無能な俺でも紹介できる範囲で紹介しておきます。なお、時期的に無理(2/8刊行)なので衆院選結果については論じられていません。
◆マルクスと国際政論活動:その展開を追って(2)(山口富男*1)
(内容紹介)
先月始まった新連載の2回目。マルクス論文「工場労働者の状態」「イギリスの工場制度」「イギリス工場製工業の状態」などが論じられていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
特集「大軍拡政治からの転換を!」
◆トランプ米政権の「力による支配」と高市軍拡(竹内真)
(内容紹介)
勿論「米国トランプ政権」の「軍事戦略」「日本への軍拡要求」が「高市軍拡」の要因の全てではないものの、大きな影響を与えてることが指摘されます。
参照
赤旗
高市首相 大軍拡を対米公約/初の日米首脳会談 「軍事費増に取り組む」/平和賞にトランプ氏を推薦2025.10.29
主張/高市・トランプ会談/あまりにも卑屈な従属姿勢だ2025.10.30
◆大軍拡と財政民主主義:「大軍拡のための大増税反対運動」を(小沢隆一*2)
(内容紹介)
「消費税減税」を望む世論(主要政党ではチームみらい以外のほとんどの政党が消費減税を衆院選で主張)に配慮し高市政権は当面は「弱者切り捨てにつながる生活予算のカット(福祉、教育予算等の削減)」「財政破綻を招きかねない大量の国債発行」でごまかそうとするだろうが、いずれは「軍拡増税」は不可避とみた上での「軍拡増税」反対運動の組織化を主張しています。
なお、小沢氏は以下の主張をしています。
1)消費税減税には反対しないが、最近の国民世論は「税金=所得再分配(富裕層から税金を取り、貧困層に分配する)」「税金=国家運営のために必要なコスト」という観点があまりに弱すぎないか。「富裕層課税強化」「福祉予算充実」とセットではない「消費税減税」は「弱者の切り捨て(新自由主義)」にしかなり得ないと思う。
2)日本国民の「増税忌避意識」からは「軍拡増税反対」運動を起こすことは必ずしも困難ではないと思う(軍拡派の国民民主、参政なども軍拡増税には反対ではないか)。むしろ「軍拡増税」を開始する前に行われるであろう「弱者切り捨てにつながる生活予算のカット(福祉、教育予算等の削減)」「財政破綻を招きかねない大量の国債発行」をどれほど阻止できるかが重要である。
3)軍拡への批判としては「北朝鮮有事」「台湾有事」論が「虚妄の有事である」という批判が大切だと思う。
「ロシアのウクライナ戦争での苦戦」を考えれば、同様の苦戦を招きかねない「台湾侵攻(台湾はウクライナと同様に米国の軍事支援を受けてる)」を中国が行う可能性は低いと考える。
そもそも中国が「台湾政府が現状維持に留まれば侵攻しない(ただし独立宣言すれば侵攻もありうる)」と公約してることを重視すべきである。そうした公約を無視して国際批判「中国は約束を破った」を覚悟して、独立宣言もないのに中国が侵攻することは考えがたいし、ましてや台湾側が中国側の警告を無視して、侵攻のリスク覚悟で独立宣言することも考えがたい。
また「台湾との力関係(経済力、軍事力など)が上である軍事大国」中国ならまだしも、今や「韓国との力関係が下」の北朝鮮が朝鮮戦争のような大規模侵攻に出ることは考えがたい(むしろ米国や韓国の北朝鮮への軍事侵攻が危惧される)。
北朝鮮の対韓国軍事行動は「延坪島砲撃事件(2010年)」が恐らく最後であるし、韓国側に死者が出たとは言えこの事件での死者は「軍人2人、民間人2人」に留まり、「朝鮮戦争のような大規模侵攻」とは全く性格が違う。
◆国際平和秩序破壊の暴挙「米国のベネズエラ侵攻」:トランプとアメリカ帝国主義(坂口明*3)
(内容紹介)
トランプ政権のベネズエラ侵攻が「国際法違反の侵略行為」として批判されています。
◆上場企業の「自社株買い」について(垣内亮*4)
(内容紹介)
赤旗の記事紹介で代替。
主張/自社株買い急増/株主最優先のゆがみをただせ2025.5.6
株価を都合よく操作できる弊害などから、日本では自社株買いを原則禁止してきました。ところが、小泉純一郎首相と竹中平蔵経済財政政策担当相(職名はいずれも当時)がすすめていた「構造改革」のもと、2001年の商法改定で自社株買いを解禁。さらに2005年に商法を会社法に改定する中で自社株買いの全面的な規制緩和が行われました。
自社株買いが内部留保を使って行われることが経営や日本の経済をゆがめています。
内部留保などの自己資金が、自社株買いに使われることで、その分、労働者の賃金や設備投資、下請けの単価改善など国内経済の活性化に使えるはずだった原資が減り、経済停滞を招いています。
株の配当と違い、自社株買いは株式を売却するまではその利益に課税されません。アメリカやフランスでは、自社株買いへの課税に踏み切りました。日本でも課税を検討すべきです。
主張/行き過ぎた株主還元/自社株買いでは企業成長せぬ2025.8.9
経済産業省の有識者会議が、株主への利益還元に偏重した過度な自社株買いよりも、利益を成長投資に向ける方が企業価値の向上につながるという提言をまとめました
自社株買いにより、賃金の上昇や新たな設備投資にお金が回らず、本来、企業が持つ価値や将来性を株主が奪い取っています。
アメリカやフランスでは、自社株買いへの課税に踏み切りました。日本でも課税など自社株買いへの規制をするべきです。
◆争点化する「税と社会保障の一体改革」:大企業・富裕層優遇を克服し新しい福祉国家へ(関野秀明*5)
(内容紹介)
高市内閣が目指す「税と社会保障の一体改革」を弱者切り捨てと批判した上で大企業・富裕層優遇を克服し新しい福祉国家を目指すこと(【1】福祉予算の増額、【2】国民負担の軽減(最終的には医療費無償化を目指す)、【3】診療報酬、介護報酬の増額等による医療、介護に従事する職員の給与アップ、【4】年金支給額の増額(マクロ経済スライドの廃止など)等)が主張されていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
◆COP30「協働」の努力は実を結んだのか?:国際協調の行方と気候変動(深草亜悠美*6)
(内容紹介)
COP30について途上国と先進国の意見対立などで期待されたほどの成果を上げられなかったと批判。
また日本政府もCO2に削減に消極的と批判していますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
参考
赤旗主張/COP30が閉幕/日本は化石燃料の延命やめよ | しんぶん赤旗|日本共産党2025.11.30
22日に閉幕した国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は、脱炭素社会への「公正な移行」(関係する産業の労働者や地域を取り残さない公正な方法による移行)の具体的なプログラムや、「熱帯雨林保護基金」の発足などを盛り込んだ合意文書を採択しました。
しかし、「パリ協定」で合意した「化石燃料からの脱却」の加速に向けた工程表策定などは先送りしました。
COP30は、米国が政府として参加しない異例の会議となりました。化石燃料業界に支持され、「パリ協定」の気候変動対策を「史上最大の詐欺」とののしるトランプ米大統領による妨害・影響は重大でした。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、人間活動が地球温暖化を引き起こしたのは「疑いの余地がない」と断定しています。ところが高市早苗首相は、トランプ大統領の「詐欺」発言に対し「コメントする立場にはない」と事実上の容認です。米国いいなりの姿勢があらわです。
国際的な環境NGO「CAN」は、温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」を今回も日本に授与しました。日本が推進する、CO2を回収・貯蔵する「CCS」や、アンモニアと石炭の混焼が「化石燃料を延命する技術」になっていることが理由とされています。
特集「審判を受けるAI:AIの問題性と権利性、民主化をめぐって」
◆AIの独占、競争構造と産業政策:AIの産業政策はいかにあるべきか(藤田実*7)
◆子ども・若者の権利保障とICT、AI、アルゴリズム(中西新太郎*8)
◆AIの戦争における利用と危険性(小金沢鋼一*9)
(内容紹介)
AIの重要性を認めた上で「特定のAI企業によるAI支配の危険性排除(民主化)」「AI利用者の権利保護」「AIの軍事利用への批判」などが論じられていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
参考
赤旗
AI推進法案/リスクに応じた規制や権利保護強化を/衆院内閣委 塩川氏が追及2025.4.15
AIの軍事利用禁止を/井上議員 殺傷力高い兵器導入告発/参院で推進法成立2025.5.29
◆論点「あるべき再審法改正の実現を」(小林亮淳*10)
(内容紹介)
法務省の主張が「再審法改正ではなく改悪」として批判されています。
参考
「再審の扉を閉ざす」/「選別規定」に批判相次ぐ/制度見直し 法制審部会 | しんぶん赤旗|日本共産党2025.12.24
部会で示された「検討資料」では、今の再審手続きにはない「スクリーニング(選別)規定」と呼ばれる規定を盛り込んでいます。「(裁判所は)審判開始決定をした後でなければ、事実の取り調べをすることができないものとする」というものです。検察が出していない新証拠の有無を知ることもできずに、裁判所は再審請求を「棄却」できます。
同日の会見で鴨志田祐美弁護士(日本弁護士連合会再審法改正実現本部本部長代行)は「法務省案では、『再審の請求が理由のないもの』は棄却『しなければならない』と義務づけている。これは『迅速な救済』ではなく『迅速な切り捨て』のマシンをつくるようなもの」と批判します。
<主張>再審法改正 「なぜ」出発点を忘れるな 社説 - 産経ニュース2025.11.25
証拠開示について議員立法は「裁判所が幅広く開示を検察に命じる」ルールを明記した。法制審は意見が割れているが、「弁護側提出の新証拠とそれに基づく主張に関連するもの」に限定する案が有力だ。
これは危険だ。「新証拠に関するもの以外はだめ」と厳格に運用され、現状より開示範囲が後退してしまいかねない。
<主張>刑事司法の分岐点 再審法改正の方向誤るな 死刑制度の崩壊につながる 社説 - 産経ニュース2026.01.05
「どう再審を判断し、手続きを進めるか」が不明瞭で、裁判所を困らせてきた。その結果、再審判断に、異常なほど長期の歳月を要することになった。
免田事件(昭和23年)や財田川事件(25年)など死刑確定事件の再審無罪は最初の再審請求から10~30年を要し、そのたびに規定の不備が指摘された。
今回、問題化した契機は、再審無罪まで逮捕から58年、再審請求から43年と異常な時間を強いられた静岡市の袴田巌さんの事件だ。無罪につながった証拠が検察から開示されるまで30年近くかかり、裁判所から再審開始決定が出ても検察の抗告でさらに長期化した。
この後には福井市で、女子中学生殺害の罪で服役した前川彰司さんの再審無罪が確定した。これも逮捕から38年、再審請求から21年だ。有罪を覆した、目撃証言の誤りを認める捜査報告書が検察から開示されたのは、再審請求から19年後だった。規定改正を求める機運がかつてないほどに高まった。
ようやく改正がかないそうだが、中身への懸念が強まっている。議員立法と法制審で、まるで法案の方向性が違うのだ。
最大論点の証拠開示ルールについて、法制審は範囲を「再審請求理由と関連する証拠」に限定する案が有力になっている。これは「関連するもの以外はだめ」という厳格な運用を招き、現状より開示範囲が後退する危険がある。限定案では(ボーガス注:袴田事件*11の)袴田さんの無罪や(ボーガス注:福井女子中学生殺人事件の)前川さんの無罪*12を導いた「5点の衣類のカラー写真」や「目撃証言を訂正した報告書」は開示されない可能性が高い。
再審開始を判断する請求審の長期化要因として批判される検察官抗告を巡っても、法制審の議論には懸念がある。「禁止すべきではないか」との論点について、「禁止すべきでない」との意見が有力になっている。
法制審の方向性について、元裁判官63人、刑事法制の専門家135人が声明・意見書を出し、「改正の原点が見失われている」「このままでは冤罪被害者にパンの代わりに石を与えるような改悪になりかねない」などとする趣旨の危機感を表明した。
議員立法は証拠開示について「裁判所が幅広く開示を検察に命じる」ルールを明記し、請求審段階での検察官抗告を禁止した。立法事実*13を鑑みれば議員立法と法制審案のどちらが妥当か明白*14だが、国会では政府案が審議のベースになるのが通例で、法制審案が主軸になりかねない。なぜ再審規定の改正が必要なのか。国会はその本質を見据えられるか、良識が問われることになる。心してほしい。
再審法改正を「死刑制度の崩壊につながる」として、「死刑存続」と結びつけてる点(産経は死刑支持派)が非常に問題ですが、「政府批判などまるでしない自民党、政府応援団」の産経には珍しく「法務省案の問題点」を適切に批判した良い記事でしょう(いわゆる「きれいなジャイアン」ならぬ「きれいな産経」)。
<主張>再審見直し答申へ 「目的外禁止」看過できぬ 社説 - 産経ニュース2026.2.12
再審規定が乏しいため(ボーガス注:袴田事件の)袴田巌さん(再審請求から無罪確定まで43年)、(ボーガス注:福井女子中学生殺人事件の)前川彰司さん(再審請求から無罪確定まで21年)らに長期審理を強いた反省から見直しが議論された。
批判の強い検察官抗告は禁止されないことになった。
一定の要件をクリアした再審請求については、裁判所が証拠開示命令を出せば検察は開示の義務を負う。ただ、開示の範囲は限定的になる恐れがあり、「現状よりも後退する改悪になりかねない」との懸念は依然払拭されない。
法務省の改正案のままでいいのか、国会では慎重な審議が必要だ。解散で廃案になった議員立法の再提出も求めたい。
法制審案では、検察が開示した証拠の扱いについて、看過し難い規定が盛り込まれた。再審手続き以外での「目的外使用」を禁じ、「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」の罰則を設けたのだ。弁護側は開示証拠を複写などの形で支援者やメディアに公開できなくなる。これは重大な問題をはらむ。
袴田さんの事件では、開示証拠の衣類のカラー写真が広く共有され、「味噌樽に漬かっていたのに血痕が赤すぎる」と指摘が出て、再審無罪につながった。開示証拠を多くの関係者が検証することで、確定判決の誤りが見つかってきたのだ。規定はこの道を封じることになる。
通常審も同じ規定があるというが、再審請求審は非公開だ。公開の通常審と決定的に違う。開示証拠は社会に共有されず、請求審は一層ブラックボックス化する。それでいいものか。
報道も制限され、国民の知る権利が著しく侵害される。日本新聞協会が同規定に反対の見解を示したのは当然である。
再審規定が急がれるのは「誤った死刑執行」を絶対に防がなくてはいけないからだ。果たして答申が真にそのための改革になっているか。疑問が募る。
「リベラル派の朝日や毎日、東京新聞」等なら意外ではないですが、「極右」産経が
<主張>再審法改正 「なぜ」出発点を忘れるな 社説 - 産経ニュース2025.11.25
<主張>刑事司法の分岐点 再審法改正の方向誤るな 死刑制度の崩壊につながる 社説 - 産経ニュース2026.01.05
<主張>再審見直し答申へ 「目的外禁止」看過できぬ 社説 - 産経ニュース2026.2.12
として社説で3回も「法務省の再審法改正案」に触れ、それが「全て法務省批判」であり、「前衛の小林論文」と問題意識が共通することが興味深い。「産経と共産の意見(法務省の再審法改正案は現状より再審を困難にする恐れがあり、むしろ改悪)が一致」なんて滅多にないことです。それにしても「こうしたまともな記事だけ」なら俺も産経を批判しないのですが。
社説:再審制度の見直し案 冤罪救済の視点足りない | 毎日新聞2026.2.1
開示された証拠を、審理以外で使うことを罰則付きで禁じる規定も新設される。
袴田さんの場合、「5点の衣類」のカラー写真が端緒になり、支援者らが血痕の色を検証して無罪を勝ち取った。こうした対応が難しくなる。情報が提供されず、報道によって問題を伝える上で支障が生じる。新設の理由は関係者のプライバシー保護とされるが、一律禁止は過剰な対応だ。
試案からは、一度確定した判決が覆ることへの懸念が感じられる。冤罪という国家による人権侵害から、被害者をできるだけ早く救済する視点が足りないと言わざるを得ない。
[社説]冤罪救済に資さぬ再審見直し - 日本経済新聞2025.2.3
証拠開示については、再審手続き以外での使用を禁じる規定も盛り込まれた。第三者に見せたり、コピーを渡したりした場合に罰せられる可能性がある。
だが袴田巌さんの事件では、血痕が付いた衣類のカラー写真を支援者らと共有したことから再現実験が行われ、無罪確定につながった。メディアが新たな証拠を報じることで社会的関心も高まる。
法務省側はプライバシー侵害の恐れなどを理由に挙げるが、そうしたリスクは個々の証拠ごとに判断できるはずだ。一律に禁止すべきではない。
再審開始決定に対する検察の不服申し立てを維持する点を含め、法制審の議論には外部の法学者や冤罪被害者らから批判があった。そうした声に耳を貸そうとせず、法務・検察当局の意向をそのまま反映したような結論は批判を免れない。
(社説)再審法制の整備 冤罪を見逃さない姿に:朝日新聞2026.2.5
元被告や弁護人が開示された証拠を、再審手続きの目的以外で使うことを罰則つきで禁じるのも疑問がぬぐえない。(ボーガス注:袴田事件の)袴田巌さんの再審無罪の決め手になった「5点の衣類のカラー写真」も、弁護人は支援者や報道機関にそのまま公開できなくなる。
〈社説〉再審制度見直し 冤罪救済が遠のく恐れ:東京新聞デジタル2026.2.5
今回の要綱案には検察に対する裁判所の証拠開示命令が盛り込まれたが、対象を再審請求の関連証拠に限定した。これまで開示されてきた幅広い証拠が開示されなくなる恐れがある。検察が不服を申し立てる権限も維持されており、審理迅速化は望めない。
再審請求審では新たに裁判所の調査手続きが設けられ、請求が審理に入らずに棄却される可能性が生じる。証拠の目的外使用が禁じられ、再審請求人側が証拠を報道機関や支援者に公開することも困難になる。請求人が現行制度よりも不利になることを危惧する。
これでは何のための制度見直しだったのか。冤罪救済の原点が忘れ去られ、冤罪被害者の切実な声が顧みられなかったことは残念でならない。「開かずの扉」と揶揄される再審での人権回復が、さらに困難になるのではないか。
【参考:袴田事件】
再審無罪の袴田さん、6億円の賠償請求 捜査や裁判に「違法あった」 [静岡県]:朝日新聞2025.10.9
1966年に起きた静岡県一家4人殺害事件の再審(やり直し裁判)で無罪となった袴田巌さん(89)側は9日、当時の捜査を担った静岡県警や起訴した静岡地検、有罪判決を下した裁判所にそれぞれ違法があったとして、国と県に対して、約6億800万円の損害賠償を求める訴えを静岡地裁に起こした。
袴田さん側は訴状で、県警は捜査段階で様々な証拠を捏造し、「袴田さんを犯人に仕立て上げる方向で捜査をゆがめた」と主張。地検についても、袴田さんを犯人と決めつけて自白を強制したなどと訴えている。
裁判所に対しては、5点の衣類が捏造された証拠である可能性を十分に検討せず、犯行時の着衣だと認定して有罪判決を言い渡したことなどが「重大な過失」にあたるとして賠償責任があると主張した。
【参考:福井女子中学生殺人事件】
前川さん無罪確定、検察「真摯に反省」…一方で警察とともに謝罪の言葉なく : 読売新聞2025.8.2
名古屋高検は8月1日午前、上告する権利を放棄する手続きを行い、午後2時から、浜克彦次席検事*15が名古屋市内で記者会見を開いた。警察の捜査や検察の公判対応を批判した名古屋高裁金沢支部の再審判決について、「重く受け止める」「反省する」との言葉を繰り返した。
検察側は確定審の1審公判で、前川さんの知人の一人が事件の日に見たと述べたテレビ番組が、実際は翌週の放送だったことを示す捜査報告書の存在を把握しながら、第2次再審請求審まで開示しなかった。再審判決は「不誠実で罪深い不正」と批判した。
浜次席検事は会見で「このような訴訟活動が行われるべきではない。裁判所から対応が不公正と評価されたのも当然だ」と言及。「捜査公判活動が適切に行われるよう努め、管内の地検に対しても指導を行う」と誓った。
一方、当時の捜査・公判の検証については「教訓としていくことが大事で、何か特別な調査を行うことは考えていない」と否定。前川さんについては「相当期間、服役されて無罪となったことは厳粛に受け止めている」と語りつつ、直接の謝罪は「現時点で考えていない」と述べるにとどめた。
福井県警の増田美希子*16本部長も1日夕、福井市内で記者会見し、「前川さんに長くご負担をおかけすることになってしまい、重く受け止めている」と語った。また、「判決を重く受け止め、警察の捜査に疑念を抱かれないよう、 緻密かつ適正な捜査に努めていく」とも述べた。
再審判決が指摘した県警による関係者供述の誘導について、「真摯に反省している」と述べ、女子生徒の遺族に対し、「未解決になったことは申し訳ない」とした。一方で、「当時に比べ、取り調べは改善が図られており、検証を行うことは考えていない」と説明。前川さんに直接謝罪するかどうかについても、意向を明らかにしなかった。
福井事件再審無罪、「重く受け止め」警察庁長官 適正取り調べ進める:朝日新聞2025.8.7
福井市で1986年に女子中学生を殺害したとして殺人罪で服役した前川彰司さん(60)の再審で無罪が確定したことについて、警察庁の楠芳伸*17長官は7日の定例記者会見で、「警察庁としても重く受け止めている」と述べ、判決をふまえ全国の警察で取り調べの適正化の取り組みを強化していく考えを示した。
◆暮らしの焦点「クロマグロの資源動向と漁獲量管理」(二平章*18)
(内容紹介)
赤旗の記事紹介で代替。「大規模マグロ漁業」については「規制強化が必要」だが、「小規模マグロ漁業」については逆に「規制が厳しすぎる」という認識のようです。
沿岸漁業者に増枠を/クロマグロ漁獲枠 紙氏が質問主意書2024.12.1
2025年からの太平洋クロマグロの漁獲枠が、12月の中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)年次会合で決定され、同年1月から実施されます。日本共産党の紙智子参院議員はこのほど、「太平洋クロマグロの漁獲枠の配分に関する質問主意書」を政府に提出し、全国の漁業経営者の9割を占める沿岸・家族漁業者に配慮した漁獲枠の増枠を求めました。
主意書で紙氏は、15年からクロマグロ漁の漁獲規制(TAC)が始まり、10年が経過したが、大規模漁業に比べ沿岸漁業者らへの配分枠が極めて少ないことから、目の前の海に来遊しても取ることができず、生活が困窮し、漁師に見切りをつけ転職せざるを得ないなどの実情があると指摘。
主意書で紙氏は、全国沿岸漁民連絡協議会(JCFU)が今年8月に開始した「沿岸漁業のクロマグロ漁獲枠の大幅拡大を求める署名」がすでに1万1755筆(10月現在)を超えていると紹介し、沿岸漁業者への配分枠の増枠を求めるとともに、スルメイカなどの不漁にあえぐ地域漁業への支援を要求。答弁書は、クロマグロについては国の資源管理基本方針に即して本年中に農林水産相が決定するとの回答にとどめ、スルメイカについては回答を避けました。
メディア時評
◆ラジオ「久米さんと報道の姿」(沢木啓三)
(内容紹介)
久米氏の訃報を受けての追悼記事。
久米氏について、過大評価はしませんが、以下のような久米氏(政府べったりではない)は一定の評価をされてしかるべきかと思います。
沢木氏も「久米氏と比較し今のマスコミの劣化(例えば報道ステーションMCの大越健介)を批判しています」が、今のマスコミMCが、こうした久米氏のような態度をどれほどやっているかどうか?
赤旗ラジオ番組 不破氏、大いに語る/国民の運動「日本社会の質変えた」/自民政治の劣化2015.12.28
26日放送のTBSラジオ番組「久米宏・ラジオなんですけど」に日本共産党の不破哲三前議長が生出演し、自民党政治の「危険水域」ぶりや主権者・国民による政治変革のうねりなどを、久米氏の質問に応じる形で大いに語りました。
しんぶん赤旗2019年7月20日付
久米宏さん、「あさイチ」に登場
「人事と予算で首根っこを握られている放送局があってはならない」
「政府を痛烈に批判する放送局があってしかるべき」
NHKの生放送で発言
久米宏 - Wikipedia参照
◆『ニュースステーション』キャスター当時、「僕は、社会党が政権を取ったら、アンチ社会党になりますから。共産党が政権取れば、アンチ共産党です。マスコミが政権と同じ所に立ったらめちゃくちゃですから。なぜ反自民かというと、政権を取っているからです。それ以外には、理由はないですね」と語っている。
◆2019年7月19日、NHK『あさイチ』の「プレミアムトーク」に出演。「NHKは独立した放送機関になるべきだ。人事と予算で、国家に首元を握られている放送局があっちゃいけない。そういう国は先進国とは言えない。絶対報道機関は独立していないといけない」などとNHK批判を展開した。
◆ジェンダー覚書:The personal is political「困難を抱える女性支援の現在地:日本共産党国会議員団による福岡調査報告」(佐藤萌海)
(内容紹介)
赤旗の記事紹介で代替。
女性支援に実効性を/仁比・白川・田村貴昭氏ら調査 要望相次ぐ/福岡 | しんぶん赤旗|日本共産党2025.12.24
◆いのちのとりで裁判・最高裁勝訴のその後:歴史的成果を足場にたたかいは第二ラウンドへ(小久保哲郎*19)
(内容紹介)
原告の最高裁勝訴判決後も、詭弁によって「支給額引き下げ*20」を画策する政府の対応が批判されている。
「政治運動による政府の引き下げ方針撤回(十分な引き上げ)」を目指すと共に、当然ながら「場合によっては再度の訴訟も考えてる」との意思表明がされているが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
◆万博工事費未払い4.3億円の衝撃:国家プロジェクトの責任を問う(辰巳孝太郎*21)
(内容紹介)
党の議席減は、支持者として実にショックで日本人の「右翼政党好き」に心底呆れ、腹立たしいですが、「若手ホープ」辰巳氏の再選はせめてもの慰めです。
辰巳氏が批判するように「万博成功」ムードを流す維新(大阪市政、府政与党)やマスコミ(特に在阪マスコミ)には「4.3億も不払いがあるのに何が成功か」という怒りを禁じ得ません。
辰巳氏が指摘するようにまずは「国、大阪府、大阪市の関わった公的イベント」なのだから「4.3億円を国、大阪府、大阪市が、(国、大阪府、大阪市でどういう分担割合にするかはともかく)下請けに対して立て替え払いし、後で元請業者へ国、大阪府、大阪市が、下請けへの支払額を払うように請求すべき(特別措置法制定などでそのような制度枠組みを作るべき)」ではないのか?
実際「過去の住専処理(住専や住専のメインバンクに任せていてはいつまで経っても問題が解決しないとして、国が設立した住専処理機構が住専の債権を買い取り、債権取り立て)」はその方法に近いわけです(最近の若者は「住専」と言っても知らない人が多いでしょうが)。
もし「そんな立て替え払いをして国、大阪府、大阪市に元請が払わなかったらどうする?」というなら『そんな無法な元請に対し、何の行政指導もしないで不払いを放置した国、大阪府、大阪市に責任がある』『下請けにツケ回しするのはおかしい』『どんな手を使っても国、大阪府、大阪市が元請から取り立てればいいだけの話ではないか?。住専処理では住専処理機構がそうしたではないか?』でしょう。
こうした「明らかな社会問題」の批判、指摘からマスコミが逃げることも「自民勝利」「共産苦戦」の一因ではあるでしょう。
そうした「異常なマスコミの権力への忖度(批判せずに逃げる)」などを無視して共産に「力不足」などと悪口する「反党分子」紙屋や松竹のような「下劣な行為」には、共産支持者として心底怒りを禁じ得ません。そもそも「共産」どころか「社民やれいわ」と比べても「政治力皆無な連中(松竹や神谷)」が自分を棚に上げて何様のつもりなのか。ふざけるのも大概にしろと言いたい。紙屋なんか「売りにしてるらしい漫画評論(紙屋自身の自己評価は高いらしい漫画評論)」にしても「神谷だけが自画自賛してるだけ」で、どう見ても世間に評価されてませんし。
文化の話題
◆日韓交流の80年:横浜美術館『いつもとなりにいるから:日本と韓国、アートの80年』展(武井利史)
(内容紹介)
ネット上の記事紹介で代替。歴史問題等で「日韓関係は現在微妙」な中、こうした企画を取り上げるのも共産機関誌「前衛」ならではと言うべきでしょう。なお、3/22まで横浜美術館で開催です(日本の展示終了後、共催する韓国の国立現代美術館(MMCA)でも5月から同様の展示があるとのこと)。
いつもとなりにいるからとは
1)日本と韓国という隣国
2)日本人と在日韓国・朝鮮人という隣人
のダブルミーニングでしょう。だからこそ「韓国で活動する韓国人芸術家」だけでなく「日本で活動する在日韓国人・朝鮮人芸術家」の展示もある。
なお、「日本と韓国」と言うタイトルで「韓国の国立現代美術館(MMCA)」との共催ですが、「北朝鮮で活動する北朝鮮芸術家」の展示はないようですが、「帰国事業で北朝鮮に渡った日本人妻たちを取材したフォトジャーナリストの林典子」「朝鮮大学校と武蔵野美大の『突然、目の前がひらけて』プロジェクト」も入っており実は「韓国」に限定はされていません。
いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年 - 横浜美術館|Yokohama Museum of Art
1章 はざまに―在日コリアンの視点
1945年の日本の敗戦により、朝鮮半島は日本の植民地支配から解放されます。しかし、日本と大韓民国の国交が正常化する1965年までの約20年間、日本と朝鮮半島には正式な国交が結ばれていない時期が続きました。展覧会の最初の章では、日本と朝鮮半島の「はざま」にいた在日コリアンを軸に、この20年間をたどります。
2章 ナムジュン・パイクと日本のアーティスト
現在、世界的なビデオ・アーティストとして知られるナムジュン・パイク(白南準)は、日本の植民地時代の朝鮮半島に生まれ、1950年に来日して、東京大学の美学美術史学科に学びました。その後ドイツ、そしてアメリカに渡り活躍しますが、パイクは日本語が堪能で、生涯にわたって日本のアーティストやクリエイターたちと親交を結びました。
3章 ひろがった道 日韓国交正常化以後
1965年、日本は朝鮮半島の南側である大韓民国とのみ、国交を正式に樹立しました。これにより、それまで公式な人や物の移動が難しかった両国間に、一気に交通が開けます。以後、日本では同時代の韓国のアートを紹介する展覧会が、規模の大小を問わず数多く開催されるようになり、韓国でも同様の動きが起こっていきます。この章では、1960年代後半から80年代を中心に、両国の同時代美術がどのように相手の国に紹介されたのかをみることで、日韓のアート界がいかに刺激を与えあっていたかを探ります。
4章 あたらしい世代、あたらしい関係
1990年、中村政人は韓国政府の国費留学生として美術大学の名門「弘益大学」に留学し、当時のソウルのアート界や、同世代のアーティストたちと繋がりを持つようになりました。この章では、1992年にソウルで開催された中村政人と村上隆による伝説的な2人展「中村と村上展」を起点に、同時代のソウルで活動をはじめていたイ・ブルの作品を紹介します。
5章 ともに生きる
韓国でながらく続いた軍事独裁政権は、民衆の力により1987年に終わりを迎えました。民主化に連帯する動きは韓国国内だけでなく、国外在住のアーティストにも広がり、アートと社会の問題がわかちがたく結びついた作品が生まれます。このような意識は現在のアーティストたちにもかたちを変えて引き継がれ、見過ごされがちな社会の問題を提起することは、いまではアートの大切な役割のひとつになっています。展覧会の最後の章は、現在、そして未来を「ともに生きる」ための気づきを、作品からみつけてほしい、そんな思いで締めくくります。
隣り合って、ともに生きていくために アートでたどる日韓の80年:朝日新聞2026.1.27
発案者は、自身も在日コリアン3世である横浜美術館の日比野民蓉(みよん)主任学芸員。
曺良奎(チョ・ヤンギュ)は、国交正常化以前の日本で、日雇い労働者として暮らしていた作家だ。「彼自身の生活の実感をもとに絵を描いていた」と日比野さん。「密閉せる倉庫」(1957年)などに描かれる人々からは、緊張感や疲労感とともにぼんやりした様子も感じられ、作家の視線で当時の暮らしぶりをうかがい知ることができるようだ。
アートに見る「ともに生きるヒント」 横浜美術館で日韓共同の企画展 [神奈川県]:朝日新聞2025.12.29
会場には、日本で日雇い労働者として働いていたチョ・ヤンギュ(曺良奎)、帰国事業で北朝鮮に渡った日本人妻たちを取材したフォトジャーナリストの林典子*22、村上隆や「映像アートの父」とも呼ばれるナムジュン・パイクら、日韓のアーティストによる約160点の作品が並ぶ。
日比野さんは大学時代から、1945年に日本が敗戦し朝鮮半島が植民地支配から解放されて以降の、日本と朝鮮半島の美術の関係史研究に遅れがあると感じていた。
研究者の数が少なく、(ボーガス注:植民地支配問題など)センシティブな問題もあり、手厚く取り上げる美術展はほとんどない。「穴」となっていた研究領域に挑戦できる機会をずっと待っていた。
実現を後押ししたのは、横浜美術館のリニューアルだった。蔵屋美香館長らと美術館の新たな理念を話し合い「多文化共生、多様性を尊重する」と決めた。
今回の展示で焦点をあてたのは、在日コリアンの存在だ。
(以下は有料記事です)
日韓のアート展共催に見る互いの距離と関係 横浜美術館学芸員に聞く:朝日新聞
牧野愛博*23
なぜこの企画を考えたのですか。
日比野民蓉(みよん)主任学芸員
美術館の学芸員として現代美術の分野に携わる機会が多く、1945年から現在までの日韓美術はどのような関係だったのか気になっていました。調べたところ、1945年から現在までの日韓美術の関係史を包括的に扱った展覧会は、一度も開催されていませんでした。美術史研究や展覧会の歴史で、まだ十分に取り組まれていない「空白」の領域になっていました。
2015年の日韓国交正常化50周年の際、当時勤務していた国立新美術館(東京都港区)が韓国国立現代美術館と、日韓の作品を紹介する企画展を実施しました。20~50代の作家のグループ展で、私が関心を持っていた1945年以前の日本が朝鮮半島を統治した時代の作品は手がけませんでした。
日韓国交正常化60周年を機に1945年以後の日本人と朝鮮・韓国人の作家がどのような関係にあり、どんな作品を生み出していたのかに焦点を当てたいと考えました。過去、1945年以後の作品に光を当てた日韓の作品展は実施されていないのが現実です。
(以下は有料記事です)
1945年以前から現代まで俯瞰したかった――日韓展企画の横浜美術館・日比野民蓉主任学芸員に聞く(上)(韓東賢) - エキスパート - Yahoo!ニュース(2026.1.27)から一部引用
日韓国交正常化60周年を記念し、韓国の国立現代美術館(MMCA)との共同で開催される本展、いったい何がどうなってこうなったのだろうと気になった。そこで、本展を企画した横浜美術館主任学芸員の日比野民蓉さんに話を聞くことにした。
韓東賢*24(日本映画大学教授)
この企画の意図、最初の発端はどんな感じだったんでしょうか。
日比野
10年前の2015年、当時は国立新美術館(新美)でアシスタントキュレーターをやっていたんですけど、新美が開館のときからやってきた現存作家を紹介する「アーティスト・ファイル」というグループ展を、海外の美術館と共同でやろうと当時の館長が提案して、ちょうど日韓国交正常化50周年でもあったし、一番近い隣国の韓国と組むことになりました。
調べてみると、1945年から現在までの、日本と朝鮮半島の美術の関係史を俯瞰したような展覧会はそれまで開かれていないということがわかりました。一方、ちょうど同じ2015年、「日韓近代美術家のまなざし:『朝鮮』で描く」(神奈川県立近代美術館、新潟県立万代島美術館、岐阜県美術館、北海道立近代美術館、都城市立美術館、福岡アジア美術館)が開かれました。
2016年から横浜美術館に移り、2021年3月から大規模改修のためまる3年間休館するという時期がやってきました。そのタイミングで館長も現在の蔵屋美香に交代し、リニューアル後のコンセプトメイキングを職員総出で始めることになったわけです。館長の指揮のもと、リニューアル後の美術館の理念は「多文化共生、多様性」っていうキーワードで行こうと決まったのですが、これはチャンスだと、もうここしかないと思い、このリニューアルの理念に合致するのはまさにこの展覧会ですというプレゼンをして、幸運にもみんなも賛同してくれました。
「となり」への興味、広がるとうれしい――日韓展企画の横浜美術館・日比野民蓉主任学芸員に聞く(下)(韓東賢) - エキスパート - Yahoo!ニュース(2026.1.28)から一部引用
韓東賢
朝鮮大学校と武蔵野美大の『突然、目の前がひらけて』プロジェクト(2015)を入れたかった一番の理由は何ですか?
日比野
やはり日本の美術館でやる以上、そこを正面からやらないとどうにもいかんだろうっていう気持ちがありました。
今のところ、好意的に受け止めてくださるものしか目にしていなくて。(ボーガス注:曺良奎(画家)、曺智鉉(写真家)、金仁淑(インスタレーション作家)、郭徳俊(現代美術家)など)在日コリアン(ボーガス注:の芸術家)をかなりの比重で取りあげているので、日本の公立美術館でなぜこんな展示?、と批判的な人や媒体があるかもしれないと思っていたのですが、今のところ本当にみなさん趣旨をよく理解してくれて、やる意義がある展覧会だというふうにおっしゃってくださっているので、そこは本当によかったと思っています。韓国のプレスも取材に来てくれていますし。
韓東賢
攻撃がないっていうのは、日本社会における排外主義的な攻撃のターゲットの変化もあるんだと思います。10年少し前くらいは在日コリアンがターゲットになっていた。2019年のあいちトリエンナーレもそうでしたよね。今回、そういう声が聞こえてこないのだとしたら、いいことか悪いことかはさておき、ターゲットが在日コリアンだった時期が終わって、今はクルドやムスリムになっている。よくも悪くも無関心というか。
◆映画『在日ミャンマー人:わたしたちの自由』(伴毅)
(内容紹介)
ネット上の記事紹介で代替。監督は『現地ルポ・パレスチナの声、イスラエルの声』(2004年、岩波書店)、『パレスチナはどうなるのか』(2007年、岩波ブックレット)、『ガザの悲劇は終わっていない』(2009年、岩波ブックレット)、『ガザからの報告』(2024年、岩波ブックレット)など、パレスチナ問題の調査報道などで知られる土井敏邦氏。
映画批評 「在日ミャンマー人 -わたしたちの自由-」 シネマ散歩 | カナロコ by 神奈川新聞2026.1.31
2021年2月1日のミャンマー国軍のクーデター。本国ではいまも抗議する国民への弾圧が続く中、在日ミャンマー人たちが祖国の自由を求めて日本での抗議を続けている。
ミャンマーからの若い女性たちが登場する。2011年の民政移管から10年の間の自由を知る世代。彼女たちは職場の長時間、重労働にもかかわらず、毎週末に地方から高い交通費を使って上京し参加していた。
実家の村が空爆、襲撃され母親と弟が殺された女性は、負傷者を救出しようとした少年が射殺された事件が弟の姿に重なり募金活動を開始。看護師の国家資格を取った女性は、支援レストランを開設し、経営と看護師の仕事に奔走する。大手企業を辞して人道支援組織をつくりタイ国境の避難民の子どもの学校を支援する女性もいる。
「祖国がよくなることが幸せ」「救いたい命がある」。
在留資格が取り消され送り返されれば、命の危険もある若者たちのそんな一途な思いが画面からはあふれ出る。
カメラは現地に取材し難民キャンプの惨状も映し出す。長年の取材から、日本とミャンマーの関係も証言であぶり出す。日本の政財界が軍政に手を貸している姿も透けてくる。民主国家を自任する日本であるなら、もう一度真摯に彼らの声に耳を傾けたい。
映画 『在日ミャンマー人 わたしたちの自由』 (26/2/1 鑑賞)|Tamotsuf2026.2.1
丁寧に一人ひとりの声に耳を傾けるスタイルのドキュメンタリーでその声の積み重ねで次第に全体像が構築されているのは素晴らしいが、いかんせん171分はこの手の作品としてはやはり長いので、ナレーションを使ったりして、編集であと20-30分縮められたんじゃないかなぁ、と感じた。
*1:日本共産党社会科学研究所所長(党幹部会委員兼務)(役職は中央委員会の機構と人事(第29回党大会)|党紹介│日本共産党中央委員会参照(以下、同じ))。著書『新しい世紀に日本共産党を語る』(2003年、新日本出版社)、『21世紀と日本国憲法』(2004年、光陽出版社)、『マルクス『資本論』のすすめ』(2021年、学習の友社)、『“自由な時間”の探求と『資本論』』(2025年、新日本出版社)
*2:東京慈恵会医科大学名誉教授(菅政権に学術会議議員の任命拒否された学者の一人)。著書『予算議決権の研究:フランス第三共和制における議会と財政』(1995年、弘文堂)、『ほんとうに憲法改正していいのか?』(2002年、学習の友社)、『学問と政治:学術会議任命拒否問題とは何か』(共著、2022年、岩波新書)、『日米核軍事同盟と憲法9条』(2025年、新日本出版社)等
*3:著書『国連その原点と現実』(1995年、新日本出版社)
*4:日本共産党経済・社会保障政策委員会責任者。著書『消費税が日本をダメにする』(2012年、新日本出版社)、『「安倍増税」は日本を壊す』(2019年、新日本出版社)
*5:下関市立大学教授。著書『現代の政治課題と「資本論」』(2013年、学習の友社)、『金融危機と恐慌』(2018年、新日本出版社)、『インフレ不況と「資本論」』(2024年、新日本出版社)
*7:桜美林大学名誉教授。著書『日本経済の構造的危機を読み解く』(2014年、新日本出版社)、『戦後日本の労使関係』(2017年、大月書店)
*8:横浜市立大学名誉教授。著書『思春期の危機を生きる子どもたち』(2001年、はるか書房)、『若者たちに何が起こっているのか』(2004年、花伝社)、『“生きづらさ”の時代の保育哲学』(2009年、ひとなる書房)、『「問題」としての青少年:現代日本の“文化‐社会”構造』(2012年、大月書店)、『人が人のなかで生きてゆくこと:社会をひらく「ケア」の視点から』(2015年、はるか書房)、『若者保守化のリアル』(2019年、花伝社)、『若者は社会を変えられるか?』(2019年、かもがわ出版)等
*11:この事件については、例えば、尾形誠規『袴田事件を裁いた男:無罪を確信しながら死刑判決文を書いた元判事の転落と再生の四十六年』(2014年、朝日文庫→『【完全版】袴田事件を裁いた男:無罪を確信しながら死刑判決文を書いた元エリート裁判官・熊本典道の転落』と改題し2023年、朝日新聞出版)、高杉晋吾『袴田事件・冤罪の構造:死刑囚に再審無罪へのゴングが鳴った』(2014年、合同出版)、山平重樹『袴田事件』(2014年、ちくま文庫)、山本徹美『袴田事件:冤罪・強盗殺人事件の深層』(2014年、プレジデント社)、浜田寿美男『袴田事件の謎:取調べ録音テープが語る事実』(2020年、岩波書店)、青柳雄介『袴田事件』(2024年、文春文庫)、粟野仁雄『袴田巖と世界一の姉』(2024年、花伝社)、小石勝朗『袴田事件・死刑から無罪へ』(2024年、現代人文社)、藤原聡『姉と弟:捏造の闇「袴田事件」の58年』(2024年、岩波書店)等がある。
*12:これについては例えば39年前の福井・女子中学生殺害、再審無罪 裁判長「申し訳ない」:朝日新聞(2025.7.18)、前川さんの再審無罪が確定 「よかったで終わらせてはいけない」 [福井県]:朝日新聞(2025.8.1)参照
*13:立法理由、立法根拠のこと
*16:警察庁長官官房国際課課長補佐、兵庫県警警備部外事課長、警察庁警備局警備企画課課長補佐、警視庁公安部外事第一課長、警視庁公安部公安総務課長、警察庁警備局警備運用部警備第三課長、警察庁警備局警備運用部警備第二課長等を経て福井県警本部長(増田美希子 - Wikipedia参照)
*17:千葉県警刑事部長、北海道警警務部長、警察庁生活安全局保安課長、千葉県警本部長、警察庁交通局長、長官官房長、次長等を経て警察庁長官(楠芳伸 - Wikipedia参照)
*19:弁護士。いのちのとりで裁判全国アクション事務局長
*20:さすがに完全な引き下げは不可能であり、一定程度は上げざるを得ませんが
*22:著書『人間の尊厳:いま、この世界の片隅で』(2014年、岩波新書)、『フォトジャーナリストの視点』(2018年、雷鳥社)、『朝鮮に渡った「日本人妻」:60年の記憶』(2019年、岩波新書)
*23:著書『北朝鮮秘録』(2013年、文春新書)、『金正恩の核が北朝鮮を滅ぼす日』(2017年、講談社+α新書)、『ルポ絶望の韓国』(2017年、文春新書)、『北朝鮮核危機全内幕』(2018年、朝日新書)、『ルポ「断絶」の日韓』(2019年、朝日新書)、『韓国を支配する「空気」の研究』(2020年、文春新書)、『金正恩と金与正』(2021年、文春新書)、『韓国大乱』(2025年、文春新書)、『金正恩・崖っぷちの独裁』(2026年、文春新書)