今日のMSN産経ニュース(12/27分)

産経抄】12月27日
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121227/trd12122703080001-n1.htm

 安倍内閣万歳かと思ったら違いました。いや多少は万歳していますが思った程じゃない。万歳ネタも「党役員や閣僚に女性登用万歳*1」で今日はウヨじゃないわりとまともな人が書いてるのか、「安倍さんの足を引っ張らないよう、右翼ネタはしばらく封印しようぜ」という申し合わせでもあるのかそんなにトンデモではない。まあ、でもやはりトンデモかな。

男社会で出世する女性に対する逆風が、どれほど強いものか。読売新聞に連載中の「時代の証言者」のなかで、高島屋元常務の石原一子(いちこ)さんが、赤裸々に語っている。
 ▼「異例の昇進」を果たした当時は、「社長の虎の威を借る狐」などと揶揄(やゆ)された。それから数年後、なぜか今度は社長からにらまれる。十数年たって、ある人から理由を聞かされた。社長のいすを狙っている、と告げ口をされたのだという。

これ女性と関係ないでしょう。「できる人間が、『自分の地位を脅かすのでは?』と時に同僚や上司から疎まれる」なんてのは男性でもあることです。無能な俺には縁のない話ですが。
つうか女性に対する逆風というならむしろ「家事や育児との両立」とか女性ならではの話書けよ。

今回の衆院選での女性当選者は、前回より16人減って38人にとどまり、女性議員の占める割合が7・9%となった。主にマスコットとしての役割を期待された、民主党議員の落選が目立ったからだ。

ブクマにも書きましたが
自民党女性候補を多数立てれば増えた」んですが。いや俺は勿論自民勝利を望んでいませんが、「民主党の議員が落ちたから減った」って何ですか、その言いがかり。その上「主にマスコットとしての役割を期待された、民主党(女性)議員」って酷い差別暴言ですね。
この前の文章で産経が紹介した

「社長の虎の威を借る狐」などと揶揄(やゆ)された。

という揶揄と「主にマスコットとしての役割を期待された、民主党議員」というのは同レベルの女性差別文章だという自覚は産経にはないようです。こんなのは「高い人権意識がないとわからない」ような話じゃないでしょう。要するにいつものことですが産経には常識がない。
ま、女性の社会進出問題を書くに当たって同業他社・読売のコラム引っ張ってくるってのも、「産経はそういうコラムがないの?」と言う意味で恥ずかしいと思いますね。
大体マスコットと言うなら今回の野田聖子*2(総務会長)と高市早苗政務調査会長)の党三役入りの方がよほどマスコットではないのかと思う。

きのう発足した第2次安倍内閣では、女性の登用が目立つ。

 「過去に例がない」党三役に二人女性起用*3はともかく閣僚人事は全然目立ちませんね。女性閣僚2人、あるいはそれ以上なんて過去にも例はあります。安倍内閣の女性閣僚の数は全然多くない。直近の野田第三次改造内閣の1人(田中真紀子文部科学相)よりは多いに過ぎません。
 過去の例をあげてみましょう。

・第1次海部内閣(女性2人)
 森山真弓環境庁長官官房長官)、高原須美子経済企画庁長官
・細川内閣(女性2人)
 久保田真苗経済企画庁長官、広中和歌子環境庁長官
・羽田内閣(女性2人)
 赤松良子文相、浜四津敏子環境庁長官
・第2次森内閣(女性2人)
 川口順子環境相扇千景国土交通相
・第1次小泉内閣(女性4人)
 田中真紀子外相、森山真弓法相、遠山敦子文部科学相扇千景国土交通相
・第1次小泉第1次改造内閣(女性4人)
 川口順子外相、森山真弓法相、遠山敦子文部科学相扇千景国土交通相
・第1次小泉第2次改造内閣、第2次小泉内閣(女性3人)
 川口順子外相、小池百合子環境相小野清子国家公安委員長
・第2次小泉改造内閣、第3次小泉内閣(女性2人)
 南野知恵子法相、小池百合子環境相
・第3次小泉改造内閣(女性2人)
 小池百合子環境相猪口邦子少子化担当相
・第1次安倍内閣(女性3人)
 大田弘子経済財政政策担当相、小池百合子防衛相、高市早苗少子化担当相
・第1次安倍改造内閣福田内閣(女性2人)
 大田弘子経済財政政策担当相、上川陽子少子化担当相
・福田改造内閣(女性2人)
 野田聖子食品安全担当相、中山恭子少子化担当相
麻生内閣(女性2人)
 野田聖子消費者担当相、小渕優子少子化担当相
鳩山内閣(女性2人)
 千葉景子法相、福島瑞穂少子化担当相
菅内閣(女性2人)
 千葉景子法相、蓮舫行政刷新担当相
・菅第1次改造内閣(女性2人)
 岡崎トミ子国家公安委員長蓮舫行政刷新担当相
・野田内閣(女性2人)
 小宮山洋子厚生労働相蓮舫行政刷新担当相


って例を挙げなくてもわかってたけど「女性閣僚2人」で「登用が目立つ」とか嘘書くな、産経。大体過去の安倍内閣の方が女性3人で今回より数が多いぞ(毒)。それと過去の「女性閣僚2人以上内閣」の時も「女性登用が目だつ」とか書いてたのかよ?。
 大体一番女性登用してるの小泉じゃねえか。いや別にだからといって俺は小泉を評価しないけど。ただし才能的に大して変わらないなら俺個人は「男性より女性」「健常者より障害者」のようにマイノリティを登用する方がいいとは思ってる。
 それとこの女性大臣の数を見て「女性大臣登用が小泉の人気に影響したかどうか」はともかくあの男はやはりそれなりにポピュリスト的才能があるのだろうとは思った。もちろんまだまだ4人では少ないと言えば少ないだろうが。

実は小紙は、男女共同参画という点では、相当「進歩的」である。小紙の記者募集だけにあった「女子も可」の4文字に引かれて入社し、ニューヨークやシンガポールの支局長、外信部長を歴任し、全国紙初の論説委員長を務めた千野境子(けいこ)さんの存在が、何よりそれを象徴している。

 ブクマにも書きましたが千野の存在だけで「女性の社会進出に優しい会社だ」といえるんでしょうか。いえないですよね、常識で考えて。
 朝日、読売、毎日、日経といった同業他社にも女性幹部はいるわけです。つうか産経って女性の社会進出敵視してなかったっけ?。

*1:といっても党三役はともかく閣僚は2人で全然女性は多くないしそのうちの1つは、過去多く女性が任命され『半ば女性枠』になってる少子化担当相です。

*2:小渕内閣郵政相、福田内閣食品安全担当相、麻生内閣消費者担当相

*3:女性起用「だけ」なら谷垣総裁時代の小池百合子総務会長がいますが