2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

私が今までに読んだ本の紹介:「金田一耕助の新たな挑戦」(平成9年9月刊行、角川文庫)

・横溝正史賞受賞作家たち(佳作を含む)による、金田一耕助が活躍する短編集。 ・収録作品は以下の通り。亜木冬彦「笑う生首」 姉小路祐「生きていた死者」 五十嵐均「金田一耕助帰国す」 霞流一「本人殺人事件」 斎藤澪「萩狂乱」 柴田よしき「金田一耕助…

私が今までに読んだ本の紹介:林博史「戦後平和主義を問い直す」(2008年8月刊行、かもがわ出版)

・著者は関東学院大学教授。著書に『BC級戦犯裁判』(岩波新書, 2005年)、『シンガポール華僑粛清―日本軍はシンガポールで何をしたのか』(高文研, 2007年)、『沖縄戦―強制された「集団自決」』(吉川弘文館, 2009年) などがある。 氏のHPは http://www32…

私が今までに読んだ本の紹介(戦前日本共産党活動家紹介編)

・戦前の日本共産党活動家を紹介する本をいくつか持っているので、題名を紹介。小林栄三「不屈の知性―宮本百合子・市川正一・野呂栄太郎・河上肇の生涯」(新日本出版社) 藤田廣登「時代の証言者・伊藤千代子」「小林多喜二とその盟友たち」(以上、学習の…

私が今までに読んだ本の紹介:森雅裕「推理小説常習犯」(2003年4月刊行、講談社+α文庫)(追記あり)

・著者はミステリ作家。『画狂人ラプソディ』で横溝正史賞(現・横溝正史ミステリ大賞)佳作、『モーツァルトは子守歌を歌わない』で江戸川乱歩賞を受賞。 ・本書は、1996年にKKベストセラーズより刊行された物を文庫化したもの(文庫化に当たり加筆訂正が成…

私が今までに読んだ本の紹介:藤野豊「忘れられた地域史を歩く:近現代日本における差別の諸相」(2006年10月刊行、大月書店)

・目次は以下の通り。 序章.歴史学における地域 第一章.神奈川の水平社運動 第二章.別府・的が浜との出会い 第三章.奄美のハンセン病問題 第四章.熊本・本妙寺からの出発 第五章.「滅び行くアイヌ」像の復活 第六章.「紀元二六〇〇年」の記憶 第七章…

私が今までに読んだ本の紹介:今西一「国民国家とマイノリティ」(2000年10月刊行、日本経済評論社)

・著者は小樽商科大学教授(歴史学)。・目次は以下の通り。 第1章.西川長夫の国民国家論 第2章.国民国家論論争 第3章.馬原鉄男の部落問題研究 第4章.「自由主義史観」批判 第5章.近代日本の国民国家と部落問題 第6章.「アイヌ」史の終焉 第7章…

私が今までに読んだ本の紹介:工藤晃「エコノミスト、歴史を読み解く」(2008年3月刊行、新日本出版社)

・著者は元・日本共産党衆議院議員。経済政策担当者だったらしく、いくつか経済関係の著書(「90年代不況」、「経済学をいかに学ぶか」(以上、新日本出版社)等)があるが本書は歴史エッセイ本である。・目次は以下の通り。 1.狂言−自由、平等、理性、平…

私が今までに読んだ本の紹介:「北朝鮮版・力道山物語」(2003年3月刊行、柏書房)

・本書は北朝鮮で出版された「北朝鮮の英雄」*1力道山の伝記漫画の翻訳版。一応断っておくが、北朝鮮を理解する一つの素材として翻訳したのであって、柏書房や訳者がこの本の主張を全面支持しているわけではもちろんない。 ・反日的な部分(「民族差別で力道…

私が今までに読んだ本の紹介:南雲和夫「どう見る韓国・北朝鮮問題」(2007年10月刊行、本の泉社:追記・訂正あり)

・本書の目次は以下の通り。 第一章.新たなる誤解、拡大再生産の書:西岡力「日韓誤解の深淵」(亜紀書房)を斬る 第二章.佐藤勝巳現代コリア研究所所長の歴史認識を斬る 第三章.新井佐和子氏、豊田有恒氏、櫻井よしこ氏らを斬る 第四章.拉致問題への日…

私が今までに読んだ本の紹介:のなかあき子「北朝鮮行ってみたらこうなった」(2006年3月刊行、インデックス・コミュニケーションズ)

・著者はフリーライター(旅行関係の本が多いようだ)。 ・以前から謎の国(?)・北朝鮮に怖い物見たさ的な感情から一度行ってみたいと思っていたそうだ(別に、著者は政治的な関心はないようでそうした文章は出てこない)。*1 結婚を機に新婚旅行に北朝鮮…

私が今までに読んだ本の紹介:柳家つばめ(五代目)「創作落語論」(2009年6月刊行、河出文庫:追記・訂正あり)

・本書は新作落語(創作落語、現代落語とも本書では呼ばれている)の草分けとして知られる著者(既に故人)が自らの落語に関する考えを書いたもの。1972年に三一書房から刊行された物の復刻版。復刻するに当たって演芸評論家・大友浩と著者の弟子・夢月亭清…

新刊紹介:中村政則「『坂の上の雲』と司馬史観」(2009年11月刊行、岩波書店:追記・訂正あり)

・著者は一橋大学名誉教授。 ・以前も、「近現代史をどう見るか:司馬史観を問う」(岩波ブックレット)で、司馬の「坂の上の雲」に対する批判を行っており、本書はその続編である。*1 (なお、岩波ブックレット出版のきっかけとなったのは、藤岡信勝が司馬…

私が今までに読んだ本の紹介(奥菜秀次編)

・奥菜秀次 フリーライター。 私が持っている奥菜氏の著書は以下の通りです。 「落合信彦・最後の真実」、「捏造ジャーナリスト・落合信彦」(以上、鹿砦社)、「陰謀論の罠」(光文社) 最初の二冊は落合信彦のトンデモぶりを批判した本*1。 と学会本で好意…

新刊紹介:「歴史評論」12月号

「歴史評論」12月号(特集/ベルリンの壁崩壊から20年を経て)の全体の内容については「歴史科学協議会」のサイトを参照ください。http://wwwsoc.nii.ac.jp/rekihyo/ 以下は私が読んで面白いと思った部分のみ紹介します。(詳しくは12月号を読んでください…

放蕩息子氏のエントリやブコメに応答してみる

「で、メリットはなんですか?」 - 土曜の夜、牛と吼える。青瓢箪。http://d.hatena.ne.jp/Prodigal_Son/20091112/1257981327 基本的には、「自分に利益がなければ、その政策を支持しないというのはおかしい」「外国人参政権反対派は過去、女性や納税額の低…

新刊紹介:「前衛」12月号(追記・訂正あり)

「前衛」12月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。 http://www.jcp.or.jp/publish/teiki-zassi/zenei/zenei.html 以下は私が読んで面白いと思った部分のみ紹介します。(詳しくは12月号を読んでください)■インタビュー「カザフスタン・反…

新刊紹介:「経済」12月号

「経済」12月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。 http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/ 以下は私が読んで面白いと思った部分のみ紹介します。(詳しくは12月号を読んでください)■巻頭言「学費が動く」 (内容要約) ・タイ…

松本清張生誕一〇〇年でいろいろ(追記・訂正あり)

今年は松本清張生誕一〇〇年。それを記念してという当て込んでと言うかいろいろな物が行われている。 私が気づいただけでも ・月刊「松本清張」の刊行。 ・昨日からNHK教育の「知る楽」で各界著名人が清張への思いを語る松本清張番組が始まった。(初回は阿…

民主党について現時点でいろいろ(追記・訂正あり)

箇条書きで書いてみる(かなり悲観的)。・まず、あの党はぶれすぎである(さんざん麻生総理のブレを批判していたのに。ネトウヨのぼやきではないが、マスコミも随分と甘い気がする。「連立だから」「民主にとって初の政権交代だから」「まだ日が浅いから」…

「不毛地帯」の久松経済企画庁長官って誰がモデルなの?

余りよく読んでないし、見てもいないのだがドラマ「不毛地帯」と原作本。 あれに出てくる大川一郎総務会長のモデルが、河野一郎であることは政治に疎い私でも分かる。でも久松清蔵のモデルって誰なんだろう? 日本版ウィキペディア先生で、FX商戦時の内閣(…

誰か「金環蝕」をドラマ化すればいいのに(追記・訂正あり)

最近、「不毛地帯」*1とか「官僚たちの夏」とか、昭和を振り返るドラマが作成されているが、だったら「金環蝕」(原作・石川達三)を誰かドラマ化すれば面白いのにと思った。 建設会社(鹿島建設がモデル)と首相派閥(自民党池田派がモデル)のダム建設疑惑…

竹田恒泰氏のアパ論文がヒドイ(追記・訂正あり)

アパのHP:http://www.apa.co.jp/book_report2/index.html 論文:http://www.apa.co.jp/book_report2/images/2009jyusyou_saiyuusyu.pdf・内容も問題だが、脚注で上げられる、参考文献が美濃部達吉一冊、宮沢俊義二冊ってのもひどい(内容には既にブコメで…