はてなブログでは未来日付の記事は「原則としては」書かないことにします、他(追記あり)

【最初に追記(2019年2/15記載)】
bogus-simotukareのブログということでココログにもブログを作ったので紹介しておきます。
ただ「今のところはてなの方が書きやすい(ココログだと脚注のつけ方がよく分からない、エンターキーで改行すればはてなだとそのまま改行になるが、ココログだとそうならない)」ということではてなの方で書くことが多いかと思います。
【追記終わり】

 bogus-simotukareのブログでは未来日付の記事も書いていたのですが、はてなブログだと未来日付記事がたくさんあると、新規記事を書いてもそれが目立たず非常に見づらい気がするので、基本的には未来日付記事は書かないことにしたいと思っています。なお、この文章は2019年1月28日に書いています(これは、目立つところに置いた方がいい「お断りの文章」なので未来日付の記事ですが。なお、俺が勘違いしてるのかもしれませんが「あまり遠くの未来日付」だといろいろと作業が厄介な様なので「2019年1月28日の約1年後」にしています。しかし、当然ながら、冒頭にいつも表示される様に適宜、日付の設定は変更する予定です)。
 http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/25000101/1256334886:title(残念ながらはてなダイアリーが消滅したのでリンク切れ。sorarisu0088氏への謝罪文)ですが、id:Bill_McCrearyさんのご教示(2019年8/18)によれば結局はてなダイアリーは7月末日でなくなったそうです(事前に連絡がなかったか、連絡があったが小生が見落としていたのでしょう。それにしても全削除の決定が随分早かったなと言う気はします。もちろん停止したサービスをそのようにすることは予想できたことではありますが)。
 id:Bill_McCrearyさんご教示ありがとうございます。
 以前、

1)はてな社の方針では当面、はてなダイアリー記事は「更新やコメントはできないが」記事自体は残る
(もちろん、最終的にははてな社が「やはり削除」という方針にする可能性もゼロではないでしょうが将来的な問題はひとまずおきます。その場合、さすがにはてな社は事前広報くらいするでしょう。その場合はこちらに謝罪文を移そうとは思います)
2)はてなブログにまで過去の恥をさらしたくない(まあ俺個人のくだらない感情論ですが)
つうことで、まあこの記事での「謝罪相手」である御仁が「どうしてもブログにまで謝罪文そのものを残せ」と言ってくるならまた話も別ですが、「ここにお断りの文章を載せること」で「謝罪文そのもの」はここにはひとまず載せないことにします。

としたので「弱ったな」というのが正直な感想です。本当に「過去のはてなダイアリー」がきれいすっかりなくなっている上に、小生はこの謝罪文を別に「ワード文書など他の文書」の形で保存していません。なので謝罪文を正確に復元しようがない。
 無理に思いつきででっちあげてもかえって問題でしょう。つうことでsorarisu0088氏から「こういう文面で乗せろ」つう要望がない限り、とりあえずこのままにしておこうかと思います(こちらから彼に問い合わせるのは挑発行為と認識される危険性がある気がするのでそれはしません。彼が小生に対して何のアプローチもしなければ、今の彼にとって小生が「どうでもいい存在である」ということなのでしょうから)。「sorarisu0088氏と小生が過去にトラブって、小生が非を認め謝罪文を掲載した」ということだけはここに指摘しておくので、それでご容赦、ご勘弁願いたいと言うのが正直な感想です。

【2019年1月29日追記】
 早速、移行後、コメント設定を修正。
 コメントは通常設定だと「はてなユーザー」という設定ではてなユーザーしかコメントできないようですね(コメントするときははてなのID、パスワードでログインする)。
 当然(?)ながら「俺にとってはてなユーザーにコメント者を限定する理由がない」、というか従来コメント頂いていた方々はおそらく「ほとんどがはてなユーザーじゃない」ので「ゲスト(誰でもコメント可能)」に変更します。しかし通常設定は「ゲスト」であるべきじゃないんですかね。
 俺みたいなうっかりは「はてなユーザー設定」に気づかず、「何で移行前にコメントしてくれた方たちがコメントしてくれないんだろうな」と悲しむという皮肉なことになりかねません。いや「はてなユーザーを増やしたい」という企業の立場からは、一理ある「通常設定」でしょうけどね。
 「はてなブログーユーザーの利便性をなんだと思ってるんだ!」つう反発は感じます。

新刊紹介:「歴史評論」9月号

詳しくは歴史科学協議会のホームページをご覧ください。小生がなんとか紹介できるもののみ紹介していきます。正直、俺にとって内容が十分には理解できず、いい加減な紹介しか出来ない部分が多いですが。
特集「中世村落史研究」
◆タイトル未定(似鳥雄一*1
◆タイトル未定(高木徳郎*2
◆タイトル未定(伊藤俊一*3
◆タイトル未定(西川広平*4
◆タイトル未定(木村茂*5

*1:早稲田大学講師。著書『中世の荘園経営と惣村』(2018年、吉川弘文館

*2:早稲田大学教授。著書『日本中世地域環境史の研究』(2008年、校倉書房)、『熊野古道を歩く』(2014年、吉川弘文館)(高木徳郎 - Wikipedia参照)

*3:名城大学教授。著書『室町期荘園制の研究』(2010年、塙書房

*4:中央大学准教授。著書『中世後期の開発・環境と地域社会』(2012年、高志書院

*5:東京学芸大学名誉教授。著書『日本古代・中世畠作史の研究』(1992年、校倉書房)、『ハタケと日本人:もう一つの農耕文化』(1996年、中公新書)、『「国風文化」の時代』(1997年、青木書店)、『中世の民衆生活史』(2000年、青木書店)、『日本初期中世社会の研究』(2006年、校倉書房)、『日本中世の歴史』(2009年、吉川弘文館)、『初期鎌倉政権の政治史』(2011年、同成社)、『戦後日本中世史研究と向き合う』(2012年、青木書店)、『日本中世百姓成立史論』(2014年、吉川弘文館)、『頼朝と街道:鎌倉政権の東国支配』(2016年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『平将門の乱を読み解く』(2019年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)など(木村茂光 - Wikipedia参照)

新刊紹介:「経済」9月号

「経済」9月号について、俺の説明できる範囲で簡単に紹介します(経済8月号の次号予告によるので変更の可能性があります)。
 http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/
特集『奪われる住:住宅福祉・日本の課題』
◆コロナ禍での住まいの貧困と戦う(稲葉剛*1
◆対談「日本の住生活の貧困をどう見るか」(大本圭野*2、井上英夫*3


◆高くて住めない:若者の居住実体と家賃補助制度(小田川華子)
参考
若者の住まいの貧困――定住と漂流 / 小田川華子 / 社会福祉学 | SYNODOS -シノドス-


◆建設産業の危機に建設職人・技術者を育てる(奈良統一)
◆建築とまちづくり:住環境を守る建築家たち(片方信也*4
◆直面する住宅問題の特質と住生活基本計画の論点(坂庭国晴*5


◆座談会「ウーバーイーツの労働実態と「働き方改革」」(土屋俊明、川上資人*6笠井亮*7
◆大企業の金融重視経営への転換とアベノミクス(藤田宏)
プーチン*8ロシアの20年(下)(岡田進*9

*1:つくろい東京ファンド代表理事立教大学特任准教授、「住まいの貧困に取り組むネットワーク」世話人生活保護問題対策全国会議幹事、「いのちのとりで裁判全国アクション」共同代表。著書『ハウジング・プア』(2009年、山吹書店)、『生活保護から考える』(2013年、岩波新書)、『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために:野宿の人びととともに歩んだ20年』(2015年、エディマン)、『貧困の現場から社会を変える』(2016年、堀之内出版)、『閉ざされた扉をこじ開ける:排除と貧困に抗うソーシャルアクション』(2020年、朝日新書)など。個人サイト稲葉剛公式サイト

*2:東京経済大学名誉教授。著書『「証言」日本の住宅政策』(1991年、日本評論社)、『日本の居住政策と障害者をもつ人』(2006年、東信堂)など(大本圭野 - Wikipedia参照)

*3:金沢大学名誉教授。著書『住み続ける権利』(2012年、新日本出版社)など(井上英夫 - Wikipedia参照)

*4:著書『まちづくり構想計画』(1993年、部落研ブックレット)、『「歴史的街区」は再生できるのか』(編著、2013年、かもがわ出版)など

*5:著書『どうする住宅難時代』(1991年、学習の友社)

*6:日本労働弁護団常任幹事・事務局次長

*7:日本共産党衆院議員。党常任幹部会委員。党国際委員会副責任者

*8:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領

*9:東京外国語大学名誉教授。著書『ロシアの体制転換』(2005年、日本経済評論社)、『新ロシア経済図説』(2010年、東洋書店ユーラシア・ブックレット)、『ロシアでの討論:ソ連論と未来社会論をめぐって』(2015年、ロゴス)など

新刊紹介:「前衛」8月号

 「前衛」8月号について「興味のある内容」のうち「俺なりになんとか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
◆今月のグラビア『回天の島:「平和」を未来に』(渡辺友子)
(内容紹介)
 「回天(人間魚雷)の島」とは回天記念館 - 山口県周南市や回天訓練基地跡がある山口県大津島のことです。

参考

舞台をゆく:山口県周南市(映画「出口のない海」) 戦争の醜さ語る「回天の島」 - 毎日新聞
 天を回(めぐ)らし、戦局を逆転させる。
 第二次世界大戦末期、旧日本海軍は人間魚雷「回天」を実戦に使用した。2006年公開の映画「出口のない海」は回天の搭乗員に志願した若者たちの青春を描く。彼らはなぜ、生きて戻れない作戦に身を投じたのか。11月中旬、映画の一部のロケが行われ、「回天の島」と呼ばれる大津(おおづ)島(山口県周南市)を訪ねた。【倉田陶子】

人間魚雷「回天」の島:時事ドットコム
 山口県周南市の大津島行きのフェリー乗り場には、映画「出口のない海」の撮影で使用された人間魚雷「回天」の原寸大のレプリカが飾られている。同市の離島、大津島には戦争末期に搭乗員らが秘密裏に訓練を積んでいた基地があり、「回天の島」として知られている。開戦70周年を控えた11月末の晩秋、大津島の回天記念館を訪れた。(時事通信社山口支局・中出範尚)
 同記念館は市営で、年間来館者は約1万5000人。「出口のない海」が公開された2006年度は約2万4000人が訪れたという。
 事務長の松本紀是さん(66)から、まずは回天の開発経緯について説明を受けた。
 人間魚雷「回天」の開発の話が持ち上がったのは、ガダルカナル島などが米軍の手に落ち、戦況が悪化した1943年夏。余っていた九三式酸素魚雷を活用できないかと考えた黒木博司中尉(のちに大尉)が、仁科関夫少尉(のちに中尉)に持ち掛けたのが、端緒だった。
 「回天」と名付けたのは、呉の水雷学校の大森仙太郎校長。開発に携わっていた黒木大尉もたびたび、天を回(めぐ)らし戦局を逆転させるという意味の「回天」という言葉を使用していたという。
 人間魚雷「回天」とは何だったのか。そう問い掛けると、松本さんは「愛する者を守る真実ではないでしょうか」と答え、「一途に家族を守る、郷土、国を守ろうとした証拠や事実だったのではないかと思っています」と説明してくれた。

 そういう美化は辞めて欲しいですね。はっきりと「主観が何であれ、客観的には犬死に(無駄死に)で無意味だった」「そんなことをやらせた日本という国は気が狂っていた」と言うべきです。

『人間魚雷回天の島、大津島を訪ねて』徳山・周南(山口県)の旅行記・ブログ by ポポポさん【フォートラベル】
・このトンネルは映画「出口のない海」の撮影現場です。あの映画は実際の訓練基地で一部撮影されているんです。
・記念館の前には実物大の回天のレプリカが置かれています。
・内側からハッチを開けようとしても水圧で開きません。脱出装置はありません。本当に出口はないんです。
・上部ハッチには楠木正成の家紋で旗印「菊水」の紋が描かれていました。
 七生報国の意を表しているんだと思います。七生報国とは「七たび人と生まれて逆賊を滅ぼし、国に報いん」と言う意味で、この七生報国の精神はお国のために尊い命を投げ出して戦う言葉として特攻隊の多くの若者の間で唱えられました。


パンデミックとその後の世界(森原公敏*1
(内容紹介)
 森原氏は新型コロナ後の世界として、次のような事が問題になるであろうとしています。
1)いわゆる「新自由主義的経済観」からの脱却
 貧富の格差、(短期的な経済的価値判断からの)医療の軽視などがコロナ被害を助長したとの認識のもと、その背景にあるいわゆる「新自由主義的経済観」からの脱却と「福祉重視の国家形成」が求められるとしています。
2)「国家主義」や「強権主義」の正当化への批判
 新型コロナ対応において「頼れる物は国家しか無い」「国際的連帯など虚妄」などという「国家主義の台頭(国際連帯の軽視)」や「コロナ予防のためにはロックアウトなどの強権発動は当然だ」「経済補償を求めるなどわがままだ」などという「強権主義」正当化に対し、コロナ予防という観点においても「強権主義否定」と「国際連帯重視」こそが重要だと訴えていくことが必要としています。


感染症の歴史から学ぶ:新型コロナウイルス対策(加藤茂孝*2
(内容紹介)
 100年前のスペイン風邪や20年前のサーズ、10年前のマーズなど、過去の感染症を元とした教訓について述べられている。
 それは大雑把に言えば「ウイルスの特徴を的確に捉えた上で科学的に対処すること」であり、今回のコロナについて言えばPCR検査によって感染者をできる限り把握した上で、感染者の隔離、治療による感染予防に努めることであろう。この点、中国、韓国、台湾がPCR検査による感染者把握に全力を尽くしているにもかかわらず、日本政府がPCR検査を軽視し「三密防止」「外出自粛」ばかりを訴えていることは非常に問題である。


◆現状の景気後退をどう捉えるか、これにどう対処すべきか(山家悠紀夫*3
(内容紹介)
 Q&A方式で書いてみます。
◆ボーガス
「新型コロナによる景気後退という政府の主張についてはどう思われますか?。そして景気を改善するためにはどうしたらよいでしょうか?」
◆山家氏
 「確かに新型コロナは外出自粛という形で外食産業、観光産業、デパート、スーパーなどに悪影響を与えています。過去において、サーズ、マーズは蔓延しなかったこともあり、当初、コロナ蔓延の危険性を軽視し、現在のコロナ蔓延を招いた安倍政権は大いに批判されるべきだと思います。日本でコロナが蔓延する以前に台湾、韓国が蔓延の危機にあったにもかかわらず適切な対処で封じ込め、また当初の対処ミスで蔓延させた中国が早急な対応変更で蔓延を最小限に食い止めたとみられることを考えれば、中国、韓国、台湾を参考にすれば今のような事態はなかったのではないか。私はもちろん感染症については素人ですが、やはり多くの識者が主張するようにPCR検査の少なさが問題だと思います。PCR検査の少なさを正当化する安倍政権の対応は詭弁でしかないと思います。また最終的には世論の批判に抵抗できず、撤回したとは言えいわゆる「4日間発熱要件」もPCR検査を少なくしたいという結論ありきの何一つ合理性のないものでは無かったのか、あの要件のせいで適切な対応がされず、最悪の場合死亡したり、そこまで行かずとも不要な苦痛を味わった人間は多数いるのではないかと疑わざるを得ません」 
「また感染防止のための自粛要請(ここでは安倍政権のコロナ対応が当初からまともなら自粛要請せずに済んだのでは無いかと言うことはひとまず置きます)は、当然のこととしても、日本共産党が言うように自粛と経済補償はセットであるべきです。そもそも、当初から安倍政権がきちんと対応していれば、コロナは蔓延せず、自粛要請もせずに済んだかもしれないのに、コロナを蔓延させたあげく、自粛要請し、それで発生した経済被害は全て営業者がかぶれとは恥知らずにもほどがあるでしょう。マスコミ報道では台湾や韓国では蔓延防止が機能したため、日本ほど大規模な自粛要請はされなかったといいます(もちろん自粛要請自体はあったのですが)。」
「また、東京都の自粛要請には首をかしげる点も多々ありました。例えば、緊急事態宣言中のパチンコ店に対する態度です。私は別にパチンコファンでは無いですが、営業時間制限や入店人数制限ならともかく全面的な営業停止を求めた上、応じない店を店名公表すると恫喝する必要があったのでしょうか?。一方で今100人を超える感染者が毎日出ても、しかもそのかなりの部分が『夜の街』、つまり歓楽街であると報道されているにもかかわらず、都民に外出自粛を求めるだけで、歌舞伎町のキャバクラなどにパチンコ店のような全面的な営業停止を求め、応じない店を店名公表しないのは何故なのでしょうか?。私には小池知事には支持層におもねった不合理なパチンコヘイトと不合理な『夜の街』擁護があるようにしか見えません。パチンコ店への休業要請を正当化するなら、キャバクラなどにも全面休業を今すぐ求めるべきだし、全面休業をキャバクラなどに求めないのなら、パチンコ店に対してもアルコール消毒やマスク着用の徹底、営業時間制限、入店人数制限ならともかく全面休業まで求めるべきでは無かったでしょう」
「コロナについて言えば、100年前のスペイン風邪のように『第二波』が来るのでは無いかと警戒されています。まずは早急にPCR検査を増加すべきだと思います。第一波で『PCR検査が少なくても東京以外は収束したようだから増やさない』などと考えたら大きな間違いでしょう。なにゆえ、第一波がPCR検査が少なくても結果的に何とかなったのかはよく分かりません。そこで『三密防止と外出自粛さえすれば検査が少なくてもOK』『欧米では死者数が多いが『日本に限らず』アジアはそうでもない。アジア人はそもそもコロナに強い耐性があるのでは無いか』などと勝手に決めつけて今のままの貧弱なPCR検査体制を続けるのは無謀でしょう。そのような憶測には何ら根拠もないと思います」
「なお、新型コロナ蔓延が無ければ日本経済に問題は無かったと考えたら大きな間違いです。新型コロナ蔓延以前から日本経済が景気後退していたことは統計データから明らかです。やはりその大きな原因は消費税10%増税だったと思います。まずは消費税率を最低でも8%に戻すことです」
「ただし問題は消費税だけではありません。日本の景気が伸び悩んでいるのは、政府や企業が国民の懐を暖めようとしないからです。企業は賃金をコストとのみ考えて闇雲に減らそうとする。そんな財界に同調し、安倍政権は高度プロ制度を導入するなど賃金抑制の方向で動く。一事が万事、『企業利益を増やすためには国民の懐が寒くても仕方が無い』を政府、財界が続けてきたことが原因であり、消費税問題はそのワンオブゼムでしかありません。国民の懐を暖める政策こそが今求められていると思います」 


◆座談会『学校再開 子どもたちの安心、学びと成長のために 今求められていることを現場から考える』(大泉隆弘/岡田健太/木村智/林貴教/植田健男)
(内容紹介)
 コロナ感染予防と「子どもの学力向上」をどう両立させるかについて多岐に亘って論じられていますが、小生の無能のため紹介は省略します。
 なお、◆いまこそ20人学級制を:必要な財政量と実現可能な導入方法を提案する(山﨑洋介*4)と言う記事が別途ありますが、この座談会においても「三密防止に資する」と言う意味でもこの機会に少人数学級に向けて踏み出すべきだと論じられています。

参考
子どもたちの学び、心身のケア、安全を保障するために/学校再開にあたり緊急提言/志位委員長が発表
子どもたちの学び、心身のケア、安全を保障するために/学校再開にあたっての緊急提言/2020年6月2日 日本共産党
主張/コロナ時代の学校/少人数学級を子どもに贈ろう


沖縄県議選挙での画期的な勝利:日本共産党7人全員当選、与党過半数維持(比嘉瑞己*5
(内容紹介)
 もちろん共産党候補7人全員当選、与党過半数確保は大変嬉しいことです。ただし一方で「総議席数では与党が減少、野党(特に自民)が増加(つまり共産が議席を増やしたが他が減らしてしまった)」という点は一応「公平の観点から触れておく」必要があるでしょう。「うれしさも中くらい」と言ったところです。
 なお、公明党沖縄県議選で議席を減らしたこと(そもそも擁立人数自体をかなり抑えたこと)についても触れておきます。全国においてはともかく、沖縄においては「米軍基地問題」を理由に、公明党創価学会に失望した層が大幅に離反し、公明党創価学会の支持基盤の大きな崩壊が起こっているのではないか。もしそうであるならば、米軍基地反対派にとっては良いことかと思います。
参考
沖縄県議選 県政与党 過半数/共産党7議席 過去最高


◆シリーズ『沖縄新基地をめぐる25年をふり返る③上』くり返される米軍基地被害と日米地位協定の米軍特権(赤嶺政賢*6
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

なんだっけ/「横田空域」って?
主張/駐留費の負担協議/米軍への「思いやり」廃止こそ
日米地位協定の改定を/沖縄県議会 とぐち議員が代表質問
地位協定改定を迫れ/井上氏 米軍基地の環境汚染指摘
主張/在日米軍とコロナ/感染情報の提供と公表直ちに


◆コロナ禍「監視社会」を形成した新自由主義国家:司法制度改革から教育改革への支配構造分析(久保田貢*7
(内容紹介)
 「司法制度改革から教育改革への支配構造分析」という副題については無能のため特に論じません。まあ、非常にアバウトに平たく言えば自民党政権下での司法制度改革や教育改革は久保田氏の認識では「新自由主義理念に基づく監視社会化」に親和的であり手放しでは評価できないという話です。
 で「コロナでの監視社会」つうのは要するに例の「自粛警察」とか言う奴です。確かに、コロナが深刻な今、無神経に夜の街に行ったりするのは問題でしょうがそれが「自粛警察」という「日本版紅衛兵」「日本版ヒトラーユーゲント」じゃどうしようもねえだろ、て話です。


◆「食料・農業・農村基本計画」は農業危機を救い食料自給率向上を図れるか(柳重雄)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

主張/農業の基本計画案/「安倍農政」の転換が不可欠
農業基本計画基軸に/紙氏「中小・家族経営応援を」
攻めの農政に変質/紙氏、新たな基本計画を批判


◆暮らしの焦点『新型コロナ禍を生き抜く中小業者のたたかい』(中山眞)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

新型コロナウイルス対策/中小企業・業者支援早く/2団体が政党・政府要請
主張/中小業者の家賃/支援策の実行を一刻も早く
建設中小零細に補償を/コロナ禍、現場作業止まる/4土建が首相あて署名提出
家賃支援給付 直ちに/田村智子氏 要件見直し迫る
持続化給付金 申請手続き改善を/全商連が経産省に要請/藤野氏が同席


◆暮らしの焦点『コロナ禍の障害のある人や支援事業所の状況と課題』(川田孝二)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

コロナ 施設運営厳しい/党埼玉県議団と障害者団体懇談
主張/コロナと障害児者/権利条約が求める施策が急務


◆論点『再処理工場の「合格」も「稼働」もあり得ない』(谷崎嘉治)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

原燃再処理工場「合格」/規制委 未確立技術 必要性もなく
原燃再処理工場「審査」は問題外/志位委員長が表明
主張/再処理工場「合格」/核燃料サイクルからの撤退を
核燃サイクル転換を/六ケ所再処理工場 リスク予測不十分/藤野議員ただす


特集『新しい検定教科書をどう読むか』
◆新学習指導要領のもとでの中学校教科書のいくつかの問題(鈴木敏夫*8
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介などで代替。

社会科で領土問題記述増/中学校教科書の検定結果公表

子どもと教科書全国ネット21
【談話】新学習指導要領のもとでの中学校教科書検定結果について(2020年4月6日:子どもと教科書全国ネット21事務局長 鈴木敏夫
Ⅱ 個別教科の問題について
1 社会科 歴史
(1)領土問題では政府見解を詳しく書き込ませている
 2014年の「解説」の改定で、北方領土に加え、竹島尖閣諸島についても「我が国固有の領土」などと明記され、今回は指導要領にも記載された。政府見解や尖閣諸島竹島編入の経緯も書くように「解説」に盛り込まれ、ほとんどの教科書で「固有の領土」と書かれ(中略)ている。
 北方領土について、「(日本としては)2島の返還に要求をしぼって交渉する方針も検討」(教育出版・公民)と書いたところ、「生徒が誤解する恐れのある表現である」との検定意見がついて、「2島」がなくなり、「進展する見通しがなかなか立ちにくい状況が続いています」と書き換えさせられた。文科省は(ボーガス注:安倍政権が少なくとも一時期、明らかに二島先行返還論にシフトしていたことを無視し)「2島返還を表明した政府見解や閣議決定はない」と強弁しているが、領土問題で外交交渉の紆余曲折に触れることも許されない、政府の外交宣伝文書になっており、教科書にはふさわしくない。
(3)育鵬社以外の教科書の植民地支配や沖縄戦の記述
 3)沖縄戦の問題
 「山川」のみ「集団自決」を取り上げていない、として沖縄の「9・29県民大会決議を実現する会(「実現する会」)」が3月25日に声明を出し、「適正な記述に改めること」を強く求めている。
2 社会科 公民
(2)育鵬社憲法改正にいっそうシフト
 育鵬社は、これまでも憲法改正に都合のよいデータや新聞記事を載せてきたが、憲法学習のまとめページに「改憲案」を載せ、議論させるAL(アクティブラーニング)コーナーを新たに設けるなど一層改憲への誘導を強めている。例えば、憲法9条について、「『戦力は保持しない』と書かれているため、自衛隊違憲かもしれないといわれている」を「課題」に設定し、「改正案」として「9条1項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込み、自衛隊の存在を憲法上にしっかり位置づける」と安倍首相の主張と同じ記述をしている。憲法の遵守義務がある首相の発言、ないし特定の政治家の主張に検定意見がついていないのも恣意的である。
(3)東京書籍は憲法改正の記述を増やす
 小学校の社会科で、安倍首相の写真と「改憲論議呼びかけ」の記事を載せていたが、中学でも国民主権の節で「憲法改正」の小項目を設け、三権分立を扱う節に『首相、改憲議論加速に意欲』という新聞記事を安倍首相の写真入りで掲載し、さらに国会の役割を扱う節で「憲法審査会と憲法の改正」というコラムを設け、改正手続をより詳しく解説するようになった。憲法改正が急がれる課題であるかのような認識に誘導するものであり、国民世論の現状に照らしても肯定できないものである。
3「特別の教科 道徳」
(1)“問題満載”の日本教科書
①特徴的な「題材」
 侵略戦争を美化する育鵬社「歴史・公民」教科書と深いつながりのある「日本教育再生機構」の理事長らが設立した会社が発行した日本教科書は、前回指摘した問題がそのまま残っている。「植民地の人たちのために尽くしたよい日本人もいた」とする『大地―八田與一の夢』、日本人教師6人が台湾統治反対者に殺された中で、多くの日本人が教師として台湾へ渡り、「日本人が教えてくれた」という感謝が残っているという『芝山厳(しざんがん)事件』。
 日本人も20人亡くなっているが、日本軍の報復で約1500人の台湾人が殺され、約一万戸が焼かれている。
 真珠湾長岡市の花火『白菊』が、「犠牲者への慰霊」を込めて打ち上げられたという「和解」と「寛容」の話。この題材にかこつけて安倍首相の真珠湾での演説を載せ、アジア・太平洋戦争を日米の戦争の枠で、日米は死闘したが、その後アメリカの寛容で、未来への和解をおこない強固な日米同盟となったとするなど、日米同盟賛美につなげていた。さすがに今回、安倍首相の演説はカットされた。

 道徳の教科書で「八田與一は台湾人に感謝されています」て社会科*9ならまだしも「アホか」「どんだけ戦前日本大好きなんだよ、手前(呆)」ですよねえ。別に八田も現地住民のためにやったわけじゃないし、「動機が何でアレ、八田の造ったダムは現地のために役立ってる」つうなら「チベット鉄道だって役立ってるから中国政府にチベット人は感謝すべき」ですが、そう言ったら「この中国の犬め!」「チベット人を馬鹿にするな!」とか激怒するんだろうなあ。
 まあ、それはともかく「敵(中国)の敵は味方」で「蔡英文」が愚かにも、安倍など日本ウヨにへいこらするから「八田與一は台湾人に感謝されています(つくる会)」になるわけです(そういう人間としてすべきでない、恥ずかしい行為をせざるを得ないほど、蔡がいわゆる『断交ドミノ』などで習近平主席に政治的に追い詰められてると言うことでもありますが)。全く蔡のようなバカは「この間の総統選」で「めでたく」落選してれば「俺的にメシウマ」で良かったのですがねえ。
 蔡英文並みの「日本ウヨに媚びる品性下劣なバカ」としては他に「尖閣募金&靖国参拝ラビア・カーディル(元世界ウイグル会議総裁)とか『最終目標は天皇の処刑:中国「日本解放工作」の恐るべき全貌』(2012年、飛鳥新社)なんてデマ本出版するペマ・ギャルポとかがいますけど。以前「チベットウイグルも、ラビアやペマみたいな日本ウヨに媚びる品性下劣なバカがでかい面してるんだから本当にどうしようもないバカだな」と言う趣旨のことを書いたらid:Mukkeという御仁が「チベットウイグルに失礼だ」「そんなことより、むしろ中国を批判しろ」とか抜かすので「あいつら明らかに日本ウヨに媚びるバカやないか、バカをバカと言って何が悪い」「お前どんだけチベットウイグルに甘いんだよ(呆)」と思ったことがありましたっけ。


◆ここが問題! 育鵬社歴史教科書(平井美津子*10
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

子どもと教科書全国ネット21
【談話】新学習指導要領のもとでの中学校教科書検定結果について(2020年4月6日:子どもと教科書全国ネット21事務局長 鈴木敏夫
Ⅱ 個別教科の問題について
1 社会科 歴史
(2)歴史事実をゆがめ日本国憲法の価値を否定する育鵬社教科書
 日本の明治以降の戦争や植民地獲得、支配について歴史的事実をゆがめ正当化する記述をしている。また、戦後廃止された大日本帝国憲法を美化し、日本国憲法の制定過程をゆがめ日本国憲法の価値をおとしめている。
日露戦争
 日露戦争での日本の勝利について「同じ有色民族が、世界最大の陸軍国・ロシアを打ち破ったという事実は、列強の圧迫や、植民地支配の苦しみにあえいでいたアジア・アフリカの民族に、独立への希望をあたえました。インド独立の父ネルーや、中国革命の指導者孫文は、日本の勝利がアジア諸国にあたえた感動を語っています」と書いている。他の教科書は、日露戦争後の日本の韓国併合に、ネルー孫文が失望し日本に対する批判を強めたことにも言及しているが、育鵬社はこうした都合の悪いことには触れていない。
② アジア太平洋戦争
 アジア太平洋戦争について「日本は、この戦争を『自存自衛』の戦争としたうえで、大東亜戦争と名付けました」「(大東亜会議)以降,アジアの国々を欧米による植民地支配から解放し,大東亜共栄圏を建設することが,戦争の名目として,より明確にかかげられるようになりました」などとのべ、小見出しにも戦時中に日本が唱えた戦争の名である(大東亜戦争)をわざわざ併記している。このまま読めばアジア太平洋戦争はアジアを植民地から解放する自衛戦争と誤解させる内容になっている。
大日本帝国憲法日本国憲法
 大日本帝国憲法については「国民は法律の範囲内で、言論や集会、信仰などさまざまな自由が保障される」と書くが、実際には国民の自由、権利が侵害された事実は書かず、その上「この憲法は、アジアで初めての本格的な近代憲法として内外ともに高く評価されました」と述べて一面的に大日本帝国憲法を賛美している。一方、日本国憲法については、「GHQは日本側の改正案を拒否し、自ら全面的な改正案を作成して、これを受け入れるよう日本側に強く迫りました」「議会審議では……議員はGHQの意向に反対の声を上げることができず、ほとんど無修正のまま*11採択されました」と述べるが、後段の記述は日本国憲法の審議過程で多くの修正が加えられた事実を無視し、事実と異なる記述となっている。前段の記述では、当初の日本政府側の改正案とGHQ改正案の内容にまったくふれず、どちらが当時の国民の支持を得たかという事実を無視して、もっぱらGHQから押しつけられた憲法であることを強調することによって、日本国憲法のもつ歴史的価値を見失わせるものとなっている。

 まあ、これが検定合格ですからね(呆)。「ネルー孫文日露戦争の日本勝利に感動云々、大東亜戦争自衛戦争だのアジア解放戦争だの、明らかなデマやないか。文科省の修正意見がつかないってどういうことや!」ですよねえ。
 これで一方で自由社が不合格ってのは誰が考えても「育鵬社自由社の扱いが、ダブスタすぎて酷い」「育鵬社バックアップと自由社潰しが露骨すぎ」て話です。
 「自由社が不合格だから、文科省反日左翼(つくる会の強弁)」なんて話では明らかに無い。文科省つくる会の言う「反日左翼」だったらこんな記述は絶対に認めない。まあ反日左翼も何もこんな記述はデマですし、「極右」安倍政権下の文科省反日左翼のわけもないですけど。


ジェンダー覚書―The personal is political『ジェンダー平等委員会連続講座の取り組み』(飯田洋子*12
(内容紹介)
 ジェンダー平等委員会連続講座の取り組みの紹介。
 内容的には

浅井春夫 - Wikipedia*13氏による講演(テーマ:性教育
◆塚原久美氏*14による講演(テーマ:リプロダクティヴ・ライツ)

とのこと。


メディア時評
◆テレビ:「テラスハウス」をめぐる痛ましい事件*15(沢木啓三)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。しかしフジサンケイグループの腐れカスぶりにはいつもながら呆れます。フジサンケイグループはとっとと滅亡しろ、そう思います。他にも「あるある大事典ほこ×たてのやらせ」とか不祥事常習ですからね、あそこ。

木村花さん母が告白 娘が明かしていた「テラスハウス」の“やらせ”《遺したLINEには…》 | 文春オンライン
 5月23日に22歳の若さでこの世を去った女子プロレスラーの木村花さん。母親の響子さん(43)が、「週刊文春」の取材に応じ、「テラスハウス」(フジテレビ系/Netflix)の炎上シーンを巡って、花さんがスタッフから指示を受けていたと証言した。花さんのスマートフォンには、響子さんの証言通り、「やらせ」を裏付けるLINEのメッセージが多数残されていた。
 響子さんは、今回告白を決意した理由をこう語る。
「このままだと花の死が『暴力的な女子が男性に乱暴を働き、SNSの批判を苦にして自殺した』というストーリーで片付けられてしまう。真相は全然違うんです。彼女はスタッフの指示通り、ヒール役に徹しただけ。せめて花の名誉を回復してあげたい」

『テラスハウス』木村花さんへの「やらせ指示」はやはりあった! フジのリアリティショーでは過去にもやらせと自殺者が|LITERA/リテラ
 やはり、「やらせ」はあった。
 リアリティショー『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』(以下『テラスハウス』)にも出演中だった女子プロレスラー・木村花さんの死をめぐり、重大な事実が発覚した。「文春オンライン」のスクープ速報によると、花さんの母・響子さんが、『テラスハウス』の炎上シーンについて「スタッフから指示を受けていた」と明日発売の「週刊文春」(文芸春秋)に証言したのだ。
 花さんの死をめぐっては、『テラスハウス』内での花さんの言動について、SNSで激しい攻撃を受けていたことが死に追い込んだのではないかとされ、ネット・SNS上での誹謗中傷だけに議論が集中してしまってきた。
 しかし、本サイトでは、当初より、そもそもこうした花さんに対する誹謗中傷を引き起こしたのは『テラスハウス』というリアリティ番組の責任が大きいと指摘し、今回の木村花さんの死については、まずリアリティショー『テラスハウス』の問題を検証する必要があると訴えてきた。
 とくに、花さんの「命より大事」な思い出のプロレスのコスチュームを、男性共演者が洗濯機の誤操作で縮ませてしまったことに花さんが激怒した場面。このシークエンスは「コスチューム事件」などと名付けられ、もっとも非難と攻撃の的となっていたが、この「コスチューム事件」をめぐる経緯を検証すると、フジテレビが木村花さん攻撃を煽ったという側面が見られた。
 また、リアリティ番組をめぐってはこれまで何度も「ヤラセ」が大きな問題になってきた。実際、この『テラスハウス』シリーズをめぐっても、過去にも「演出」「やらせ」が取り沙汰されたことが何度もある。
 今回も、トラブルや悪者を登場させることで視聴者の劣情を刺激し番組を盛り上げたいという製作側の恣意によって、花さんは「悪者」に仕立て上げられていたのではないか。花さんを悪者扱いするような「やらせ」や「過剰な演出」がなかったのか。
実際、『テラスハウス』シリーズをめぐっては、過去にも「演出」「やらせ」が取り沙汰されたことが何度もある。
 まず最初に『テラスハウス』のやらせ疑惑を報じたのは、2014年3月18日号の「FLASH」(光文社)。ギャラは月に30~40万円で、スタッフの意向を受けて告白したりキスしたりした際にはそれぞれ手当として5〜10万円が支給されているという内容だった。つづいて同じ2014年の5月には「週刊文春」(文藝春秋)が、「現場に複数いるスタッフの振り付けにより展開が決まる」とし、さらには過去の出演者であるグラビアアイドルの筧美和子がスタッフから「バストを鷲掴み」されるなどのセクハラ行為も受けていたと伝えた。
 出演者自身が実名で「やらせ」を告白したこともある。2015年に公開された映画『テラスハウス クロージング・ドア』にも出演していたOL兼グラビアアイドルの松川佑依子が、2015年12月にブログでグラビア引退の理由を明かすのだが、そこで『テラスハウス』撮影中のセクハラ被害とやらせを示唆する告白をし、大きな注目を集めた。
 しかも、松川は『テラスハウス』映画版で菅谷哲也などの男性らを見事に手玉にとる“悪女”として登場していたが、今回のブログでは〈嫌な役もやったし嫌われてるかなーと思ったけど〉と、悪女という役回りを引き受けていたとも取れる記述も。つまり、「台本は一切ございません」という『テラスハウス』に演出があったことを匂わせていたのだ。
 さらに問題なのは、こうして何度もやらせやセクハラを指摘されながら、フジテレビはまともに検証をしてこなかったことだ。2014年の「週刊文春」の報道の影響か、『テラスハウス』は突如いったん終了するのだが、当時のフジテレビの亀山千広社長はやらせを否定。結局、何事もなかったように、その後、劇場版が製作され、さらには新シリーズも放送された。
 しかも、これは『テラスハウス』だけの問題ではない。古くは一世を風靡した『進め!電波少年』(日本テレビ)内の「ユーラシア大陸ヒッチハイク横断旅行」での飛行機使用から、放送倫理・番組向上機構BPO)から「重大な放送倫理違反があった」と厳しい意見が出され(ボーガス注:フジが番組制作を中止し)た『ほこ×たて』(フジテレビ)、最近だと(ボーガス注:TBSが番組制作を中止した)『クレイジージャーニー』(TBS)の問題まで、テレビ業界ではリアリティショーにおけるやらせが横行してきた。『テラスハウス』と同様に恋愛を扱ったリアリティ番組『あいのり』(フジテレビ、1999〜2009年放送)、TOKIOが司会をつとめ、1999〜2003年まで放送されていた高視聴率リアリティ番組ガチンコ!』(TBS)など、数々の番組で「素人出演者」がやらせの実態を告発している。
 今回同様、リアリティ番組が最悪の結果を生んでしまったのが、『愛する二人別れる二人』(フジテレビ、1998〜99年放送)だ。
 この『愛する〜』は、素人の夫婦が登場して不満をぶつけ罵り合い、結婚を継続するか離婚を決意するかを選択するという内容。ときには夫婦が感情を爆発させてつかみ合いの喧嘩になったり、愛人が登場するなど、中身が過激になるほど視聴率はうなぎ登り状態となっていた。だが一方で、週刊誌では出演者やスタッフであるリサーチャーらによるやらせ告白も噴出。ニセ夫婦の"仕込み"から、妊婦という設定の女性がじつは妊娠していなかったりなど、疑惑のオンパレードだった。そして、ついには番組にやらせ出演していた女性が自殺していたことが発覚。このことがスポーツ紙で取り沙汰されると、フジテレビは番組打ち切りを決定した。しかし、こんな大きな事態を招いても、フジテレビ側が打ち切りの理由として認めたのは、自殺した女性が出演したとき夫婦ではない男性を「夫役」としたことのみだった。
 木村花さんをめぐっても、木村さんを悪者扱いするような「やらせ」や「過剰な演出」がなかったのか。あるいはセクハラ被害はなかったのか。ネット・SNSの規制以前に、番組の問題を検証するのがまず先だろう。
 こうした検証抜きにして、同じような番組がつくられ素人参加者が悪者に仕立て上げられれば、いくらネットやSNSを規制したところで、今回のような悲劇がなくなることはないだろう。
 テレビでは、木村さんの死をセンセーショナルに取り上げ、「ネットやSNSの誹謗中傷問題」にしてしまっているが、『テラスハウス』問題に踏み込む報道はほとんどない。フジテレビはもちろんのこと、リアリティショーとやらせの問題は、上述のように『テラスハウス』やフジテレビだけの問題ではないため、他局も触れたくないのだろう。しかし、だからこそ、テレビ業界は真剣にテレビの責任に向き合うべきだ。フジテレビのワイドショーが「SNSの誹謗中傷に著名人も怒りの声!」などと責任転嫁して報じているのは、神経を疑う。
 フジテレビをはじめテレビ局は、責任転嫁でネット・SNS規制を叫ぶ前に、一人の人間を死に至らしめた経緯をただちに検証するべきだ。

演出に従わせる誓約書 テラハ、出演者と交わす :日本経済新聞
 フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演したプロレスラーの木村花さん(22)が、視聴者らから誹謗中傷を多数受けた後に死去した問題で、制作側がスケジュールや演出を含む撮影方針に従わせる誓約書を出演者側と交わしていたことを、同局が3日、定例会見で明らかにした。
 フジによると、誓約書には「スケジュールや撮影方針(演出、編集を含む)に関して、全て指示・決定に従う」との項目があった。誓約内容に違反して制作に影響が出た場合、出演者側が1話分の制作費を最低額とする損害賠償を負う内容も盛り込まれていた。
 フジは「無理強いなどはない」「感情表現をねじ曲げるような指示はしていない」とし、「演出とは段取りなどのことで、スタッフの言うことを全て聞かなければならないということではない」と強調した。フジは事実関係の検証のため関係者の聞き取りなどを進めている。
 一方、木村さんの母は、花さんが「(スタッフに)1のことを100にして盛り上げてほしいって言われて。(誹謗中傷を受けたシーンは)スタッフにめっちゃあおられた」と話していたと週刊文春に明かし、今週ツイッターで「ひとりでも多くのひとに真実を知ってほしいです」と訴えた。
 「テラスハウス」は男女6人のシェアハウスでの共同生活を映す番組で「台本のない日々」が売り。木村さんが同居男性とのトラブルに憤ったシーンを巡り、SNS(交流サイト)上で匿名の誹謗中傷が集中。5月23日、「毎日100件近く率直な意見。傷付いたのは否定できなかったから」などとツイート後、死去した。自殺とみられている。死去後、フジは番組を打ち切った。

 「演出に従わせる誓約書」とはやらせを認めるのと同じでしょう。
 「演出はあったが了解済みだ、強要はしてない(だから自殺の責任はない)」で逃げる気なのでしょうが、全く姑息で卑劣なフジテレビです。どこまでも恥知らずな連中です。まずはご遺族に謝罪したらどうなのか。ご遺族が怒りを募らせ週刊文春を舞台にフジ批判をエスカレートさせるのも当然と言うべきでしょう。

「テラスハウス」検証結果まとまり次第公表 フジテレビ - 産経ニュース
 フジテレビは3日、同局で放送していた「テラスハウス TOKYO 2019-2020」に出演していた女子プロレスラーの木村花さんが会員制交流サイト(SNS)で非難*16を受けた後に死去*17した問題で、作業を進めている検証結果がまとまり次第、公表する方針を明らかにした。
 同日行われたフジテレビの遠藤龍之介社長の定例会見で、大多亮常務が明かした。


文化の話題
◆映画『コロナ禍のもと繋がった輪』(児玉由紀恵)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

小規模映画館を救って/プロジェクトが要望書公表
救え!ミニシアター コロナ休業 存続の危機/命を考える ドキュメンタリーで発信/支援の署名 なくてはならない映画館
映画守れ 署名6.7万人/ミニシアター 支援求め政府に要請
文化・芸術へ支援を/「復興基金」創設求める/超党派議連 要望
横浜 ミニシアター再開へ/良い映画届け続ける/支援で危機乗り越えた
“文化の灯消さない”/小池氏、映画・演劇関係者と懇談/太秦社長ら


◆演劇『新型コロナ禍と演劇鑑賞会』(水村武)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

演劇緊急支援プロジェクトよびかけ/未曽有の危機 乗り越えたい/日本劇団協議会会長・演出家 西川信廣さんに聞く


◆スポーツ最前線『女子サッカーが示す「前向きの価値観」』(和泉民郎)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

サッカー女子プロリーグは「WEリーグ」 - 産経ニュース
 日本サッカー協会は3日、オンラインで会見を開き、来年秋に開幕する女子プロリーグの名称を「WEリーグ」とすることを発表した。「WE」は「Women Empowerment」の略で、「女性の活躍」を意味する。日本協会の田嶋幸三会長は「日本代表を強化し、女性の社会進出や男女平等も促進させたい」などと述べた。
 「なでしこリーグ」はアマチュアとして存続。プロリーグには興行面の不安もあるが、女子新リーグ設立準備室の佐々木則夫室長は「平均観客数は初年度に5千人、10年構想で1万人を目指す」と述べた。

WEリーグ参入なら「役職員の50%は女性」義務化…真の“女性活躍”へ厳格基準(ゲキサカ) - Yahoo!ニュース
 日本サッカー協会(JFA)は3日、2021年9月に開幕する日本初の女子プロサッカーリーグ『WE LEAGUE(ウィー・リーグ)』の設立発表を行った。初年度6~10チームとなる参入クラブの選定基準では、クラブ運営法人の役職員の50%を女性(入会から3年以内に要達成)とし、役員にも最低一人は女性を登用するよう義務化。日本国内の男女格差の問題を踏まえ、女性の社会進出を促進するための制度設計に踏み切った。
 JFAの今井純子女子委員長も「さまざまなところで女性活躍がうたわれているが、なかなか機能して実施されていない。私たちのリーグでは確実に実行していきたい」と宣言。
 WEリーグでは、男子のJリーグでは定められていない最低年俸制も採用される見込みが明かされた。近年、国際的な選手組合にあたる国際プロサッカー選手会(FIFPro)によっても女性選手の待遇が悪すぎると指摘されており、世界的な関心事となっている問題だ。
 設定される最低年俸の目安は大卒の初任給程度。今井委員長は「十分とは考えていないが、最低年俸を設定することに非常に大きな意味がある」とした上で、「年俸が男性と同じになるかどうかはいかにリーグの価値を高め、たくさんの人に見ていただいて、応援していただけるか。それが結果についてくる。価値を上げていきたい」と賃金平等に向けても意欲を示した。

女子プロサッカー代表理事に岡島喜久子氏 「女の子の憧れに」(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
 日本サッカー協会は9日、2021年秋に始まる国内初の女子プロリーグ「WEリーグ」の初代代表理事に、外資系金融機関で勤務経験のある岡島喜久子氏(62)が就任すると発表した。代表理事の呼称は性別の区別のない「チェア」となる。
 岡島氏は1979年度の第1回全日本女子選手権(現皇后杯)で優勝経験があり、日本協会の傘下にあった日本女子サッカー連盟事務局長も務めた。
 岡島氏は日本協会を通じ、「サッカーをしている女の子たちの憧れの存在にする。サッカーを通じて日本中の女性が元気になるようなメッセージを発信していきたい」とコメントした。

呼称は「チェア」WEリーグ初代トップに岡島喜久子氏が就任! JFA通じて決意表明 | ゲキサカ
 岡島チェアはJFAを通じて以下のコメントを発表している。
「WEリーグのチェアを拝命した岡島喜久子です。私は1972年から中学校の男子サッカー部で練習を始め、同じ年にFCジンナンという日本初の女子サッカークラブでプレーし、幸いなことに日本代表にも選ばれました。その後、日本女子サッカー連盟の理事、事務局長として関わらせていただいたわけですが、日本の女子サッカーの幕開けを経験した私が、初めてのプロ化という日本の女子サッカーの新たな一歩を共に踏み出せることを嬉しく思います。
 WEリーグのチェアとして、実現したいことが二つあります。まず、プロのWEリーガーの姿を、サッカーをしている女の子たちの憧れの存在にすること。アメリカでは、女子サッカーの試合にはユニフォームを着た少女プレーヤーがチームメートやコーチと観戦に来ていたり、お嬢さんがサッカー選手だとひと目で分かるファミリーがたくさんいます。サッカーをしている女の子たちをはじめ、さまざまな人々にプレーを見に来てもらうことを大切にしていきたいと考えています。
 そしてこのリーグのもう一つの役割は、リーグ名にも込められている『Women Empowerment』です。日本の女子プロスポーツが発展することは、女の子たちの夢の限界をなくす一つの象徴になると考えています。あらゆる業界で頑張っている女性たちが集う『場』としてコミュニティをつくりながら、サッカーを通じて日本中の女性が元気になるようなメッセージを発信していきたいと思います」

サッカー豪代表で男女平等賃金が実現、画期的な新協約を締結 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
 オーストラリアサッカー連盟(FFA)が6日、男子代表と女子代表の受け取る報酬が同じになる画期的な契約を選手側と結ぶことを発表し、スポーツ界の男女平等に向けた記念すべき一歩だと誇った。
 新たな契約システムの下では、サマンサ・カー(Samantha Kerr)やエリー・カーペンター(Ellie Carpenter)といった女子代表のスター選手の受け取る報酬が、アーロン・ムーイ(Aaron Mooy)やマット・ライアン(Mat Ryan)といった男子代表の重鎮と同じになる。国際親善試合や国際大会で移動に使うフライトも、男子と同じビジネスクラスに格上げされる。

CNN.co.jp : もう「女子」リーグとは呼ばない、サッカー協会が名称変更 フィンランド
 フィンランドサッカー協会は両性の平等を目指す立場から、女子サッカー最上位リーグの名称から「女子」を外し、今シーズン始めから「カンサリネン・リーガ(ナショナル・リーグの意味)」に改めると発表した。
「スポーツ界では一般的に、スポーツと女子スポーツという言い方をする。まるで後者の方が価値が低いかのようだが、もちろんそんなことはない」。
 フィンランドサッカー協会のヘイディ・ピハラヤ氏はそう指摘する。
「誰がボールを蹴ろうと、サッカーはサッカーだ。名称の変更は大したことではないと思う人もいるかもしれないが、これはスポーツ界と我々の社会における、もっと大きな文化的変化の象徴だ」
 同協会は昨年、フィンランド代表チームの選手は男女の賃金を平等にすると発表していた。

*1:著書『NATOはどこへゆくか』(2000年、新日本新書)

*2:著書『人類と感染症の歴史』(2013年、丸善出版)、『続・人類と感染症の歴史』(2018年、丸善出版

*3:著書『偽りの危機 本物の危機』(1997年、東洋経済新報社)、『日本経済 気掛かりな未来』(1999年、東洋経済新報社)、『「構造改革」という幻想』(2001年、岩波書店)、『景気とは何だろうか』(2005年、岩波新書)、『「痛み」はもうたくさんだ!:脱「構造改革」宣言』(2007年、かもがわ出版)、『暮らしに思いを馳せる経済学』(2008年、新日本出版社)、『日本経済 見捨てられる私たち』(2008年、青灯社)、『暮らし視点の経済学』(2011年、新日本出版社)、『アベノミクスと暮らしのゆくえ』(2014年、岩波ブックレット)、『日本経済30年史』(2019年、岩波新書)など(山家悠紀夫 - Wikipedia参照)

*4:著書『いま学校に必要なのは人と予算:少人数学級を考える』(2017年、新日本出版社

*5:沖縄県議(日本共産党

*6:衆院議員。日本共産党沖縄県委員長。日本共産党幹部会委員(赤嶺政賢 - Wikipedia参照)

*7:愛知県立大学准教授。著書『教室で語りあった戦争責任』(1997年、かもがわ出版)、『ジュニアのための貧困問題入門』(編著、2010年、平和文化)、『知っていますか?日本の戦争』(2015年、新日本出版社)、『考えてみませんか、9条改憲』(2016年、新日本出版社

*8:子どもと教科書全国ネット21事務局長

*9:もちろん社会科でも、こんな「植民地統治全面美化」は問題だと思いますが

*10:子どもと教科書大阪ネット21事務局長。著書『原爆孤児』(2015年、新日本出版社)、『「慰安婦」問題を子どもにどう教えるか』(2017年、 高文研)、『教育勅語と道徳教育』(2017年、日本機関紙出版センター)、『サンフランシスコの少女像』(2018年、日本機関紙出版センター)

*11:教科書ネット21が指摘するように「ほとんど無修正」は明らかに嘘です。よくもまあ文科省も修正意見を付けずにこのまま通過させたもんです。

*12:日本共産党ジェンダー平等委員会事務局次長

*13:立教大学教授。性教育関係の著書に『性をはぐくむ』(1993年、あゆみ出版)、『子ども虐待と性教育』(1995年、大修館書店)、『セクシュアル・ライツ入門』(2000年、十月舎)、『子どもの性的発達論「入門」 』(2005年、十月舎)など

*14:著書『中絶技術とリプロダクティヴ・ライツ』(2014年、勁草書房

*15:もちろん木村花さんの自殺のこと

*16:アレは非難と言うより「誹謗中傷」でしょう。フジサンケイの姑息さにはいつもながら呆れます。これが日テレ(読売新聞系列)やTBS(毎日新聞系列)、テレ朝(朝日新聞系列)やテレ東(日経系列)での不祥事なら糞味噌に罵倒してるでしょうに。

*17:はっきりと「SNSの誹謗を苦にした自殺」と書かない辺りがあまりにも姑息です。「いつものことですが」フジサンケイはどこまで恥知らずでクズなのか。「フジテレビの番組制作が誹謗中傷を助長し、ひいては木村さんを自殺に追い込んだ疑いがある」からこその検証作業でしょうに。番組と自殺に何の関係も無ければ検証などやる必要はそもそもありません。これではどこまでまともな検証をやるのか、疑問符がつきます。とはいえフジテレビが「SNSの誹謗を助長し自殺を招いたのはフジでは無いのか」「フジによるやらせはなかったのか」「番組の検証をすべきだ」など、高まる批判を逃げ切れず「とにもかくにも」番組の検証作業をすると表明したことは前進ではあります。

新刊紹介:「歴史評論」8月号

・詳しくは歴史科学協議会のホームページをご覧ください。小生がなんとか紹介できるもののみ紹介していきます。正直、俺にとって内容が十分には理解できず、いい加減な紹介しか出来ない部分が多いですが。
特集「人道と人権の歴史学
◆人道と人権:歴史的視座の課題と展望(牧田義也*1
(内容紹介)
 舘論文以降の各論をとりまとめる総論的内容です。
 政治的中立性や博愛主義をモットーとする赤十字運動によって人道主義が「人権主義」と共通点があるもののイコールでは無く、政治的中立性や博愛主義を必ずしも前提とはしない人権主義とは「微妙にずれがあること」が指摘されています。


◆中立勢力による戦時の人道活動:第一次世界大戦期のスイスと赤十字国際委員会に着目して(舘葉月*2
(内容紹介)
 第一次大戦下での「中立国」スイスや赤十字国際委員会の人道活動が紹介されています。
 米英仏独伊ロシアという欧米主要国が敵味方に分かれて争い(最も国際法違反行為が多かったのはドイツの毒ガス使用と見なされているが)、お互いに大なり小なり国際法違反行為が行われた戦争(つまり全く道徳的に真っ白の国という物が無かった戦争)、それも長期間に亘る戦争においては、スイスや赤十字の人道活動には一定の限界がありましたが、とは言え一定の成果はあり、赤十字国際委員会は1917年のノーベル平和賞を受賞します。
 そして戦後も赤十字の人道活動は一定の進化を遂げていくわけです。


◆戦略としての人道主義:占領下パレスチナの人権運動(佐藤雅哉*3
(内容紹介)
 米国のクエーカー教徒が1974年にパレスチナに設立した東エルサレム法律扶助センターの活動が取り上げられています。
 タイトルの「戦略としての人道主義」というのが重要なポイントです。
 つまり、「内心、クエーカーがそう思っているのか」、「パレスチナ人への法律扶助、法律支援を『PLOなどのイスラエル批判運動』への協力として否定的に見なすイスラエル政府へのエクスキューズか」はともかくセンターの法律扶助行為については「合法的な形でパレスチナ人の権利を擁護すること」で、パレスチナ人が自暴自棄となり、テロ活動に参加していく事態となることを抑止し、その結果としてイスラエルの治安を守り、中東の平和を維持し、ひいては米国の国益にも資するという「戦略としての人道主義人道主義パレスチナ人だけでは無くイスラエルや米国の国益にもなる)」という形でクエーカーによって活動内容の説明がされたと言うことです。
 これは裏返せば、
1)そうした説明によってセンターが「イスラエル政府が、政府批判的な活動と見なし敵視する活動への法律扶助が出来なくなる」恐れがある
2)そうした説明に対し、「センターは微温的だ」「結局、イスラエル統治を正当化している」などとしてパレスチナ過激派の攻撃、非難を受ける恐れがある
というリスクも一方ではありますが、イスラエル政府と完全に敵対関係になれば活動がほとんど不可能になるという意味で「不可避の選択であった」と評価されています。
 もちろんこれは「占領下パレスチナでの人道活動」に限った話ではありません。NGONPOの人道活動が「現地政府に歓迎され、利害対立が全くない」のならともかく、「占領下パレスチナでの人道活動」のように、「支援対象者が現地政府に迫害されている人間である場合」など、人道支援が必然的に現地政府への批判的色彩を帯びざるを得ない場合、人道活動が現地政府の利害と対立し、現地政府の妨害すら危惧される場合にどうすべきかという話です。
 その意味で人道主義活動における「中立性」というのはそれほどナイーブな話では無いと言うことです。中立性に過度にこだわれば、結局「何も出来ないこと」になりかねません。とはいえ中立性を全く無視することは現地政府との対立を生み、活動が全面的に不可能になることにもなりかねません。


◆対峙する人道と人権:欧州・キューバ難民への就労強制(小滝陽*4
(内容紹介)
 1940年代の欧州への難民(ドイツの迫害によるユダヤ難民など)、1960年代の革命キューバから米国への難民に対する「就労強制」が取り上げられています(こうした問題は生活保護受給者への就労強制の問題とも共通する面があるでしょう。あるいは北朝鮮から韓国への脱北者についても同様の就労強制の問題があると聞きます)。
 つまりは
1)「いくら難民だからと言って働かないで、国から経済支援を受けるなんて国民として納得がいかない。税金には限りがある。難民にも就労を原則として義務づけるべきだ」と言う意見と
2)「弱い立場の難民に就労を義務づけるのは道徳的にいかがな物か」という意見の対立です。
 こうした問題は
ア)1970年代以降の欧米諸国での財政危機と、それに基づきいわゆる新自由主義的政治主張が強まること(1980年代のレーガンサッチャー、中曽根など)
イ)ソ連崩壊(共産主義体制に対する資本主義体制の勝利?)によりキューバ難民や脱北者を手厚く保護する必要が薄れたという主張が強まること
によって「2)の主張を完全には無視しないが」1)寄りの方向で解決されてきたが、今も2)のような批判が続くホットな論争問題であると指摘されています。


◆歴史の眼:明治150年の総括『地域の/地域からの『明治150年』:新潟からの取り組み』(田邊幹)
(内容紹介)
 新潟県立博物館職員として、企画展『戊辰戦争150年(福島県立博物館仙台市博物館との共催)』に取り組んだ筆者がその取り組みから感じたことを述べています。
 なお、筆者は「新潟と明治維新戊辰戦争」というと、司馬遼太郎の小説『峠』に描かれた河井継之助小泉首相所信表明演説でも取り上げられ、山本有三が小説に描いた『米百俵』の逸話から、長岡藩に着目される傾向があるが、新潟には長岡藩とは別に高田藩新発田藩があり、これらの藩は長岡藩とは違った価値観や利害関係から動いた点に注意が必要であるとしています。
 筆者の認識では新潟県全体としては長岡藩に着目するイベントが多かったが、上越市高田藩のあった高田市は、1971年に直江津市と合併し、現在は上越市高田)、新発田市において、高田藩新発田藩に着目する傾向がさすがに強かったとのこと。

参考

夏季企画展「戊辰戦争150年」(終了しました) | 新潟県立歴史博物館公式サイト
 戊辰戦争で「朝敵」とされ「負け組」となった会津藩、長岡藩をはじめとする奥羽越の各藩も、その根底にはそれぞれの思想があり、単純に旧幕府軍として戦争に突入したわけではなく、降伏後の処分や復興過程も含め様々な状況がありました。本展覧会では戊辰戦争とその後について、列藩同盟を中心に新潟・東北の視点から紹介します。
 なお、本展覧会は新潟県立歴史博物館、福島県立博物館仙台市博物館の共同企画展覧会です。展示資料は各地域の戊辰戦争ゆかりの資料も展示するため、各会場で若干異なります。ぜひそれぞれの会場でお楽しみ下さい。

戊辰戦争150年:上越で特別展 高田藩、葛藤の軌跡 資料70点で紹介 /新潟 - 毎日新聞
 江戸から明治に大きく時代が動いた150年前、国内を二分した戊辰戦争高田藩はどう臨んだかを振り返る特別展「高田藩戊辰戦争」が、上越市の市立歴史博物館で開かれている。譜代大名の誇りと朝廷の権威との板挟みになりながらも、徳川家の存続と戦争回避の方針を掲げ、高田藩として筋を通して決断した軌跡と、その影響を市内外の資料約70点で紹介している。

戊辰戦争と高田藩:明治150年・上越で展示会 資料6点 「勅書・御請書」や「味噌・香の物献納の達」など /新潟 - 毎日新聞
 明治維新期の戊辰戦争から150年を迎えたことを記念して、上越市公文書センターが高田図書館(同市本城町)で、北越戊辰戦争の出前展示会「戊辰戦争高田藩」を開いている。9月2日まで。
 戊辰戦争倒幕派(新政府)と幕府派が1868(慶応4)年1月の鳥羽・伏見の戦いから1869(明治2)年5月の箱館戦争まで繰り広げた一連の戦いを指す。このうち越後国内での戦いは北越戊辰戦争と呼ばれ、上越地域は倒幕派、中下越地域が幕府派についた。

朝日新聞デジタル:会津の隣 2藩が選んだ道 - 福島 - 地域
 新潟県新発田市に今年開館した市立歴史図書館で企画展「戊辰戦争150年 新発田藩 新たな時代との出会い」が開かれている。
 越後の戦いの最中に新政府軍についた新発田藩は、会津などで長く「裏切り」と評されてきた。しかし、同図書館の鶴巻康志さん(53)は「様々な情報をもとに、ぎりぎりの選択をして城下が戦火に巻き込まれることを防いだ。この判断は後世に誇るべきことだと思う」と話す。
 情報収集の一端をうかがわせるのが「窪田平兵衛在京日記」。京都で他藩の藩士や公家らと交流して、そこで得た情報を国元や江戸藩邸に送り、朝廷に藩の考え方を伝える役も担った家老窪田平兵衛の日記だ。
 この文書を解読し、活字にした新発田古文書解読研修会の大沼長栄会長(69)は、10代藩主溝口直諒(なおあき)が隠居後、尊王の考え方を説いた本「報国説」をまとめたことを挙げ、「新発田藩では朝廷を尊ぶ気持ちが領民まで浸透していた。『裏切り』ではなく、元から尊王の思想が強かったのだ」と話した。

ふたつの新潟・私録沼垂新潟興亡記【北越戊辰戦争~「新発田に嫁をやるな」】: 散財さんの完全散財!
 長岡藩と新政府軍は、根拠地・長岡城を奪っては奪い返される攻防戦の末、中心人物だった河井継之助も負傷し撤退。すでに制海権を確保していた新政府軍は、上陸戦を狙い、新潟に接近していました。
 上陸地点は太夫浜。今の阿賀野川河口の東側、ちょうどいまの新潟港のあたりです。ここは新発田藩の領地であり、当然のことながら新発田藩が防衛を担当していました。
 ここから新政府軍は上陸。新発田藩は、これに抵抗しませんでした。この時点で新発田藩は列藩同盟を抜けて、新政府側に荷担したのです。
 新潟は政府軍の攻撃によって陥落し、長岡・新潟の二つの拠点を失った同盟軍は、会津へと撤退。この撤退戦の途上で、戦傷を負っていた河井は死亡。戦場は会津へと移ります。
 客観的に見る限り、裏切ったと言われても仕方がない立ち回りをした新発田藩ですが、『そもそも新発田藩はもともと列藩同盟への参加は乗り気ではなく、会津藩からの度重なる恫喝と圧力によって、やむなく列藩同盟に加わったが、それは本意ではなかった』というのが、新発田側の見解のようです。
 とはいえ、(ボーガス注:最終的には奥羽越列藩同盟に参加したが、当初は)武装中立を宣言した長岡藩にしても、この新発田藩にしても、どちらにせよ自分達が生き残る方策を取るのが最優先であり、この時点までに旗幟を鮮明にしていない勢力は、程度の差こそあれ、新政府と旧幕府の両方を天秤にかけていたはずです。
 はっきりしていることは、新発田領内を戦火から救った新発田藩の行動ですが、多大な損害を出した長岡藩からは、明確な裏切りと見なされたと言う事です。
 「新発田に嫁をやるな」と言う言葉は、このときの長岡士族の言葉です。会津の女傑である新島八重は、会津戦争の仇だった薩摩長州を生涯許さなかったそうですが、長岡の新発田に対する怒り、憤りは、それに劣らぬほど根深いものだったのだと思われます。


◆書評:谷口雄太『中世足利氏の血統と権威』(2019年、吉川弘文館)(評者:亀田俊和*5
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

中世足利氏の血統と権威 - 東京大学文学部・大学院人文社会系研究科
・本論文は、中世後期(南北朝期~戦国期)の日本で、足利氏とその一族(足利一門)が尊貴な存在であると、室町幕府・足利将軍側のみならず、広く全国の大名・武士側からも思われていたことを明らかにし、かかる武家間における価値観の共有によって、戦国期においてもなお足利氏を中心とする秩序(「足利的秩序」)は維持されたと見通すものである。
 内容は、足利一門のなかでも、とりわけ別格の家格を誇る吉良*6・石橋・渋川の三氏(「足利氏御一家」「足利御三家」)を具体的に検討する第Ⅰ部「足利氏御一家論」と、足利氏を頂点とし、足利一門を上位とする武家儀礼的・血統的な秩序意識・序列認識の形成・維持・崩壊の各過程を総体的・理論的に考察する第Ⅱ部「足利的秩序論」からなる。
 将軍(足利氏)を中心とする幕府支配のなかで、将軍一門(足利一門)が大きな役割を果たしたことは、既に指摘されて久しい。こうした足利一門を総体的に追究し、決定的に重要な成果を残したのが、小川信である。小川は、足利一門のなかでも、特に将軍に次ぐ政治的・軍事的権力をもって足利氏を支えた三管領(斯波氏・畠山氏・細川氏)を徹底して分析した。それは、氏自身もいうように、江戸幕府でいえば、大老・老中首座にあたる幕府きっての要職の追究である。
(中略)
  以上の諸点を踏まえれば、幕府・将軍の藩屏となった足利一門について、小川とは別の角度・側面からのアプローチも必要となってくるだろう。すなわち、足利一門のなかでも、特に将軍に次ぐ儀礼的・血統的権威をもって足利氏を支えた「足利氏御一家」の分析である。それは、江戸幕府でいえば、徳川御三家にあたるものの追究である。近世において徳川将軍を権力面で支えた大老・老中のみならず、権威面で支えた御三家の研究が必須であるのと同様、中世において足利将軍を権力面で支えた三管領のみならず、権威面で支えた御一家の研究が不可欠と考える所以である。
 この御一家とは、具体的には吉良・石橋・渋川の三氏のことを指している。だが、これまでの足利氏・足利一門研究は、権力面からのアプローチが中心であったため、権力的に強大ではない御一家についての分析は不足していたといわざるを得ない。確かに権力面から見れば弱小だが、権威面から見れば三管領と同等以上の家格を有した者が御一家である。かかる存在を無視してよいとは思われない。
 では、御一家はいつ幕府内部に誕生したのか。また、なぜ吉良・石橋・渋川の三氏だけが特別だったのか。さらに、彼らは戦国期には都を離れて各地で生き残ることとなるが、戦国大名たちはこの三氏をどう見ていたのか。本論文第Ⅰ部は、数ある足利一門のうち、どうして吉良・石橋・渋川の三氏のみが御一家の地歩を築けたのか、この疑問を解きほぐすべく、まず吉良氏(第一章・第二章)、次いで石橋氏(第三章)・渋川氏(第四章)の個別的研究を行い、そのうえで御一家の総論を展開する(第五章)。そして、御一家全員と深く関係するとともに、本来御一家の資格も有していた三管領筆頭斯波氏についても検討することで、第Ⅰ部の議論を補完しつつ、御一家と三管領の比較も行う(付論一)。
 なお、足利氏を中心とする中世後期の武家社会を考えるうえでは、京都足利氏(将軍)=西国の分析だけでは不十分である。東国には関東足利氏(公方)を頂点として、西国からは自律的な独自の秩序が存在した。
 本論文で扱う御一家も、京都足利氏・関東足利氏のもとで、東西に存在した。それゆえ、関東吉良氏を第一章で、関東渋川氏を第四章の一部で、関東御一家を第五章の一部で取り上げる(なお、石橋氏は関東にはいない)。
 さて、こうした「御一家」だが、史料の収集を進めていくと、この言葉には二つの異なる意味合いが存在していたことに気付く。一つは「狭義の御一家」ともいうべきもので、本論文第Ⅰ部で検討した吉良・石橋・渋川の三氏のみを指す使われ方、もう一つは「広義の御一家」ともいうべきもので、足利一門全体を指す使われ方である。同じ御一家という史料用語であっても、意味する研究概念は異なっていたのである。この点、既存の研究では混用されてきたが、分析のうえでは腑分けする必要のあることから、以後、前者は「足利御三家」、後者は「足利一門」と呼ぶこととする。
(中略)
 足利御三家・足利一門の権威は、結局、足利氏の権威によって保たれていたのであるから、最後に検討すべきは、この足利氏の権威そのものについてである。本来鎌倉幕府の一御家人として相対的な尊貴性しかもたなかったはずの足利氏は、いかに絶対的な貴種性を獲得し、なぜ戦国期になっても「武家の王」として認められるにいたったのか、その権威獲得と存続のプロセスを追究する(第八章)。そのうえで、足利氏を頂点とし、足利御三家を最上位とし、足利一門を上位とする秩序意識・序列認識(足利的秩序)の形成・維持・崩壊の各過程について最終的に議論を整理し(第九章)、おわりに、本論文全体の結論と展望を示すこととしたい(終章)。


◆書評:高野信治*7『武士神格化の研究』(2017年、吉川弘文館)(評者:岸本覚*8
(内容紹介)
 豊臣秀吉豊国大明神として祀る豊国神社 (京都市) - Wikipedia徳川家康東照大権現として祀る日光東照宮 - Wikipediaなどをとり上げ、近世日本での「武士の神格化」について論じている。
 なお、「単純な比較は慎むべき」としながらも「秀吉、家康など実在の人物を神として祀る近世の神社」が

西郷隆盛を祀る南洲神社 - Wikipedia
◆「軍神」広瀬武夫を祀る広瀬神社 (竹田市) - Wikipedia
◆「旅順攻囲戦の功労者」児玉源太郎満州軍総参謀長)を祀る児玉神社 (藤沢市) - Wikipedia乃木希典(第3軍司令官)を祀る乃木神社 (東京都港区) - Wikipedia
◆「日本海海戦の功労者(連合艦隊司令長官)」東郷平八郎を祀る東郷神社 (渋谷区) - Wikipedia

といった「実在の人物を神として祀る明治以降の神社」に影響を及ぼした可能性が指摘されている。
 また、「蜀の武将・関羽」を祀る関帝廟 - Wikipediaなど、中国文化が「秀吉、家康など実在の人物を神として祀る近世の神社」に影響を与えた可能性も指摘される。

参考

山本五十六 - Wikipedia
 山本の生家は長岡空襲で焼失し、現在は山本記念公園となっている。山本*9が戦死した際、東郷神社などの前例にならって「山本神社」を生家に建立して、山本の遺徳を称えようという関係者の動きがあったが、米内光政*10や井上成美*11、堀悌吉*12など山本と親しい関係にあった海軍幹部たちが「山本は自分が神様にされるのを一番嫌っていた。そんなこと(神社建立)をしても山本は喜びません」と言って猛烈に反対した為、山本神社建立話は沙汰やみになったという。

なぜ徳川家康は「神様」になったのか 『徳川家康の神格化』 | J-CAST BOOKウォッチ
 『徳川家康の神格化』(平凡社)という本を見つけた。2019年10月に刊行されたばかり。
 著者の野村玄さんは1976年生まれ。大阪大学大学院文学研究科准教授。専門は日本近世史。『日本近世国家の確立と天皇*13』『天下人の神格化と天皇*14』などの著書がある。
 結論から言うと、家康が神になったのは豊臣秀吉の影響が大きい。本書は次のように記す。
 「天下人の神格化に関する直近の先例が豊臣秀吉のみであったことは事実」
 「すなわち、もし当時、天下人家康の神格化が比較的早い段階から現実味を帯びて検討されていたならば、秀吉の例を意識しないことのほうが想定しにくい」
 家康側近の僧は、家康が亡くなる直前に太政大臣への任官を進言している。背景には「現任の太政大臣だった秀吉が豊国大明神として祀られた例を意識した可能性」があるという。野村さんには『豊国大明神の誕生』(平凡社)という著書もあるので、得意の分野だろう。
 たしかに秀吉は1599年、「豊国大明神」という神号で祀られた。ところが1615年に豊臣家が滅亡すると、徳川家康の意向により後水尾天皇の勅許を得て豊国大明神の神号は剥奪される。豊国神社も徳川幕府により事実上廃絶された。家康は豊臣再興の芽を徹底的につぶしたのだ。
 このことは、家康没後に神号を決める際にも参照された。「大明神」と「大権現」の二案があったが、「大明神」は豊臣で使われている、豊臣は滅亡しているので、「大明神」は良くない、「大権現」にすべきだということになったようだ。こうして家康は「日光大権現」になる。


◆書評:鬼嶋淳*15『戦後日本の地域形成と社会運動』(2019年、日本経済評論社)(評者:沼尻晃伸*16
 大井医院(現在の医療生協さいたま・大井共同診療所)創設者、「埼玉民医連及び全国民医連」の創設メンバー、日本共産党埼玉県議を歴任した大島慶一郎など、「最大与党・自民党」「最大野党・社会党」ばかりに注目するあまり、従来、あまり研究されてこなかった社会運動家を取り上げている点が評価されている。

*1:上武大学講師

*2:武蔵大学准教授

*3:愛知県立大学講師

*4:関東学院大学講師

*5:著書『室町幕府管領施行システムの研究』(2013年、思文閣出版)、『南朝の真実:忠臣という幻想』(2014年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『高師直:室町新秩序の創造者』(2015年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『足利直義』(2016年、ミネルヴァ日本評伝選)、『観応の擾乱室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い』(2017年、中公新書)など(亀田俊和 - Wikipedia参照)

*6:吉良氏というのは忠臣蔵で有名な吉良上野介の祖先に当たる名家です。

*7:九州大学教授。著書『近世大名家臣団と領主制』(1997年、吉川弘文館)、『藩国と藩輔の構図』(2002年、名著出版)、『近世領主支配と地域社会』(2009年、校倉書房)、『大名の相貌:時代性とイメージ化』(2014年、清文堂出版)、『武士の奉公・本音と建前:江戸時代の出世と処世術』(2015年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『近世政治社会への視座:〈批評〉で編む秩序・武士・地域・宗教論』(2017年、清文堂出版)など(高野信治 - Wikipedia参照)

*8:鳥取大学教授

*9:海軍航空本部長、海軍次官連合艦隊司令長官を歴任

*10:戦前、林、第一次近衛、平沼、小磯、鈴木内閣海軍大臣や首相を歴任。戦後も東久邇宮、幣原内閣で海軍大臣

*11:海軍省軍務局長、海軍航空本部長、海軍次官など歴任

*12:海軍省軍務局長、第1戦隊司令官、日本飛行機社長、浦賀船渠社長など歴任

*13:2006年、清文堂

*14:2015年、思文閣出版

*15:佐賀大学准教授

*16:立教大学教授。著書『工場立地と都市計画:日本都市形成の特質1905‐1954』(2002年、東京大学出版会)、『村落からみた市街地形成:人と土地・水の関係史 尼崎1925‐73年』(2015年、日本経済評論社

新刊紹介:「経済」8月号

「経済」8月号について、俺の説明できる範囲で簡単に紹介します。
 http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/
世界と日本
◆中国全人代でコロナ禍対策(平井潤一)
(内容紹介)
 今年の5月22~28日に行われた全人代においてコロナ対策(感染予防、治療、コロナ不況の阻止)が重要なテーマだったことが触れられています。
 なお、「可決は6月末で、原稿に反映させることが、時間的に間に合わなかったこと」から平井論文では取り上げられていませんが、全人代と言えば、6月末に全人代常務委員会が香港国家安全維持法を可決したこともここで一応指摘しておきます。
 なお、5月の全人代においては香港問題について、

中国、国家安全法制定方針を採択 全人代閉幕 香港へ統制強化(写真=AP) :日本経済新聞
 北京で開いた全国人民代表大会全人代、国会に相当)は(ボーガス注:5月)28日、反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の制定方針を採択して閉幕した。中国が国家安全に関する機関を香港に設置して直接取り締まりができるようになる。香港で言論の自由が中国本土並みに制限され、高度な自治を認める「一国二制度」が形骸化するとして、米国や香港の民主派は反発を強めている。

全人代2020:閉幕 中国「国家安全法制」可決 香港の民意、無力化 - 毎日新聞
 香港の統制を強化する「国家安全法制」の新設(ボーガス注:方針)が(ボーガス注:5月)28日に決まった。中国の全国人民代表大会全人代=国会)は「国家の主権と統一」を守るために不可欠な措置だと正当化。一方、香港では「1国2制度の死に等しい」と、抗議活動が再燃する。
 28日午後3時10分(日本時間同4時10分)過ぎ。北京の人民大会堂で香港の「国家安全法制」の新設(ボーガス注:方針)が圧倒的多数で可決されると、マスク姿の全人代代表約3000人が、30秒を超える長い拍手で支持を表明した。

香港に国家安全法を導入 中国全人代が閉幕:東京新聞 TOKYO Web
 北京で開かれていた第十三期全国人民代表大会全人代=国会に相当)第三回会議は(ボーガス注:五月)二十八日、反政府活動を禁止する国家安全法を香港に導入する方針を採択して閉幕した。採決で賛成票は99・7%に達した。李克強(りこくきょう)首相は閉幕後の記者会見で、「香港の安定した繁栄を守るための措置であり、一国二制度は守っていく」と同法導入を正当化した。
 国家安全法は、共産党政権の転覆や中国分裂活動などを禁じる。さらに「外国勢力が香港に干渉することに断固反対する」とも規定。香港に新設される出先の治安機関を通じて、中国政府が香港で法執行を直接行う可能性もある。高度な自治を保障した「一国二制度」が破壊されるとして、香港では反発の声が上がっている。
 採決では賛成が二千八百七十八人、反対が一人、棄権は六人だった。来月以降、全人代常務委員会が立法作業を進め、九月に行われる香港立法会(議会)選挙までに施行される見通しだ。

中国全人代、香港への国家安全法制導入を採択し閉幕 - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
 中国の第13期全国人民代表大会全人代)第3回会議は28日午後、審議されていた「香港が国家安全を守るための法制度と執行メカニズムに関する決定」を採択して閉幕した。国家政権転覆行為などを禁じた「国家安全法」を香港に導入するためのもので、今後は全人代常務委員会が実際の法律を制定する。8月中にも施行されるとの見通しが伝えられており、香港の民主派は高度な自治を認めた「一国二制度」の崩壊につながると強く反発している。

新型コロナ:中国、香港に「国家安全法」導入方針決定 全人代閉幕 (写真=ロイター) :日本経済新聞
・北京で開いた全国人民代表大会全人代、国会に相当)は(ボーガス注:5月)28日、反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の制定方針を採択して閉幕した。
・北京の人民大会堂習近平*1(シー・ジンピン)国家主席らが出席して採決し、賛成2878、反対1、棄権6で可決した。方針には「外国勢力が香港に干渉することに断固反対し、必要な措置をとって反撃する」と明記。中国の分裂や共産党政権の転覆、組織的なテロ活動、外部勢力による内政干渉を禁止する。「中央政府の機関が香港政府に組織を設置し、国家安全に関連する職責を果たす」とした。
李克強*2(リー・クォーチャン)首相は全人代後の記者会見で「決定は一国二制度を確保して香港の長期繁栄を守るものだ」と述べた。
・6月にも全人代常務委を開き、立法作業を進める。9月に香港立法会(議会)の選挙を予定しており、夏までに成立させるとの見方が強い
・2019年には香港に逃げた容疑者を中国本土に引き渡せるようにする「逃亡犯条例」を巡り香港でデモ活動が長期間続いた。このため習指導部は香港政府が自力で国家安全に関する立法措置を進めるのは難しいと判断し、自ら制定に乗り出した。
 習指導部は香港基本法の例外規定を使い、中国本土の法律を直接適用する立法措置をとる。国家安全法の施行で、香港の抗議活動への締めつけがさらに厳しくなるのは確実とみられる。

として具体的な方針までは示されていませんが、香港デモに対して早急な法的対抗措置が必要とはされました。
 法可決前に執筆されたとみられる平井論文も全人代5/28決定について「全人代5/28決定がどのように具体化されるのか(あるいは香港や欧米の反発を危惧して具体化されないのか)、今後の動向が注目される」としています。可決の動きがあまりにも速かったため「動向が注目される」とする平井論文の論調は論文発表時には「法が可決された」現実とずれてしまいましたが。
 平井論文の論調(今後の動向に注目)からも分かりますが、5/28の決定(早急に香港デモ対応立法を制定して、香港デモ派を政治的に圧倒する)があったからと言っても、6月末の法可決は香港民主派にとって予想以上の「中国側の早い対応だった」といえるでしょう。とはいえ、5月28日の全人代決定を考えれば、香港民主派がなすすべも無く「6月末の法可決」を許したのはやはり「習近平指導部の決意を甘く考えていた重大な失策」と言うべきでしょう。

参考

全人代開幕 中国、成長率目標見送り/コロナ対策で特別国債発行/会期を短縮
 中国の国会に相当する全国人民代表大会全人代)の第13期第3回会議が22日、北京の人民大会堂で開幕しました。李克強首相は政府活動報告の冒頭、新型コロナウイルスへの対応について「感染症対策は大きな戦略的成果を収めている」と強調。今年の経済成長率目標については「世界の感染状況と経済・貿易情勢の不確実性」を理由に発表を見送りました。
 新型コロナ対策では「公衆衛生緊急対応管理などの面で多くの脆弱(ぜいじゃく)部分が表面化し、大衆の一部の意見と提案を重視すべきだ」とも表明。初動対応の遅れなどへの批判を一定受け入れる姿勢を見せました。感染症対策として1兆元(約15兆円)の特別国債の発行を表明しました。
 経済成長をめぐっては、都市部での新規就業者数を900万人以上とすると約束。874万に達する大学新卒者に対し雇用を促し、大学と地元政府に対しては、持続的な就業サービスの提供を求めました。
 李首相は「貧困脱却は『小康(ややゆとりある)社会』の全面的建設のために必ずやり遂げなければならない任務だ」と強調。貧困救済措置の実施強化や再貧困化した人に対するモニタリング・救済メカニズムの完備と実行を掲げました。
 同日全人代に提出された予算案によると今年の国防予算は前年比6・6%増の1兆2680億500万元(約19兆円)となりました。
 1998年以降、毎年3月5日に開幕していた全人代は新型コロナの感染拡大の影響を受け、約2カ月半遅れでの開催となりました。全人代の会期は例年の10日前後から1週間に短縮され、28日に閉幕します。


◆ワクチン開発と米中覇権:新型コロナウイルス予防をめぐって(山脇友宏)
(内容紹介)
 新型コロナのウイルス開発をめぐって米中が対立していることに触れた上で、コロナ予防のため、米中の協調が求められるとしています。

参考

中国シノバック、ブラジルでコロナワクチン治験 :日本経済新聞
 中国製薬会社の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック北京市)は開発中の新型コロナウイルス向けワクチンについて、最終の第3期臨床試験(治験)をブラジルで始めると発表した。7月に作業に着手する。世界で開発競争が激化するなか、中国は先駆けて実用化を狙う。
 世界保健機関(WHO)によると、同ワクチンで第3期の試験まで進んだのは英アストラゼネカと、シノバックのみ。同社は7月3日、ブラジル衛生当局から第3期試験の承認を得た。同国の研究所と組んで6州にある12の研究所で行う。約9千人の被験者を募る。

 まあ実際どうなるかはわかりませんが「中国の科学技術も立派になったもんだ」とある種の感慨を禁じ得ません。

新型コロナ:米イノビオの新型コロナワクチン、中間解析で好結果 (写真=AP) :日本経済新聞
 バイオ製薬の米イノビオ・ファーマシューティカルズは、新型コロナウイルス感染症のDNAワクチンを健常なヒトに投与した第1相臨床試験の中間解析で好結果が得られたと、6月30日に発表した。


特集『大統領選挙とアメリカ資本主義』
◆コロナ危機・人種差別抗議で揺れるアメリカ:トランプ大統領は勝てるのか(萩原伸次郎*3
(内容紹介)
 「初期対応のまずさによるコロナの蔓延」「黒人差別問題での全国的なデモ」によりトランプの再選が当初考えられていたより難しくなっていること、しかし残念ながら「バイデンが勝利できる」とは言い切れないこと、トランプの再選は「コロナ対応が今のまま酷い状況になる」「人種対立が激化する」等の点で米国に甚大なダメージを与えるであろう事が指摘されています。


◆腐敗と格差:現代アメリカにおけるポピュリズムの課題(大橋陽*4
(内容紹介)
 筆者は米国には右派ポピュリズムと左派ポピュリズムの2つのポピュリズムが存在するとする。
 右派ポピュリズムの典型がトランプであり、左派ポピュリズムの典型が民主党大統領予備選で健闘、善戦したサンダース上院議員バーモント州選出)やウォーレン上院議員マサチューセッツ州選出)である。
 左派と右派のポピュリズムの違いは「腐敗と格差」についての認識によってわけられる。
 左派は「大企業によるロビイング」と「それによって成立する大企業寄りの法制度」が「政治腐敗と格差拡大を産んでいる」として大企業のロビイング規制や大企業に対する経済規制を主張するのに対し、右派はそれに反対する。
 そして左派ポピュリズムが「未だに人種・民族差別は深刻であり、黒人やアジア系など非白人、有色人種は経済格差に苦しんでいる」とするのに対し、右派は「そのような理由でプアホワイトが有色人種から搾取されている」として人種、民族間格差を否定しようとしている(実際には統計データからも人種、民族間格差が認められる。ただし一方でリッチホワイトとプアホワイトの格差拡大が進んでいること、それに対する誤った認識からプアホワイトの一部が有色人種に差別的なこともまた事実である)。
 サンダースやウォーレンが大統領候補になれなかったことは彼らの限界ではあるが、一方で善戦したことは左派ポピュリズム民主党内部において無視し出来ない力を持ちつつあることを示している。


◆トランプ政権と軍需産業:宇宙軍創設と中国脅威論(西川純子*5
(内容紹介)
 トランプ政権の軍事予算増大と宇宙軍創設、及びそうした行為の背景にある中国脅威論が「危険な企て」として批判され、トランプの再選阻止が急務とされる。しかし、民主党内にもトランプのような軍拡派、宇宙軍支持者、中国脅威論者がいることも指摘され、トランプ落選が「当然に」トランプの軍事路線の変更をもたらすわけではないとされる。


社会保障をめぐる攻防:医療保険をめぐって(長谷川千春*6
(内容紹介)
 トランプが「米国版国民皆保険制度」ともいえるオバマケアを廃止しようと画策していることが批判的に紹介される。
 オバマケアの維持あるいは発展を目指し、廃絶を阻止するためにもトランプ再選阻止の重要性が指摘される。
 なお、トランプの「新型コロナ対応のまずさ」からオバマケアについては「支持が増加」し、最近の調査では「オバマケア支持51%、不支持41%」となっている。


◆新型コロナ禍にみるアメリカ(薄井雅子*7
(内容紹介)
 新型コロナによってダメージを受けているのは貧困層であること、貧困層の多くは黒人やヒスパニックであり、今も人種差別が深刻なことが指摘されている。


特集「新型コロナ危機:実態と対策」
社会疫学・予防医療の視点が必要な新型コロナ対策(近藤克則*8
(内容紹介)
 新型コロナにおいては「コロナの感染それ自体による健康被害」が注目されがちだが、それだけではなくいわゆる「運動不足によるコロナ肥満とそれによる疾病(糖尿病など)」「失業、収入の低下、外出できない事など、精神的苦痛による疾病(うつ病アルコール依存症など)」といった問題への目配りの重要性が指摘されている。
 こうした認識から最近ではいわゆる「ソーシャルディスタンス(社会的な距離)」「ソーシャルディスタンシング」について「フィジカルディスタンス(身体的な距離)」「フィジカルディスタンシング」と言いかえる動きが起こっている。
 「うつ病アルコール依存症の予防」には「社会とのつながり」が大事であり、「ソーシャルディスタンス概念」は「社会とのつながり」を勿論否定しているわけでは無いからである。

参考

「ディスタンス」と「ディスタンシング」、意味は違う? [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
◆Q
 人と一定の間隔を保つ「ソーシャル・ディスタンシング」(Social distancing)という言葉がすっかり定着しました。一方で、「ソーシャル・ディスタンス」(Social distance)という言葉も頻繁に耳にします。両者に違いはあるのでしょうか。
◆A
 ソーシャル・ディスタンシングは感染予防に特化した言葉で「感染拡大を防ぐために物理的な距離をとる」との定義がされています。日本語訳としては「人的接触距離の確保」がわかりやすいと思います。報道などでは「社会的距離」との訳もよく見かけます。
 一方、ソーシャル・ディスタンスは、人間の心理的な距離を示して使う言葉として1940年代以降、子どもの社会性に関する研究などで使われるようになりました。黒人やエイズウイルス(HIV)感染患者への偏見から、社会的、心理的に彼らとの接触を回避する現象を表す言葉として使われたこともあります。
 二つの言葉は学術的には大きく違いますが、新型コロナの流行の中では混同して使われ、ソーシャル・ディスタンスが人との物理的距離の意味で使われることが日本でも多いようです。世界保健機関(WHO)は意味を明確にするため「フィジカル・ディスタンシング」(Physical distancing)に言い換えました。

<新型コロナ>「ソーシャル・ディスタンシング」→「フィジカル・ディスタンシング」 人との距離、言い換える動き:東京新聞 TOKYO Web
 感染抑止では、人と人の間に十分な距離を保つ「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)」が重要とされますが、最近これを「フィジカル・ディスタンシング(身体的距離の確保)」と言い換える動きが出てきました。
◆Q
 だれが言い換えを始めたのですか。
◆A
 世界保健機関(WHO)が最近「フィジカル・ディスタンシング」という言い方に改めました。フィジカルは「物理的」という意味。社会的距離という表現だと「愛する人や家族との関係を社会的に断たなければならない」と誤解されかねず、あくまで物理的な距離を置くだけだと伝える狙いです。WHOの専門家は「人と人とのつながりは保ってほしいと願うからだ」と解説しています。
◆Q
 日本政府はどんな言葉を使っていますか。
◆A
 主に「社会的距離」という表現を使ってきました。一方、政府の専門家会議は二十二日、接触を減らすための提言で「身体的距離の確保」という言葉を使いました。菅義偉(すが・よしひで)官房長官も二十四日の記者会見で、「身体的距離」という表現について「社会的に孤立してはいけないという思いが込められている」と理解を示しましたが、現時点で、「社会的距離」を別の表現に置き換えていくことは「特別考えていない」とも話しました。 

ソーシャルではなく“フィジカル”ディスタンス 新型コロナ対応の学術知見発信、放送大学 | 株式会社共同通信社
 放送大学千葉市)はこのほど、新型コロナウイルス禍との向き合い方を学術的知見に基づき同大教員が語る全10回シリーズの動画「新型コロナウイルス流行の中で~放送大学教員からのメッセージ~」の公開を始めた。
 「社会的な距離をとるということ」と題した森津太子*9教授の動画では、日本でよく使われている、2メートル以上の対人距離を呼びかける「ソーシャル・ディスタンス」(社会的距離)という言葉は、「人とのつながりの減少により社会的孤立が生じる」恐れがあることから、世界保健機関(WHO)では「身体的、物理的距離」を意味する「フィジカル・ディスタンス」に言い換えるよう推奨している点を紹介。


◆コロナ危機下の三月期決算をどう見るか(小栗崇資*10
(内容紹介)
 三月期決算からはコロナの影響で企業の収益が悪化していることが読み取れる。政府による景気対策の取り組みが求められる。

参考
主張/経済の冷え込み/暮らしの支援を急がなければ


◆コロナ禍での非正規労働者の苦境:休業保障制度の改善点と課題(脇田滋*11
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

非正規労働者支援充実を/超党派議連が厚労相に申し入れ


◆自粛と補償は一体で!:中小業者の経営を守る(藤田信好*12
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
持続化給付金 審査基準の徹底を/清水氏「政府が責任持って」
持続化給付金 一刻も早く/笠井氏追及 “癒着・不備で支給遅れ”/閉会中審査
限定自粛要請は補償とセットで/東京感染拡大 国と都が早急に協議を/BS番組「報道1930」 小池書記局長が出演


接触確認アプリ:デジタル監視の問題点(高野嘉史)
(内容紹介)
 月刊経済記事は『デジタル監視の問題点』という副題からも想像がつくように、「個人情報の流出などのプライバシー問題」「コロナ監視を口実にした監視社会化の恐れ」が主として論じられている。

参考

新型コロナ:接触アプリでまた不具合 厚労省、陽性登録時にエラー :日本経済新聞
 厚生労働省は(ボーガス注:7月)10日、新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性がある場合に通知するスマートフォン向けアプリ「COCOA」に不具合が生じ、陽性登録できない場合があると発表した。11日から陽性登録に必要な番号の発行を一時的に停止するという。
 アプリは6月19日の公開直後にも不具合が発生し、番号の発行を一時停止。その後修正版を配布し、7月3日に番号発行を再開したばかりだった。


プーチン*13ロシアの20年(上):経済の現状と課題(岡田進*14
(内容紹介)
 プーチンエリツィン時代の「ズタボロな経済」を立て直すことによって、一定の支持を国民から得た。
 しかし、ロシアの外貨獲得源は現在、もっぱら「石油や天然ガス」といった資源輸出であり、ソ連時代に崩壊した工業生産力を立て直すことにはプーチン政権も成功していない(この点はスマホメーカーのファーウェイや家電のハイアール、パソコンのレノボなど工業生産力を発展させている中国との違いである)。
 そのため、「コロナの影響(原油需要の減少)」「米国によるシェールオイル増産」で資源価格が低迷するとロシアの経済成長にはブレーキがかかっている。
 その結果としてプーチン政権支持率も一時に比べ低迷している。
 また、ロシアの経済成長低迷という意味では「クリミア侵攻後の欧米の対ロシア経済制裁」と言う要素も重要である。工業生産力立て直しのためにロシアは鄧小平時代・中国の改革開放的な「外資導入」をもくろんでいたが、それは大きく挫折せざるを得なくなった。
 ロシアは欧米に変わる外資導入先として日本、中国、韓国、インドなどをもくろんでいるが、今のところ目立った成果は出ていない。
 なお、こうしたプーチンの思惑(日本資本導入のための対日接近)もあって一時「日露平和条約締結論」「二島先行返還論」が安倍政権から提示されたが「島を返還した場合に、米軍を置かないと事前に確約せよ」というプーチンの要望に安倍政権が対応できなかったこともあり、現在では事実上挫折している。


◆空洞化と属国化の克服と新たな資本主義の模索を(下)(坂本雅子*15
(内容紹介)
 新刊紹介:「経済」7月号 - bogus-simotukareのブログで紹介した『空洞化と属国化の克服と新たな資本主義の模索を(上)』の続き。
 前回は「米国の属国化&産業空洞化」という問題点が指摘されるにとどまったが、今回はそれに対する解決案を提示されているが小生の無能のため、具体論の紹介については省略します。
 
【参考:属国化】

イラクの現実から見た戦争法案の危険/米国への追従極まる 主体性かけらもなし
 集団的自衛権行使に反対する著名な憲法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」。6月24日の会見で、戦争法案の撤回を求める声明を発表しました。
 そこでは法案が、今年4月に日米両政府が合意した「日米防衛協力のための指針」(日米ガイドライン)にそったものであり、背景には米国の対日要求があると指摘。「このような対米追随ともとれる姿勢は、集団的自衛権行使に関して日本が自主的に判断できるとの政府の主張の信ぴょう性を疑わせる」と強調しました。
 同会のメンバー、国際基督教大学の千葉眞*16教授(政治学)は「安倍政権の積極的戦争容認主義は“ネギを背負ったカモ”のようなものです。軍事と財政の両面でアメリカのカモにされ、属国化を強めていくだけではないか」と述べ、こう力説しました。

「根源は日米安保条約」/小池書記局長 日本の“自立”議論/TOKYOMX
 日本共産党小池晃書記局長は、22日のTOKYOMXのテレビ番組「激論! サンデーCROSS」に出演し、「日本に“自立”は可能か」をテーマに、小林節慶応義塾大学名誉教授、白井聡*17京都精華大専任講師らと議論しました。
 司会の堀潤アナウンサーから「日本はアメリカに対して自立した国か」と問われた小池氏は、「自立していない。アメリカの従属国だ」と主張しました。
 小池氏は「対等平等の関係ではない。憲法と相反する日米安保条約が結ばれていることに、全ての根源がある」と指摘しました。
 「小池さんの言うとおりだ」と応じた白井氏は「日本の特徴は、自立した国であろうという意志がない。第三者的に見れば属国以外の何者でもないが、そのことにまったく無自覚で恥ずかしい状況だ」と批判しました。
 小池氏は、日本がアメリカからの貿易自由化という圧力に応じてきたために、日本の食料自給率は38%となり、食料主権が危うくなっていると指摘。さらに今、アメリカは、2国間交渉での自由貿易協定(FTA)によって、アメリカ式ルールを押し付けようとしていると説明し「(FTAに応じることは)カモがネギしょって煮えたぎったなべに突っ込んでいくようなもの。このまま乗っかれば大変なことになる」と批判しました。
 さらに小池氏は、「対米従属的な姿勢を転換することなしに、いくら交渉しても、圧されっぱなしになることは間違いない」と述べた上で、「自民党ですらいままで守ってきた国民皆保険制度や、労働法制の基本的な部分まで壊していくことになる」と指摘。「日米安全保障条約をやめて日米友好条約にする」ことを提案しました。

*1:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委委員会主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席、党中央軍事委委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*2:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長、党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*3:横浜国立大学名誉教授。著書『アメリカ経済政策史:戦後「ケインズ連合」の興亡』(1996年、有斐閣)、『通商産業政策』(2003年、日本経済評論社)、『世界経済と企業行動:現代アメリカ経済分析序説』(2005年、大月書店)、『米国はいかにして世界経済を支配したか』(2008年、青灯社)、『日本の構造「改革」とTPP』(2011年、新日本出版社)、『TPP:アメリカ発、第3の構造改革』(2013年、かもがわ出版)、『オバマの経済政策とアベノミクス』(2015年、学習の友社)、『新自由主義と金融覇権:現代アメリカ経済政策史』(2016年、大月書店)、『トランプ政権とアメリカ経済:危機に瀕する「中間層重視の経済政策」』(2017年、学習の友社)、『世界経済危機と「資本論」』(2018年、新日本出版社)、『金融グローバリズムの経済学』(2019年、かもがわ出版)など

*4:金城学院大学教授。著書『ウォール・ストリート支配の政治経済学』(編著、2020年、文眞堂

*5:獨協大学名誉教授。著書『冷戦後のアメリ軍需産業』(編著、1997年、日本経済評論社)、『アメリカ航空宇宙産業』(2008年、日本経済評論社

*6:立命館大学准教授。著書『アメリカの医療保障』(2010年、昭和堂

*7:著書『戦争熱症候群:傷つくアメリカ社会』(2008年、新日本出版社

*8:千葉大学教授。著書『「健康格差社会」を生き抜く』(2010年、朝日新書)、『長生きできる町』(2018年、角川新書)など(近藤克則 - Wikipedia参照)

*9:著書『対人認知における文脈効果』(2000年、風間書房)、『現代社会心理学特論』(2011年、放送大学教育振興会)など(森津太子 - Wikipedia参照)

*10:著書『アメリ連結会計生成史論』(2002年、日本経済評論社)、『株式会社会計の基本構造』(2014年、中央経済社)など

*11:龍谷大学教授。著書『労働法の規制緩和と公正雇用保障』(1995年、法律文化社)、『派遣・契約社員 働き方のルール』(2002年、旬報社)、『労働法を考える』(2007年、新日本出版社)、『ワークルール・エグゼンプション』(2011年、学習の友社)など。個人サイトS.Wakita's Home Page

*12:全国商工団体連合会事務局長

*13:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領

*14:東京外国語大学名誉教授。著書『ロシアの体制転換』(2005年、日本経済評論社)、『新ロシア経済図説』(2010年、東洋書店ユーラシア・ブックレット)、『ロシアでの討論:ソ連論と未来社会論をめぐって』(2015年、ロゴス)など

*15:名古屋経済大学名誉教授。著書『財閥と帝国主義三井物産と中国』(2003年、ミネルヴァ日本史ライブラリー)、『空洞化と属国化:日本経済グローバル化の顚末』(2017年、新日本出版社

*16:著書『ラディカル・デモクラシーの地平』(1995年、新評論)、『アーレントと現代』(1996年、岩波書店)、『デモクラシー』(2000年、岩波書店)、『「未完の革命」としての平和憲法』(2009年、岩波書店)、『連邦主義とコスモポリタニズム』(2014年、風行社)など

*17:著書『永続敗戦論:戦後日本の核心』(2016年、講談社+α文庫)、『国体論:菊と星条旗』(2018年、集英社新書)など

今日の産経ニュース(2020年7月14日分)

【産経抄】7月14日 - 産経ニュース

 歌壇の大御所である岡井隆さんは、かつて寺山修司さんや塚本邦雄さんらとともに「前衛短歌運動の旗手」と呼ばれていた。
 「前衛」が、宮中歌会始選者や天皇、皇后両陛下の和歌の相談役である宮内庁御用掛を務めていいのか。そんな批判にも、一切言い訳しなかった岡井さんが、92年の生涯を終えた。

 前衛というと最近は前衛│出版物│日本共産党中央委員会位でしか見ないのでやや意外です。
 つまりは岡井氏にとっての「前衛」とは「マルクス主義や左翼」どころか「反体制や反権力でもなかった」のでしょう。
 そもそも岡井氏自身は「俺はやりたいことをやってるだけで別に『前衛短歌』がやりたいわけじゃない。他人が『前衛短歌』といってるだけだ」としか思ってなかったのかもしれない。
 まあ、結局の所「前衛とは何か」つう価値観でしか無いですね。
 なお、岡井氏については彼に批判的な岡井隆死去報道に接して~亡くなると<旗手>になったり、<巨人>や<巨星>になったり・・・ | ちきゅう座を紹介しておきます。

参考

岡井隆死去報道に接して~亡くなると<旗手>になったり、<巨人>や<巨星>になったり・・・ | ちきゅう座
 7月10日、岡井隆が92歳で亡くなった。7月12日の朝刊で知った。いくつかの新聞記事を読んで、やっぱりな、と思う。岡井が1992年、歌会始の選者になったことをどう伝えるかに、私の関心はあった。
 『朝日新聞』は社会面で「岡井隆さん死去 歌人 現代歌壇を牽引」との見出しで伝えた。同日の「天声人語」にも登場した。そこでは、「破格、破調の堂々たる生き方であった」と締めくくっていた。社会面の記事では「92~2014年に宮中歌会始の選者。かつてマルクス主義者を自称した歌人だっただけに選者を引き受けた時は一部から批判が上がり、話題となった(赤字の92は93が正しい)。07年から18年には当時の天皇、皇后両陛下や皇族の和歌御用掛も務めた」と記す。前日7月11日のデジタル版(14時14分)の見出しは若干ニュアンスが異なり「文化功労者歌人 岡井隆さん死去 皇族の和歌の相談役」となっていた。
(中略)
 総じて「前衛短歌(運動)の旗手」であり、「歌壇を牽引」したというのが、岡井へのほぼ定まった評価なのだろうか。「前衛短歌の旗手」であった歌人と皇室との濃厚な接触関係については、「話題となった」「議論を呼んだ」と素通りするか、むしろ、その功績として評価するような書きぶりに思えた。また、「歌壇を牽引」「短歌界を牽引」というのは、ある意味、実情に近いのかもしれない。牽引したのは「短歌」ではなく「歌壇」であったと思われるからである。さまざまな形で、とくに後進の歌人たちへの指導力や政治力を発揮しながら、歌壇での地位を不動のものとしてきたのではないか。また、亡くなった人が、その世界、業界の<巨星>や<巨人>になったりするのはよく見聞きする。著名人の訃報や追悼記事に贈られる定番の賛辞でもある。そして、多くの人たちが、競うように、岡井と自分との出会いや交流を語り、オマージュが氾濫するにちがいない。
 今後しばらくは、<歌壇>では岡井隆追悼記事が目白押しになるだろう。これまで、岡井隆の皇室への接近とそれをめぐる歌壇の状況について、幾度か言及してきた私としては、当分、目が離せない。
 ご参考までに、以下が関連する主な拙稿です。
歌会始選者の系譜」『短歌と天皇制』(風媒社 1988年10月)
「歌壇に”最高実力者“はいらない」『現代短歌と天皇制』(風媒社 2001年2月)
「<歌会始>をめぐる安心、安全な歌人たち」『天皇の短歌はなにを語るのか』(御茶の水書房 2013年8月)
「タブーのない短歌の世界を <歌会始>を通して考える」(『ユリイカ』2016年8月)