■NHK『拉致被害者救出を 曽我ひとみさんが署名活動』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150426/k10010061471000.html
横田夫妻の高齢化を前に曽我さんが「新たな広告塔」として急浮上です。
■中央日報『北朝鮮、ASEANに公式パートナーシップを要請』
http://japanese.joins.com/article/625/199625.html
公式パートナーシップとは準加盟国みたいなもんでしょう。果たしてどうなる事やら。
■時事通信『北朝鮮沖で石油ガス探査=政府間委合意−ロシア』
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201504/2015042800097&g=int
■NHK『北朝鮮国営航空会社 上海との定期便運航』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150427/k10010062161000.html
■NHK『北朝鮮 ロシアと関係強化の動き活発化』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150428/k10010063361000.html
時事通信はともかく、NHKがこういう報道をする思惑はよく分かりませんがどう見ても巣くう会の言う「北朝鮮早期崩壊」は当面ありそうにもありません。
■東洋経済オンライン『東大ジェンダー論教授の「北朝鮮旅行記」:中国と北朝鮮の「性役割分業意識」の違い』(瀬地山角:東京大学教授)
http://toyokeizai.net/articles/-/67145
みなさんの中で、北朝鮮に行ったことのある方はどれくらいいるでしょう? そもそも「行けるの?」と思われた方が多いと思いますが、日本にある旅行代理店がツアーを扱っています。現在の外務省の渡航安全情報を見ても、危険度4段階のうちの下から2番目「渡航の是非を検討してください」。即座に問題となるレベルではありません。
そもそも(注:シリア、イラクなど内戦で)無政府状態になっている一部の北アフリカ・中東圏の社会と異なり、完全な監視国家なので、(中略)(注:撮影禁止区域をわざわざ撮影し北朝鮮側とトラブルを起こすようなことさえしなければ)問題は起きません。夜にホテルから出ると、ガイドさんが尾行までしてくれました。
「尾行」つうか北朝鮮的には「観光客の無事を祈っての身守り活動」ですよね。まあ、そう言う「見守り活動」が嫌な人はともかく「犯罪に巻き込まれることはまずあり得ない」と言う意味ではこんなに安全な旅行場所もないでしょう。
1995年の4月、旅行会社のツアーに参加して、4泊5日で平壌に行きました。現在は経済制裁などもあって不可能ですが、当時はチャーター便ながら日本から直行便がありました。
今は勿論中国で乗り換えなんでしょう。
救命胴衣の説明を水平飛行に入ってから始めたり*1、復路の便ではそもそも説明がないので「おかしいな」と思って座席の下に手を入れてみたら、救命胴衣の袋があるのに中が空っぽだったりと、フライトだけでも「やってくれるやん」という感じ
おいおい、しゃれにならねーぞ。
「そこで暮らす人間にとっては、北朝鮮は必ずしも変な社会ではない」
まあ、そりゃそうでしょう。つうか「ヘンだなあ」と思ってもそうそう変わらないわけで「仕方ねえから適当にあわせるか」つうのは一つの対応策ではあります。日本での「ブラック企業の存在」なんかもいい例です。「ブラック企業がなくなればいい」けどなくならないなら、働く人間にとって「仕方ねえから適当にあわせるか」つう選択が生まれるわけです。あわせられないで過労死、過労自殺する人もいますが。
もちろん瀬地山氏は「ジェンダー論研究者」なのであくまでもそう言う観点での研究でしょうが。
「平壌消息(ニュース)」というウェブサイトに、「主婦に人気の太陽温水加熱器」という動画がありました。
(中略)
私が面白いと思ったのは、これが「主婦に人気の」になる点です。
「えー、何が面白いの、日本でも良くあるキャッチコピーやん」と思いますが理由が後で分かります。
同じ社会主義でも、中国ではこういうタイトルにはなりません。朝鮮半島に深く根付いた儒教規範(李氏朝鮮時代を経て、儒教は本家の中国より、朝鮮半島で強く受容されるようになりました)から性役割分担意識が今も根強い北朝鮮に対し、中国では結婚しても女性が働くのは当たり前のことで、男性が料理をするのも当たり前です。したがって中国では、温水加熱器が「主婦に人気」とは決してならないのです。
北朝鮮では今でも、結婚などを機に女性が仕事をやめることは珍しくないとされており、今まで何度か開かれてきた「全国オモニ(母親)大会」では、子育ては母親の役割であることが強調されてきました。これも中国ではありえません。
この中国と北朝鮮の違いは、台湾が韓国よりも女性の社会進出に関して積極的な社会であることとも通底する現象であるというのが、私が昔書いた本の内容の一部です(『東アジアの家父長制』勁草書房)。
しかも、北朝鮮との国境地帯に多く住む中国の朝鮮族では、やはり男性があまり家事をしないという調査があり、ここからも朝鮮半島の儒教規範が大きな影響力を持っていることが推測されます。
つまり小生が「ええ、主婦云々の何が面白いんや、日本でも良くあるタイトルやん」と思ったのは
・日本列島に深く根付いた儒教規範(儒教が武家の学問となった徳川時代を経て、儒教は本家の中国より、日本列島で強く受容されるようになりました)から性役割分担意識が今も根強い日本
・日本では今でも、結婚などを機に女性が仕事をやめることは珍しくない
からなんでしょうか。意外な「日本と北朝鮮の共通点」ではあります。いや意外でもねーか。
むしろ「瀬地山氏の主張が正しいと前提しての話」ですが「中国や台湾では日本や朝鮮に比べ『女は働くな、家にいろ』意識が弱い(同じ東アジアの国なのに)」「そうした意識は体制の違いより民族の違いの方が影響が大きいらしい(「中国、北朝鮮(共産国)」「韓国、台湾(資本主義国)」ではなく「中国、台湾(漢民族)」「韓国、北朝鮮(朝鮮民族)」に共通性が認められる)」て方が意外かも知れません。
*1:もちろん普通は離陸前にやります。