。
 気づけば20年以上、元将兵たちと深く関わってきた研究者が、遠藤美幸さんです。
【聞き手・鈴木英生*44
 私は、2000年代前半、戦時中にビルマ(現ミャンマー)中国国境地帯などで戦った元日本陸軍将兵の聞き取りを始めました。そのうち、(ボーガス注:太平洋戦争でビルマ戦に参加した)陸軍第2師団の戦友会「勇(いさむ)会」と後継の「勇会有志会」で、雑用から会計まで任される「お世話係」にいつのまにかなっていました。
 有志会は2017年に解散し存命の元将兵は1人ですが、今も私は遺族らとの交流を続けています。
 他方、戦場体験の語り部活動などをしてきた「不戦兵士・市民の会」にも2015年から参加し、理事を仰せつかりました。昨年発足した後継団体「不戦兵士を語り継ぐ会」では、共同代表を務めています。

<書評>戦友会狂騒曲:北海道新聞デジタル2024.10.6
 ビルマ戦史研究者の著者は2005年から、旧第二師団の東京地区戦友会に参加して、元将兵の戦場体験を聴き続けてきた。部外者だったが皆の信頼を得て、会合の「お世話係」となり、高齢者が長く秘めてきた述懐や胸の内まで聴きとった。本書はそんな著者ならではの参与観察が光る、「元兵士とともに見た世界」の記録である。
 ときは第2次安倍政権ができた2012年の終わりから、戦後70年に至る頃。保守系右派の若者が「正しい歴史(認識)」を引っ提げて戦友会にやってくる。元将兵を前に自説を講釈する倒錯まで起きる。ある戦場体験者は「今の若者は浅い理解だね」とつぶやいた。インパール作戦は「聖戦」だったといった若者の言動に、会の変質を感じて遠ざかる体験者や遺族も出てきた。


◆不戦兵士・近藤一さんから学ぶ若者たち:戦場の悲惨さ(被害)と「加害者にさせられる被害」を学ぶ(宮城道良*45
(内容紹介)
 近藤氏に触れたマスコミ記事の紹介で代替。
加害語った元兵士、三重・桑名の近藤一さん死去 ドキュメンタリー上映へ:中日新聞Web2021.8.8

戦後76年:元日本兵・近藤一さん生前語り続け 体験、映像で受け継ぐ 名古屋・同朋高生製作、あす上映 | 毎日新聞2021.8.14
 戦場での悲惨な経験を語り続けた元日本兵の近藤一(はじめ)さん=三重県いなべ市出身=が5月、101歳で亡くなった。1992年から毎年のように近藤さんが講演に訪れた同朋高校(名古屋市中村区)では、放送部員たちが近藤さんの証言をもとにした映像作品などを作り続けている。戦後76年。近藤さんの思いを若者たちが受け継いでいく。
 近藤さんは二十歳で徴兵され、中国・山西省や沖縄を転戦した。80年代前半から戦場での経験を語り始め、「被害」と「加害」の両面から戦争の実態を伝えてきた。同朋高では1992年から2015年まで、ほぼ毎年のように講演した。

(惜別)近藤一さん 戦争での加害体験を証言した元兵士:朝日新聞デジタル2021.10.9

元兵士の証言、次世代へ 近藤一さんをしのぶ会 生徒ら群舞 名古屋 [愛知県]:朝日新聞デジタル2022.8.15
 中国や沖縄で体験した戦争の悲惨さを語り続け、昨年5月に101歳で亡くなった元日本陸軍伍長の近藤一(はじめ)さんをしのぶ会が14日、名古屋市東区の市民ギャラリー矢田で開かれた。
 この日まで開かれていた「あいち・平和のための戦争展」の企画のひとつで、「不戦兵士を語り継ぐ会」などが主催し約100人が参加した。
 会場では、同朋高校放送部が近藤さんら元兵士の証言を集めて制作したドキュメンタリーの放映や、高校生たちによる近藤さんをしのぶ群舞の披露があった。生徒たちは近藤さんから直接話を聞いたことはないが、証言ビデオや著書に触れるなどして、戦争の被害だけでなく中国戦線での加害行為も語った近藤さんについて学んできたという。
 会の終わりに平和宣言を発表した南山高校男子部3年の越元宰輔(さいほ)さんは「戦後77年が経ち、近藤さんのように戦場体験者が少なくなっている。平和な社会をつくるために、戦争体験者らがつないだバトンを次の世代につなぎたい」。近藤さんについてラジオドラマを作ったという同朋高校1年の後藤陽子さんは「加害についても語った近藤さんの貴重な証言を、少しでも多くの人に伝えていきたい」と話した。


◆論点『「初代門司駅遺構」取り壊し、問われる開発優先の北九州市政』(高橋都*46
(内容紹介)
 以前、新刊紹介:「歴史評論」2024年6月号 - bogus-simotukareのブログの◆科学運動通信「九州鉄道の起点駅・初代門司港駅跡の発掘と保存運動の経過報告」(佐藤浩司)で触れた話題の続報です。小生も「全面保護して欲しい」と思いますが果たしてどうなるか。この種の遺跡が「保存費用」を理由に「記録保存(遺跡自体は全て破壊)」や「一部遺跡保存」に留まり、市民もそれを容認するのは珍しくないので。
参考

赤旗門司遺構 破壊ノー/福岡 田村貴昭氏が政府交渉2024.6.29
 北九州市門司区の市の複合公共施設建設予定地で初代門司港駅旧門司駅)遺構が出土し、市が記録保存のみで取り壊そうとしている問題で、日本共産党田村貴昭衆院議員は28日、文化庁文部科学省の担当者とオンラインで交渉をしました。国連ユネスコの諮問機関イコモスが25日、遺構保全を求める声明を出したことをふまえ、党市議団と共に国としての対応を求めました。

赤旗北九州市の旧門司駅遺構/工事中断し協議を/イコモスが警告文/共産党は現地保存主張2024.9.5
 北九州市門司区の複合公共施設建設予定地で見つかった明治時代の旧門司駅遺構を市が取り壊そうとしている問題で、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関、イコモス(国際記念物遺跡会議)は4日、建設工事の中断などを求める警告文(ヘリテージ・アラート)を出しました。

初代門司駅遺構、北九州市が取り壊し着手 「保存不十分」の声も [福岡県]:朝日新聞デジタル2024.11.28
 遺構をめぐっては、世界遺産の認定などに関わるユネスコの諮問機関イコモス(本部・パリ)が今年9月、現地保存を求め「ヘリテージアラート」を発出。日本組織にあたる日本イコモス国内委員会は今月25日、保存箇所に遺構の本質的な価値が伝わる部分が含まれていないとして、再検討を要請する声明を出していた。副委員長の溝口孝司*47九州大教授は「工事開始は非常に遺憾。まだとどまることはできるので、市に対し工事中断と、市民・専門家との協議開始を求める」と話した。

赤旗旧門司駅遺構解体に抗議/党市議団「本物あるから価値」/北九州2024.11.30
 北九州市門司区で見つかった明治時代開業時の初代門司港駅旧門司駅)の遺構を巡り、市が複合公共施設建設のため遺構を取り壊す工事を28日に開始したことをうけ、日本共産党市議団は29日朝、解体現場前で抗議の街頭宣伝をしました。


◆暮らしの焦点『2024年度障害報酬改定がもたらす障害のある人の働く場の危機』(赤松英知*48
(内容紹介)
 赤旗等の記事紹介で代替。
障害福祉報酬下げるな/宮本徹氏「差別的改定」と追及/衆院厚労委2024.3.19
国の報酬改定で「生産性」求められ…障害者就労支援を行うA型事業所経営者の苦悩【急上昇ニュース 香川】 | OHK 岡山放送2024.7.19
「障害者の生活切り捨てないで」報酬改定で赤字に 不安増す生活介護:朝日新聞デジタル2024.9.26
国の「福祉報酬」改定、波紋 「健全化」の下、職失う障害者 賃金賄えず…事業所相次ぎ閉鎖 | 毎日新聞2024.10.19

国の報酬引き下げは間違い 障害者解雇巡り愛知県知事(共同通信) - Yahoo!ニュース2024.8.14
 愛知県の大村秀章知事は14日の記者会見で、障害者が働きながら技術や知識を身に付ける就労事業所329カ所が閉鎖され、少なくとも約5千人が解雇や退職となったことを巡り、収支の悪い事業所の報酬を引き下げた国の対応を批判した。「報酬改定を含めた施策が間違っている。直さないといけない」と述べた。

 過大評価はしませんが以前は大村氏を「所詮、河村(前名古屋市長)の同類」と思っていましたが「河村よりはずっとまとも」なようですね。ここでの河村主張は大筋では前衛記事と同じ内容です。

障害者の解雇4279人 3〜7月、就労事業所の報酬下げ要因 - 日本経済新聞2024.11.14
 障害者が雇用契約を結んで働きながら技能を身に付ける「就労継続支援A型事業所」の閉鎖が今春から全国で相次ぎ、3〜7月に少なくとも4279人の障害者が解雇されたことが14日、厚生労働省の実態調査で分かった。
 障害福祉サービスの対価として国が事業所に支給する報酬を4月の改定で引き下げたのが要因。厚労省社会保障審議会部会に示した。
 部会では、解雇された障害者の再就職を自治体など行政が支援し、収支が悪化している事業所には経営改善を指導するべきだとの意見*49が上がった。


ジェンダー覚書――The personal is political「パリティへのロードマップ50:50」(梅村早江子*50
(内容紹介)
 国連女性差別撤廃委員会の日本政府への勧告「パリティへのロードマップ50:50(政府審議会等、組織の構成員は男女半々にすることを原則とすべき)」が紹介されていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


文化の話題
◆演劇:青年劇場「失敗の研究―ノモンハン1939」(寺田忠生)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

戦争はどうしたら止められるのか 青年劇場 創立60周年 「戦争」テーマに舞台「失敗の研究-ノモンハン1939」:東京新聞デジタル2024.8.29
 旧満州とモンゴルの国境線を巡って日本軍とソ連軍が戦ったノモンハン事件を題材にした青年劇場公演「失敗の研究-ノモンハン1939」(作・古川健)が9月13日から、東京・新宿の紀伊国屋サザンシアターで上演される。
 舞台は1970年のある出版社。沢田利枝(岡本有紀)は「ノモンハン事件」の企画を提案する。ほかの編集部員からは「過去の事件より今のベトナムだろう」と反対の声も出たが、大物作家の発案のため企画は通り、沢田は1939年当時を知る関係者に取材、証言を得ていく。その中で「どうしてこの戦争を止めることができなかったのか」との思いが膨らんできて

なぜ戦争を止められなかった? 青年劇場が「ノモンハン事件」で公演 [東京都]:朝日新聞デジタル2024.9.12
 舞台は1970年の、とある出版社。女性編集者が、長期連載企画としてノモンハン事件を提案。編集部からは「過去の事件よりも今のベトナム(戦争)だろう」と反対されるが、大物作家の発案だと伝えると、一転して採用される。女性編集者は、当時を知る人々の証言を取材し、徐々に「どうしてこの戦争を止めることができなかったのか」と疑問が膨らんでいく。

アートな時間:戦前の日ソ武力紛争の真相を追う戦後の女性編集者の闘いが今につながる仕掛け 濱田元子 | 週刊エコノミスト Online2024.9.13
 2年前、古川健(劇団チョコレートケーキ)の書き下ろし戯曲「眞理の勇氣:戸坂潤*51唯物論研究会」を、鵜山仁(文学座)の演出で上演し、ファシズムから思想の自由を守ろうとした知識人に迫った青年劇場
 劇団の創立60周年記念公演として、同じ古川×鵜山のコンビにより、現代日本に突き付けるのが「失敗の研究─ノモンハン1939」だ。
 これまで自身の劇団「劇団チョコレートケーキ」でも総力戦研究所*52を扱った「帰還不能点」や南京事件に迫る「無畏(むい)」など、日本の過去の戦争に材を取ってきた古川。

なぜ「失敗」は繰り返されるのか…青年劇場「失敗の研究~ノモンハン1939~」は骨太の舞台|日刊ゲンダイDIGITAL2024.9.19
 日米開戦前夜の1940年に各省庁、軍・日銀のエリートで設立された「総力戦研究所」が「日本必敗」をシミュレーションしたにもかかわらず、その研究成果は握り潰され、日本は無謀な戦争へと突き進んだ。劇作家・古川健の名作「帰還不能点」だが、古川の本作も旧日本軍による無謀・無策な作戦によって戦闘員の半数が戦死した「ノモンハン事件」をモチーフに「戦争の不条理」を描く骨太の舞台となった。
 総合雑誌に勤務する沢田利枝(岡本有紀)は、経理から抜擢され、初の女性編集者として張り切っていた。彼女が手がける最初の企画は1939年に起きたソ連との国境紛争「ノモンハン事件」。日本が初めて戦車と戦闘機による近代戦を経験したもので、日本軍はなすすべなく壊走した。「無謀な戦争、とりわけベトナム戦争とも通じるのではないか」という歴史小説の大家・馬場貫太郎*53(吉村直)からの持ち込み企画だった。
 先輩の後藤(矢野貴大)の協力で沢田は熱心に取材する。ノモンハンの生き残りの一兵卒・清水(島本真治)、全滅を避けるため撤退命令を出したことで関東軍参謀から自決勧告された片岡中佐の妻・千恵子(名川伸子)、元陸軍士官・遠藤(板倉哲)、元関東軍参謀・松岡(大木章)。
 彼らの証言から、沢田は事件の背景に、東京・三宅坂参謀本部満州関東軍、2つをつなぐ陸軍という組織の頂点に立つエリート集団が共有する特権意識と専横体質を感じ取る。そのことで、馬場は大義なき戦争を描くことに疑問を持ち、小説化を断念*54。沢田らは編集部に無断で取材を進めるのだが。
 沢田利枝(作家の澤地久枝がモデルか)を演じた岡本の存在感が舞台を力強くリードした。
 「ノモンハンは陸軍だけの失敗ではない。軍の専横を恐れた政治家、売らんがために戦争をあおった新聞社、それに乗っかった国民の熱狂があったからだ」と、部下を死なせたことで苦悩し続けた吉田中隊長(杉本光弘)の言葉が重くのしかかる。「帰還不能点」と同じく、「過去の失敗から学ぶことを諦めたら過ちを繰り返す」という作者・古川の問題提起を当代随一の演出家・鵜山仁が見事に血肉化した。

現状と戦い続ける女性編集者の訴えが胸を打つ「失敗の研究―ノモンハン1939」…ボニー&クライド思い出させた「三人吉三廓初買」 : 読売新聞2024.10.3
 劇団チョコレートケーキの座付き劇作家、古川健が青年劇場に書き下ろした 「失敗の研究―ノモンハン1939」 が出色だった。1970年の出版社を舞台に、長期連載を目指す新人編集者の沢田(岡本有紀)が(日本軍とソ連軍が衝突した)ノモンハン事件の関係者に取材を重ねるうちに、多くの命を犠牲にした大義なき事件の実体が浮かび上がる。


◆美術:高額化する著名作品の行方(朽木一)
(内容紹介)
 クロード・モネ「睡蓮(すいれん)」やピカソ作品など著名作品を多数保有する「DIC川村記念美術館」の休館問題(名画が売却される恐れが高い)が取り上げられています。
 なお、過去にも川村美術館は赤字補填のために

川村記念美術館が赤一面の抽象絵画「アンナの光」を103億円で売却 - ねとらぼ2013.10.4
 千葉県佐倉市のDIC川村記念美術館が、アメリカの現代抽象表現主義の代表バーネット・ニューマンの絵画「アンナの光」を売却しました。ほぼ一面が赤い絵画で、売却額は103億円*55です。「アンナの光」(1968年)はニューマンの晩年の大作。サイズは彼の作品で最も大きい276×611センチで、画面の9割は赤く塗りつぶされています。

長谷川等伯や横山大観の傑作、すべて売却へ DIC川村記念美術館 | HuffPost2018.1.16
 印象派現代アートなど約1千点の幅広いコレクションで知られるDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)が、安土桃山時代の絵師・長谷川等伯作の国の重要文化財を含む日本画の名品を、すべて譲渡(売却)する方針を決めたことが15日、わかった。
 これらの作品の中で最も貴重とされているのが、国の重文に指定されている等伯の「烏鷺図屛風(うろずびょうぶ)」だ。
 文化財保護法文化財の所有者が変更された場合、届け出を義務づけ、保存や公開に努めるよう定めている。同館はすでに文化庁への届け出と譲渡を完了。ただ、譲渡先などは公表できないとしている*56

として一部所蔵品を売却していますが、今回は「休館で全て売却の可能性」であり、規模が違うために騒がれてるわけです。
 休館(2025年3月末予定)はやむを得ないとしても、何とか国内の美術館で名画をとどめることができないかという指摘には同感です。
参考

モネ「睡蓮」やピカソ作品はどうなる? DIC川村記念美術館が休館…背後に「物言う株主」がいた:東京新聞デジタル2024.8.31
 美術館を所有・運営するのは印刷インキや有機顔料を手がける化学メーカーDIC(旧称:大日本インキ化学工業、本社・東京都中央区)。地域への社会貢献活動の一環として1990年に同社研究所の敷地内で開館した。
 20世紀美術を中心に754点の作品を所蔵。このうち、モネや巨匠パブロ・ピカソの作品を含む同社所有は384点で、その資産価値は6月末時点で総額112億円(簿価ベース)に上る。米国を代表する画家マーク・ロスコの作品群の展示室「ロスコ・ルーム」や、四季を楽しめる庭園を目当てに訪れる人も多い。
 ただ、同社によると、維持費や企画運営費などのコストがかさみ、近年は赤字運営が続いていたという。
 (ボーガス注:美術館の休館後)著名作品も含めた所有品はどうなるのか。同社は「現時点で売却について決まっていないが、可能性としてはある」と答えた。
 美術館休館の背後に見え隠れするのは、投資家の存在だ。特に注目されるのが、「物言う株主」として知られる香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」。


◆音楽:未来の聴衆を育てる取り組み(小村公次)
(内容紹介)
 オペラシアターこんにゃく座の「チアチケ」制度が取り上げられている。
参考

オペラシアターこんにゃく座が次世代の聴衆・観客を育てる「チアチケ」制度を創設 – ぶらあぼONLINE | クラシック音楽情報ポータル2024.7.11
 「チアチケ」とは、文字通り「チア=応援する」ためのチケット。こんにゃく座を応援するサポーターから1席2,000円の支援を得て、22歳以下の人に無料でこんにゃく座のステージを観劇してもらおうという取り組み。10代、20代といった若年層が、昨今劇場や音楽ホールにあまり足を運ばなくなっている現状に危機感を感じてのことだという。実際にステージを観た人には感想を書いてもらい、それがサポーターにもフィードバックされる。全国各地で、学校公演や芸術鑑賞教室も含め、年間200公演以上の上演を行っているこんにゃく座だけに、今後、さまざまな地域でこの制度を利用できるようにしていく予定だという。


◆スポーツ最前線「森喜朗*57著『スポーツ独白録*58』にみる政治との距離感」(和泉民郎)
(内容紹介)
 森の著書『スポーツ独白録:全証言ラグビーW杯2019、2020東京五輪パラ、サッカー日韓W杯2002』(2024年、徳間書店スポーツライター二宮清純*59による森からの聞き書き)について「森氏がスポーツ族議員(スポーツ界のドン)として権勢を振るったことや、森氏が収賄等で訴追されてないとは言え、その結果、疑念を招いていること(【1】高橋治之元東京オリンピックパラリンピック組織委員会理事(収賄)、AOKI創業者の青木拡憲、角川歴彦KADOKAWA会長(贈賄)などが起訴された東京五輪汚職への、組織委員会会長だった森氏の関与疑惑、【2】神宮外苑開発への森氏の関与疑惑など)について、まるで反省がない」「聞き手の二宮氏も『ご意見拝聴』といった感じで、森氏への批判意識がまるでない」として批判的に論評。

参考

きょうの潮流 2022年6月6日(月)
「すばらしいよ。あと15年は長生きしないと」。
 スポーツ界を牛耳る森喜朗元首相が、ある図面を前に、ほくそ笑む姿が目に浮かびます。2012年5月、東京都の幹部が明治神宮外苑の再開発計画を示したときのことです
神宮球場秩父宮ラグビー場を入れ替え、建て替える計画はその後、190メートル級の超高層ビル2棟、野球場のホテル併設などが加わる巨大再開発に。一方、100年を超えるイチョウ並木を含む約1千本の木々が伐採され、歴史的景観も壊される。都民に親しまれた草野球場などスポーツ施設も一気に失われます

森喜朗氏にAOKIが現金提供か 東京五輪汚職事件、スポンサー決定前に高橋容疑者が紹介:東京新聞デジタル2022.9.1
 東京五輪パラリンピックを巡る汚職事件で、大会スポンサーに選定されたAOKIホールディングス(HD)側が大会組織委員会の会長を務めていた森喜朗元首相(85)に現金を渡したとみられることが1日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、現金の趣旨や提供時期について慎重に調べている。

森喜朗元首相を参考人聴取 東京地検特捜部、五輪汚職めぐり複数回:朝日新聞デジタル2022.9.9
 東京五輪パラリンピックをめぐる汚職事件で、東京地検特捜部が、大会組織委員会の会長だった森喜朗元首相(85)から、参考人として複数回、任意で事情聴取したことが、関係者への取材で分かった。森氏は組織委の元理事・高橋治之容疑者(78)と一緒に贈賄側の出版大手「KADOKAWA」の会長とも面会していたことが判明。特捜部は、元理事の受託収賄容疑の立証に森氏の聴取が必要と判断したとみられる。
 容疑者ではなく参考人という位置づけだが、首相経験者の聴取は異例だ。
 高橋元理事は、スポンサー選定で便宜を図り、紳士服大手「AOKIホールディングス」側から5100万円、KADOKAWA側から約7600万円の賄賂を受領したとされる。

*1:選定されたのは19地区である。「ぎふの棚田21選」の「21」は「21世紀」の意味であり、21箇所ということでは無い(ぎふの棚田21選 - Wikipedia参照)

*2:神戸学院大学教授。政治資金オンブズマン代表。著書『政党国家論と憲法学』(1993年、信山社出版)、『政党助成法の憲法問題』(1999年、日本評論社)、『政党国家論と国民代表論の憲法問題』(2005年、日本評論社)、『ゼロからわかる「政治とカネ」』(2010年、日本機関誌出版センター)、『議員定数を削減していいの?:ゼロからわかる選挙のしくみ』(2011年、日本機関誌出版センター)、『財界主権国家・ニッポン:買収政治の構図に迫る』、『誰も言わない政党助成金の闇』(以上、2014年、日本機関誌出版センター)、『告発!政治とカネ』(2015年、かもがわ出版)、『追及! 安倍自民党・内閣と小池都知事の「政治とカネ」疑惑』(2016年、日本機関誌出版センター)、『日本国憲法の真価と改憲論の正体』(2017年、日本機関誌出版センター)、『ここまできた小選挙区制の弊害:アベ「独裁」政権誕生の元凶を廃止しよう!』、『内閣官房長官の裏金』(以上、2018年、日本機関誌出版センター)、『逃げる総理、壊れる行政:追及! 「桜を見る会」&「前夜祭」』(2020年、日本機関誌出版センター)、『政党助成金、まだ続けますか?:安倍自民党本部主導選挙・河井議員夫妻「1億5千万円買収事件」から』(2021年、日本機関誌出版センター)、『憲法の破壊者たち:自民・国民・維新・勝共日本会議改憲案を検証する』、『日本維新の会の「政治とカネ」:「身を切る改革」の正体を暴く』(以上、2022年、日本機関誌出版センター)、 『なぜ「政治とカネ」を告発し続けるのか』(2023年、日本機関誌出版センター)、『検証・政治とカネ』(2024年、岩波新書)等

*3:第二次、第三次安倍内閣文科相自民党選対委員長(第二次安倍総裁時代)、政調会長(菅総裁時代)等を歴任

*4:第四次安倍、菅内閣文科相、岸田内閣経産相自民党政調会長(岸田総裁時代)等を歴任

*5:日本女医会副会長、青木クリニック院長

*6:民主党国対委員長(前原代表時代)、鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)、立民党最高顧問等を経て立民党代表

*7:森友、加計に当たるのがJR東海の葛西

*8:国民民主党のこと

*9:1945年生まれ。元集英社編集者。2006年に退社しフリー。著書『私説・集英社放浪記:「月刊明星」「プレイボーイ」から新書創刊まで』(2018年、河出書房新社)等

*10:毎日新聞記者(現在はフリー)。著書『暴走を続ける公共事業』(2003年、緑風出版)、『介護が裁かれるとき』(2007年、岩波書店)、『クレジット・サラ金列島で闘う人びと』(2008年、岩波書店)、『介護と裁判』(2012年、岩波書店)、『亡国の首相・安倍晋三』(2016年、七つ森書館)、『検証・小池都政』(2017年、緑風出版)、『仮面:虚飾の女帝・小池百合子』(2020年、扶桑社)等

*11:同志社大学教授。著書『法の政治学』(2002年、青土社)、『シティズンシップの政治学(増補版)』(2009年、現代書館)、『フェミニズム政治学』(2012年、みすず書房)、『ケアの倫理:フェミニズムの政治思想』(2024年、岩波新書)等

*12:参院議員。日本共産党政策委員長(常任幹部会委員兼務)

*13:1984年4月にソニー入社、ソニーVAIOデスクトップコンピューター部統括部長等を歴任。2006年3月、ソニーを退社、2007年4月にグーグル日本入社。2009年1月からグーグル日本社長。2010年4月にグーグルを退社し、アレックスを創業し、現在、社長兼CEO。著書『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』(2013年、新潮文庫)等

*14:サンフランシスコ総領事、外務省経済局長、アジア大洋州局長、外務審議官(政務担当)等を歴任。著書『プロフェッショナルの交渉力』(2009年、講談社)、『外交の力』(2009年、日本経済新聞出版社)、『日本外交の挑戦』(2015年、角川新書)、『見えない戦争』(2019年、中公新書ラクレ)等

*15:参院議員。日本共産党政策副委員長、子どもの権利委員会責任者、ジェンダー平等委員会副責任者(常任幹部会委員兼務)(役職は中央委員会の機構と人事(第29回党大会)|党紹介│日本共産党中央委員会を参照)

*16:立民党衆院議員(佐賀1区選出)。鳩山、菅内閣総務相、国民民主党代表代行等を歴任

*17:衆院議員。共産党幹部会委員、沖縄県委員長

*18:共産党中央委員、沖縄県委員長代理

*19:共産党近畿ブロック事務所長

*20:横浜国立大学名誉教授。著書『アメリカ経済政策史:戦後「ケインズ連合」の興亡』(1996年、有斐閣)、『通商産業政策』(2003年、日本経済評論社)、『世界経済と企業行動:現代アメリカ経済分析序説』(2005年、大月書店)、『米国はいかにして世界経済を支配したか』(2008年、青灯社)、『日本の構造「改革」とTPP』(2011年、新日本出版社)、『TPP:アメリカ発、第3の構造改革』(2013年、かもがわ出版)、『オバマの経済政策とアベノミクス』(2015年、学習の友社)、『新自由主義と金融覇権:現代アメリカ経済政策史』(2016年、大月書店)、『トランプ政権とアメリカ経済:危機に瀕する「中間層重視の経済政策」』(2017年、学習の友社)、『世界経済危機と「資本論」』(2018年、新日本出版社)、『金融グローバリズムの経済学』(2019年、かもがわ出版)、『「新しい資本主義」の真実』(2023年、かもがわ出版)等

*21:赤旗記者。著書『国連その原点と現実』(1995年、新日本出版社

*22:全国福祉保育労働組合高齢種別協議会議長

*23:保育士(仮名)

*24:全労連厚生労働局長

*25:岐阜県労連議長。岐阜勤労者医療協会・みどり病院医事課主任

*26:参院議員。日本共産党政策副委員長(中央委員兼務)。著書『「属国ニッポン」経済版』(2003年、新日本出版社)、『新自由主義の犯罪』(2007年、新日本出版社)、『ルールある経済って、なに?』(2010年、新日本出版社)、『カジノミクス』(2018年、新日本出版社)、『やさしく強い経済学』(2022年、新日本出版社

*27:衆院議員。日本共産党中央委員

*28:肩書きは当時(現在は残念ながら前衆院議員)

*29:森下明有著、笠原十九司解説、2024年、新日本出版社

*30:都留文科大学名誉教授。著書『アジアの中の日本軍』(1994年、大月書店)、『日中全面戦争と海軍:パナイ号事件の真相』(1997年、青木書店)、『南京事件』(1997年、岩波新書)、『南京事件三光作戦』(1999年、大月書店)、『南京事件と日本人』(2002年、柏書房)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『南京事件論争史』(2007年、平凡社新書→増補版、2018年、平凡社ライブラリー)、『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)、『日本軍の治安戦』(2010年、岩波書店→2023年、岩波現代文庫)、『第一次世界大戦期の中国民族運動』(2014年、汲古書院)、『海軍の日中戦争:アジア太平洋戦争への自滅のシナリオ』(2015年、平凡社)、『日中戦争全史 (上)(下)』(2017年、高文研)、『憲法九条と幣原喜重郎日本国憲法の原点の解明』(2020年、大月書店)、『通州事件』(2022年、高文研)、『憲法九条論争』(2023年、平凡社新書)等

*31:神田外語大学埼玉大学兼任講師。不戦兵士を語り継ぐ会共同代表。日吉台地下壕保存の会運営委員(以上、アマゾンの著者紹介による)。著書『「戦場体験」を受け継ぐということ:ビルマルートの拉孟全滅戦の生存者を尋ね歩いて』(2014年、高文研)、『悼むひと:元兵士と家族をめぐるオーラル・ヒストリー』(2023年、生きのびるブックス)、『戦争のかけらを集めて:遠ざかる兵士たちと私たちの歴史実践』(共著、2024年、図書出版みぎわ)、『戦友会狂騒曲』(2024年、地平社)等。地平社については例えば月刊「地平」創刊 | inti-solのブログ - 楽天ブログ熊谷伸一郎 - Wikipedia(地平社創業者)参照

*32:1919年生まれですね。水田洋名古屋大学名誉教授(2023年死去、享年103歳:著書『アダム・スミス』(講談社学術文庫)等)のような長命の「1919年生まれの方」もいますがさすがに多くの「1919年生まれの著名人」が故人です(1919年 - Wikipedia参照)

*33:ググったところ「細谷寛(ほそたに・ひろし)氏」のことでした。細谷氏については「生かされている」103歳の元日本兵が伝える命の重み 激戦ビルマから帰還|総合|神戸新聞NEXT(2022.8.12)を紹介しておきます。

*34:良く言われることですが「戦争体験がある方が平和主義的」なのかもしれない。

*35:「お世話係」とは遠藤氏の謙遜でしょうが重要な指摘かと思います(以下、話がかなり脱線します)。遠藤氏のような研究者に限らず、政治活動家(勿論共産党の活動も想定している)でも商売人でも何でもそうでしょうが「自分の言いたいこと」だけ言っても、よほど考えが近い人間でなければ「それお前の考えにすぎないだろ?」「俺はお前なんか支持しねえよ」として通常、相手にされません(特に考えが大きく違う人間はそうでしょう)。「相手に何か与えること(例:遠藤氏の「戦友会のお世話係」)」で信頼され、支持されるわけです。共産の場合だと例えば生活相談なんかがそうでしょう(とはいえ「言うは易く行うは難し」ですが)。たとえが悪いですが、よく詐欺師が「信用されるために面倒でも老人の話を聞いてやったり、食事の世話や介護をしたりする」のも同じ話です。「この商品を買って下さい」と言うより、その方が売れやすい。話が脱線しますが紙屋や松竹が支持されないのも「俺は正しいことを言ってるんだから支持されて当然だ」という思い上がりがあるからではないか(俺は紙屋らの政治主張が正しいとは全く思いませんが)。「正しい主張だから支持される」んだったら誰も苦労しません。松竹や紙屋も果たして「俺は共産党のお世話係だ」「党支持者や住民の苦労を俺が背負うんだ」「俺の考えを聞いてもらうためには、志位さんなど意見の違う人の言葉にも謙虚に耳を傾けよう。俺の言い分ばかり言い募るのは止めよう」という謙虚さが何処まであったか。「俺は偉いんだ、俺が党を背負ってるんだ。一部幹部なんか俺より不勉強でレベルが低い」という思い上がりがなかったか。「党支持者は党執行部の言いなりで盲従(だから俺たちが支持されない)」という見下し、思い上がりがなかったか。ぶっちゃけ「生活相談などで世話になった党議員など」の方を「そうした関係性がない松竹や紙屋」より党支持者が重要視し支持するのはある意味「当たり前の話」です。遠藤氏も前衛記事において「話を聞くためにお世話係をしたというより、話を聞くためにはとにかく信頼される人間関係を作らなきゃいけない、とにかく何かしなくちゃ」で「結果的にお世話係」になったにすぎないが、お世話係によって信用されて「聞き取りに役立ったと思う」としています。

*36:前衛記事に寄れば小林憲一氏

*37:日本軍は補給路を断たれ孤立し、拉孟守備隊(約1300名)及び騰越守備隊(約2800名)は最終的に玉砕した。硫黄島等の孤島において玉砕したケースは多いが、この戦いは中国大陸において玉砕した珍しい戦闘として知られる。但し、中国軍も陣地に立てこもる日本軍の防御戦闘により日本軍の数倍の死傷者を出したとされる(拉孟・騰越の戦い - Wikipedia参照)

*38:蒋介石支援」の意味

*39:靖国に行きながらそう主張するのは「矛盾してる」気がしないでもありません。

*40:こうした「地道な努力」は「党の支持拡大」「商売」などいろいろな事に共通するでしょう。「政策の正しさ」「商品の性能」だけ訴えて「党の支持拡大」「商売」が拡大すれば誰も苦労しません。話が脱線しますがそういう面に対する配慮がないから「紙屋や松竹は支持されない」のでしょう。とはいえ「政策の正しさ」「商品の性能」そっちのけでこうした「人的関係」だけで政党支持や商品購入するのもどうかとは思いますが。

*41:「元兵士(帰還兵)のDV」については例えば新刊紹介:「歴史評論」2024年12月号 - bogus-simotukareのブログで触れた◆帰還兵のトラウマと医療・社会に関する研究の現在(中村江里)参照

*42:シムラ条約 - Wikipedia(1914年)やシムラー協定 - Wikipedia(1972年)で知られる。現在はヒマーチャル・プラデーシュ州の州都

*43:上智大学名誉教授。著書『アウン・サン』(1996年、岩波書店)、『抵抗と協力のはざま:近代ビルマ史のなかのイギリスと日本』(2010年、岩波書店)、『ビルマ独立への道』(2012年、彩流社)、『物語ビルマの歴史』(2014年、中公新書)、『アウンサンスーチービルマ』(2015年、岩波現代全書)、『つながるビルマ、つなげるビルマ』(2023年、彩流社)等

*44:著書『新左翼とロスジェネ』(2009年、集英社新書

*45:「不戦兵士を語り継ぐ会」東海支部事務局長。著書『最前線兵士が見た「中国戦線・沖縄戦の実相」:加害兵士にさせられた下級兵士』(近藤一との共著、2011年、学習の友社)

*46:北九州市議(日本共産党

*47:著書『社会考古学講義』(2022年、同成社

*48:きょうされん(旧称:共同作業所全国連絡会)常務理事

*49:これに対し「そもそも報酬を上げるべきだ」というのが前衛記事の立場です。

*50:衆院議員。党中央委員(党子どもの権利委員会副責任者、ジェンダー平等委員会委員兼務)

*51:1900~1945年。マルクス主義哲学者。著書『日本イデオロギー論』(岩波文庫)等

*52:この研究所については例えば総力戦研究所 - Wikipedia「日本必敗」の警告はなぜ見過ごされたのか…終戦77年の夏に考える「総力戦」の危うさ : 読売新聞(2022.8.15)、「虎に翼」にも登場した総力戦研究所 黙殺された「日本必敗」の予測:朝日新聞デジタル(2024.8.15)参照

*53:名前からして、司馬遼太郎がモデルか?

*54:「小説化しなかった理由」が何かはともかく、実際の司馬もノモンハン事件を小説化することはありませんでした。

*55:「何でそんなに高いのか」と唖然ですね。

*56:但し前澤友作がDIC旧蔵の等伯の重文《烏鷺図屏風》を収蔵。一般公開も視野に|美術手帖によれば「烏鷺図屛風(うろずびょうぶ)」を購入したのはZOZO創業者の前澤友作(前澤本人が購入を発表)

*57:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)等を経て首相。元文相で「日本ラグビー協会会長」「日本体育協会(現・日本スポーツ協会)会長」「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長(但し失言で途中辞任)」等、スポーツ界の要職を歴任したことから「スポーツ界のドン」と呼ばれる。著書『私の履歴書森喜朗回顧録』(2012年、日本経済新聞出版社:日経のコラム『私の履歴書』の書籍化)、『日本政治のウラのウラ』(2013年、講談社田原総一朗による森からの聞き書き)、『遺書:東京五輪への覚悟』(2020年、幻冬舎文庫)、『スポーツ独白録』(2024年、徳間書店スポーツライター二宮清純による森からの聞き書き

*58:2024年、徳間書店スポーツライター二宮清純による森からの聞き書き

*59:著書『スポーツ名勝負物語』(1997年、講談社現代新書)、『最強のプロ野球論』(2000年、講談社現代新書)、『プロ野球の一流たち』(2008年、講談社現代新書)、『プロ野球の職人たち』(2012年、光文社新書)、『プロ野球「衝撃の昭和史」』(2012年、文春新書)、『プロ野球・名人たちの証言』(2014年、講談社現代新書)、『プロ野球名脇役』(2014年、光文社新書)、『広島カープ最強のベストナイン』(2016年、光文社新書)、『プロ野球・人生の選択』(2018年、廣済堂新書)、『歓喜と絶望のオリンピック名勝負列伝』、『証言・昭和平成プロ野球』(以上、2021年、廣済堂新書)、『森保一の決める技法:サッカー日本代表監督の仕事論』(2023年、幻冬舎新書) 等