今日の産経ニュースほか(2025年12/17分)

日本近代史の空白埋まる ユダヤ基金が認める樋口中将の「2万人救出」、日本軍が人道対応 一筆多論 - 産経ニュース
 以前も樋口季一郎 - Wikipediaの記述を元に、別記事で批判しましたが、「樋口のユダヤ人救出」云々は「まともな根拠がある杉原千畝」等と違い「樋口の回想」以外にはまともな根拠は何もありません。産経のように「確定的事実」として扱える話では全くない。仮に救出が事実だとしても「2万人などと言う大規模な数ではなく、もっとずっと少ない」というのが通説です。
 樋口季一郎 - Wikipediaによれば松浦寛氏*1は「救出人数は100~200人程度ではないか」と見ています。産経らの主張「2万人」とは大きくかけ離れています。
 南京事件についての産経主張「数百人の虐殺なら大虐殺と言えない(実際には笠原十九司*2都留文科大学名誉教授等が指摘するように10万人以上の虐殺とみられていますが)」「中国の主張(10万人単位の虐殺)は誇張」をもじれば「数百人の救出では樋口は顕彰に値しない」「産経らの主張(2万人の救出)は誇張」ですね。
 産経記事にもまともな歴史学者は一人も登場しません。


「防衛中枢」の市ケ谷庁舎周辺で外国人土地取得309件、経済配慮で届け出義務なく異論 - 産経ニュース
 「排外主義」産経には「おいおい」ですね。
 確かに市ヶ谷には防衛省がありますが、

市ケ谷駅 - Wikipedia参照
【大学】
・法政大学市ケ谷キャンパス
中央大学市ヶ谷キャンパス
日本大学本部
【病院】
東京逓信病院

などもある「都心」のわけです。
 外国人の多くは「防衛省があるから土地を買った」わけではないでしょう。
 なお、産経らウヨがこういうこと(外国人が買い手か政府で把握しろ)を言い出すと多分起こるであろうことは「名義貸し」ですね。
 何も「スパイ」等の「産経らウヨ」が妄想するパターンではなく、普通の売買であっても「外国人」というだけで変な手間がかかる(不当な差別をされる)くらいなら、「そうした手間逃れ」のために 「名義貸し」は誰でも考えつくでしょう。
 となると産経などは「徹底調査で名義貸しをなくせ」と言い出しそうですが、何か怪しいと見なす特別な事情があるならともかく、「外国人」というだけでそこまでやる必要がどこにあるのかと思いますね。完全に「外国人差別」でしょう。
 まあ、そんなこと(外国人が買い手か政府で把握しろ)をやろうとすれば「買うのに手間がかかるから買うのを控える」で「市ヶ谷の土地価格の下落」を招きかねず、土地所有者の反対で実現は無理かもしれませんが。


議員らが「つり目」写真投稿 アジア人差別と非難―フィンランド:時事ドットコム

 発端は今年のミスコンテストで優勝した女性が11月、指で両目尻をつり上げた*3写真を「中国人と食事する」とのキャプションを付けてSNSに投稿したことだった。写真が拡散され、「差別的」と非難が殺到。女性は先週「ミス」の称号を剥奪された。AFP通信によると、これを受けて与党連合の一角を成す右派「フィン人党」の国会議員2人と欧州議会議員1人が「女性を擁護する」と同じポーズで写真を投稿し、騒ぎが拡大。

【1】ウヨ政党「自民」が政権与党を長く務める「日本」に比べれば「ずっとマシ」であろう「社民政党が比較的強いフィンランド(過去に社民政党が政権与党にもなっている)」「北欧の福祉国家の一つフィンランド(他はノルウェースウェーデン)」
【2】

【著者名順(著者名が同じ場合は刊行年順)】
【岩竹美加子氏(アマゾンの著者紹介や岩竹美加子 - Wikipediaに寄れば元ヘルシンキ大学教授)】
・『フィンランドの教育はなぜ世界一なのか』(2019年、新潮新書)
→同趣旨の内容と思われる本としてリッカ・パッカラ『フィンランドの教育力:なぜ、PISAで学力世界一になったのか』(2008年、学研新書)が見つかりました。
・『フィンランドはなぜ「世界一幸せな国」になったのか』(2022年、幻冬舎新書)
・『フィンランドの高校生が学んでいる人生を変える教養』(2024年、青春新書インテリジェンス)

【堀内都喜子氏(アマゾンの著者紹介に寄れば駐日フィンランド大使館職員(広報担当)】
・『フィンランド・豊かさのメソッド』(2008年、集英社新書)
・『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(2020年、ポプラ新書)

→ちなみに似たタイトルの針貝有佳*4デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』(2023年、PHPビジネス新書)も見つかりました。
 堀内本や針貝本が「実態より誇張してる可能性」はあるでしょうが、おそらく「日本の長時間労働」よりはデンマークフィンランドの方が「ずっとマシ」でしょう。「働いて×5回(流行語大賞)」「馬車馬」云々が首相の日本とは偉い違いです。そしてこうした本が複数出るということは「日本の長時間労働に疑問を感じる人間が多い」と思いたいところですがそれなのになぜ「働いて×5回(流行語大賞)」云々が首相で、「一時期に比べれば支持率が下降傾向にある」とはいえ、内閣支持率が未だ高いのか、という「釈然としない思い」があります。
 この著書については

赤旗新型コロナが問う日本と世界/「幸福度」世界一 フィンランドから何学ぶ 個人尊重 ゆとりある社会に/『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』の著者 堀内都喜子さん(2020.5.29)から一部紹介
 国連が毎年発表している「幸福度ランキング」で3年連続世界一になったフィンランドフィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(ポプラ新書)の著者、堀内都喜子さんに聞きました。
◆堀内
 フィンランドの仕事文化を語る上で欠かせないキーワードは「ウェルビーイング」です。身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する言葉で、休みをきちんと取って労働環境を改善して心身とも健やかな状態でこそ、仕事の効率も上がるという考え方です。

も紹介しておきます。
・『フィンランド・幸せのメソッド』(2022年、集英社新書)

等の「フィンランドに好意的なフィンランド紹介著書(但し俺はすべて未読)」があるフィンランド
【3】
 国連「世界幸福度報告書」、世界経済フォーラムジェンダーギャップ指数」等の順位が高く「相対的に、人権擁護的な国」と見られていたフィンランド
【4】
 日本人にとってはフジテレビやテレビ東京でアニメ化(フジが岸田今日子、テレ東が高山みなみ)され、最近(2019年3月開業)、「埼玉県飯能市」に「テーマパーク*5」もできた「ムーミン」の母国(?)フィンランド
(俺も上記【1】~【4】や、【5】その風貌から、日本のテレビバラエティ番組で「フィンランド近藤春菜」と命名され、一時は近藤本人も「ハロネン大統領じゃねえよ!」とネタにしていた「フィンランド初の女性大統領」ハロネン大統領(当時)からフィンランドには比較的良いイメージを持っていた)ですらこんな「アジア人差別のアホ議員が与党議員でいるのか?」「フィンランドでも排外主義が広がっているのか?」とげんなりしますね。
 「ミスコンの受賞者がバカをやって称号剥奪」時点では「一個人がバカをやっただけ。しかも称号剥奪という公的ペナルティを受けた」で何の問題もなかったのですが。
 「フィン人党」とは日本で言えば「維新」「国民民主」「参政」辺りに該当する「排外主義ウヨ政党」なのでしょう。今回の議員連中は『フィンランド杉田水脈在日韓国人差別など)』というべきか?
 この結果、以下のような事態となっています。
 まあ、「産経、フジテレビなど右翼マスコミが反日国家認定してる」中韓の政治家辺りがこんなこと*6やったら、もっと日本ウヨが騒いでる*7でしょうが。

フィンランド首相、日本語で謝罪 「つり目」騒動で「心からおわび」:朝日新聞
 オルポ首相は17日、「侮辱的な投稿に対して、心からおわび申し上げる」と謝罪した。駐日フィンランド大使館が日本語の声明をX(旧ツイッター)に投稿した。日本語のSNS空間ではここ数日、(ボーガス注:こともあろうに与党議員が「日本人を含むアジア人」を侮辱してるとして)フィンランド全体に対する批判が高まっており、オルポ氏は初めて正式に謝罪をすることで、事態を収束に向かわせたいと考えているとみられる。問題の投稿をしたのは「フィンランド人党」(フィン党)の国会議員2人と欧州議会議員1人。フィン党は2023年の総選挙で第2党となり、オルポ氏の「国民連合」などとともに連立政権を組む。フィン党のプッラ党首は副首相兼財務相を務めている。

フィンランドつり目騒動、4与党が非難声明 処分は所属政党が決定へ:朝日新聞
 フィンランドの複数の国会議員らが、アジア人への人種差別とみなされる「つり目」の写真をSNSに投稿した問題について、連立政権を組む4与党は16日、「卑劣で不適切な行為を、広く、明確に非難する」とする共同声明を出した。

 非難するのは結構ですが、日本のXでも「該当議員らをフィン人党は除名するのか?」「フィン人党は甘い処分をし、フィン人党が連立離脱することを恐れる他の与党もそれを容認するのではないか?」という危惧が表明されていますね。

駐日フィンランド大使館
◆ここ数日、フィンランド大使館には「人種差別へのフィンランドの取組み」に関し、数多くの意見や質問が寄せられています。個々の政治家の発言は、フィンランド政府の公式見解を構成するものではありません。政府は、平等と差別撤廃を推進し、人種差別と闘うことに尽力しています。
◆12月14日(日)に行われたフィンランドのペッテリ・オルポ首相の記者会見では、先週フィン人党の政治家がソーシャルメディアに投稿した一連の投稿を非難しました。

【比較的まともそうなフィンランド批判X】

犬呂
 (ボーガス注:大使館が)あれを「差別的行為である」と公式見解は出せないほど複雑な政治事情、あるいは覆しがたい根深い偏見、たぶんその両方があるのは推察できました。率直に言えば残念です。

ガイセリック
 (ボーガス注:たとえ小物の陣笠議員でも)与党議員の行為を「フィンランド政府の公式見解を構成するものではありません」と言っても説得力は皆無*8です。

*1:著書『ユダヤ陰謀説の正体』(1999年、ちくま新書)、『日本人の〈ユダヤ人観〉変遷史』(2016年、論創社

*2:著書『アジアの中の日本軍』(1994年、大月書店)、『日中全面戦争と海軍:パナイ号事件の真相』(1997年、青木書店)、『南京事件』(1997年、岩波新書→新版、2025年、岩波新書)、『南京事件三光作戦』(1999年、大月書店)、『南京事件と日本人』(2002年、柏書房)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『南京事件論争史』(2007年、平凡社新書→増補版、2018年、平凡社ライブラリー)、『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)、『日本軍の治安戦』(2010年、岩波書店→2023年、岩波現代文庫)、『第一次世界大戦期の中国民族運動』(2014年、汲古書院)、『海軍の日中戦争:アジア太平洋戦争への自滅のシナリオ』(2015年、平凡社)、『日中戦争全史 (上)(下)』(2017年、高文研)、『憲法九条と幣原喜重郎日本国憲法の原点の解明』(2020年、大月書店)、『通州事件』(2022年、高文研)、『憲法九条論争』(2023年、平凡社新書)等

*3:「細い目=アジア人(日本、中国、韓国人など)」というのは有名な「差別的偏見」です。

*4:著書『デンマーク人の休む哲学』(2025年、大和書房)、『デンマーク人はなぜ会議より3分の雑談を大切にするのか』(2025年、PHPビジネス新書)

*5:公式サイト【公式】ムーミンバレーパーク・メッツァビレッジ|metsa(メッツァ)メッツァ (テーマパーク) - Wikipedia参照

*6:まあ「日本侮辱」と幅広く捉えるならともかく、「細い目アピール」は「アジア人差別=中国や韓国への差別」にもなるので「細い目アピール」を中国、韓国人がやることはあり得ませんが

*7:とはいえ、過去に「死刑廃止国」フィンランド(まあ、フィンランド以外の死刑廃止国も日本批判してますが)に「日本の死刑執行が非難されたこと」で今回の件に対し「日本を侮辱するお前らフィンランド死刑廃止とか、日本に上から目線で物を言うな!」と逆ギレしてるらしいウヨはX(旧ツイッター)で見つけましたが。

*8:但しこの理屈だと「杉田水脈アイヌ在日韓国人LGBTへの差別)を所属政党・自民(政権与党)が処分しなかったこと」についても自民を厳しく批判しないと「ダブスタ二重基準、ご都合主義)」になります。