転落分子・松竹伸幸を批判する(2025年10/5日分)

動画「奥深く知る共産党」 憲法の財産権を18世紀的と批判していた | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba

 大分の臼杵から愛媛にフェリーで渡ります。ある大学の先生に「農業大国になって日本経済を再建する」みたいなテーマで研究していただき、来年創刊する「Newsレッズ」に寄稿してもらいたいと考えており、そのご相談です。

 「何で大学(愛媛大学?)や研究者の名前を隠すの?」ですね。

 (ボーガス注:日本共産党は過去に?)「財産権は、これを侵してはならない」(29条1項)について「財産権を天賦不可侵の人権とした18、19世紀的な表現」として厳しく批判していた。その理由は、「イタリア憲法が大企業や大土地所有への規制を認める規定を持っている」と持ち上げていることからも分かるように、日本の革命過程では大企業の生産手段を社会化する必要があるのに、財産権規定が障害になると考えたからである。しかし、29条は続いて「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める」「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる」として、「公共の福祉」のために財産権に制約を加えることを定めており、私自身は憲法が革命の障害になるとは考えていない。

 「イタリア憲法への高評価」の是非はともかく、「革命(社会主義革命、共産主義革命?)」が「大企業の生産手段を社会化」を意味するなら憲法29条は「行政府や最高裁の過去の判断」「憲法学界の通説」に従う限り「松竹の主張に反し」その障害になるし、「大企業の生産手段を社会化」するには「29条改憲は不可避」でしょう。
 第一に「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める」と書いてあってもこれは明治憲法のような「法律の留保(法律上の根拠がないと人権制限できないが、法律上の根拠さえあれば何でも出来る)」とは理解されていません。「生産手段の社会化」までは現行憲法は想定してないと言うのが通説的見解です。
 それがよくわかるのが「森林法共有林事件」最高裁判決です。憲法第29条2項を「法律の留保」と理解すれば「森林法」に違憲判決が出ることはあり得ませんが最高裁は以下の通り違憲判決を出しました。

森林法共有林事件 - Wikipedia 
 静岡県に住むある兄弟は、1947年(昭和22年)に父親から4つの山林を生前贈与され、2分の1ずつの共有の登記を行った。しかし1965年(昭和40年)に、兄が弟の了解なしに山林内の立木を伐採して売ったことから、2人が対立した。弟は信頼関係が崩れたとして、兄に対して山林の2分の1を分割すること等を求めたが拒否された。そのため、弟は山林の分割等を要求して裁判を起こした。
 民法第256条では、共有物分割自由の原則を規定しているが、当時の森林法第186条で持分価額で過半数がない共有者の分割請求権を否定する規定が存在した。そのため、この事件の兄弟のように持ち分が半分ずつの共有者は分割できなかった。その結果、静岡地裁は兄に伐採の利益の半分約715万円の支払いを命じたものの、分割請求については棄却した。
 弟は山林の分割を認めない森林法第186条の規定について、日本国憲法第29条の財産権を侵害するとして最高裁に上告した。
 1987年(昭和62年)4月22日に最高裁は森林法第186条の規定を憲法第29条に反するとして、違憲判決を出して、東京高裁に差し戻した。この大法廷判決は、矢口洪一*1長官を含めた12人による多数意見であった。大内恒夫*2判事、高島益郎*3判事は違憲の結論は同じであるが、理由づけが異なる意見を出し、香川保一*4判事は規制内容は不合理ではあるとは言えないとして、合憲*5とする反対意見を出した。
 1997年(平成9年)10月8日に東京高裁で、被告(兄)との和解が成立し、原告(弟)の勝訴が確定した。最高裁の判決を受けて、1987年(昭和62年)5月に国会で共有林分割請求制限規定を削除する森林法改正案が成立した。

 第二に「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる」と書いてあってもここで想定されてるのは「道路、鉄道、空港の建設等での土地収用」です。「生産手段の社会化」までは現行憲法は想定してないと言うのが通説的見解です。
 まあ、過去の「国鉄電電公社、専売公社の民営化(それぞれJR、NTT、日本たばこに民営化)(中曽根内閣)」「郵政公社道路公団民営化(小泉内閣)」など「公共部門の民営化」を考えれば、遠い将来はともかく、今の日本で「生産手段の社会化」が行われる可能性は低く、当面あり得るのは「一時的措置に留まるとしても、地域鉄道を護るために、JRの再国有化(経営難にあるJR北海道、四国、九州、貨物の再国有化)」くらいではないか。
 後は民間企業に対する「公的規制(労働者保護、消費者保護など)の強化」でしょう。
 そういう意味では「憲法29条が革命(生産手段の社会化)の障害になるかどうか」は当面、「現実的な課題ではない」ですが。
 というか過去には「憲政党」なんて明らかに「共産主義的ではない党名」を主張した松竹が何が「生産手段の社会化だ。お前、そんなことは何一つ考えてないだろ?」ですが。もはや松竹も方向性が完全に迷走してるのではないか。
 松竹が「一体誰を自らの運動の支持層として考えてるのか?」、「何をやりたいのか?」さっぱり分かりません。

*1:1920~2006年。最高裁事務総局経理局主計課長、最高裁事務総局経理局総務課長、最高裁事務総局民事局長兼行政局長、最高裁事務総局人事局長、最高裁事務次長、浦和地裁所長、東京家裁所長、最高裁事務総長、東京高裁長官、最高裁判事等を経て最高裁長官。裁判官生活のほとんどを最高裁事務総局で過ごし「ミスター司法行政」の異名があった。著書『最高裁判所とともに』(1993年、有斐閣)(矢口洪一 - Wikipedia参照)

*2:1922~2018年。最高裁秘書課長、経理局長、名古屋高裁長官、東京高裁長官等を経て最高裁判事山中温泉事件の上告審では最高裁第一小法廷の裁判長として1989年6月22日に事実誤認があるとして、二審の死刑判決を破棄し名古屋高裁に差し戻した(その後、殺人罪の無罪が確定)(大内恒夫 - Wikipedia参照)

*3:1919~1988年。ジュネーブ総領事、シドニー総領事、外務省条約局長、外務事務次官ソ連大使等を経て最高裁判事高島益郎 - Wikipedia参照)

*4:1921~2014年。法務省民事局第一課長、大臣官房秘書課長、官房長、民事局長、浦和地裁所長、札幌高裁長官、名古屋高裁長官等を経て最高裁判事。『サンケイ新聞』の意見広告を巡って日本共産党産業経済新聞社が争った「サンケイ新聞事件」では、最高裁第二小法廷の裁判長を務め、全員一致で日本共産党の上告を棄却した。また、内申書を巡って保坂展人(現在は世田谷区長)と東京都及び千代田区が争った「麹町中学校内申書事件」では、第二小法廷の裁判長を務め、全員一致で保坂の上告を棄却した。1991年の最高裁判事退官後は弁護士として活動する。また、民事法情報センターの理事長を務めていたが、国会等で問題点が指摘(後述)され、最終的に民事法情報センターの解散に至る事態となった。2010年4月13日、民主党による「事業仕分け」の事前調査で、民事法情報センターが理事会での議論を行わずに無利子・無担保・無期限で1500万円を香川に貸し付けていたことが発覚した。この問題が明るみに出たことから、2010年4月15日に香川は全額を返金した。また、民事法情報センターは2009年3月に理事長に対する報酬を改定しており、月額50万円から月額100万円に増額していたことがお手盛りではないかと批判された。さらに、民事法情報センターの敷地内に、香川の弁護士事務所が設置されている点も問題視された。(香川保一 - Wikipedia参照)

*5:合憲意見を出してる香川判事も「規制は『不合理で違憲』とまでは言えない」としているのであって「法律の留保」ではない。