【産経抄】7月7日(追記・訂正あり)

・すでに、「本日の産経SHOWと阿久根政界NOW:構造改革派は民営化路線の失敗を認めよ」(http://d.hatena.ne.jp/slapnuts2004/20100707)が突っ込んでいますが、今回の件と民営化見直しに関係があると証明されていません。
 また、「黙然日記:産経「主張」の民営化推進路線についてとか。」(http://d.hatena.ne.jp/pr3/20100707/1278514580)が指摘してるように、今回の不祥事に似た話として銀行の統合時のシステム障害なんかがあります。
 それなのに産経は産経抄と社説ではしゃぎすぎです。そんなに民主や国民新党が嫌いなのか?。そんなに郵便関係者が嫌いなのか?。それともそんなにネオリベが好きなのか?
 もちろん私はネオリベは嫌いです。あれは「強者以外は死んで構わない」「それが嫌なら強くなれ」と言う考えであり私は強者ではありませんので。私が共産を支持してる理由の一つもかなり早い段階で小泉構造改革を批判していたことにあります(他にもありますが)。
・と言うか、ほとんどの日本人はネオリベで被害を受ける恐れのある側だと思うんですがねえ?。何でネオリベの「みんなの党」なんか支持する人がいるのか?。同じネオリベの舛添党や中田宏党は必ずしも人気がないから政策で判断してるんじゃないんでしょうねえ。まあ、選挙結果が出たら何らかのことを書くつもりです。共産支持者の私としては、共産が議席を減らしたらもちろんですがたとえ共産が議席を増やしても、民主が過半数制したり、みんなの党が躍進したりしたらぼやかざるを得ませんな。どんな結果が出ようとも、生き抜くしかないわけですが(その点では戦前戦後の公安警察の弾圧など数々の苦難を乗り越えてきた共産党の皆さんには本当に頭が下がりますな。)。

・小泉郵政選挙にだまされたような頭の足りない人はこのレベルでも共感し、それが選挙に影響しそうで嫌なのですが。
 当初予定通りの形で民営化しても問題は発生したかもしれないし、民営化したから、それが原因で発生したのかもしれません(そもそも公社時代にはこうしたことは発生していないのに、よく民営化万歳できる物です)。まずすべきことはなぜ発生したのか原因を突き止めることです。
 しかし何故産経はこんなにネオリベ万歳なのか。ネオリベのチャンピオン日経ですらここまで酷い記事は書いていないようです。毒蛇山荘先生など、保守層にもネオリベを「古き良き日本を破壊した」と批判する人間はいるのですが?
 また新聞再販制廃止とか、ネオリベ政策が直撃したら困るのは新聞業界の敗北者・産経なのですが。
 「自己責任で何とかしろよ、お前自己責任論好きだろ」「売れない新聞を作るお前らが悪いんだよ」と産経の赤字をかなり負担していると噂されるフジテレビに見捨てられたらどうするのか?。まあ、俺は何があろうとそんなことにはならない、ネオリベや自己責任論の対象外だというおごった思いがあるんでしょうが。

 「本日の産経SHOWと阿久根政界NOW」が突っ込んでいないところにも突っ込んでみましょう。

「本日におきまして26万の遅配でございます。考えてみますと、遅配の根というものは非常に長いものでございまして…」。いまの話ではない。半世紀近く前の昭和36年秋、参院逓信委員会で大量の郵便物遅配を追及された郵政省官房長の答弁だ。

 だから何なのですか。昭和36年の事件と今回の事件の原因が同じならともかく、こんなことは何の説明にもなりません。

失態を隠そうとしたのもお役所仕事そのもの

 失態を隠そうとする民間企業(産経もその一つ)は世の中にたくさんあるのにくだらん役所叩きですな。「失態を隠そうとしたのは許せない」と言えばいいのであっていちいち役所がどうこう言うなよ。
 それとお役所仕事というのは普通「ルールにはあっているが、融通が利かないこと」を意味するのであって「失態隠し」を「お役所仕事」と表現するのは変な日本語です。

ゆうパックペリカン便は、郵便事業会社と日通が共同出資した新会社に事業移管されるはずだった。ところが、麻生政権の鳩山邦夫総務相が昨年、なぜか待ったをかけた。黒字化への最後のチャンスだったのを世間知らずの坊ちゃんはご存じなかったようだ。

 待ったをかけたのには当然それなりの理由があったはずなのに、それについて何ら触れないのが産経流。触れた上で「その考えは間違っていたと思う、なぜなら〜」と言うのが普通の新聞でしょう。
 また、麻生首相がOKした以上、例えその判断が間違いだとしても「邦夫が悪い」ではすまない(自民や麻生首相も同罪)のに邦夫氏しか叩かないのも産経流です。ま、全て民主が悪いというバカウヨよりはマシですが。

 社長も郵便局長も労組員も信頼回復に汗を流すべきで、選挙にうつつを抜かすときではない。遅配の根は早く断たねば、急速に長く、太くなる。

 書き換えてみよう。
「産経の社長も社員も信頼回復に汗を流すべきで、民主党叩きにうつつを抜かすときではない。誤報、誤植の根は早く断たねば、急速に長く、太くなる。」

【追記】
産経の社説がひどいなんて言ってすみませんでした。
朝日と東京の社説も産経並みに相当ひどいです。

(朝日)
先の国会で廃案になった郵政見直し法案では、郵便や物流事業の不振を補うためにも、銀行や保険など金融分野の拡大が当然とされていた。

(東京)
いびつな金融偏重が大規模遅配というゆがみの根源にある。

 金融重視の是非はともかくそれと今回の失態と何の関係があるのやら。金融分野の拡大は批判したきゃ、別途批判しろよ。
 「朝日のサンゴ事件の原因は朝日が売国左翼だから」「朝日は産経を見習い愛国保守になれ」という奴と同レベルの寝言はやめろ(ちなみに良く左翼が言う「日本の犯罪検挙率が落ちてる理由の一つは公安(政治警察)偏重だから」というのはどうなんだろう?。)。
 産経、朝日、東京の社説書いてる奴は小学校から学校の勉強をやり直せと言いたい(特にひどいのがはっきりと「原因は金融分野拡大」と言いきってる東京。朝日、産経はそこまでの度胸はないらしくぼかしている。朝日がネオリベ万歳するのは新聞界の勝ち組だから分かるが地方紙の東京が何故そんなアホなことをする?)。
 こういうめちゃくちゃな文章が社説なんだから日本の未来は暗いな。