【産経抄】7月17日

よく「島津に暗君なし」といわれる。

 関ヶ原の戦いで負け組についた段階で充分愚かな気がするが。宇喜多や長宗我部のように改易されなかったのはさすがというべきなんでしょうが。
 まあ、改易されなかった西軍武将は島津だけじゃなくて、上杉氏、佐竹氏、毛利氏、対馬の宗氏なんかもそうですが。
 そして東軍大名だったのに、(幕府にはめられた疑いがあるが)武家諸法度違反(無断築城)で改易されてしまう福島正則なんかいるわけですから、まさに「一寸先は闇」です。

今年いっぱいでテレビ番組が終了する『水戸黄門』など人気の時代劇の歴史背景でもあった。

水戸黄門が終わってしまうとレギュラー枠で時代劇を放送してるのって「大河」とかをやってるNHKだけになるんじゃないか。
民放は完全に「一切やらない」or「年末年始など、特別なときのみやる」になってしまうわけで時代劇ファンとしては残念。昔はどこの局も週1で時代劇をやっていたのに。
それはともかく、あれはフィクションなのでね。あれが事実と思われても(しかも敵役として出てくるのは大名ばかりでなく、天領代官などもいる)。
それに暗君でなくても、年貢の取り立てがきつければ一揆は起きますが。


 なお、主君押し込めについて好意的な産経ですが、家臣の「暴君」「暗君」認定というのはあくまでも家臣の価値観によるものであることに注意。実際、どうしようもないバカ殿というのももちろんいますが、一方でいわゆる改革派藩主は今までと違ったことをやるわけですから、それが理解できない家臣にとっては暴君、暗君以外の何物でもない(ウィキペでも上杉鷹山に対し、実現はしなかったものの押し込めの動きがあったと書いてある。)。
 たとえば島津斉彬は、彼に批判的な家老・調所広郷薩摩藩財政を立て直したと言われる人物)にとっては暗君・暴君以外の何物でもないわけです。