今日のMSN産経ニュース(7/16分)(追記・訂正あり)

BRICS*1開発銀創設 戦後金融秩序への挑戦、中国主導*2で経済でも日米欧への対抗軸 基軸通貨「米ドル」へ共闘も暗示
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140716/fnc14071623080013-n1.htm
 「中国の影響力は当然否定できない」でしょうが、BRICS銀行であって、「中国がリーダーの銀行」でもないだろうに本当に産経って中国嫌いですね。まあ、産経にとってはどんな形でアレ、「中国が重要メンバーとして関与する計画」が実現するのは嫌なんでしょう。
 それはともかく「インドと組んで中国封じ込め」なんて産経の野望は成り立ちそうにもありません。


■【主張】中国*3反日宣伝 反論重ねて歪曲を許すな
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140716/chn14071603090001-n1.htm

 米サンフランシスコ市のチャイナタウンに、「海外抗日戦争記念館」を開設して日中戦争時の資料を展示する計画が、在米の中国系実業家の音頭で進められている

 別に「戦前日本の侵略についての博物館」=「反日」じゃないでしょう。そんな事を言ったら原爆記念館は「反米」に、ホロコースト記念館は「反ドイツ」になってしまう。
 本来日本の建前は「戦前を深く反省してる」だから、こういう博物館が出来ようとも産経のように「反日だ!」と騒ぐ話じゃありません。
 もちろん展示資料に間違いがあれば大いに指摘すべきですが、未だに記念館が出来てないのに「間違いがあるはずだ」と決めつける産経はどうしようもない。要するになんだかんだ言って戦前を美化したいわけです。

 中国国内では1985年ごろからこの種の記念館や博物館がつくられ、中でも「南京大虐殺記念館」はよく知られている。
 信憑(しんぴょう)性のない資料も交え、戦争被害や旧日本軍の「残虐性」を強調する展示が行われ、問題となってきた。事実と異なる説明がついた写真や中国側*4の演出で撮影された写真が展示され、日本側の抗議で撤去された例もある。

 抗議で撤去されたのなら問題ないでしょうに。無視して展示を続けたら問題ですけどね(追記:コメ欄の指摘に寄れば産経のデマカセで撤去などという事実はないそうですが。また「事実と異なる説明」*5云々はともかく「中国側の演出*6で撮影された写真」というのはやはり明らかにデマ、言いがかりのようです)。
 そもそも「南京事件南京大虐殺)で日本が多数の人命を奪ったこと」は事実であり、加害国が居丈高に「間違いがあったと騒ぐ」のもどうかと思いますね。産経の場合は「南京事件否定論」だからなおさらどうかと思います。

中国の習近平*7国家主席はこの3月にドイツでの講演で、先の大戦の中国人死傷者数や南京事件の犠牲者数について認め難い数字を挙げて日本を激しく非難した。

 いったいどんな数字なら産経は信憑性を認めるんですかね?。大体こういう場合「普通、数字に重きをあまり置いてない」でしょう。学術研究会やってるんじゃないんだから。
 ただ「残虐行為」と抽象的なことをいっても今ひとつインパクトがないから「○○人が死亡したと言われる」と具体的なことをいうのであっていちいち「多すぎる」云々と因縁つけてどうするんですかね。
 たとえば、スターリン粛清や東京大空襲ホロコースト*8を批判する演説に対し「数ばかりをあげつらったら」、「数を少なく見積もってソ連や米軍やナチスドイツを免罪したいのか?」と人間性を疑われると思いますよ。

 南京事件慰安婦の資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に世界記憶遺産として申請したのも反日宣伝の一環である。

・何がどう反日なのかさっぱりわかりません。南京事件慰安婦も政府公式見解では日本の非を認めてるのに。
 大体、この産経の理屈だと「原爆ドーム世界遺産登録」は反米で、「シベリア抑留関係資料の世界記憶遺産申請」は反ロシアになりませんか?
・そして「登録されるかどうか」はわかりませんが仮に今後登録されたら産経は何と言うんでしょうか?。ユネスコに悪口雑言?

米調査機関の最近の世論調査によれば、米国での中国のイメージは「好ましくない」が過半数の55%で、人権を「尊重していない」国と考える人が大半だった。

だから何だという話です。そんな話は少なくとも

・米サンフランシスコ市のチャイナタウンに、「海外抗日戦争記念館」を開設して日中戦争時の資料を展示する計画が、在米の中国系実業家の音頭で進められている
南京事件慰安婦の資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に世界記憶遺産として申請

などといった話とは全く関係ありません。


■【月刊正論】フェミニズム革命*9迫る 女性も「育児より働け*10」法案に異議あり八木秀次
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140716/plc14071603020001-n1.htm

 昨年の成長戦略で示された「『2020年に指導的地位に占める女性の割合30%』の実現に向けて、女性の登用に関する国・地方自治体、民間企業の目標・行動計画の策定、女性の登用に積極的な企業へのインセンティブ付与等を内容とする新法を制定する」とし、「今年度中に結論、次期通常国会への法案提出を目指す」としている。ここでいう「新法」とは、今年の通常国会の会期末直前に議員提案された「女性が活躍できる社会環境の整備の総合的かつ集中的な推進に関する法律案」を指す。
(中略)
 「政府は、2020年(平成32年)までに社会のあらゆる分野における指導的地位にある者に占める女性の割合を3割とすることを目指し」とし、平成32年(2020)までを集中実施期間とした上で、国及び地方公共団体並びに事業者は、職員・社員の採用、配置、昇進の現状を把握・分析し、指導的地位へ女性を登用する目標・計画を策定、更に情報公開する等の「積極的改善措置」(ポジティブ・アクション)を取ることを求めている(第10条3号)。
 「事業者の事業の規模等に配慮しつつ」との留保条件が付いてはいるが、例外的措置に過ぎない。なぜなら、国または地方公共団体が物品及び役務の調達または補助金を交付するに当たっては、事業者による積極的改善措置等の実施の状況について報告を求め(第10条5号)、積極的改善措置等の実施を推進する事業者の受注の機会の増大を図るよう努めるとしているからである。2020年までに女性を役員、管理職、高度の専門性が求められる職業その他の「指導的地位」に3割以上就ける現実的な計画がなければ、公共事業を受注したり、補助金が支給されたりすることもない*11ということである。いわば兵糧攻め経済制裁によって何が何でも3割を達成させるということである。

言ってる事が意味不明ですね。たぶん「女性の登用に積極的な企業へのインセンティブ付与等を内容とする新法を制定する」「(法制定で、女性の登用に積極的な)事業者の受注の機会の増大を図る」てのは「女性が指導的地位に3割いないと補助金を出しません、公共事業を発注しません」ということじゃないでしょう。
さすがに「女性が指導的地位に3割いないと補助金を出しません、公共事業を発注しません」ということはできないでしょう。
 そんなことをやったら、ほとんどの企業は補助金等の対象外ですよ。そんな非常識なことがやれるとも、やりたいと安倍政権が考えてるとも思えません。まあ、そんなことは八木も産経も分かった上での悪質なデマ垂れ流しでしょうが。俺が産経や八木が大嫌いな理由は「主張の是非(主張が極右的)」もありますがそれよりも大きな理由はこういう「論敵相手にデマ中傷して恥じない道徳心の欠如」ですね。
 「女性の登用に積極的な企業へのインセンティブ付与等を内容とする新法を制定する」「(法制定で、女性の登用に積極的な)事業者の受注の機会の増大を図る」で考えられることとしたらたとえば
1)「いくつかの指標を作りその総合計で発注するかどうか決める(単純な価格競争じゃない)」
2)「女性の社会進出についてはたとえば女性の社会進出が進んでる企業は10点満点、全然進んでない企業は0点とする」
といったことじゃないですかね。まあ、その是非は議論の余地があるでしょうが「女性の社会進出が進んでないと政府に評価されると公共事業が受注できないし、補助金ももらえないんです」とデマかっ飛ばすのはまともな人間のやる事じゃありません。て八木や産経がまともとは思ってませんけど。
 しかし産経や八木が安倍政権に向かって「フェミニズム革命迫る」とまで非難するとは思ってもみませんでしたね。
 こういっちゃ何ですけど、安倍の政策にははっきり言って「少子化による労働力不足対応→女性労働力の活用」と言う面もあって単純なフェミニズムじゃないんですけどね。

*1:ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ

*2:「主導」とまで言う根拠は何なんでしょうか?

*3:そもそも書き出しの「サンフランシスコに開設予定の博物館」についていえば「現地華僑の計画」であって中国政府は関係ないようですから「中国の反日宣伝」というのは不適切でしょう

*4:戦前中国ですから別に中国共産党限定ではなく、中国国民党もこみでの話でしょう。

*5:産経の言うような事実があったかどうかはともかく、一般的に言って「過失による事実誤認」で「事実と異なる説明をしてしまう」というケースは十分あり得るでしょうし、その場合、一概に「だから駄目だ」と簡単に斬って捨てていいものではないでしょう。

*6:産経としては「捏造という意味で」演出と言ってるのでしょう。はっきり「捏造」と言わない点がせこすぎますが。

*7:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*8:まあ、この3つに限らず何でもいいんですが

*9:「安倍の政策」程度で「フェミニズム革命」とはどれほど、フェミニズムの政治力を過大評価(いや過小評価か?)してるんだと呆れます。

*10:誰も「育児より働け」とは言っていませんが。「育児する母親でも働きたい人は働けるようにしよう」と言ってるだけです。

*11:つうかライバル企業との競争に負けて公共事業や補助金からあぶれる企業は今でもいくらでもあるわけで、何も「全ての企業が何らかの補助金をもらったり、公共事業を受注したりしている」わけでもないでしょう。「兵糧攻め云々って八木のバカは何言ってるんだろう?」としか思いません。