リベラル21に悪口する(2025年10/20日分)

リベラル21『ベネズエラ情勢に関する公開研究会』
【1】
 今年(2025年)のノーベル平和賞受賞者が「ベネズエラの反体制活動家マリア・コリナ・マチャド氏(独裁的な政治を行うマドロ*1政権への批判を評価)」なのに、講演会の宣伝文がそれに全く触れずに
【2】
 講師の一人がセイコウ・イシカワ氏(駐日ベネズエラ大使:当然ベネズエラ政府の立場を代表)で
【3】
 講師の一人である西谷修*2東京外国語大学名誉教授、哲学)はベネズエラ研究者どころか国際政治学者ですらなく、イシカワ氏に適切な批判が出来るか疑問(なぜ国際政治学者が講師にいないのか?)
と言う意味で「大丈夫なのか、この研究会?」「プーチンウクライナ侵攻を正当化するロシア研究会みたいなもん(批判精神皆無でベネズエラの現状を礼賛)と違うの?」感が否定できませんね(勿論米国政府がベネズエラの政権転覆を企んでるのなら、そして仮にマチャドら反体制派がそれを歓迎するなら、批判されて当然ですが、それは「ベネズエラ政権に問題は無い(批判は全て言いがかりで不当)」と言う話とは違うでしょう)。
 勿論

平和賞のマチャド氏、ネタニヤフ首相を称賛 「イラン攻撃に感謝」 | 毎日新聞2025.10.18
 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」などによると、マチャド氏は親イスラエルの立場で知られ、ガザの戦闘ではイスラム組織ハマスの「壊滅」を支持。イスラエルメディアのインタビューでは、自分が政権についたらイスラエルパレスチナが帰属を争うエルサレムに自国の大使館を移転すると述べていた。

反戦団体がノーベル平和賞に猛抗議!受賞者マチャド氏の「闇」(志葉玲) - エキスパート - Yahoo!ニュース
※本記事は「志葉玲ジャーナル」に掲載の記事を抜粋し、一部加筆したものです。
 マチャド氏へのノーベル平和賞賞授与が批判される理由として、彼女がイスラエルを支持していることも特に中東のメディアなどが報じています。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは今月10日、同局のニュースサイトで、2023年10月のハマスによる越境攻撃の際、マチャド氏がイスラエルへの連帯を表明し、「いかなる形態であれ、いかなる犠牲を払ってでもテロリズムを撲滅しなければならない」と述べたことを指摘。そして、マチャド氏が自身が大統領になった場合には、イスラエル内のベネズエラ大使館を同国が一方的に「首都」だと主張するエルサレムに移転するとしているなど、露骨にイスラエルの右派勢力と関係を強化しています。
 米国のイスラム教徒権利擁護団体「アメリカ・イスラム関係評議会(CAIR)」はその声明でマチャド氏に対し、イスラエルや移民排斥への支持をやめるよう呼びかけています。今年2月には、フランスのマリー・ルペン氏、ハンガリーのオルバン首相らが講演した、スペインでの極右政党・団体の会合にマチャド氏もオンライン参加したこと、この会合で参加者全員が「反イスラム、反移民」を主張したことを、CAIRは問題視しているのです。
 大前提として、マドゥロ政権の下で、ベネズエラの野党関係者や政府に批判的な人々、人権団体などが苛烈な弾圧を受けており、子どもや障がい者を含む何千人もの人々が、恣意的な拘禁、強制失踪、拷問などの人権侵害の被害者になっていることは事実であり、これらは強く批判されるべきです。そして、マドゥロ政権はこうした人権侵害を止めなくてはいけませんし、国際社会もそのために様々な対応をすべきです。それは筆者も強く感じます。
 しかし、そうした文脈においても、マチャド氏をノーベル平和賞の受賞者にするべきだったのか、この間の国際的な動きの中で、真に受賞するべき個人や団体(ガザの報道・医療関係者や、(ボーガス注:イスラエルやロシア、米国の攻撃を受ける)国際刑事裁判所など)を選ぶべきだったのではないか。結局のところ、マチャド氏へのノーベル平和賞授与は「政治的妥協」だったのかもしれません。
 つまり、トランプ大統領は平和賞を欲しがっていましたが、彼に授与する訳にはいかない。しかし、トランプ大統領の怒りを最小限にするよう、彼がある程度、納得する候補を選んだ、ということではないでしょうか。そうだとしたら、本当に残念なことです。

マリア・コリーナ・マチャド - Wikipedia
 米国大統領ドナルド・トランプへの支持も表明している。2025年のカリブ海へのアメリカ海軍の展開の際にはトランプ政権を称賛した。

という「イスラエルやトランプに迎合的な右派」で「排外主義者」らしいマチャドは手放しで評価できる人間ではなさそうだし、そういう意味では反戦団体がノーベル平和賞に猛抗議!受賞者マチャド氏の「闇」(志葉玲) - エキスパート - Yahoo!ニュースの筆者「志葉玲氏」と同じく「果たして平和賞を与えて良かったのか?」感が俺にはありますが、但し、それは「ベネズエラ政権に問題は無い(批判は全て言いがかりで不当)」と言う話とは違うでしょう。
 なお、日本共産党は以下の通り、現在のベネズエラ政府(マドロ政権)については批判的立場です。

弾圧やめ人権と民主主義の回復を――ベネズエラ危機について | 日本共産党2019.2.21
 日本共産党は、南米ベネズエラチャベス政権が発足当初、選挙を通じて国民多数の支持を得ながら進めてきた変革のプロセスに肯定的に注目してきた。
 しかし、同政権および後継のマドゥロ政権の失政と変質のもとで状況が変化し、市民の政治的自由と生存権に関わる人権問題が深刻化している。
 現在のベネズエラの危機は、主要には、マドゥロ政権が、2015年の選挙で野党が多数派になった国会の権限を無効化し、批判勢力を暴力的に抑圧・弾圧し、2018年5月の大統領選挙で野党の有力候補を排除して、権力の維持をはかったことから引き起こされたものである。
 こうした経過にてらし、わが党は、マドゥロ政権を、ベネズエラ人民の意思にもとづく正統な政権とみなすことはできない。事態の根本的な解決には、大統領選挙のやり直しを含め民主主義を回復することが不可欠であると考える。
 わが党は、抗議運動を敵視し、マドゥロ政権への「連帯」を世界の運動に押し付ける動きに、きびしく反対する。
 (ボーガス注:その一方で)日本共産党は、どの国によるものであれ、ベネズエラに対する外部からの干渉・介入にきびしく反対する。
 わけても軍事介入は深刻な犠牲と事態の悪化をもたらすものであり、絶対にあってはならない。トランプ米政権は、軍事介入を「選択肢の一つ」と繰り返しているが、そのような権利はどの国であれ与えられていない。

ベネズエラ情勢で党・「赤旗」を誹謗中傷/文化放送に抗議・要請/党広報部申し入れ2019.2.8
 日本共産党の植木俊雄広報部長は7日、都内の文化放送本社を訪れ、同社のラジオ番組「おはよう寺ちゃん活動中」(4日朝放送)で、ベネズエラ情勢に関する党と「しんぶん赤旗」の立場について「事実とまったく違う誹謗中傷のコメントがそのまま放送され、リスナーに重大な誤解を与えている」ことに抗議し、是正措置を求めました。
 同番組では、コメンテーターの上念司氏(経済評論家)が、ベネズエラマドゥロ政権の人権抑圧状況を説明したうえで、「内政干渉はいけないとかいって、この人権弾圧をしているマドゥロ側を応援しているとも思えるような論調の新聞があるんです。『赤旗』、日本のね。共産党は人権を何だと思っているんだろうと思って、恐ろしいなと思いますね」と語り、そのまま放送されました。
 植木部長は、▽(ボーガス注:ベネズエラへの軍事介入もあり得るとする米国トランプ政権を「不当な内政干渉」と批判する一方で)日本共産党が駐日ベネズエラ大使を通じ、マドゥロ政権に対して反政府デモへの弾圧停止と民主主義秩序の回復を要請してきた▽「しんぶん赤旗」が弾圧への国際的批判について繰り返し報じてきた▽1月30日付では、改めて弾圧停止、政府の正統性の確立と民主主義の回復を求める「主張」を掲載した―ことを挙げ、上念氏のコメントは「わが党の姿をまったく逆に描いたきわめて不当なものである」と指摘しました。

 そもそも「上念なんてネトウヨ」をコメンテーターで呼ぶなと改めて文化放送と寺島に怒りを覚えますね。
 俺としては「TBSラジオ森本毅郎スタンバイ』一択」ですね。

*1:チャベス政権で国会議長、外相、副大統領等を経て大統領

*2:著書『不死のワンダーランド』(1996年、講談社学術文庫)、『戦争論』(1998年、講談社学術文庫)、『夜の鼓動にふれる:戦争論講義』(2015年、ちくま学芸文庫)、『アメリカ・異形の制度空間』(2016年、講談社選書メチエ)、『戦争とは何だろうか』(2016年、ちくまプリマー新書)、 『わたしたちはどんな世界を生きているか』(2020年、講談社現代新書)、『戦争と西洋 : 西側の「正義」とは何か』(2025年、筑摩選書)等