バトラーと在日(追記・訂正あり)

http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20101129/1291036787
ジュディス・バトラーアメリカのフェミ学者)と朝鮮学校に何の関係があるんだと突っ込んだら彼なりの反論文(http://d.hatena.ne.jp/noharra/20101202)を書いたらしいので突っ込み。
 まあ、結局の所バトラーが朝鮮学校について何か述べたわけではなくやはり彼の俺俺解釈らしい。しかも根拠はバトラー本人の文章ではなく、バトラー研究者の一人・岡野八代氏の文章。バトラー理論自体が正しいかという問題もあるし、岡野氏のバトラー解釈が正しいかという問題もある。また、もしバトラーや岡野氏が彼と在日問題について違う考えだったら失礼なことこの上ない。
 まあ一言で言えば彼の行為は「バカの戯言」に過ぎない。

1)「バトラー自身が語るには、女性にとってトラブルは避けることのできない事態であり、そうであればこそ、いかにトラブルをうまく起こすことができるのかを思考することが、理論の一つの課題である。」(p172岡野八代現代思想ジュディス・バトラー 2000年12月)

@noharra いくつかの言葉を「在日」「朝鮮」「民族」とかに入れ替えて読んでみる。
 在日にとってトラブルは避けることのできない事態であり、そうであればこそ、いかにトラブルをうまく起こすことができるのかを思考することが、理論の一つの課題である。

 なぜ女性を在日に置き換えていいと考えたのか意味不明。こんな事が許されるなら女性を「巨人ファン」「自衛隊員」「身体障害者」など自分の好きな勝手な言葉に置き換えることがいくらでも可能になるだろう。以下の戯言にも全く同じ批判が該当する。

まあ、追加でいろいろと書いてみるか。

フェミニズムの政治が、女性というカテゴリーに訴えざるを得ないのであれば、フェミニズムの政治の前提であるかのような、この女性というカテゴリーこそが、フェミニズムの批判的考察の対象とならざるをえない。

 女性だからって「金持ちと貧乏人」「左翼と右翼」「キリスト教徒と無神論者」など様々な違いがあるから一枚岩とは限らない、女性運動はその点を軽視したらいかんよと言うことを難しく言ってるだけじゃないの?。もちろん、この「女性」は、だから「在日運動」「障害者運動」、あらゆる政治運動、社会運動に置き換えることが出来るだろうね。
それがなぜあんたの朝鮮学校差別と繋がるんだ?
 大体フェミニズムに問題があるとしてもアンチフェミの正しさを保証しないように、在日運動に問題があるとしてもあんたの正しさなど全く保証してないんだが。

【追記】
1)彼のおすすめする
http://d.hatena.ne.jp/tummygirl/20100628/1277728869、を斜め読みしたがバトラーの言ってることは
「被差別者の同性愛者でも、イスラム差別者とか黒人差別者とか、いて嫌ねえ」「被差別者だからって、常に弱い者の味方とは限らないのよね」ってだけの話なんじゃねえの。ある意味当たり前の話。
「同性愛者」に限らず在日朝鮮・韓国人も含めて「被差別者だからって、常に弱い者の味方とは限らないのよね」なんてことをバトラーが言ったから何なの?。(ただ日本で障害者とか弱者を扱うドラマってのは大抵、清く正しく美しい弱者なんだよなあ?。下手に描くと弱者への偏見を強めかねないから難しい問題ではあるが)
・まあバトラーが同性愛者(はてなキーワードやウィキペによる)だから異性愛者と違ってこういう事が同性愛者に言いやすいという面はあるとは思うし、在日と日本人の関係でもそう言うことはあるだろうが、あんたらの主張してる朝鮮学校無償化除外はそう言う問題じゃないから。

http://d.hatena.ne.jp/tummygirl/20100628/1277728869
でも日本ではこのバトラーの演説を、「これだから欧米のゲイはいけないんだ」という風に普通にホモフォビックなナショナリズムとして受容されることもありそう。

 俺の勝手な理解だがこの突っ込みこそがあんたの物言いにはお似合いなんじゃねえの?。「これだから日本の在日はいけないんだ」という風に普通にレイシズムとして勝手に読み替えてるid:noharraという人がいるよねと。

2)

http://d.hatena.ne.jp/noharra/20101202
安心してください。バトラーはあらゆるレイシズムが嫌いなので、無償化排除がレイシズムなら、無償化排除にも反対だと理解できます。

つまりバトラーは多分俺と同意見で無償化除外反対だと(毒)
冗談はともかく、バトラーが明確に除外反対と言ったらマジであんたはどうする気だ?。そうならない保証はどこにもないがあんたは根拠レスでそうならないと思ってるみたいだな。