今日の産経ニュース(1/9分)

■【中国潜水艦】中国−マレーシアの親密化 米WSJ紙「地域におけるパワー・シフトの前兆」 フィリピンは? ベトナムは?
http://www.sankei.com/world/news/170108/wor1701080048-n1.html

 太平洋とインド洋を結ぶ海上交通の要衝を抱えるマレーシアには、これまでも中国艦船が寄港してきた。ただ、極めて機密性が高い潜水艦を受け入れたことについて専門家は、「両国のより高度な信頼関係を示す」と指摘する。
 マレーシアのナジブ首相は昨年11月に訪中し、李克強*1首相と海軍の協力強化で一致。沿岸哨戒用艦船4隻を中国から初めて購入すると発表した。
(中略)
 フィリピンは東南アジア諸国連合ASEAN)の今年の議長国を務める。昨年7月には、仲裁裁判所で南シナ海における中国の主権主張を完全否定する裁定を勝ち取ったが、外務省のマナロ外務次官は5日、今年の関連首脳会議などで「裁定は議題にしない」と言明した。
 フィリピンは中国への融和姿勢を強める一方で、ロシアにも接近し、独自の外交*2を模索中だ。ロシア海軍としてフィリピンを初めて公式訪問した太平洋艦隊のミハイロフ副司令官は3日、南シナ海での両国の合同軍事演習計画を明らかにした。
 ドゥテルテ*3大統領も6日、マニラに寄港中のロシア艦船を訪ね、「ロシアの友を歓迎する。どんな目的でも、来たいときにいつでも来てほしい」と述べ、4月の訪露に合わせた関係構築に意欲を示した。
 中国と南シナ海で対峙するベトナムは、ロシアからの潜水艦調達などで海軍の近代化を進める一方、中国との信頼関係醸成にも力を入れる。昨年10月には、南シナ海に面するベトナム中部の軍事要衝カムラン湾の国際港に、中国海軍の艦船を初めて寄港させた。
 ベトナム外務省は6日、最高指導者のグエン・フー・チョン*4共産党書記長が中国を今月、訪問すると発表。チョン氏の訪中は2015年4月以来で、習近平*5国家主席らと南シナ海問題などを協議するとみられる。

 産経にとっては不快で仕方がないでしょうが、産経流の「反中国の国」なんか何処にも存在しないわけです。


■【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】三菱マテリアルの和解はやはり「追及」の始まりだった…官民協力して真実を国際社会に知らしめよ
http://www.sankei.com/premium/news/170108/prm1701080039-n1.html
 三菱マテリアル(旧:三菱鉱業)の和解がよほど産経やよしこらウヨは気に入らないようですが、三菱からすれば「やかましいわ、手前らにああだこうだ言われる筋合いねえ」「じゃあ何か中国で反三菱デモが起こっても我慢しろってのか」「俺達は手前らウヨの言う『国益』なんぞの為に犠牲になる義務はないわ」でしょう。

 早速きたか、というのが私の感想だ。昨年12月6日、中国人元労働者と遺族27人が北京市第三中級人民法院地方裁判所)に鹿島建設を提訴した。第二次大戦中に日本に強制連行され苛酷な労働を強いられたという元労働者に謝罪し、1人100万元(約1650万円)を払えとの内容だ。
(中略)
 なぜ、日本企業への訴訟が続くのか。その理由を原告代理人の康健弁護士がいみじくも語っている。
「(原告の)92歳の元労働者は、三菱マテリアルの訴訟を巡る報道を知って自ら連絡してきた」(「日本経済新聞」電子版12月7日)。
 中国での対日訴訟を促したのは三菱マテリアルだというのだ。

 三菱が和解しなくたって「三菱相手に訴訟が起きてる」というだけで訴訟は起きたと思いますけどねえ。まあ、和解*6の事実(三菱の謝罪と一定の金銭支払いなど)は訴訟意欲を高めたかも知れませんが。そして三菱が和解しなくても和解する日本企業は今後もあり得るでしょう。よしこが名前を挙げてる鹿島建設が和解することだってあり得るわけです。
 どっちにしろ三菱からすれば「知らんがな、そんなの」でしょう。三菱はあくまでも自社にとって最善の結果を目指すだけでよしこのいう「国益」なんぞに縛られる義務はない。まあ、よしこの言う国益も所詮「彼女らウヨにとっての国益」にすぎませんが。

 訴訟で中国人側代理人をつとめた平野伸人氏*7が指摘したように、謝罪はまだ不十分だと見なされている。

 そりゃ価値観は色々ですからね。「支払金額が安い」とか色々不満はあり得るでしょう。まあ「0点」とまでは酷評してないでしょうが「100点かというそこまで行かない」「評価はするが60点程度なので100点目指して欲しい」という評価は当然あり得るでしょう。

氏は、和解は終わりではなく、追及の始まりだという見方を示す。つまり、三菱マテの和解は、(1)三菱以外の企業に広げる(中略)ための第一歩−だというのだ。

 別に平野氏の話を聞かなくても「そりゃそうだろう」と誰でも思います。
 三菱以外も強制連行で中国人、朝鮮人を働かせてるし、訴訟も起こってるわけですから(ただし三菱については「和解に応じない原告もいる」ものの一定のけりがついたわけです)。まあ、よしこはそれが気にくわないわけですが。

 集会には社民党福島瑞穂*8共産党清水忠史、本村伸子、民進党藤田幸久*9近藤昭一*10各議員が駆けつけた。

 この種のことに興味がないらしい自公、維新、日ころ、小沢自由党の議員がいない辺りがすごくわかりやすい。まあ、福島氏*11レベルを社民党が出してきたのなら他党もそのレベルを出して欲しかった気はします。共産の小池書記局長、民進の野田*12幹事長とか。

*1:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相

*2:「今まで米国に密着しすぎた」との反省から「中露など他の国との関係で米国を牽制しよう」ということでしょう。もちろんあくまでも「牽制」であって「反米」ではありません。

*3:ダバオ市長を経て大統領

*4:ハノイ市党委員会書記、国会議長などを経て党書記長

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:ただし和解してない原告も確かいます。

*7:平和活動支援センター所長、在外被爆者支援連絡会共同代表。著書『海の向こうの被爆者たち:在外被爆者問題の理解のために』(編著、2009年、八月書館)、『命つないで:在韓被爆者・金文成さん救援の記録』(編著、2010年、長崎新聞社)、『台湾の被爆者たち』、『本島等の思想:原爆・戦争・ヒューマニズム』(以上、編著、2012年、長崎新聞社)、『回想・本島等』(編著、2015年、長崎新聞社

*8:社民党幹事長、党首、鳩山内閣少子化等担当相など歴任。著書『結婚と家族』(1992年、岩波新書)、『裁判の女性学:女性の裁かれかた』(1997年、有斐閣選書)、『迷走政権との闘い』(2011年、アスキー新書)など。

*9:野田内閣で財務副大臣

*10:菅内閣で環境副大臣

*11:福島氏の場合、政界入り前から弁護士としてこの種の訴訟にタッチしていたという特殊事情がありますが。

*12:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相を歴任