【産経抄】7月10日(追記・訂正あり)

 出勤途上の線路脇で、ネムノキが薄紅の花を咲かせている。

 こういう書き出しでも、最後は民主党叩きに持ってくのが産経クオリティ。

 花や木などの自然は毎年変わらないが

 揚げ足取りすればそれは昔のこと。今は「温暖化」でわかるように人間の自然への影響力が大きくなってしまったので最悪、人間が花や木などの自然を道連れに滅亡する恐れすらあります。

 何しろ去年の今ごろはまだ自民党政権で、国民の最大の関心事は皆既日食だった。

 さすがに「最大の関心事」じゃないでしょう。

 鳩山由紀夫政権への期待は弥(いや)が上にも高まり、内閣支持率は70%前後に達した。

 成立当初の支持率がご祝儀で高くなるなんてのは自民党時代からの日本人の常識です。

 鳩山氏の沖縄米軍飛行場移設問題をめぐる迷走は、日米関係に決定的と言えるひび割れをもたらした。

 アメリカの言いなりになれ、がアメリカ・ポチ産経の立場ですからね。鳩山氏の主張は沖縄県民が基地を望んでいないから外に作ってくれと言う物に過ぎないのですが。
 日米安保は止めるとかならともかく、この程度で高飛車な態度を取るアメリカの方が非難されてしかるべきです。
 しかも、靖国問題日中関係が冷え込んだときの産経の言いぐさは中国が悪いですから。 ドンだけご都合主義よ。

 さまざまな「バラマキ」で、財政赤字はふくれる一方だ。

 自民時代から財政は赤字でした。民主になって赤字が急速にふくれあがったなんて話も聞いたことがないんですが。
 民主もその辺り気にしてるから(手段が正しいかどうかはともかく)、事業仕分けだの消費税増税(案)だのいろいろしてるんですが。

 もっとも消費税は最初から首相の作戦だった気もする。それによって日米関係や財政の悪化といったほんとの「失政」が隠されてしまいそうだからだ。

 別に作戦ではないでしょう。高支持率で強行突破できると思っただけでしょう。消費税増税は隠して参院選勝利後、出すという方法もありますがそれだと嘘つき首相と呼ばれてしまいます。民主政権は長期政権になったとしても菅氏は短命で終わる恐れも出て来ます。
 菅氏にはそんなことは耐えられなかったのでしょう。消費税を出したせいでかえって短命に終わる恐れが出るという皮肉なことになってますが(もちろん私は消費税増税を考えること自体が間違いだと思いますが)。
 しかし、「財政の悪化」って。しつこいですが自民時代から財政は赤字ですよ?。そしてこの赤字は巨額すぎて、もはや誰がやってもそう簡単には返却できません。
 それと良いことではないと思いますが、日本では基本的に外交は選挙の争点にはなりません。だから前回衆院総選挙で「県外移設」を唱えても何の問題にもならなかったわけです(残念ながら沖縄以外の選挙区で民主に投票した人でこれを支持した人がどれだけいるか疑問です)。
それと産経的には民主の議席を減らそうと呼びかけるだけではダメだと思うんですよね。「みんなの党」や公明は民主と連立ないし閣外協力する気満々ですから自民を大きくのばせと言わないと。まあ、産経でもそれは無理と自覚してるんでしょうが。

【追記】
 選挙結果は自民が第一党になるという、おそらく産経も予想していなかったであろう結果になった。