「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2025年7/26日分:荒木和博の巻:日航機墜落・自衛隊陰謀論ほか)(追記あり)

自衛隊と「政治への関与」(R7.7.29)|荒木和博ARAKI, Kazuhiro
【最初に追記】
 日航機墜落・自衛隊陰謀論について
1)ソ連軍が実際に撃墜した大韓機撃墜事件
2)自衛隊の過失で実際に死者が出た雫石事故、なだしお事故
が元ネタだろうと書きましたが、その後、別の元ネタに気づいたので書いておきます。
 それが「下山国鉄総裁変死事件(下山事件)」「松川、三鷹事件」など多くの戦後の怪事件を「米軍謀略」と主張した、松本清張「日本の黒い霧」(現在は文春文庫)で主張された「もくせい号墜落・米軍撃墜説」です(過去に日航機墜落・自衛隊陰謀論について触れた記事全てに追記すると手間が大変なので、日航機墜落・自衛隊陰謀論について触れた記事では、一番新しいこの記事のみに追記しておきます)。
 小生は清張ファンではありますし、「米国に対して批判的な人間である(だからこその共産支持)」と自負していますが、さすがにこの陰謀論は支持しません。清張も「公式にはもくせい号事故について陰謀論を撤回しないまま死去した(確かそうだったと思います)」とはいえ果たして晩年においてこの陰謀論を支持していたことやら。
 なお、日航機墜落では「坂本九(歌手)」「中埜肇(阪神タイガース球団社長)*1」等と言った著名人が死亡しています(日本航空123便墜落事故 - Wikipedia参照)が、もくせい号墜落でも「漫談家大辻司郎」「八幡製鐵*2社長の三鬼隆」といった当時の著名人が死亡しています(もく星号墜落事故 - Wikipedia参照)。
【追記終わり】

 昨日JAL123便真相究明の会のシンポジウムが行われ陰謀論が全く根拠のないものであることが立証されました。それにしてもこういう論がいままでまかり通ってきた*3のは現役はともかくOBなど周辺にいる人間が「政治に関与せず」という原則をことなかれの言い訳にしてきたからだと思います。

 拉致問題と全く関係ないのはひとまず置くとしても「何だかなあ(呆)」ですね。
 以前も書きましたが、「1985年の日航機墜落」について、雫石事故などをヒントに創作した陰謀論でしょうが

◆1971年の全日空機雫石衝突事故
 航空自衛隊の訓練機が誤って全日空機と衝突し、全日空機の乗客155名と乗員7名の計162名全員が死亡。当時の増原惠吉*4防衛庁長官(佐藤内閣)と上田泰弘*5航空幕僚長引責辞任
◆1983年の大韓航空機撃墜事件
 領空侵犯した大韓航空機を軍用機と誤認したソ連が戦闘機で撃墜し、乗員・乗客合わせて269人全員が死亡。なお領空侵犯が故意なのか、過失なのか、故意だとしていわゆる「スパイ行為」だったのか、過失だとして誰の過失なのかは未だ不明。
◆1988年のなだしお事故
 海上自衛隊の潜水艦「なだしお」が遊漁船「第一富士丸」と衝突し、遊漁船の乗客・乗員48名の内、30名が死亡。当時の瓦力*6防衛庁長官(竹下内閣)が引責辞任

のような「自衛隊の過失による墜落(自衛隊訓練機やなだしおのように誤って接触して墜落させた、あるいはソ連のように何らかの理由で誤って撃墜した)→しかし、増原防衛庁長官辞任(雫石事故)や瓦防衛庁長官辞任(なだしお事故)のような責任問題(当時の加藤*7防衛庁長官(中曽根内閣)の引責辞任など)を恐れて日本政府が隠蔽した」という陰謀論、具体的には

【名前順】
◆青山透子『日航123便・墜落の新事実:目撃証言から真相に迫る』(2020年、河出文庫)
◆青山透子『日航123便墜落・疑惑のはじまり』(2021年、河出文庫)
◆青山透子『日航123便墜落・圧力隔壁説をくつがえす』(2025年、河出文庫)
◆青山透子、森永卓郎*8ほか『マンガ・誰も書かない「真実」:日航123便はなぜ墜落したのか』(2024年、宝島社)
◆池田昌昭『JAL123便は自衛隊が撃墜した』(1998年、文芸社
◆池田昌昭『完全犯罪JAL123便撃墜事件』(2003年、文芸社

など、デマ扱い(実際デマですが)され「世間にほとんど相手にされてない」から自衛隊も別にわざわざ反論しないのであって、今更「俺たち主催のシンポでデマが論破された」と自慢する荒木には「アホか」と呆れます。勿論「政治に関与せず」と言う話でもない。
 デマへの反論は「政治関与」ではない(単に反論の必要性に乏しいので反論しないだけであり、このデマが多数の国民に真実扱いされ自衛隊の活動に支障が出れば*9荒木に言われなくても反論するでしょう)し、一方で荒木のような詭弁で「自衛官の政治関与」が正当化されていいわけもない。
 なお、そうした陰謀論への批判自体は、既に、杉江弘『JAL123便墜落事故・自衛隊&米軍陰謀説の真相』(2017年、宝島社)などがあります。
 それにしても過去には杉江弘『JAL123便墜落事故・自衛隊&米軍陰謀説の真相』(2017年、宝島社)で陰謀論を批判しながら、その後、青山透子ほか『マンガ・誰も書かない「真実」:日航123便はなぜ墜落したのか』(2024年、宝島社)で陰謀論を垂れ流す宝島社も「金さえ儲かればそれでいいのか(2024年当時は陰謀論の方がカネが儲かった?)」「デタラメにも程がある」というべきでしょう。
 宝島社については「過去に嫌韓国本も出してたクズ出版社」「宝島社はとっとと潰れろ」として全く評価していませんが、「河出はいい本も出してるのになあ。何でこんな陰謀論本(デマ本)を出すの?」と河出書房新社にはがっかりします(なお、文芸社自費出版のようです)。
 それにしても「雫石事故」「大韓機撃墜」「なだしお事故」の中では一番最近(?)のなだしお事故ですら「1988年(今から37年前)」ですからね。最近の若者はどれも知らないでしょうし、時間の流れにしみじみします。


産経新聞社の「産経鉄道チャンネル」で21日の鉄ちゃんブルーリボンの会都電イベントをとりあげてくれました|荒木和博ARAKI, Kazuhiro
 「だから何?」ですね。そんなイベントが拉致解決という意味で何の意味があるのか?。何の意味も無いでしょう。
 また、産経の取り上げ方が「政治チャンネル」等ではなく「鉄道チャンネル」(鉄道ファン向けのコンテンツ)と言うのも興味深い。
 鉄道ファン以外はほとんどこの動画に気づかなかったでしょう。
 「小泉訪朝(2002年)から20年以上が経ち」、国民の拉致への関心も風化するなか、産経も、もはや本気で荒木をプッシュする気はないのでしょう。


憲法改正しなくても拉致被害者救出はできる(R7.7.26)|荒木和博ARAKI, Kazuhiro
 「金丸自民党副総裁訪朝で、拿捕された第18富士山丸船長、機関長を、小泉首相訪朝で拉致被害者5人(地村夫妻、蓮池夫妻、曽我ひとみ氏)を取り返してるんだから、そりゃそうだろう」
 「米国だって北朝鮮に身柄拘束された自国民(例えばワームビア氏)の救出は外交交渉だった。米軍投入ではない」
 「北朝鮮ではなく、ソ連だが、シベリア抑留者の帰国も、軍投入ではなく、日本とソ連の外交交渉だった」
 「北朝鮮ではなく、イランだが、イラン米国大使館人質事件の解決も米軍投入ではなく、米国とイランの外交交渉だった」
 「自衛隊で救出なんか現実的じゃない。そもそも拉致被害者がどこにいるかわからないのにどこに自衛隊を投入するのか。自衛隊投入の最大の障害は法的問題ではなく、拉致被害者の居場所が分からないことだ」
と思うでしょうが、残念ながら、極右・荒木の主張はそういう「常識的主張」ではありません。
1)「安倍政権時代に、閣議決定変更と安保関連法制定」で集団的自衛権を条件付きで認めた*10ように「閣議決定変更と法制定」をすれば自衛隊北朝鮮に投入できる。
2)福田赳夫内閣時代に「ダッカ事件」(1977年)で「人命は地球より重い」「苦渋の決断」として身代金支払いとともに

ダッカ日航機ハイジャック事件 - Wikipedia参照
【囚人釈放(名前順)】
◆浴田由紀子(1950年生まれ)(東アジア反日武装戦線:連続企業爆破事件)
 その後、1995年に逮捕。検察、浴田がともに上告しなかったため、2004年に懲役20年の刑(東京高裁判決)が確定。2017年に出所
◆奥平純三(1949年生まれ)(日本赤軍:ハーグ事件、クアラルンプール事件)
 現在も逃亡中。テルアビブ空港乱射事件で死亡した日本赤軍幹部・奥平剛士(1945~1972年)は兄。
◆大道寺あや子(1948年生まれ)(東アジア反日武装戦線:連続企業爆破事件))
 現在も逃亡中。東アジア反日武装戦線幹部の大道寺将司(1948~2017年:死刑判決が出ているが2017年の死去は病死)は夫
など

といった超法規的措置をしたのだから、超法規的措置自衛隊北朝鮮に投入すればいい
と言う暴論です。心底呆れます。
 それにしても「犯罪者である日本赤軍相手にすら人命優先で超法規的措置(囚人釈放と身代金支払い)をあえてやった。拉致問題北朝鮮に対してなぜ同じ事(経済支援とのバーター取引)が出来ないのか?(なぜ家族会はバーター取引に反対するのか?)」と思うとともに、恐らく「人質が死んでも赤軍の要求には応じない。法治主義は守る」で本当に人質が死んだら「世論の批判で福田内閣が崩壊する」という保身もあったでしょうが「人質を見捨てることをせず、人命優先で動いた福田赳夫」は改憲右派*11とはいえ、「まともだった」と思います。

*1:後に吉田義男監督や当時選手だった掛布雅之真弓明信川藤幸三たちは事故後「中埜社長のためにみんなで頑張ろう」と誓い合い優勝に繋がったと語っている。また、1985年の阪神タイガース日本シリーズ優勝の際は優勝パレードは行われなかったが、これは中埜社長の事故死が原因とも言われる。

*2:その後、「富士製鉄と合併し新日本製鐵」、「新日本製鐵住友金属が合併し、新日鉄住金」を経て日本製鉄

*3:「青山透子、森永卓郎」など一部の陰謀論者が放言してきただけで世間は相手にもしていません。

*4:池田、佐藤内閣で防衛庁長官

*5:航空自衛隊小牧基地司令、北部航空方面隊司令官、航空幕僚副長、航空幕僚長等を歴任

*6:竹下内閣防衛庁長官自民党国対委員長(宮沢総裁時代)、橋本内閣建設相、小渕、森内閣防衛庁長官等を歴任

*7:中曽根内閣防衛庁長官、宮沢内閣官房長官自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)を歴任

*8:森永氏もこんな陰謀論に加担するとは完全に晩節を汚しました。マスコミ(新聞やテレビ)は彼の死亡報道においては「森永氏の陰謀論への加担に触れたら、彼を批判しないわけにはいかないが、経済評論家としてテレビ番組出演、新聞コラム執筆などしていた彼を批判したくない」ので「森永氏の陰謀論への加担」には全く触れずに完全に無視しましたが。

*9:そうした事態は考えがたいですが。

*10:但し、幸いにも現在まで発動されていませんが。

*11:岸派に所属。「改憲右派の政治家」岸元首相から派閥を譲り受け福田派会長に就任。また岸内閣で岸内閣農水相自民党幹事長、佐藤内閣(佐藤は岸の実弟)で佐藤内閣蔵相、外相、自民党幹事長を務めた。