岩渕氏*1は、能登半島地震から1年となるなか、昨年の臨時国会で成立した補正予算の軍事費は、能登の復旧・復興のための予算の3倍以上だと批判し「国民の暮らしを応援する予算こそ必要だ」と強調しました。
全く同感なので紹介しておきます。
ジェンダー平等実現に踏み出そう/新春対談 田村智子委員長×角田由紀子弁護士
◆田村
CEDAW*2の「総括所見」を角田さんはどのように受け止めておられますか。
◆角田*3
女性の議員を増やすために、選挙供託金の減額を提起していることに注目しました。供託金の源流は1925年の「普通選挙」にまでさかのぼるんです。なぜかというと無産者*4の出現を阻止するというのが高い供託金の目的*5でしたが、いまでは(ボーガス注:資金力のない)女性と若者を排除する仕組みとして機能している。国政で300万円などあきれた金額です。
何故かマスゴミ(村野瀬玲奈氏風に言うと「報道業者」)は「夫婦別姓」「女性天皇」ばかり記事にしましたが、俺も角田氏と同意見なので紹介しておきます。
「お前らそんなに供託金を高いままにして、政党助成金と企業献金で潤う金満政党・自民を有利にしたいのか?」とこうした報道をしないマスゴミにはいつもながら呆れます。
◆田村
戦後80年にあたっての課題として、日本軍「慰安婦」問題にきちんと向き合うことが必要だと思います。日本政府は、CEDAWからも「戦争犯罪に時効はないと認識すべきだ」と指摘されています。
◆角田
国際的には「戦時性奴隷」というのが常識です。日本政府はこの言葉を使いたがりませんが。
吉川春子さん*6が(ボーガス注:『日本人「慰安婦」を忘れない』(2023年、かもがわ出版)という)著作を出されていますが、日本人の「慰安婦」を忘れてはいけません。
日本軍は戦地で、上級士官向けには日本人女性をあてがい、下級兵士になるほど現地女性に相手をさせていました。
しかし日本人「慰安婦」の被害者は、(中略)城田すず子さん以外、名乗り出ていません。遊郭の女性に対する強い差別と偏見があったからだと思います。
(ボーガス注:五ノ井里奈さん*7が告発したように)今の自衛隊ではセクシュアルハラスメントが多い。
(ボーガス注:慰安婦に対する反省も不十分で、旧日本軍の)暴力で人を支配する仕組みがそのまま今に引き継がれているのだと思います。
戦争は、(ボーガス注:性暴力など)女性が人権侵害に遭う場面です。戦争とジェンダー平等は両立しようがありません。
ジェンダー平等を実現するために、戦前を反省し、日米同盟の下での「戦争する国」づくりの状況に終止符を打たないといけません。
マスゴミは「右翼の攻撃」を恐れてでしょうが、慰安婦についてもあまり報じませんでしたが、これまた重要な問題です。
また「数的には韓国人慰安婦が多い」とはいえ「日本人慰安婦もいたこと」には角田氏も言うように注意が必要です。
「日本人慰安婦」でググると、吉川氏の他にも
【著者名順】
◆木下直子*8『「慰安婦」問題の言説空間:日本人「慰安婦」の不可視化と現前』(2017年、勉誠出版)
◆藤目ゆき*9『「慰安婦」問題の本質:公娼制度と日本人「慰安婦」の不可視化』(2015年、白澤社)
がヒットします。
*2:国連女子差別撤廃委員会(Committee on the Elimination of Discrimination against Women)の略称で「セダウ」と読む(女子差別撤廃委員会 - Wikipedia参照)
*3:著書『性の法律学』(1991年、有斐閣選書)、『性差別と暴力:続・性の法律学』(2001年、有斐閣選書)、『性と法律』(2013年、岩波新書)等
*4:最近あまり使われないと思いますが平たく言うと「貧乏人」。昔(戦前)は労働者階級のことを無産階級、社会大衆党(日本社会党の前身政党)、共産党など左翼政党のことを無産政党と言いました。政党名に「無産」が入っている無産大衆党 - Wikipediaと言う政党もありました。
*5:1925年の普通選挙以前は「納税額によって選挙権が決まっていた」ので無産者の議会進出の可能性は低かった。
*6:埼玉県八潮市議、参院議員(日本共産党)を歴任し、現在は党名誉役員。著書『アジアの花たちへ:「慰安婦」問題と格闘した国会議員の記録』(2008年、かもがわ出版)、『女性の自立と政治参加』(2015年、かもがわ出版)
*9:大阪大学教授。著書『性の歴史学:公娼制度・堕胎罪体制から売春防止法・優生保護法体制へ』(1997年、不二出版)、『女性史からみた岩国米軍基地:広島湾の軍事化と性暴力』(2010年、ひろしま女性学研究所)、『占領軍被害の研究』(2021年、六花出版)