「藤岡信勝の珍論文を掲載した雑誌」を購入しなかった事を深く(?)後悔する

【お断り:多少、エロがかった話(と言うかエロ系のオヤジギャグ)をするのでそう言うのが不愉快な人は読まない方がいいでしょう】


 これはうろ覚えなので間違ってるかも知れない(間違ってたら謝る)のだが、以前「正論」だか「諸君」だか「ウィル」だか、オークラ出版の珍右翼雑誌だか(要するにそう言う系統の雑誌)を暇つぶしに斜め読みしていたら「藤岡信勝先生(だったと思う)」が「最近、私の読者に手紙で教えてもらったのですが『従軍慰安婦』をネタにしたAV(アダルトビデオ)があるそうですよ」「こういう事態になったのは吉見義明氏らのせいではないでしょうか」などと因縁をつけていて吹き出しそうになったことがあることをふと思いだした。吉見氏が製作に関与したわけもあるまいし、「そんなAVの存在」と「吉見義明氏らの主張の是非」と何の関係もない(苦笑)。あまりにも因縁の付け方が予想外で斜め上過ぎる。
(「読者から手紙をもらった」という藤岡の主張が嘘じゃないとして、ガチなのかネタなのかはともかくそういう手紙を藤岡に送る読者もどうかと思うが。自分が「際物AV好き」って宣伝して嬉しいのか?)。
 むしろ左翼や歴史学者はそう言う「昔テレ東で良く深夜にやっていたドイツ女囚ものエロ映画や大奥ものエロ映画(「何でこんな他局じゃ絶対やらないしょぼいB級映画やるんだ」と突っ込まずにはいられない昔のテレ東のとんでもなさは半端じゃないんですよ、奥さん。幸か不幸か最近大分まともになったが)」みたいな際物AVには激怒すると思うが。藤岡の物言いは「ドイツ女囚もの」「大奥もの」をネタにナチス研究者や江戸時代研究者をdisるような代物だろう。まあ、藤岡の話以外にそう言う話は幸か不幸か聞いたことがないので「事実無根のまるっきりのデマ」か「女優の演技が下手すぎるとか、つくりが酷くあまりにもAV愛好家の皆さんに不人気すぎて話題にならず消えていった際物*1」のどちらかなのだろう。
 珍右翼の珍主張には慣れっこになりつつあるが、さすがに「いちおう、大学教授」が(珍右翼雑誌とは言えいちおう建て前は)「論壇誌」でAV、AVと連呼するのには呆れてしまった。
 バカバカしすぎて買う気にならなかったし、すぐにそんなことは忘れてしまったのだが、今は「これほどわかりやすい藤岡の馬鹿さらした文章もないのに買わないなんて失敗した!」と少し後悔している。


参考(つうかネタだが)
テレ東のとんでもなさについて

http://www.geocities.jp/dayfornight0418/toybox/unknown/unknown82.html
■女囚暴動(1974年・イタリア)
テレビ東京 1982年4月6日
 一体どれだけの女囚モノ映画(主にイタリア製)を東京12チャンネルテレビ東京)で見てきたか分からないが、この作品はそれらの中でも群を抜いたチープさ。というか、いろいろと奇妙な点があるので忘れがたい。まずはガランとした刑務所内にヒロインが連れて来られ、お約束の身体検査。ここで唐突にヒロインがなぜ捕まったかを回想で説明。ヒロインはフランスからイタリアに来た留学生だが、野原で麻薬を楽しんでいたヒッピーを見つけて、たまたま一緒にいたところを警察にとっ捕まったという設定だ。さてヒロインは「新入り」として同房の連中にガン飛ばされたりして…いよいよこれは何か起きるか…と思うと、何も起きない。この「何か起きそうで何も起きない」ってのはこの映画の特徴のようで、女囚モノ映画お約束のアレコレが出てくるものの、それは散発的に出てくるだけで話が発展することはなかったようだ。そもそも物語は、ほとんど同房の女たちだけの間で進む。これって結局あまりお金をかけられなかったということなんだろう。セットもどれもこれも新東宝映画みたいに安い。映画は中盤で待ちに待った暴動になるが、ここで盛り上がるかと思った僕がバカだった。なぜかこの刑務所には看守らしき人間がいない。修道女の格好をしたオバサンたちで運営されているらしいのだ。このあたり、イタリアの女子刑務所って一体どうなっているのだろう? だから女囚たちは暴れ放題だけど、誰も止める者がいない。誰も止めようとしないし戦いにならない暴動なんて見てても面白い訳がない。コントロール不能状態になった刑務所内で女囚たちは歌って踊って大騒ぎ。扉を開けて外に脱出するかと思いきや、なぜか屋上に上がって中継のテレビカメラに向かってわめくだけ。やっとこ機動隊が攻め込んでくるが、女囚・機動隊ともに人数の少なさは如何ともし難かった気がする。かくして暴動は鎮圧。彼女たちはさらに寂しい離れ小島の刑務所へと島流し。すると夜な夜な寂しさに耐えかねて、ヒロインはじめ女囚たちが裸で絡み合いだす。ここで注目したいのは、抱き合って絡み合う女たちの姿になぜか海岸で波がザブ〜ンとうち寄せては砕ける映像がオーバーラップされること(笑)。この無意味に思い入れたっぷりな演出が泣かせる*2。ところがヒロインが仲間と「結ばれた」翌日、彼女一人が唐突に無罪放免を告げられるから見ている方も驚く。ヒロインも釈然としないのか、せっかく「結ばれた」相手に後ろ髪が引かれるのか、呆然としながら刑務所を出て船に乗り込む。その彼女の姿に、今までのこの映画の名場面集(笑)みたいなインサートが挟み込まれる…といったところで幕。僕もいろいろ見てきたけれど、こんなに貧乏くさい映画も珍しいかも。そしてこれだけは特に語っておきたいのだが…ヒロインが無罪放免を言い渡される直前、島の刑務所内に鐘の音が鳴るのだ。それを聞いた女囚たちは、口々に「釈放の鐘だわ」…とつぶやく。「釈放の鐘」なんてものが本当にあるのかどうかも不思議なところだが、問題はその鐘の音。それって、僕が今まで耳にしたさまざまな音の中でもダントツの、思わずうつむかざるを得ないようなショボい音なのだ(笑)。どんな音だったかを説明することは出来ないし、記憶にもすでに残ってないけど、とにかくすごく安い音だったことだけは忘れられない。それを確かめるためだけでも、もう一度見てみたい気がする映画だ(笑)。

*1:愛国先生絶賛の蒼井そらとか使えばまた違うのだろうが、ってもちろん冗談だが

*2:「笑わせる」の間違いじゃねえの?