今日の産経抄は最近なくなられた元・朝日新聞記者の稲垣武氏なる人物を好意的に取り上げています。
この稲垣氏、抄子が好意的に取り上げていることで想像つくでしょうが、簡単に言うと、「産経新聞に勤めた方がいい人」「朝日の阿比留瑠比」(要するに露骨な自民シンパ)と言ったタイプの方。毎日から産経に古森氏が移ったように移ればよかったのに。
そうすれば朝日も稲垣氏もお互い幸せだったろうに。
以前、彼の文章をちょっとだけ読んだことがありますが「つくる会教科書の何が悪い」ですからね。真正保守まっしぐらでどん引きです。
抄子は朝日の文革報道をリアルタイムで批判したってほめてますが、たとえそれが事実でも、穏健保守や社民主義者ならともかく、「南京事件はなかった」と言う真正保守の方ですからね。どれほど意味があるのか。
反共主義者(ヒトラーとかムッソリーニとか)が共産主義者(スターリンとか)を非難したとして、その人を偉いって言いますか?
それにあの頃の文革報道は朝日もさすがに今は否定的に総括してるんですが。
まあ、文革時代のことをこれほど騒ぐと言うことは裏返せば、それ以外には産経ファンに限らない万民を納得させる朝日叩きネタが他にないと言うことでもあるんでしょうが(苦笑)。
だがその真骨頂は退社後のマスコミの比較批判にあった。
朝日在社中は働いてなかったかのような記述(苦笑)
産経の北朝鮮報道などを評価しながら
アレを評価するんですか、稲垣さんは(苦笑)
北に他マスコミが割と好意的だった大昔なら「北批判」はそれだけで意味があったかも知れません。
しかし、今はそう言う時代じゃない。朝鮮学校無償化反対が典型的ですが「ソースはあやふやで真偽不明」「敵意むき出しで客観性のかけらもない」んですが。
まあ、産経文化人たる稲垣さんやお友達の本郷美則さんは「朝鮮学校無償化除外で何が悪い」と多分思ってるんでしょうが。
感服させられることがあった。原稿に「剔抉する」「猖獗を極める」「諧謔」など戦後生まれには読み書きできない用語がポンポン出てくる。
日常用語では使いませんし、書きもできませんが、戦後生まれの私でも読みぐらい出来ますよ?
「あばく」「盛んだ」「ユーモア」などと換えてみても、稲垣さんの文章にはやはり元の言葉がピッタリきた。
言い換えることが出来るんなら言い換えればよろしい。文学作品ならともかく、一般の新聞記事にわざわざ難しい言葉を使うことに何の意味があるのか。もちろん稲垣さんのような方に言い換えろと強制する事は出来ませんが。
それにしても難しい漢字もどんどん使うべきだ、的な文章で「暴く」じゃなくて「あばく」ですか?。
こんな漢字を放逐してしまった国の文化行政
えーと、自民党準機関紙の産経さんがそんなことを言ってよろしいので?。長いこと自民は与党だったんですが。
それと「放逐」されたのは「官公庁の公文書」(使ってはいけない)と「教育の場」(教えなくて良い)であって、それ以外の場(例:新聞記事)では使っていっこうに構わないんですが。
黙って従ったマスコミ
産経も従ってるくせに(苦笑)。
なお、マスコミは常用漢字外でも重要と考える漢字は独自に使うことがあるので「基本的には常用漢字に従って」いますが、「常に従って」いるわけではありません。
例えば、以前も指摘しましたが「三鷹市」「若鷹軍団」の「鷹」は常用漢字外ですが普通に新聞記事で使われています。
反骨精神に満ちたジャーナリスト
産経が民主政権を批判するような、アメリカ極右がオバマ政権を批判するような意味での「反骨」で、手放しで評価できないんですけれど(苦笑)
ちなみに反骨ジャーナリストでも自分に都合の悪い人はスルーするのが産経です。安倍さんに酷い目に遭わされた従軍慰安婦番組のNHKの方とか。
朝日新聞OBの本郷美則氏と対談した。中身は「なぜ朝日の偏向報道はやまないのか」として20年11月号の「正論」に掲載された。
「なぜ朝日の偏向報道はやまないのか」
タイトルだけでおなかいっぱい(苦笑)。掲載誌が「正論」だし、読まなくても内容が想像できる。
憲法9条に依存する朝日を「独りよがりだ」と批判しこう結んだ。「(北朝鮮の日本への武力攻撃を)阻止しているのは九条ではなく日米安保です」。
赤旗ならともかく、朝日は日米安保を否定してないんですが。「日米安保+憲法9条」という吉田茂的・軽武装路線が朝日でしょう。産経とそのお友達にとって「9条の価値全否定派」「明文改憲派」以外、みな敵なのかも知れませんが。
それとソ連の日本攻撃ならともかく、北の日本攻撃なんかあると思ってるんですか?
ドンだけずれてるんだ、稲垣さん。