新刊紹介:「経済」2025年2月号(副題:三江線遺跡、「幻の匹見わさび」ほか)

世界と日本
◆韓国、「非常戒厳」で激動(洪相鉉)
(内容紹介)
 正当な理由なく戒厳を発動した上、「捜査当局の出頭要請を無視し、警察の逮捕状執行もウヨ応援団や大統領警護部隊を使って阻止」し、大統領官邸に引きこもって、捜査を拒否する尹錫悦と彼を未だにかばう与党「国民の力(事実上、尹の私兵集団)」が批判されています。日本共産党に独裁呼ばわりする「一部のバカ(例:id:kojitaken)」もそんなことより「ガチの独裁者(というか内乱犯罪者)の尹」と与党「国民の力(事実上、尹の私兵集団)」でも批判すればいいのに。


アゼルバイジャンでCOP29(深草亜悠美)
(内容紹介)
 新刊紹介:「前衛」2025年2月号 - bogus-simotukareのブログで紹介した◆前進のない、失敗に近いCOP:COP29の結果と日本の課題(早川光俊)と内容は概ね同じであり、十分な成果を上げなかったCOP29が批判されています。


◆トランプ次期政権と米中関係(平井潤一)
(内容紹介)
 トランプ政権によって米中関係が悪化することが危惧されていますが、こればかりは「実際に政権がスタートしない」と何とも言えない点があります。ウクライナ問題では当初「24時間で停戦」とふかしてたのが早速「6ヶ月かかる」とトーンダウンしましたからね。中国相手にも同様のトーンダウンを期待したい。


◆国連が女性差別撤廃の勧告(米沢玲子)
(内容紹介)
 選択的夫婦別姓、沖縄基地問題(米兵の性犯罪)、人工妊娠中絶での配偶者の同意要件(廃止を勧告)、男女間賃金格差の是正、個人通報制度を定めた選択議定書の批准(日本は未批准)、女性の政治進出を阻害する「高すぎる供託金」の減額など、国連女性差別撤廃委員会の勧告が紹介されています。


特集「2025年の日本経済をどう見るか」
◆政治の真の転換に向けて:「ニセ預言者」の危険さ、苦境にある人たちに届く言葉を(浜矩子*1
(内容紹介)
 Q&A形式(想定問答)で書いてみます。あくまでも想定問答であり、「紙屋や松竹への悪口」は浜氏の主張ではなく、俺の主張であることをお断りしておきます(但し、浜氏が石丸や斎藤、玉木国民民主や山本れいわをポピュリズム政党、政治家として警戒、批判する一方で、反ポピュリズム政党としての共産に期待を表明してることは事実です)。
Q(俺):
 偽預言者とはどういうことでしょうか?
A(浜先生):
 私が主に前提においてるのは「基礎控除引き上げの国民民主党」「消費税廃止のれいわ」(いずれも議席を伸ばしましたが)ですね(都知事選2位の石丸氏や稲村元尼崎市長を破って兵庫県知事に再選された斎藤元彦氏、ハリス副大統領を破って復権したトランプ氏といったデマゴーグ政治家も念頭にはありますが)。
 勿論私も「基礎控除引き上げ」「消費税廃止(あるいは当面は減税)」には賛成です。
 しかし両党にはあまりにも問題が多すぎる。
 例えば国民民主党は「基礎控除引き上げ」によって予想される税収減について「景気が良くなるから自然増収で何とかなるだろう」と極めて無責任な態度でした。
 また、れいわも同様に「税収減」については「国債発行さえすればいい」という無責任な態度でした。
 また両党とも「減税ばかり」を叫び「富裕層への増税貧困層への分配(所得再分配)」には極めて無関心です。
 しかし「減税すればいい」と言うほど、話は単純では勿論ない。
 共産党がそうした無責任な態度(減税万歳論、国債発行万歳論など)を取らないのは当然ですが、残念ながら、「無責任」でも「耳辺りが良い」として支持してしまうのが最近の選挙民なのかもしれません。その結果、残念ながら共産が後退し、国民民主やれいわが伸びた。
 今の日本政治の深刻な問題はそうしたポピュリズムにあると思います。
 そうした悪しきポピュリズムをどう打破していくかが問題であって、一部の反共派、反党分子(紙屋、松竹など)の「党非難」は全くポイントを外しているとみるべきでしょう。
 「トランプに敗れたハリス、上院、下院でも共和党過半数を抑えられた民主党=残念ながら衆院選で後退した共産党」、あるいは「都知事選でデマゴーグ石丸氏に敗れた蓮舫*2兵庫県知事選でデマゴーグパワハラ斎藤氏に敗れた稲村氏=残念ながら衆院選で後退した共産党」と見るべきでしょう。米国でも高騰する物価にバイデン政権が上手く対応し切れてないことをトランプが「バラ色の夢」を打ち出すことで勝利したわけです。
 兵庫でも「N国党の立花氏」が汚いデマ攻撃をやる一方で、斎藤氏が「バラ色のイメージ」を振りまくという「役割分担」で再選された。あえて言えば「反共派、反党分子の共産攻撃」は「ポピュリズム問題」に目を背けさせ、問題が「共産のみにあるかのような間違ったイメージ」を流布し、斎藤氏や石丸氏のようなデマゴーグ政治家を利していると言っても過言ではないでしょう。
 反党分子(紙屋、松竹など)がこうした「ポピュリズム問題」に明らかに無関心であること(一方で自己正当化と共産非難に狂奔してること)には呆れます。
 また、「尊厳死発言」国民民主党が典型的ですが「階級対立」を「世代間対立にすり替えようとする動き」も問題ですね。
 シルバーデモクラシーなどという老人差別については「貧乏な老人はいくらでもいる」「若者もいずれ老人になる。いまのままではワーキングプアの若者がそのままワーキングプア高齢者になって悲惨なことになる」等の批判が共産党も含めて各方面からありますが、あくまでも問題は「金持ちと貧乏人の階級対立」だということを強く訴えていく必要が一層あると思います。
Q(俺):
 反党分子(紙屋や松竹など)に石丸や斎藤のようなポピュリズム性がなく、マスコミの話題にほとんどならないことは党にとっては「不幸中の幸い」だったと思います。


◆誌上座談会「直面する政治・経済の危機の構造と対抗」(柴田努*3、柳恵美子*4、鳥畑与一*5、松丸和*6
(内容紹介)
 指摘は多岐にわたっているが、例えば、危機の構造として「労働者の賃金」を企業がコストと見なすことで、企業から労働者への分配(賃金等)が低く抑えられてること、その結果、内需が縮小し、大企業は専ら外需で稼ぐ構造となってしまっていること、しかし国内を専ら市場とする中小企業は内需に頼るしかなく「大企業と中小企業の賃金格差」を助長していることが指摘される。
 解決策として「企業から労働者への分配の強化」「政府による再分配の強化(累進課税強化、最低賃金引き上げなど)」が主張される。


◆高齢者いじめは〝不適切にもほどがある〟:人の尊厳を守り持続可能な社会に(佐久間亮)
(内容紹介)
 玉木「尊厳死発言」、維新「シルバーデモクラシー発言」など老人を蔑視、敵視している最近の政治風潮について「老人が皆恵まれている事実はない」「貧困層の老人(低年金問題など)も多数いる」として批判している。


◆中小企業が直面する経営実態と政策要望:全商連調査から(宮津友多*7
(内容紹介)
 全商連付属中小商工業研究所が実施した中小企業へのアンケート調査を元に中小企業の経営実態と政策要望について論じられている。
参考

2024 年下期 営業動向調査 物価高で利益増えず 業者へ直接支援は急務|全国商工新聞2024.11.11
 政府や自治体には、物価高騰対策や賃上げ対策としての直接支援策の創設や、借り換えなど資金繰りへの支援策の円滑な実施が求められています。


◆軍拡優先財政の構造と矛盾(梅原英治*8
(内容紹介)
 石破政権の軍拡予算が「医療、福祉、教育といった分野」の予算配分を少額にとどめ国民生活を犠牲にしていることが批判されている。


特集「持続性のある地域とコミュニティづくり」
◆地方における地域再生の実践とその位置づけ(関耕平*9
(内容紹介)
 本特集の総論的論文。石破「地方創生」論が、「上からのトップダウン的な代物」であると評価した上で「ボトムアップの取組が求められている」と指摘している。


釜ヶ崎における若年層の現状と支援のあり方(小林大悟
(内容紹介)
 NPO法人釜ヶ崎支援機構」事務局長として釜ヶ崎における若年層支援に取り組む筆者が、現状と課題について論じていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
参考

貧困・孤独に苦しむユース世代向けの居場所をつくりたい! 若者の自立をサポートする、新今宮駅近くの「ヨル・ベース」|釜ヶ崎支援機構2024.5.22
◆インタビュアー
 ユースの居場所づくりは今なぜ必要なのでしょうか?
◆小林
 釜ヶ崎と呼ばれるこの地域は、子どもの支援団体が小さなエリアの中に3つあり、子育て支援はすごく注目されています。また年齢構成として40代以上が主となるホームレス状態の方を対象にした支援もそれなりに整っています。ところが、若者世代の支援がすっぽりと抜けている状態なのです。
◆インタビュアー
 その課題に取り組むために、夕方から夜間にかけて安心して立ち寄り過ごすことができるユースのための居場所(ヨル・ベース)をつくっていくということですね?
◆小林
 これまでの取り組みとしては、2019年から西成区より対象者に若年層が多く含まれるサービスハブ構築運営事業の委託を受けてユースへの生活支援や就労支援をはじめました。2020年から若者向けの居住支援を我々の団体ではじめ、 そこで若者の住まいと仕事のお手伝いをする機会が一気に増えました。さらに2023年度から若者向けのシェアハウス事業を立ち上げました。
 そのさまざまな事業の運営の中で、仕事と生活の支援だけではなかなかうまく歯車が回っていかないことがありました。例えばせっかく仕事に就けても離職率が高いとともに、そもそも仕事に行く段階までなかなかたどりつけない方が多いという課題が見えてきました。
 ただ、我々がサービスハブ構築運営事業の利用者向けに開設している居場所を高い頻度で利用してる人ほど就職率が高く、離職率も低いという効果が得られたので、そういう意味で、居場所の重要性を痛感しています。
 昼夜逆転してしまっている若者たちが多いので、 今まで取り組んでこなかった、若者たちが比較的出入りしやすい時間帯である夜の居場所を開設した方がよいと考えました。
◆インタビュアー
 若者向けシェアハウス「ヨリドコハウス」が1年経過して何か見えてきたことはありますか?
◆小林
 過去の入居者全員が児童養護施設や自立援助ホームに入所していた子どもたち(ボーガス注:いわゆる社会的養護を受けていた子どもたち)だったんです。そこからわかるのは、いわゆる社会的養護と呼ばれている領域には(ボーガス注:18歳未満という)年齢制限があって、(ボーガス注:年齢制限のために児童養護施設等を離れて)18歳でポンと社会に出されても、うまくいかない人たちが一定数いると感じました。
 生きていく力が弱い人がすごく多いと感じます。自分が暮らす環境をきちんと維持管理することができない人が圧倒的に多い。 例えばトイレの使い方がすごく汚かったり。食べ終わった弁当の容器を捨てられず、部屋をゴミだらけにしてしまうなど、快適に生活していくためのスキルが低い人が多いです。
 金銭面では、自分の状況に応じて毎月かかる固定費を算出して、自分の収入と照らし合わせて支払いを済まして、その上で自分の生活を回していくスキルがある人もほとんどいないから、(ボーガス注:ヨリドコハウスの)家賃が未払いになってしまう場合がかなりあります。ちなみに家賃は一般と比較してかなり安いです。
 離職率が高いです。入って半年以上仕事を続けた人は1人もいないです。離職は別に構わないし、私自身もたくさん転職してるんですけども、(ボーガス注:自分にかかる負荷を爆発する前に上手に処理する力が低いので?)次の仕事を決めずに退職してしまうというのが特徴的です。自分にかかる負荷を爆発する前に上手に処理する力が低いので、そのあたりをサポートする機会をつくっていきたいです。

大阪の若者たちへの居住支援クラウドファンディングにご支援いただいた皆様へ コロナ支援-大阪の未来を支える世代に居住支援を(NPO法人釜ヶ崎支援機構 2024/12/08 投稿) - クラウドファンディング READYFOR2024.12.8
 ワンルーム住居で新たな生活を始めた若者が精神的な不安定さや生活力の乏しさなどを理由として、生活が立ち行かず心身の状態がより悪化したり、住まいに継続して暮らすことができなくなったりしてしまう若者もいました。
 そこで、既に運営しているシェアハウス(ヨリドコハウス)とワンルームの居住支援に加えて、15~20歳の若者を対象にした自立援助ホーム立ち上げのためのクラウドファンディングを行うことにいたしました。
 これまで当機構が支援してきた人達を見てみると、40代以上のホームレス状態の人達には若い時からの孤立状態だったというケースや、20~30代では他者との人間関係づくりや一人で自活していくことに不安のあるケースも多いです。
 今回立ち上げる自立援助ホームで、職員が24時間体制で、15~20歳の若者たちが生活能力を身に着け、地域内で活動したり働いたりする場を見つけていくことで、将来的に孤立するリスクを防ぐことにつながります。


◆「困難な過去」に向き合い「地域の価値」をつくる:倉敷市水島の「環境再生のまちづくり」(林美帆*10、除本理史*11
(内容紹介)
 みずしま滞在型環境学習コンソーシアム事務局長を務める林氏が、コンソーシアムの活動を中心に報告しているが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
参考

半世紀前の倉敷公害訴訟の記憶、語り継ぐ 原告団側の資料を初公開 [岡山県]:朝日新聞デジタル2022.11.11
 水島コンビナート岡山県倉敷市)の大気汚染をめぐる「倉敷公害訴訟」の資料を集めた「みずしま資料交流館」が10月、オープンした。1996年の和解成立から26年が過ぎた。原告団側に眠っていた記録を掘り起こし、半世紀前の記憶を今に伝えている。
 水島コンビナートは日本の高度成長を担った一方、排出される大気汚染物質が地域住民の健康を危うくした。住民らは1983年から3次にわたり、立地8社を相手取って損害賠償などを求めて提訴。1996年に企業側が総額約14億円の解決金を支払い、公害防止に努力するとして和解が成立した。

『「地域の価値」をつくる』書評 困難な過去と向き合い 将来に|好書好日2023.1.28
 かつてネガティブな出来事が起きた地域は、自らの歴史をどう描けばよいのだろうか。不都合な過去を隠すと、貴重な経験が未来に生かされない。だが、出来事の悲惨さばかりを強調する歴史は、そこに住み続ける人にとって望ましいとは限らない。
 この葛藤を正面から引き受け、一つの答えを示そうとしている地域がある。岡山県倉敷市の沿岸に位置する水島地区だ。水島は戦時下から工業用地としての開発が進んだ。戦後はコンビナートが建設され、工場労働者の住宅都市としても発達する。1960年代に水質汚染による漁業被害が明らかになり、大気汚染による農業被害やぜんそくなどの人的被害が深刻化した。
 この事態に、漁民・農民・住民が共同して公害反対運動を展開する。特に患者会の運動は長く続いた。80・90年代には患者自らが署名活動や実態調査を行い、公害訴訟で勝訴した。患者会は地域の未来図「水島再生プラン」を描き、新たなまちづくりを目指す。その後、被告企業と和解が成立した。
 重要なのは、水島の地域再生が、深刻な公害被害の歴史と向き合いながら進められてきたことだ。裁判の解決金をもとに設立されたみずしま財団は、住民・行政・専門家などが協働する拠点として、市民参加型の活動を続けている。「みずしま地域カフェ」を開いて地元住民から話を聞き、その歴史を財団職員と住民が一緒になって『水島メモリーズ』という冊子にまとめた。昨年10月には、公害を含め地域の「困難な過去」を展示する資料館も設立した。この過程で、地域の歴史が広く住民に共有され、「地域の価値」や目指すべき将来像が見出(みいだ)されていく。
 「困難な過去」を持つ地域には問題解決の努力が蓄積されており、それが社会変革の力になるのだと編著者はいう。本書には、住民・専門家・行政などがともに過去と向き合い、「地域の価値」を作りだす経験と知恵が詰まっている。


中国山地から持続可能な社会を展望して(森田一*12
(内容紹介)
 『みんなでつくる中国山地 百年会議』副会長、江の川鐵道事務局員を務める森田氏が自らの取組を中心に報告していますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
【参考:森田一平氏NPO江の川鉄道」&三次市、川本町の取組(レールバイク)】

【地元から通信】JR三江線の廃線を乗り越えて にぎわいが戻ってきた(島根県川本町)2023.2.22
 川本町観光協会では、廃線となった線路の活用を目指して平成30年6月より“レールバイク乗車体験”を始めました。レールバイクとは実際に列車が走っていた線路の上を、自分で運転して前に進む新感覚の「廃線アクティビティ」です。
 令和4年3月には、これまでの400mコースに加え、新たに2㎞コースが登場しました。カーブや景色の変化に富み、乗り応えがあると好評で、多いときでは1日100名以上の方にレールバイクに乗車いただいています。平成29年の旧石見川本駅の1日あたり平均乗車人数が18人だったことから考えると、以前よりにぎわっているともいえるかもしれません。

【三次市三次町】旧JR三江線「尾関山駅」を爽快に走る新アトラクション レールマウンテンバイク“さくらサイクル”に乗ってみよう! - 三次市観光 Walk @round Miyoshi(三次観光推進機構公式ウェブサイト)|広島県三次市2023.12.7
 2018年3月で廃線となった旧三江線のうち、750メートル区間の鉄路を使った、新しいアトラクションが誕生しました!
 その名も「レールマウンテンバイク」。
 一般社団法人みよしSL保存倶楽部が運営します。
 レールマウンテンバイクとは、電動アシスト付きマウンテンバイク3車両と廃線後の鉄路を組み合わせたアトラクションです。
 レールの繋ぎ目がガタンと音をたて、振動を感じ、風を切る心地よさも体感できます。
 周囲の自然を高架上から愛でる、非日常を楽しみましょう。
 電動アシスト付きなので、運転はラクラク
 特別な装備や持ち物も不要で、難しい操作などもありません。
 乗車コースは、旧尾関山駅から約500メートル離れた高架橋入口まで走り、折り返して尾関山トンネル出口まで進み、再び折り返す約1.5キロです。

旧三江線跡、トロッコ追加でにぎわいを 邑南町などCF [島根県]:朝日新聞デジタル2021.11.10
 廃止になったJR三江線の跡地で、観光用のトロッコ型車両を運行するNPO法人江の川鉄道島根県邑南町)が、新たなトロッコ2両を導入するためのクラウドファンディング(CF)を実施している。目標金額は800万円で、邑南町へのふるさと納税の形で資金を募る。12月31日まで。
 江の川鉄道は、町がJR西日本から譲渡された町内の口羽駅宇都井駅と、両駅周辺の線路を観光資源として活用し、2018年秋以降、土日を中心にトロッコを運行してきた。今年4月には両駅一帯を「邑南町三江線鉄道公園」としてオープンさせた。
 現在保有するトロッコは2両(定員各4人)で、乗務員2人を除くと乗客は計6人に限られる。今後のバスツアーや宿泊プランなどの展開を見据え、観光客の受け入れ人数を増やすために動力付きのトロッコ2両の追加を決めた。
 順調に進めば、現在1日40人ほどの受け入れ人数が120人ほどまで増えるという。
 CFを開始した10月5日に会見した邑南町の石橋良治*13町長は「三江線の廃止は残念だが沈んでばかりはいられない。地域が元気になるよう町として応援していきたい」。江の川鉄道の日高弘之理事長は「遠方にも多くのファンがいる。事業継続のためにも、車両を増やして多くのお客さんを受け入れたい」と話した。
 寄付は「天空の駅」を発着するレトロなトロッコで、廃線を乗り越えて賑わいを取り戻したい!|ふるさと納税のガバメントクラウドファンディングは「ふるさとチョイス」*14から。ふるさと納税として税金の控除を受けられる。返礼品は宇都井駅に名前の入ったプレートを掲示する権利やオリジナル手ぬぐいなど。

憂楽帳:人が集まる場所 | 毎日新聞2023.2.22
 森田一さん(54)は6年前、26年間勤めた地元新聞社を辞め、古里の島根県邑南(おおなん)町に戻った。理由は古里を走るJR三江線(同県江津市広島県三次市)の廃線
「県も地域もみんな(ボーガス注:利用者が少ないから、赤字だから)『仕方ないよね』。なんとかしようと思う人がいない。それがショックだったから」
 町職員として働きながら、仲間とNPO江の川鉄道」を設立し、寄付や物販の売り上げなどで小さなトロッコ1両を購入
(この記事は有料記事です。有料会員登録すると続きが読めます)

ノーモア!三江線! 頑張ろう、芸備線・木次線!~江の川鐡道事務局の森田一平さんから応援メッセージ 芸備線・木次線を未来に繋ぐシンポジウム開催~どうする秘境駅備後落合(芸備線魅力創造プロジェクト 2023/07/13 投稿) - クラウドファンディング READYFOR2023.7.13
 三江線が廃止になるとの一報を聞いたとき、「なぜ、私(森田)はこれまで何もできなかったのか」と深い後悔に襲われました。その後、会社(山陰中央新報)を辞めて、古里・邑南町に帰り、三江線の跡地を活用してトロッコを走らせる活動を始めました。

地域はつづくよ、どこまでも(島根県邑南町羽須美)|巻島大樹@地域創生ジャーナリスト2023.4.10
 広島県三次市(みよしし)の三次駅から島根県江津市(ごうつし)の江津駅までの35駅を結んでいたJR三江線(さんこうせん)。
 日本一の赤字路線となり5年前に廃線となりましたが、現在はNPO法人江の川鐡道が観光トロッコを週末に走らせています。
 ポイントは島根、広島から集まる鉄ちゃん(鉄道ファン)と地元住民が協力してNPOを運営していることです。
 地域外からやってくる鉄道ファンたちはトロッコの運転手や車掌、駅長、きっぷ売り、さらには枕木交換などの線路整備まで嬉々として行います。もちろんボランティアです。
 江の川鐡道の活動は関係人口*15の優良モデルとして全国的に注目され、昨年、総務省のふるさとづくり大賞*16を受賞されました。

幻の地鶏「土佐ジロー」と小松圭子さん(高知県安芸市畑山)|巻島大樹@地域創生ジャーナリスト(2023.4.16)から一部引用
 地方において、元新聞記者が地域創生の担い手になることが増えていると感じています。
 たとえば、以前地域はつづくよ、どこまでも(島根県邑南町羽須美)|巻島大樹@地域創生ジャーナリストで紹介した島根県邑南町の「NPO法人江の川鐵道」事務局の森田一さんは山陰中央新報論説委員からの転身です。
 何年も地域の課題を取材していると、メディアという第3者の立ち位置に限界を感じて、当事者として課題に直接向き合いたいという気持ちが強くなるように思います。

江の川鉄道 廃線跡守るトロッコ運行【おおちじかん~ゆっくり時が流れるところ】森田一平 | 中国新聞デジタル2024.4.27
 JR三江線が廃止されて6年。廃線直後の2018年5月、島根県邑南町で、町内外の鉄道ファンや地域住民がNPO法人江の川鉄道(同町宇都井)を設立し、トロッコの運行を始めた。15人ほどの設立時の会員は、三江線を守ろうと廃線前からイベントを開催してきた沿線地域や広島県内の9団体のメンバーだった。

廃線から6年…旧JR三江線に注目 実は鉄道建築史に残る宝の山? 鉄道人道併用橋・トンネル出口の陸閘門・目の字ラーメン橋…貴重な遺構の数々とは? | BSSニュース | BSS山陰放送 (1ページ)2024.5.18
 島根県広島県を結んだJR三江線、2018年3月31日のさよなら運転からこの春で丸6年となりました。
 鉄橋などの撤去が進む一方で、全国的にも貴重な鉄道建築物が数多く残っていることが分かってきました。
 取材班が訪ねたのは、廃線跡でのトロッコ車両運行やイベントなどに取り組む「NPO法人江の川鐡道」の森田一さんです。
森田一平さん
「私たち江の川鐡道では、『三江線鉄道遺構図鑑』というのを作っておりまして。この本を一緒に監修をして頂きました島根県技術士会の酒井さんをお招きしております。」
 見ていくのは、邑智郡美郷町にある「第1江川橋梁」です。
島根県技術士会鉄道遺構研究分科会旧三江線グループリーダー 酒井雄壮さん
「鉄道橋に歩道を併設すること自体はそんなに技術的に難しいことじゃないので、有効利用されていたと。」
 第1江川橋梁は、昭和47年7月豪雨で流出し、1974年に再建された鉄橋です。線路のわきに歩道があり、列車でなくても渡ることが出来た「鉄道・人道併用橋」でした。
 しかし、廃線とともに通行禁止になりました。
島根県技術士会鉄道遺構研究分科会旧三江線グループリーダー 酒井雄壮さん
「来年から撤去が始まります」
 貴重な「鉄道・人道併用橋」、(ボーガス注:鉄道ファンは)早めに見ておく必要がありそうです。
 最後に訪れたのは、同じ川本町の志谷川橋梁
 漢字の「目」の形なので、「目の字ラーメン*17橋」と呼ばれます。
◆入江記者
「構造的に簡素になるということですか?」
◆酒井さん
「簡素になって非常にコンクリートも節約できると。」
◆入江記者
「コンクリートが高かった?」
◆酒井さん
「コンクリートは当時非常に貴重でしたね。ですからコンクリート量を減らすことが一番のメリットだということで。」
 アメリカで直前に発表された工法を国内で初めて応用したと見られます。
◆入江記者
目の字ラーメン橋っていうのは、ほかにもあるんですか?」
◆酒井さん
「いろいろ調べてみた結果、結局見付からなくて。今の所、全国でも川本町内にある2か所だけと(ボーガス注:思います)。」
◆入江記者
三江線は宝の山の可能性があるわけですね。」
森田さん
「『三江線鉄道遺構図鑑』もさらに充実して、第2弾が出せるように頑張って行きたいと思います。」

旧JR三江線に残る「目の字形ラーメン橋」 選奨土木遺産に認定 島根県川本町内の2件 | 山陰中央新報デジタル2024.11.19
 島根県川本町内の旧JR三江線に2カ所残る「目の字形ラーメン橋」が、土木学会(東京都)の2024年度選奨土木遺産に認定された。ほかに確認された例のない極めて珍しい形をした橋で、建築当時の土木技術を伝える貴重な構造物だと評価された。県内では7件目の認定となった。
 認定されたのは、長さ16・8メートル、高さ14・7メートルの「志谷川橋梁」(川本町因原)と、長さ22・7メートル、高さ13・65メートルの「日向川橋梁」(同町川本)。鉄道省米子建設事務所が設計し、1934年の石見川越-石見川本駅間の開通に合わせて建設された。
 横から見ると、漢字の「目」のような形をした構造が特徴。強度を保ちつつ、コンクリートの使用量を減らし、工期の短縮を図る工夫を凝らした設計という。

【参考:三江線の現在】

廃線が招いたもの 旧JR三江線の現在〈中〉 代替バス赤字、路線減少 交通弱者の足 維持厳しく | 山陰中央新報デジタル2023.3.30
 2018年3月末で廃線となったJR三江線に代わり沿線市町では代替交通として、バスを中心に運行が始まった。しかし廃線の背景にある人口減は進み、鉄路なき後の路線維持は厳しい。
 代替交通は廃線直後の2018年4月、島根、広島両県の沿線6市町の14路線で開始。駅から遠かった高校や病院にもバスのルートを延ばし、好きな場所で乗降できるフリー乗降区間も設け、利便性を高めた。
 しかし、利用は伸び悩んだ。江津市桜江町内を走るバス路線の田津線は、2018年度の利用実績が1日平均0・1人と14路線で最少。2019年度で廃止された。
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赤字路線廃止 来訪者ぱたり「10年後は…」 鉄路失った地方の嘆息 | 毎日新聞2024.2.7
 「年を取って車が運転できなくなったらどうしよう。病院に行けなくなれば、町を去るしかないのか」
 島根県邑南(おおなん)町で生まれ育った笠井英雄さん(73)は日々の交通手段を心配する。
 町内を走っていたJR三江(さんこう)線がなくなってすでに6年近く。
 広島県内の高校を卒業後、大学進学を機に移り住んだ大阪で会社員生活を送り、実家の農業を継ぐため、2016年ごろ、地元にUターンした。
 当時、既に三江線廃線が取り沙汰され、反発も感じた。しかし「買い物にはもっぱら車を使っていて、そんなに鉄道は使っていない。廃線反対と強くは言えなかった」と複雑な胸中を明かす。
 三江線はかつて、日本海側の江津(ごうつ)駅(島根県江津市)と、山間部の三次(みよし)駅(広島県三次市)の全長108.1キロを結んでいた。1975年に全線開通したが、自動車の普及と人口減少に伴い利用客は減り続け、2018年3月末で廃線となった。1987年の国鉄分割・民営化以降、本州で100キロを超える路線の全線廃止は初めてだった。
 代替の公共交通をバスが担うようになったが、地域の「足」としての役割はおぼつかない。
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【参考:過疎発祥の地「益田市匹見町(旧匹見町)」】

匹見町 - Wikipedia
 2004年(平成16年)11月1日に合併し、益田市の一部となった。
 匹見町は高度成長時代の1960年代より過疎が進行しており、「過疎発祥の地」として知られる。
【歴史】
 1960年までは人口が7000人以上住んでいたが、1963年(昭和38年)*18に、いわゆる「三八豪雪」に襲われ、町が1か月ほど孤立する。それに追い打ちをかけるように翌1964年は集中豪雨に襲われ、5年で人口が2000人減少(外部流出?)する急激な過疎化に陥った。
 当時の町長であった大谷武嘉は国会に陳情を行い、1970年に過疎地域対策緊急措置法(現:過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法)を成立させ、「過疎町長」と呼ばれた。

匹見ワサビ - Wikipedia
 昭和初期はワサビ産地として「東の静岡、西の島根(あるいは西の匹見)」と呼ばれるほどであったが、1960年代以降の匹見町の過疎化等から生産量が減少。2013年度の島根県のワサビ生産は74.5トンで全国第5位であるが、上位3県(静岡県867.6トン、長野県604.7トン、岩手県432.7トン)とは大きく差がある。この為、現在はかつての生産量との極端な差異から「幻の匹見ワサビ」と称されることもある。
◆山葵天狗社(やまあおいてんぐしゃ)
 ワサビの豊作を祈る全国唯一のワサビ神社。
◆ワサビ神楽
 伝統芸能である石見神楽(いわみかぐら)に、ワサビの豊作を祈願した新作神楽が地元の人たちによって奉納されている。
◆うずめ飯
 匹見町をはじめとする旧津和野藩には、ワサビを使用する料理が、既に中世には存在しており、なかでも「うずめ飯*19」は、1939年に宮内省が実施した全国郷土料理調査によって選定された「日本五大名飯(めいはん)(他の4つは東京の深川めし*20、岐阜のさよりめし*21、大阪のかやくめし*22、埼玉の忠七めし*23)」の一つにもなっている。
 この料理は一見すると丼に白いご飯がよそってあるだけのように見えるが、箸でご飯粒をかきわけると、鶏肉や里芋、ごぼう、にんじん、なめこなどが煮汁とともにご飯の下にうずまっている。
 内容は家庭や店舗によって様々であるが、「ワサビが入った汁かけご飯」という条件だけは共通している。

匹見の「沢ワサビ」が幻のワサビと呼ばれる理由 | おいしんぐ!
 皆さんは「匹見の沢ワサビ」をご存知だろうか。知っていたとすればかなりの食材通と言えるでしょう。
 ワサビの生産地といえば静岡県や長野県のイメージが強いかもしれないが、かつては「東の静岡、西の匹見」と称されるほど島根県益田市匹見町はワサビの産地栽培が盛んな地域だった。最盛期は「青いダイヤ*24」と呼ばれ県内産の90%を占める年間約300トンの生産量があったと言われている。
 ところが、生産者の高齢化や練りワサビの開発による価格の下落などから生産量は激減し、ワサビ田は次第に放棄され荒廃が目立つようになり、いつしか幻のワサビと呼ばれるようになった。

移住者がわさびづくりの担い手に|NHK地域づくりアーカイブス
 かつては「東の静岡、西の島根」と言われたわさびの一大産地だった島根県益田市匹見町では、近年高齢化によってわさび田の維持が難しくなっていました。そこで、2002年に町が町外に向けてわさびづくりの新たな担い手を募集。13年間で14人が移住してわさび農家として就農しました。わさび農家たちは、町外からボランティアを募って、荒れたわさび田の復旧を行うことで、体験型観光として、人を呼び込む取り組みも始めました。

山陰・この人:益田市まちづくりコーディネーター 石橋留美子さん 協働で住民の思いを形に /島根 | 毎日新聞2020.5.21
◆石橋留美子(いしばし・るみこ)さん(47)
 高齢化率63%、限界集落が7割近くを占める益田市匹見町地域。「過疎発祥の地」と呼ばれた中山間地域で12年間、情報発信や観光対策などを担う「まちづくりコーディネーター」を務めてきた。
 フリーライターだった2005年から2年間、「匹見町誌」の編さんに携わった。同町に全く縁はなかったが、1カ月の半分を町内で暮らし、取材で接する中で町民の実直な人柄や昔ながらの自給自足の食文化などに引かれた。編さん終了後も町を紹介するブログを開設するなどつながりを持ち続け、2008年にコーディネーターに就任した。
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夫婦だけの集落、外壁破りクマが家に 過疎発祥の地は今:朝日新聞デジタル2020.5.29
 過疎発祥の地中国山地に抱かれた島根県匹見町(現・益田市匹見町)は、そう呼ばれてきた。「平成の大合併」に活路を見いだしたが、その後も人は減り続けている。この土地に何が起きているのか、昨年12月に訪ねた。
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益田市匹見町の人口1000人割れ 2004年合併時から4割以上減 | 中国新聞デジタル2020.11.29
 過疎地域の象徴とされる益田市匹見町の人口が千人を割ったことが28日、分かった。10月末時点で990人。2004年の合併時の1751人から4割以上減った。こうした中、市は機構改革で2022年度、旧合併町の匹見、美都両町にある総合支所を部扱いから課扱いに移行する。住民からは旧合併町への対応が「格下げ」になると懸念の声も上がる。

「魅力がない?ないならつくろうよ」 過疎発祥の島根県益田市を変えた「カタリ場」戦略とは?|FNNプライムオンライン2022.8.14
「僕が幼いころは、『益田ってどんなところ?』と聞いたら、大人は『何もないよ』と答えていました。それが大人の口癖でした」
 益田市出身の現代アーティスト・野村康生さんはそう語る。彼は1979年の生まれ。ここ40年で、町は様相を新たにしたという。益田市匹見町は「過疎発祥の地」と呼ばれ、全国に先駆けて過疎化が問題視され、「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法(過疎法)」が制定された際に典型的な過疎自治体として注目された。そんな同市がなぜ息を吹き返しているのか?
 肝となっているのは、「益田版カタリ場」と呼ばれる市民の交流イベントだ。
 益田市教育委員会・協働のひとづくり推進課の大畑伸幸さんが目をつけたのは、対話による教育支援活動を展開している認定NPO法人カタリバだ。同法人の協力を得て、益田市は対話イベントを開催。そこで対話のノウハウを吸収し、「益田版カタリ場」を創設した。
 Iターン・Uターンで戻ってくる若者は確実に増えている。たとえば駅前商店会。100店舗が店を構えているが、そのうち24店舗が帰ってきた若者によって経営されている。
 だが、あまたある地方の中でもなぜ益田市を選ぶのだろう。
 そこには呼び込み戦略があった。鍵になっているのは、若者の招致に尽力している一般社団法人豊かな暮らしラボラトリー(通称「ユタラボ」)の存在である。
 町おこしの影響は、現地の若者にしっかり及んでいる。益田市の成人式で行ったアンケートでは、「将来益田に住みたい」と返答する新成人が、アンケートを実施し始めた2018年から現在までで5割から約8割にまで上昇した。
 さらに益田市は、Iターン・Uターン人材の別の呼び込み戦略も展開している。
 ユタラボ主導で行っていることでいえば、たとえば同市の魅力を伝える「益田暮らし体験ツアー」や、休学中の学生を受け入れる「ユタラボ学生インターン」、地域外の人と「豊かさ」について考えるワークショップ「オンライン豊かな暮らしトークセッション」がある。
 また、市内の同世代の若者をつなぐ「MASUDA no Douki」や、やりたいことを共同で行う同志を見つける「オモイをカタチにワークショップ」も町の若者の触発の場になっている。
 ハコモノの利用も面白い。2005年に開館した島根県芸術文化センター(愛称:グラントワ)では、まさに益田市出身の魅力ある人と人が触れ合う場が生まれている。
 特に地域に親しまれているのが祭典「神楽酒」で、町総出で催される祭りは歴史が浅いながらも名物となっており、この祭りをきっかけにUターンをする若者も増えた。
 加えてグラントワでは、世界的なデザイナー・森英恵氏(鹿足郡吉賀町出身)や日本を代表する彫刻家・澄川喜一氏(鹿足郡吉賀町出身:東京スカイツリーをデザインした)など、同市に隣接する鹿足郡の出身者の展示会やワークショップも行っている。現在、芸術展を開催中の野村康生さんも市民との交流を重ねている。
 もちろん益田市は、全国に魅力を伝えることにも余念がない。同市のひと・もの・ことを発信するプラットフォーム「MASUBUZZ(マスバズ)」は、同市に抱かれがちな「田舎感」を払拭する内容で、2022年に「全国商店街DXアワード審査員特別賞」(主催:全国商店街DXアワード実行委員会)を受賞した。

島根:買い物配達 担う自治組織:地域ニュース : 読売新聞2024.6.7
 過疎・高齢化が進む益田市匹見町の匹見下地区の自治組織「匹見下いいの里づくり協議会」と生協しまね(松江市)が協力し、生鮮食品などを山間部の家庭に届ける買い物支援サービスを始めた。
 生協は「中山間地域に住むお年寄りら、買い物弱者への新たなモデルケースにしたい」としている。

平成の大合併で「周辺部」に 匹見48% 合併後54市町村で人口減 <データism・人口減少編(1)> | 山陰中央新報デジタル2024.6.21
 2000年時点と比べて人口が減ったのは59市町村のうち54市町村に上る。
 最も減り幅が大きいのは2004年11月に旧益田市、旧美都町と合併し、現在の益田市となった匹見町。減少率は48.0%で、1803人だった人口は937人に半減した。1980~2000年間の減少率は34.0%で、合併により減少が加速している。1980年調査時からの減少率は65.7%(1796人)減に上っている。

わさび田復活へ 特別支援学校の生徒たちが苗植え 益田|NHK 島根県のニュース2024.9.20
 益田市のわさび田で、特別支援学校の生徒たちがわさびの苗を植えました。
 益田市匹見町は、江戸時代から続くわさびの産地ですが、生産者の高齢化や担い手不足のため、耕作されずに荒れてしまったわさび田が増えています。
 こうしたなか、地元の益田養護学校と匹見下地区の地域魅力化応援隊員は、わさび田を復活させる取り組みを行っていて、20日は、わさびの苗の植え付けが行われました。

路線バス維持へ要望 益田・匹見の住民が市長へ | 山陰中央新報デジタル2024.11.26
 路線バス運行の石見交通益田市幸町)が「匹見線」を廃止するのを受け、市が検討中の代替交通手段について、益田市匹見町の住民が25日、山本浩章*25市長に運行便数や料金体系など利用しやすい形態を求める要望書を手渡した。


◆困窮する子育て世帯への地域における支援:島根県松江市の支援団体(佐藤桃子*26
(内容紹介)
 「フードバンクしまね」「NPO法人スペースの学習支援」など島根県松江市の支援団体の子育て支援を紹介していますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
参考

夏休み前に 給食なくなり支援必要な家庭に食品など準備 松江|NHK 島根県のニュース2024.7.8
 学校給食がなくなる夏休みが始まるのを前に、松江市NPO法人が支援が必要な家庭に届ける食品などを準備しました。
 松江市NPO法人「フードバンクしまねあったか元気便」は、長期休暇にあわせて小中学生のいる家庭にお菓子やインスタント食品を中心に支援物資を届けています。

松江 冬休み前にフードバンクの箱詰め作業始まる|NHK 島根県のニュース2024.12.9
 松江市NPO法人「フードバンクしまねあったか元気便」は、6年前から、ボランティアにも協力してもらい、学校給食がなくなる長期の休みにあわせて、生活に困っている子育て世帯に宅配便などで食品を届けています。
 9日は、ボランティアなど24人が、NPOで購入したり、およそ100の地元企業や団体から寄付を受けたりした飲み物やレトルト食品、それにお菓子などを箱に詰める作業を行いました。


◆欧州経済統合の現状とその改革(下)(田中宏*27
(内容紹介)
 新刊紹介:「経済」2025年1月号 - bogus-simotukareのブログの欧州経済統合の現状とその改革(上)(田中宏)の後編ですが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


マルクスの眼によって「共産主義と自由」を解読する:志位和夫『Q&A共産主義と自由*28』の自由開花未来社会論(二宮厚美*29
(内容紹介)
 志位氏著書を素材に「共産主義マルクス主義)」における「労働時間の自由」が論じられていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
 なお、二宮氏は斎藤幸平氏*30マルクス論を「脱成長論」と評価した上で「マルクス理解として適切かどうかも疑問」であるが、それ以前に「低賃金に苦しむ多くの国民」にとっては「金持ちの知的遊戯」としか受け取られないであろう「現実乖離の言説」と厳しい評価をしている。

*1:同志社大学名誉教授。全国革新懇代表世話人。著書『経済は地球をまわる』(2001年、ちくまプリマーブックス)、『ユーロランドの経済学』(2001年、PHP新書)、『グローバル恐慌』(2009年、岩波新書)、『スラム化する日本経済』(2009年、講談社+α新書)、『死に至る地球経済』(2010年、岩波ブックレット)、『ユニクロ型デフレと国家破産』(2010年、文春新書)、『恐慌の歴史』(2011年、宝島社新書)、『「通貨」を知れば世界が読める』(2011年、PHPビジネス新書)、『中国経済あやうい本質』(2012年、集英社新書)、『「通貨」はこれからどうなるのか』(2012年、PHPビジネス新書)、『新・国富論』(2012年、文春新書)、『新・通貨戦争』(2013年、朝日新書)、『超入門・グローバル経済』(2013年、NHK出版新書)、『円安幻想』(2013年、PHPビジネス新書)、『地球経済のまわり方』(2014年、ちくまプリマー新書)、『国民なき経済成長:脱・アホノミクスのすすめ』(2015年、角川新書)、『アホノミクス完全崩壊に備えよ』(2016年、角川新書)、『浜矩子の歴史に学ぶ経済集中講義』(2016年、集英社)、『どアホノミクスの断末魔』(2017年、角川新書)、『これでも「アベ」と心中しますか?:国民の9割を不幸にする安倍政治の落第通信簿』(2017年、廣済堂新書)、 『窒息死に向かう日本経済』(2018年、角川新書)、『「通貨」の正体』(2019年、集英社新書)、『小さき者の幸せが守られる経済へ』(2019年、新日本出版社)、『強欲「奴隷国家」からの脱却』(2020年、講談社+α新書)、『人はなぜ税を払うのか』(2020年、東洋経済新報社)、『「共に生きる」ための経済学』(2020年、平凡社新書)、『愛の讃歌としての経済』(2022年、かもがわ出版)、『人が働くのはお金のためか』(2023年、青春新書インテリジェンス)等

*2:菅、野田内閣行政刷新担当相、民主党代表代行、民進党代表等を歴任。都知事選出馬で参院議員辞任後は今のところ、次の参院選衆院選で彼女が出馬するかは未定であり、政界復帰するかどうかは不明でしょう(X(旧ツイッター)で政治的コメントもしていますが)。

*3:岐阜大学准教授。著書『企業支配の政治経済学』(2020年、日本経済評論社

*4:生協労連委員長

*5:静岡大学名誉教授。著書『略奪的金融の暴走』(2009年、学習の友社)、『カジノ幻想』(2015年、ベスト新書) 等

*6:中央大学教授

*7:全商連付属中小商工業研究所研究員

*8:大阪経済大学名誉教授。著書『関西、その活力の源をさぐる:産業集積と起業家精神』(編著、2000年、法律文化社

*9:島根大学教授

*10:岡山理科大学准教授。みずしま滞在型環境学習コンソーシアム事務局長。著書『「地域の価値」をつくる:倉敷・水島の公害から環境再生へ』(除本理史氏らとの共著、2022年、東信堂

*11:大阪公立大学教授。著書『環境被害の責任と費用負担』(2007年、有斐閣)、『原発賠償を問う』(2013年、岩波ブックレット)、『公害から福島を考える』(2016年、岩波書店)、『きみのまちに未来はあるか?:「根っこ」から地域をつくる』(共著、2020年、岩波ジュニア新書)、『「地域の価値」とは何か』(編著、2024年、中央経済社)等

*12:1968年生まれ。島根県の地方紙・山陰中央新報の元記者(2018年退社)

*13:石橋氏(旧石見町議、島根県議を経て2004~2024年まで、5期20年、邑南町長)については例えば邑南町の石橋町長が引退表明 5期20年、公約の大型事業にめど | 山陰中央新報デジタル(2024.4.16)、島根県邑南町の石橋町長が退任 5期20年 | 中国新聞デジタル(2024.10.30)参照

*14:勿論既に寄付は終了しています。

*15:移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、「地域の人々と多様に関わる人々」のこと(総務省|地域力の創造・地方の再生|関係人口参照)

*16:これについては例えば三江線跡地利用し地域活性化 島根のNPOが「ふるさとづくり大賞」 | 毎日新聞(2022.1.29)参照

*17:ラーメン構造の意味であって「中華蕎麦のラーメン」の意味ではない。

*18:当時は高度経済成長で知られる池田内閣

*19:これについてはうずめ飯 - Wikipediaうずめ飯 島根県 | うちの郷土料理:農林水産省参照

*20:これについては深川めし - Wikipedia深川めし/深川丼 東京都 | うちの郷土料理:農林水産省参照

*21:これについては さよりめし - Wikipedia【ぎふ魚食の風景】サンマの味、郷土に再び 御嵩町の「さより飯」 つやつやした鮮度が大切 | 岐阜新聞デジタル参照。なお、ここでの「さより」とはサンマのこと

*22:これについては炊き込みご飯 - Wikipedia参照

*23:これについては例えば忠七めし | 山岡鉄舟と二葉当主による日本五大名飯のひとつ | 割烹旅館二葉埼玉県の郷土料理「忠七めし」|as参照

*24:ちなみに完全に死語だと思いますが、「赤いダイヤ」が小豆(例えば赤いダイヤ - Wikipedia参照)、「黄色いダイヤ」が数の子です。

*25:益田青年会議所理事長、益田市議(2011~2012年)等を経て、益田市長(2012年~現在:4期16年目の途中)(山本浩章 - Wikipedia参照)

*26:島根大学講師

*27:立命館大学名誉教授。著書『EU加盟と移行の経済学』(2005年、ミネルヴァ書房)、『ハンガリー経済図説』(2014年、東洋書店ユーラシア・ブックレット)等

*28:2024年、新日本出版社

*29:神戸大学名誉教授。著書『生きがいの構造と人間発達』(1994年、労働旬報社)、『現代資本主義と新自由主義の暴走』(1999年、新日本出版社)、『自治体の公共性と民間委託:保育・給食労働の公共性と公務労働』(2000年、自治体研究社)、『日本経済の危機と新福祉国家への道』(2002年、新日本出版社)、『構造改革とデフレ不況』(2002年、萌文社)、『構造改革と保育のゆくえ』(2003年、青木書店)、『憲法25条+9条の新福祉国家』(2005年、かもがわ出版)、『ジェンダー平等の経済学』(2006年、新日本出版社)、『福祉国家の姿とコミュニケーション労働』(2007年、文理閣)、『格差社会の克服』(2007年、山吹書店)、『新自由主義破局と決着』、『保育改革の焦点と争点』(以上、2009年、新日本出版社)、『新自由主義からの脱出』(2012年、新日本出版社)、『橋下主義解体新書』(2013年、高文研)、『安倍政権の末路:アベノミクス批判』(2013年、旬報社)、『終活期の安倍政権』(2017年、新日本出版社)、『社会サービスの経済学』、『人間発達の福祉国家論』(以上、2023年、新日本出版社)等

*30:東大准教授。著書『人新世の「資本論」』(2020年、集英社新書)、『大洪水の前に:マルクスと惑星の物質代謝』(2022年、角川ソフィア文庫)、『ゼロからの「資本論」』(2023年、NHK出版新書)等