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フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第11回「ギターの戦慄*1!夜叉」
フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第10回「だるま妖怪相談所」(2025年6月8日放送) - bogus-simotukareのブログの続きです。
フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第9回「吸血鬼ラ・セーヌ」(2025年6月1日放送) - bogus-simotukareのブログにも書きましたが第4期3話(1996年放送)でセレクターは京極夏彦です。
番組冒頭と最後に京極のコメントがありましたが
【1】土着性が強いように思われがちな鬼太郎だが、今回のバトル舞台は「東京の地下鉄」であり都会風味が強い
【2】鬼太郎が夜叉を倒し、魂を奪われた子ども達が元に戻るという点では「勧善懲悪」だが、単純な勧善懲悪でないこと(鬼太郎が勝つか不安な描写。また、ホラー風味が強い)
→夜叉のギター催眠で操られ、死霊のいる穴に落とされ、危ない状況になる鬼太郎。
猫娘が夜叉を奇襲したことで、ギターが地下鉄に轢かれて壊れ、ギター催眠が解けて鬼太郎は反撃しますが、猫娘の奇襲がなければ危ないところでした。
夜叉の死亡も「鬼太郎の髪の毛針」を目に食らったあげく、鬼太郎によって鍋の熱湯も浴びたことが穴に落ちた原因とは言え、穴に落ちた夜叉を死霊が食い殺したことが理由であり、鬼太郎自身が夜叉を倒したわけではない。
を本作のセレクト理由(魅力)として上げています。
なお、鬼太郎作品には「ギターの戦慄!夜叉(ホラー風味が強く勧善懲悪風味がやや弱い)」ですら生ぬるく思える
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」傑作五選(第1期&第2期)|三柴ゆよし
◆地相眼
二期随一のトラウマ回として誉れ高い。地底に住まう魑魅魍魎の世界に迷い込んだ男が、大地に関するすべてを知ることができる地相眼を手に入れ大成功するが、数年後、地相眼の管理者を名乗る妖怪(巨大な蚯蚓(ムカデ))が男の前に現れる。失われた地相眼のかわりに、彼の息子を地相眼にするというのだ。鬼太郎が傍観者に徹する話で、息子が地相眼に変えられるシーンでもなにもせず、ただ立ちつくすのみ。
「地相眼」ゲゲゲの鬼太郎より|山羊アキミチ
安井という財を成した男が鬼太郎に相談を持ちかけてきた。
時は遡り太平洋戦争中のこと。ふとしたことから魑魅魍魎の世界に迷い込んだ若き頃の安井兵士。
そこで手相ならぬ地相を知ることができる不思議な石を手に入れてしまう。
地相眼とは大地のことなら手に取るように読めてしまう不思議な石で、その力を利用し石油やガスなどの資源で安井は成り上がっていった。
数年後、安井のもとに地相眼の番人役の大ミミズがやって来る。
勝手に持ち出された地相眼を作り直す為に安井の息子安男が20歳になったら生贄として差し出すか、それが嫌なら安井本人が身代わりになるかをせまられる。困り果てた安井は鬼太郎に助けを求めた。
だが、息子の安男は全て承知の上で自ら地相眼になることを決意する…。
ゲゲゲの鬼太郎(第2部) 第37作 | ロロモ文庫
「(ボーガス注:あなたが地相眼になるのと息子が地相眼になるのと)どちらを選ぶんですか?」と聞く鬼太郎に、「どちらも選べないから相談している」と答える安井。
鬼太郎「それは勝手すぎますよ。あなたに宝を取られた魑魅魍魎たちはとても紳士的なんだから、あなたもそれに答えないと」
安井「わかってる。しかしわしは息子も自分も大切なんじゃよ。鬼太郎君、頼む。助けてくれ」
「社長の命がなくなったら社会的大混乱です」と安井に言う専務の金井。
金井「ここは一つ、坊ちゃんに泣いていただきましょう」
安男「僕、決めました。鬼太郎さんは掛け合いに行かなくていい。僕、地相眼になりに行きます」
「馬鹿野郎」と怒鳴るねずみ男。
ねずみ男「カッコつけてる場合かよ。地相眼になるってことは肉体的にすごく苦しむんだぞ。なあ、親父」
目玉おやじ「わしは知らんが有機質が無機質になると言うことじゃから、それくらいの苦しみがあるかもしれんぞ」
安男「そりゃイヤだな。僕、痛いのは苦手だ」
ねずみ男「俺が掛け合いに行ってやるよ。お前の親父の金を土産に持っていけば、なんとかなる。地獄の沙汰も金次第って言うからね」
安男「そういう掛け合いならぜひお願いします」
魑魅魍魎の国で化けミミズと会ってきたと安男に言う鬼太郎。
鬼太郎「地相眼になる時、まったく痛くないそうだ」
安男「そうですか。だったら安心です」
目玉おやじ「しかし、(ボーガス注:地相眼になってもいいとは)あんたも変わっとるのう。何不自由ない暮らしして、将来は財閥の社長じゃからなあ」
安男「人はそう思うでしょう。でも僕はもっと他の生き方をしたい。親父はそれを許さないんだ。それならいっそ地相眼になるのも面白いって気がするんですよ」
鬼太郎「安井さん、息子さんが地相眼になる前に一目会いませんか」
安井「なに。息子が地相眼に。誰がそんなことを決めた」
安井に地相眼になると言う安男。
安男「人間より企業が大切。お父さんはそれで今日の財を成したんでしょう。実は僕、そういうのに前からとても付き合えないと思ってたんです。逃げられるなら逃げたかった」
安井「そんなことを考えていたのか」
安男「ええ。ただ逃げるだけなら、逃げられたけど、これなら父さんの役にも立てる。一石二鳥です。さよなら」
安井「安男。許してくれ」
地相眼になっていく安男。
(考えてみると親父は特別エゴイストと言うわけでもないんだな。日本人はいつから集団発狂してエコノミックアニマルになってしまったんだろう。ああ、意識が薄れていく。どうしてみんなもっと幸せな人間らしい生き方ができる方向に行かないんだろう)
など「勧善懲悪から完全にかけ離れた作品(しかも落ちがブラック。子ども向けとはとても思えない。多くの場合、原作マンガは鬼太郎作品ではなくアニメ化に当たって鬼太郎作品化されたし、勿論大人向けマンガ)」も少数*2ながら存在します(後味が悪すぎて、好き嫌いが分かれる*3ので『歴代ゲゲゲ』でセレクトされることはまず考えられませんし、実際、この種のブラック作品はセレクトされていませんが。小生は未見です)。
まあ以前も書いたように小生は「少年漫画的な熱血漢」である3期が一番好きですが。
参考
Hiroshi kashiwagi
第4期第3話「ギターの戦慄! 夜叉」。夜叉がよくわからない死霊たちを飼っているというオリジナル追加。最後は夜叉がその死霊たちにどことも知れぬところへ引き摺り込まれてしまうというよくわからないオチで、非常に良い。戦闘する猫娘がカッコいい。
中澤憲ぽー
4期3話「ギターの戦慄! 夜叉」
BGMがほとんど流れず、その演出も相まって歴代「夜叉」回で一番不気味だと思ってます。
当時、これを朝に放送したのがすごいよね。
ハロカツ(鍛練の身)
◆4期夜叉が一番生物感溢れていて好きなんだよなあ。あと、腹を壊した夜叉の演出が細かい(人形は汗をかいておらず、髪だけが汗をかいている→夜叉の本体は髪の毛)。
◆4期鬼太郎の「夜叉」回、魂を抜かれた子供たちが病院のベッドで寝かされている場面がフツーに怖いんだよな…。
直前の鬼太郎探索パートで流れていた音楽が止まって環境音だけになるし、子供たちの親の悲壮感漂う姿とか寝かせられた子供たちがユラユラ揺らめく画面とか表情も相まって余計に怖い。
今まで放送された「歴代ゲゲゲ」に比べ「ホラー色」が強いわけです。期(1~6期)によって、あるいは同じ期でも「カラーの違う作品がある」のが鬼太郎の魅力の一つではあるでしょう。
みつなが
◆(ボーガス注:「スケベで金に汚くて卑怯」「世辞でも惜しい人が死んだとは言えない」など)ねずみに対するみんなの評価がひでえw
◆(ボーガス注:ねずみ男の死亡にショックを受けてる猫娘に比べて)松岡くん、ねずみが死んでもすごい淡々としてんの何なんだろうw
◆死者の魂を食べるのもどうかと思ったけどこれは(ボーガス注:生きているねずみ男や子どもの魂を食べようとしたのとは違い)あくまで食事と見なされるので松岡くんが出向くことはないってことなのかな
◆リアタイで見た時はひたすら怖かったんだけど大人になって改めて見た時には夜叉が気の毒になってしまったんだよな
変なもの食べてお腹壊した時の辛さを知ってるから夜叉に同情してしまう
◆熱湯かけるのはどうかと思うんだが松岡くん………
基本的に攻撃をいなして相手を拘束して説得に入る子ではあるんだけど時折怖い部分覗かせたりするよね
だるまの心臓握りつぶしてた時とか……
微笑みながら苦しむだるまを見る松岡くんはちょっと怖かった
おおはた
◆脚本とコンテで全然違うと言えば『ゲゲゲの鬼太郎』(第4作)の「ギターの戦慄!夜叉」。(ボーガス注:雪室俊一氏の)脚本では田園風景を舞台にしていたのを、貝澤幸男氏がコンテで都会の「闇」を描く話に生まれ変わらせた。個人的には4期鬼太郎を代表する1本だと思う。
◆「ギターの戦慄!夜叉」と言えば、EDクレジットの声の出演での「ギター 和田薫」が目を引くが、これはギターという名のキャラではなく、夜叉の弾くギターの音色を実際に(ボーガス注:第4期鬼太郎の音楽を担当した)和田薫先生が演奏したと言うことなのだ。
啓太郎
全体的にBGMが少なめのエピソードで、和田薫さん自ら演奏されたギターの音が効果的でした。ギターは、アフレコのように、画に合わせて演奏されたそうです。
夜叉(ゲゲゲの鬼太郎) (やしゃ)とは【ピクシブ百科事典】
アニメ1作目では貧しいギタリスト兼風船売りのフリをしており、卒塔婆であっさり昏倒することから妖怪ではないと信用を得て、街からバスで疎開する子供達を狙うなどの狡猾さを見せる。
仁王像や鬼面に憑依して鬼太郎を苦しめるが、最期はつるべ火に燃やされてあの世行きとなった。
アニメ3作目ではギタリストの響ワタルに憑依し、スランプから脱却させてやるという契約で人々から魂を奪っていた。
潜伏先でユメコにターゲットを定めた事が仇となり、鬼太郎のカメレオンの術に翻弄され、ねずみ男の屁を利用した火炎放射で火葬された。元に戻ったワタルはスランプから脱却できた模様。
4作目では墓場で人魂を貪っており、特に人魂を煮て食べるのが好き(なお、魂が煮られると持ち主も苦しむ)。
また、地下鉄の横に作ったトンネル内を根城としていたが、そのトンネルは奈落に通じる深い穴があり、その下にうごめく「死霊ども」となぜか共生していた。
しかし、ねずみ男の魂を食らったせいで腹を下し、口直しと称してギターの音色で子供の魂を奪い取ったが、消化しきれなかったねずみ男の魂を吐き出してしまう。
その後は夜叉の妖気を追ってきた鬼太郎にアジトまで踏み込まれる。それでも音響催眠術で鬼太郎を操り、死霊どもが蠢く穴に落とすが、そこで猫娘の奇襲を受けてギターを破壊される。
夜叉は猫娘を襲撃するも、ギターを失ったことで鬼太郎も空気ポンプの術で脱出。髪の毛針の直撃を目に浴びただけでなく、鍋の熱湯を食らって悶絶。そのまま奈落から現れた死霊どもに捕まり、地獄の底へと運ばれて貪り食われる*4という因果応報の末路を辿った。
本作ではねずみ男の死の描写、魂を抜かれた子供達が短いカットで連続してアップで映る、死霊に引きずり込まれる夜叉の絶叫、ラストシーンの余韻など、かなりホラー要素が多い。
5作ではバイオリニストの月野小夜子と彼女のファンを狙っていたと思われたが、実は小夜子自身が夜叉であった(3作の響ワタル同様、スランプに陥っていた彼女を唆して憑依していた)。こちらは魂を抜き取った人間を操る事ができ、これで小夜子のファンを囮にして鬼太郎たちを撹乱していたが、最期は(ボーガス注:鬼太郎の)体内電気を浴びて死ぬという呆気ない末路を遂げた。
6作ではサンタクロースの姿に扮して子供の生命力を吸い取っていたが、通報を聞きつけた警察官によって逮捕されてしまう。が、傀儡は生命力を吸い取られた人間であり、本体は分離してまんまと逃げ去っていたのである。
自分を妨害してきたまなを執拗に付け狙うが、最期は鬼太郎と猫娘に退治された。
なお、第3作の夜叉はモーツァルトやビートルズの曲も夜叉の手引きで生まれたものという設定が本人の口から語られており*5、相当な年月を生き、数々の国々で悪事を働いている事が窺える。
【ゲゲゲの鬼太郎】4期第3話「ギターの戦慄! 夜叉」視聴【私の愛した歴代ゲゲゲ】 - タリホーです。
魅力その① 風貌・生活スタイルを一新
1・3期の夜叉はギターを持った長髪の成人男性として描かれており、1期では優男風に、3期ではナルシスト的な二枚目イケメンという形で描かれている。原作の夜叉も背広を着た渋いおじさんという感じで、原作と3期以前の夜叉に共通するのは紳士を装った妖怪だという点だ。子供に近づきギターの音色で催眠状態にしてから魂を抜き取るためには、まず無害であると思わせるためにも人間のふり、それも紳士然とした振る舞いをするのは当然だろう。
しかし、今回の4期の夜叉は原作や1・3期とは明らかに見た目が異なっている。服装はホームレスやルンペンのような身なりで、被っているハットも天辺が破れていて蓬髪が飛び出ている。口からは牙がちらりと見えているし、どう見ても近寄りがたいオーラを醸し出している。相手を油断させて魂を抜き取るというこれまでの夜叉像と比べてみても違いは明白だ。
また生活スタイルにしても違っており原作や1・3期における夜叉の棲家は一軒の廃屋(3期は洋風建築)だったのに対し、4期は地下鉄の線路の横穴※2を住居にしており、そこに死霊の巣があるというのも不気味である。
魅力その②容易に辿り着けない身近な異界
今回のエピソードの(ホラーとして)秀逸なポイントの一つである舞台設定、特に夜叉の棲家を廃屋から地下鉄の横穴に変えたのが個人的には凄く良かった。
ホラー作品を評価するにあたって個人的に重要だと思っているのが「リアリティ」と「身近さ」の二つ。いくら怖い出来事が起こっていても「でもこれフィクションだしな~」と思った瞬間恐怖は冷めてしまうし、遠い国や異世界の出来事だとどこかで対岸の火事として受け取ってしまう。勿論そういった系統のホラーで傑作に該当するものもあるが、それはエンタメとして消化してしまい後を引かず、脳に焼き付くようなレベルに至ることはあまりないと思っている。
そういった観点から本作を評価すると、原作や1・3期で夜叉の棲家だった廃屋というのは(放送当時はともかく)現代から見ればベタなホラーの舞台設定であり、その廃屋にしても身近で容易に辿り着ける場所(不法侵入にはなるが…)なので、たとえアニメと同じような廃屋が現実に身近にあったとしても、一度そこに踏み入って何もないことを観測してしまえば、アニメで描かれたことはフィクションに過ぎないのだと、そりゃ妖怪や幽霊なんている訳ないよな、という形で消化されてしまうのだ。
しかし、本作の地下鉄の横穴という場はそう易々と辿り着ける場ではない。せいぜい設備点検のため専門の業者が立ち入ることが出来る場であって、そこに入るための入り口も鍵や金網などで厳重に閉ざされている。だから一般人には身近な空間ではないのだが、電車に乗っていれば一瞬とはいえその空間内にいるし、この「辿り着けないけどごくごく身近な空間」という絶妙な距離感が地下鉄の横穴という形で描かれているのが見事だ。いくらこの物語がフィクションだと頭では理解していても、地下鉄のトンネル内部に立ち入ることは出来ないし、観測出来なければ存在の有無の証明のしようがない。だからこそ心のどこかで「あの死霊の巣はまだどこかの地下鉄にあるのだろうな…」という感覚がイヤ~な余韻として残る。
魅力その③喰い殺されるエンド
原作や4期以外の夜叉のエピソードは夜叉が明確な悪意を以て生きた人間の魂を狙っているため、鬼太郎もそれに対して火や体内電気といった手段で夜叉を退治することでスッキリ解決するのだが、それに対し今回の4期の夜叉は当初から生きた人間の魂を食べていた訳ではなく、ねずみ男の魂を食べて腹痛に苦しんだ結果生きた子供の魂を狙ったことで鬼太郎に目を付けられ、挙げ句(飼いならしていたはずの)死霊に喰い殺されるという壮絶な最期を遂げている。
※2:正確には作業員が保守・点検の際に車両を避けるために待機する待避所。
【ゲゲゲの鬼太郎】夜叉(1~4期)を見比べる - タリホーです。(2023.10.2)
1期(実はこれが初のアニメ化)
1期の夜叉は2話で放送されたが、制作順としては実は「夜叉」が最初であり「おばけナイター」はこの「夜叉」の後に制作されたそうである。ただ内容がちょっと怖いので初回は子供にも見やすい「おばけナイター」の方を優先したとのこと。
内容は序盤こそ原作に則っているが、途中からはオリジナル展開がかなり含まれている。原作では夜叉が目玉おやじを食べるものの、目玉おやじが夜叉の鼻や耳の穴から出て来て子供の魂を狙う計画を邪魔するという展開があったが、流石に子供向けではないと判断されたのかカットされ、その代わりに夜叉による集団パニックでねずみ男と鬼太郎が疑いをかけられリンチに遭うといった流れになっている。そのため夜叉も原作以上に狡猾で、最初はなよっとした優男を装って鬼太郎を襲いねずみ男を騙して火葬にしてしまおうとしたのだから悪いやつである。
ねずみ男の「お前は人々が幸せになるように、妖怪と戦っているんだろう」という台詞が説明的で、(ボーガス注:もともと第1作の予定で作られたので)鬼太郎が何者か知らない視聴者のために入れられたという感じがする。説明的とはいえそれがダメという訳ではなく、むしろそこが初アニメ化として味わいがあると評価したい。
3期(ねずみ男が妖怪退治!)
響ワタルが奏でる曲のロマンティックさというか情熱さがよく表れている。怖さ・不気味さはほとんどない。
また、ねずみ男が珍しく妖怪退治に挑むという見所があり、ユメコちゃんに乗せられて勢いよく夜叉の音響催眠と対峙するのだが、3期のねずみ男は音痴という独自の設定があるため夜叉の音響催眠が通用しないという改変が為されている。
スランプから夜叉に付け込まれた響が最終的に自力で音楽コンクールの曲を作り評価されるというオチは、3期当時ならともかく今見ると予定調和なオチというか、「頑張れば何とかなる」というのが綺麗ごとのように私には感じた。
4期(演出と「夜叉の最期」にゾッとした)
4期の夜叉回は1・3期に比べてかなり不気味だし演出もゾッとさせるものがある。
夜叉が悪酔いで絡んで来たねずみ男の魂を抜いて食べてしまったことから、腹痛を紛らわすために美味しい子供の魂を食べようとするという形で物語が展開する。そのため今回もねずみ男はトラブルメーカーなのには違いないが、魂を食べられたということで死んだねずみ男に対する鬼太郎ファミリーそれぞれの思いが見えるのが興味深い所。猫娘とか鬼太郎はまだ寂しさみたいなものを感じているけど、おばばや子泣きに関しては結構ドライであり、流石は年長者と言った所か。
ねずみ男の存在により完全なホラーにはなっていないが、それでも歴代の夜叉回の中でもなかなか怖さが際立っているのがこの4期の特徴で、夜叉も(ボーガス注:原作マンガや1期、3期、5期、6期*6と違い)鬼太郎によって退治されるというより、飼いならしていたはずの死霊に喰い殺されるという壮絶な最期を遂げたので、そこが鬼太郎作品には珍しい後味の悪さ・余韻を残している。
(中略)
6期は(ボーガス注:原作マンガ及び1期、3期、4期、5期の『ギターの音色』で相手を操るという定番設定を捨て、サンタクロースの扮装を導入するという)大胆なアレンジをしたとはいえ、(ボーガス注:『ギターの音色』がなくなったことなどで、他の期と比較して)原作要素を感じさせるものがなさすぎて個人的にはこれが歴代でワーストかな。インパクト勝負って感じで話自体もさほど大したことがなかったし。
フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第10回「だるま妖怪相談所」(2025年6月8日放送) - bogus-simotukareのブログで「みつなが氏」の
みつなが
◆3期(ボーガス注:第9話)の水虎回で雪に埋まった戸田くんを助けようと一心に雪をかきわける新一くんの姿を見ていじめっ子達も一緒になって戸田くんを探し始め、さらに新一くんのお父さんとお母さんもそれに加わる、このシーンが本当に美しい。その前の戦う戸田くんに新一くん達が声援を送る場面もたまらなく良い。
(ボーガス注:第3期63話)やかんづる回で(ボーガス注:悪魔ブエルに操られて自分の腕が勝手に動くことに悩み、)腕を切ろうとしてる人に駆け寄って刃物をはたき落として全力で止める戸田くん。
(ボーガス注:第3期24話)うぶめ回の「違う!この子達は人間の子だ!」からの戸田くんのセリフが本当に良い。聞いてて気持ちが良い。そして「お前のような妖怪に親の気持ちなどわかってたまるか」と声高に叫ぶうぶめに対し、同じくらいの熱量で「わかるさ……よーくわかるさ!」と涙を見せて反論する戸田くん。この真剣さたるや
◆3期のさら小僧ほんと好き………
戸田くんの指差しと「わからず屋!」が炸裂するし妖怪と人間がいい感じに和解するしさら小僧は憎めない奴だしウタコちゃんとぬりかべが遊んでるシーンがとても微笑ましいし。「僕たちはみんな友達じゃないか!」って堂々と言える戸田くんがかわいいし何よりラストが素晴らしい
というツイを紹介しましたが「いかにも少年マンガのヒーローらしいキャラ(感情移入しやすい正義漢、熱血漢)=3期鬼太郎」によって「予定調和的であろうが」ハッピーエンドに落ち着くことが多い(人間達も、サブキャラはともかく、メインの登場人物の多くは善良な人間で鬼太郎が肩入れするのも無理がない)、というのが3期の特徴(夜叉もそうした描かれ方)でしょうか。まあ、個人的にはみつなが氏同様、俺も「ほんと好き」「微笑ましい」(多分3期が一番好き)ですが、この辺りは「価値観の話」ではあるでしょう。
夜叉の話|ハナ2021.5.26
線路の近くの墓場で夜叉がギターを弾き墓場にいる魂を集めるシーンから始まる。
そこに酔っ払ったねずみ男が来るのだが、夜に酔っ払った大人というのもまた日常感があり夜叉という非日常な存在と対比があり面白い。
夜に墓場でギターを弾く夜叉にねずみ男が「うるへえな、いま何時だと思ったやがんだ、むさくるしい頭しちまってよお、たまには散髪行ったらどうなんだ」と絡むのだが、明らかに不気味な存在に対して全く恐れずに近づき的確なツッコミを入れていて面白い。
そんな彼は電車の通る音をバックに魂を夜叉に抜かれてしまうのだが、電車が通るといった、近くで何も変わらない日常があるのに対し、一方でこんな非日常なことが起きているという対比があり面白い。
ねずみ男は魂を抜かれてしまい死んでしまう。しかし、彼の日頃の行いのせいであろう、鬼太郎ファミリーは微妙にねずみ男の死を悲しんでいない。
ちなみに3話の次回予告では、「ねずみ男が死んでしまいましたねえ」というなかなかに冷静な鬼太郎の喋りから始まり、後にねずみ男が生き返りかけるシーンでは、お葬式の準備をしていた砂かけ婆は「気のせいじゃ、気のせいじゃ。今更生き返ってもらっても面倒なだけじゃよ」となかなか辛辣である。
しかし、ねずみ男に1番きつくあたっていたねこ娘は唯一悲しんでいるようである。ここで彼女の情が深く優しいというキャラクターが表れている。
夜叉はこうしてねずみ男の魂を喰ったわけだが、どうやらあたったらしい。不潔だからではないだろうか(私の勝手な解釈だが)。さすがねずみ男の役回りで面白い(ちなみにここでねずみ男の魂は夜叉が吐くことによってねずみ男に戻り生き返ります)
鬼太郎たちは救急車でねずみ男と同じ状態の子供たちが運ばれてきたと知り、同じく夜叉に魂を抜かれたのではと考える。
魂を返すように言う鬼太郎に対し、夜叉が「渡さんぞ、絶対渡さんぞ。魂を鍋で煮て食うんだ。煮た子供の魂は美味いぞ」と言うのだが、言い方といいかなり怖い。
ねこ娘が夜叉に飛びかかり、その拍子に夜叉のギターが地下鉄に轢かれて壊れるのだが、大事なギターを壊された夜叉がねこ娘に襲いかかり、クライマックスで目が離せない。
鬼太郎は髪の毛針からのあっつあつの鍋の熱湯を夜叉にぶっかけ、ねこ娘を引っ張って助け出すのだが、非常にかっこいい。
近くには死霊たちのいる穴があるのだが、毛針からの熱湯攻撃を受けた夜叉は死霊たちに捕まりバトルは終わるのである。
ラスト、夜叉のいた地下鉄の線路の建物内では、夜叉のギターが壊れて散乱された状態と死霊がいる穴が蓋された状態のシーンが流れるのだが、これはここに夜叉がいたということ、ここにまだ死霊たちがいるということを示唆していて不気味な恐怖感がありものすごく良い。
余韻の残し方がなんとも最高で非常に面白い回である。
ゲゲゲの鬼太郎(5期)第3話「妖しき旋律! 夜叉」視聴 - タリホーです。
退治方法にしても3期は派手なバトルや鬼太郎の特殊能力(カメレオンの術)で夜叉を退治したのに対し、5期は憑依された本人、月野小夜子による所が大きい。鬼太郎の人間を傷つけない精神に感化されて改心、夜叉が小夜子から離れた所を鬼太郎が体内電気で退治…という流れになっている。
結末。3期では改心した音楽家が再び自分の力で曲を作りコンサートで歓声を浴びるという、一種のサクセスストーリーとして終わっている。一方の5期は引退という形でけじめをつけている。
1・4期が夜叉の不気味さやおどろおどろしさを意識した物語だったのに対し、3期は挫折した音楽家の復活を描いたサクセスストーリー、5期は3期のアンサーソング的物語として描かれていたように思う。
特に5期は過去作の定石を逆手にとってギターを演奏している不審者が実は夜叉に操られた替え玉で、本体はターゲットと思われていた小夜子に憑依していたというミステリ仕立ての構成になっていたのも評価したい。
5期は、3期(音楽家のスランプにつけ込んで憑依)を元ネタにした上で「3期とは違う作品を作ってみた」ということではあるんでしょう。
ゲゲゲの鬼太郎(6期)第86話「鮮血のクリスマス」視聴 - タリホーです。
個人的に一番オススメなのが4期の夜叉回。最初から最後まで夜叉が不気味で怖い。
不気味なギターの調べだけでなく、魂を抜かれ白目で倒れる子供の残像が映る演出にギョッとなり、夜叉の断末魔の叫びに「うわぁ…」となる。決して「悪い妖怪を撃退!スッキリ!」とはならない、ど~んよりとした後味の悪さが残る。でもそれが良い。
私の愛した歴代ゲゲゲ 第11回「ギターの戦慄!夜叉」感想|みんなの森-徒然安芸日記-
冒頭初っ端から魂を抜かれるねずみ男。
酔っぱらって絡んだとはいえ、今回は割と普通に被害者なんですよね。
ねこ娘が一番心配してたのは意外でした。
「魂(たま)をかえしてくれ」とうわ言の様につぶやくねずみ男に、頬を赤らめながら下の玉を確認しようとするねこ娘は今回の数少ないコミカルなシーンです(笑)
夜叉の棲み処が地下鉄の横穴(?)だったり、その天井に張り付き、列車が通過する際に光と影に紛れてとびかかるねこ娘など、都会の裏で人知れず行われる妖怪たちのバトルが良く表現されていると感じます。
夜叉の回は、4期でもかなり異質な回だと思います。
夜叉のギターは流れますが、劇中ほとんどBGMが流れず話が進んでいくんですよね。
舞台はほとんど夜で、都会の闇の裏側で人知れず暗躍する夜叉と、それを追う鬼太郎との戦いが繰り広げられる。
戦いの決着もスッキリするものではなく、どこか不安とやるせなさが残る。
個人的には、今回の夜叉の回と78話「ぬらりひょんと蛇骨婆」の回は、4期でもかなり異質の雰囲気がするんですよね~。
夜叉
歴代では、1期、3期、4期、5期、6期に登場。
3期の夜叉は歴史上の偉大な音楽家の作曲を手掛けており、ビートルズの曲も実は夜叉が作ったというスゴイ設定があります!
思いっきり実名が出てるあたり、大らかな時代だったんですね~(笑)
(ボーガス注:ギター催眠が)音痴な人には効かないという弱点があり、日本一の音痴であるねずみ男が鬼太郎に代わって大活躍!
5期ではギターからバイオリンに替わりましたが、6期の夜叉はついに楽器すら手放してしまいます。
京極先生も仰っていましたが、スッキリ勧善懲悪なお話ではないのですが、それ故に強く印象に残る回だったと思います。
【追記】
そういえば「戸田君(3期鬼太郎)」と「高山君(5期鬼太郎)」は魔女の宅急便 (1989年の映画) - Wikipediaで共演してたこと(高山君がキキ役で主演)にふと気づきました。
彼らの「魔女の宅急便」での役柄は「女性」であり、鬼太郎とは大分声のトーンが違いますが。
単なる偶然(?)ですが、フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第6回「白粉婆とのっぺらぼう」(2025年5月11日放送) - bogus-simotukareのブログで「のっぺらぼう」として出演した山口勝平が「魔女の宅急便」では「キキのボーイフレンド」で出演しています。
*1:勿論「旋律」とかけてるのでしょう。
*2:2期に多いらしい
*3:というか好きな人は少ないでしょうが。
*4:鬼太郎が退治したわけではないという点が他期との大きな違いですね。
*5:但し、今回の再放送ではそのシーンは「話の本筋に関係ない」としてカットされたようで出てきません。
*6:前回放送から約10年のスパンがあった「3期(1985~1988年)」「4期(1996~1998年)」「5期(2007~2009年)」「6期(2018~2020年)」と違い、「2期(1971~1972年)」は「1期(1968~1969年)」とのスパンが短く、また「1期の続編」と言う描かれ方(声優に一部変化があるとはいえ、メイン声優も鬼太郎=野沢雅子、ねずみ男= 大塚周夫で1期、2期は共通。なお、鬼太郎、ねずみ男の声優は3期以降は「鬼太郎:戸田恵子(第3期)→松岡洋子(第4期)→高山みなみ(第5期)→沢城みゆき(第6期)」「ねずみ男:富山敬(第3期)→千葉繁(第4期:まあ4期が放送された1996年には「3期ねずみ男」富山(1995年死去)は故人でしたが)→高木渉(第5期)→古川登志夫(第6期)」と全て変化している)だったせいもあるのか、夜叉は登場しないとのこと。