【産経抄】7月15日

 「野心満々の青年行員であり…ギラギラした体臭をもった人でありました」「ドスのきいた米語でてきぱきと事務所をとり仕切る傍ら、多くの米人を友としてダイナミックな米国社会の探究にあくなき情熱を燃やしていた」。

 この書き出しで「日本振興銀行木村剛氏は」云々と話が進めば、誰しもこの「野心満々の青年行員」とは若き日の木村氏と思うでしょう。ところが

冒頭の人物評は、実は日銀の監事まで務めた吉田満に対するものだ。

 えーと、何故吉田を登場させる必要があるんですか?。しかも、木村氏の人物評と誤解されるような書き出しで?。吉田と木村氏に銀行員以外の共通点があるんですか?
 普通の人間なら、吉田のことなど書かずに「木村氏を一時、改革の旗手のように持ち上げた我々マスコミに問題はなかったか」とか「木村氏の振興銀行というビジネスモデル自体に問題があったのだろうか」とか「木村氏と政財官界(竹中平蔵氏とか)に黒いつながりがもしあるのならば徹底追及して欲しい」とか書くところでしょうに。
 まあ、社説にはさすがにそう言うことが書いてあるようですが。