再び・【安藤慶太が斬る】政治そのものが愚弄される社会にならないために

 以前も突っ込みましたが、トラバを送ってくださったBill McCrearyさんという方の
安藤慶太記者の記事がひどい(2)その1」
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/e31cdf272860e45e64a04174ad071ca9
安藤慶太記者の記事がひどい(2)その2」
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/46eb2c20f6e875c8f3f954ec84862aaf
に私が突っ込んでいない部分への突っ込みがあるのでコメントしてみます。

へー、安藤氏は、平和教育にそこまで悪意があるんですか。これ驚き。安藤氏にお子さんがいらっしゃるのかどうか存じ上げませんが、彼の子どもさんが学校で平和教育を受けたら氏は学校側を「偏向教育」とか批判するんですかね。するんでしょうね。ほんと馬鹿です。
(「その1」から)

 まあ、あの文章を読む限り平和教育に恨みがあるとしか思えません。8月6日に映画「はだしのゲン」を子どもに見せただけで偏向呼ばわりですから。産経は紙面で神風特攻隊を礼賛したこともありますし、冗談抜きでどんな形であれ、平和教育を偏向と非難するのでしょう。

 この私の主張は、このブログの読者の方々にもあまり賛同してもらえないかもしれませんが、私はジャーナリストとかドキュメンタリストみたいな仕事をしていれば、「隠し撮り」にしても「オフレコ約束の取材の録音」も仕方ないと思います。ある程度やばい取材をしなければ、いいネタは拾えません。ジャーナリストが政府の広報みたいな仕事をしたってつまらないし(産経新聞みたいに、露骨に自民党の(最低の連中の)手先みたいなことをしていて、それで政権交代が実現して愚痴をこぼしまくるなんて醜態はやっぱり避けなければね)、また太地町の方々が取材させてくれないんだったら「隠し撮り」っていう話になっちゃうよねえ。そもそも、政府や企業のスキャンダルだってなんだって、正面玄関からまともに取材してもなかなか実のある材料は収拾できないでしょう。
 ていいますか、ジャーナリストって極端な場合「取材源秘匿」のために刑事罰すら最悪覚悟しなけりゃいけない仕事ですからね。根本的にやばい仕事です。
 それはそうと、最近はひところほど見かけなくなったように思いますが、日本のテレビで北朝鮮の市場その他の様子を隠し撮っている映像が流れますよねえ。あれは良くないの?。北朝鮮は、取材を許さないから仕方ない?。程度の問題ですが、それは「ザ・コーヴ」も本質的には変わりはないでしょう。
(「その2」から)

 安易に隠し撮りを認めるのも「プライバシー」「肖像権」の観点からどうか、あくまでも例外であって原則としては認めるべきではないだろう(産経なんかは隠し撮りを認めるとどんな酷い取材をやるか分かったものではありません)と思ったので私の過去エントリでは取り上げなかったのですが、おっしゃるように「隠し撮り」=「常に悪」ではないと思います。ケースバイケースでしょう。
 「隠し撮り(ないしそれに似た手法)=常に悪」としたら、ご指摘の北朝鮮の他にも

映画「A」の「転び公妨の隠し撮り」
鎌田慧自動車絶望工場」(講談社文庫)のトヨタ取材(期間労働者として取材)
大熊一夫「ルポ精神病棟」(朝日文庫)の精神病院取材(精神病患者の振りをして入院して取材)
なんかも悪になってしまいます。それで喜ぶのは一体、誰でしょうか?
 ということで「ザ・コーブ」の隠し撮りの是非は映画を見るなり、関係者(コーブ製作者側や太地町側)の話を聞くなりして真剣に検討しないと何とも言えないと思います。

「エコノミックアニマル」って、パキスタンのブット氏の言葉じゃなかったっけ。また、これは必ずしも日本人を揶揄、あるいは批判した言葉ではない(注:元々は「敗戦の焼け野原から経済復興を果たしてスゴイ」というほめ言葉だったという指摘)との指摘もあります。しかし、かりに批判であっても、それは日本人はある程度は受け入れる必要はあるんじゃないかな。実際に「過労死」とかしちゃう人もいる(いた)んだから。(「その2」から)

後半は私の指摘とほぼ同じ。
前半は私の指摘にはない部分です(要するにそう言う話を知らなかったんですが)。前半が事実ならなおさらアメリカ叩きに持って行くのは変です。