新刊紹介:「歴史評論」3月号

★特集「安部政権の教育政策と歴史教育の未来」
・なお、詳しくは歴史科学協議会のホームページ(http://www.maroon.dti.ne.jp/rekikakyo/)をご覧ください。興味のあるモノ、「俺なりに内容をそれなりに理解し、要約できたモノ」のみ紹介する。
■「安部政権の教育改革と政策の特徴」(佐藤学*1
(内容紹介)
 特集の総論的内容です。もちろん「歴史評論」ですので「南京事件否定論河野談話否定論」に代表される安倍の「歴史修正主義」にもっぱらスポットが当たってはいますが、「大学文系軽視論」や「教育委員会の権限を弱め、首長の権限を強化する」「道徳の教科化」などといった「歴史教育」に限らない安倍文教行政の問題性(上意下達の独裁的行政など)が指摘されています。

参考
赤旗
■主張『教育委改悪法成立、政治介入許さぬ共同をさらに』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-06-18/2014061801_05_1.html
■官製道徳を押し付け、文科省審議会 教科書検定で報告書
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-07-24/2015072401_04_1.html
■「文系廃止」通知 破綻に直面、問われる大学の「類型化」路線
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-12/2015101202_02_1.html


■「新自由主義教育改革の新段階と教育人権:安倍教育再生実行改革による新教育基本法の再始動」(世取山洋介)
(内容紹介)
 安倍の教育行政の問題点と言えば「復古主義的側面」に注目が集まりがちですし、それはある意味当然でしょうがここでは「大学文系軽視論」に象徴される新自由主義的な面にスポットが当たっています。
 なお、世取山氏論文や五十嵐仁氏エントリ『第2次安倍政権と子ども・教育のゆくえ−新自由主義と軍事大国化のたくらみのなかで私たちにもとめられていること(その4)』(http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2013-11-27)が批判していますが「教育を経済的価値オンリーで評価すること」は、もちろん問題*2ですが、それだけでなく「短期的にはともかく長期的には金儲けにも繋がらないのではないか」という点も重要でしょう。たとえるなら「今日の50万円」を重視するあまり「将来の100万円」につながることを切り捨てているのではないかということです。


■「歴史教育の改めての危機」(小国喜弘*3
■「歴史修正主義と教科書問題:2015年採択の中学校社会科教科書をめぐって」(加藤圭木)
(内容紹介)
 安倍の教育政策のウチ、歴史修正主義的な部分に触れているのが小国論文と加藤論文です。小国論文が総論的な内容で、加藤論文が「2015年採択の中学校社会科教科書」にスポットを当てた各論的内容です。
 加藤論文について簡単に触れておくと彼が問題にしているのはまず育鵬社自由社の右翼教科書がかなり採択が増えてると言う事でしょう。「当初1%にすら達していなかったこと」を考えれば「5〜6%程度」というのは脱力せざるを得ないわけですが、一方で「批判運動によってウヨ教科書が採択されなかった自治体」もあることも指摘しておきます。
 やはり大きいのは橋下一味の大阪でしょうね。あそこが減るだけでもかなり減るでしょう。「まともな大阪府民・市民」には心底同情しますし、橋下なんぞ支持するアホ大阪府民・市民には呆れて二の句が継げません。
 今回注目する点として、他に加藤論文は
1)「学び舎教科書」が検定合格した点を上げています。まあ、文科省の検定基準でもそうそう簡単に「安倍嫌いの教科書なら当然に抹殺できるわけでもない」ということですね。今後「学び舎」のような教科書が増えていくことを願いたいモノです。
2)また以前、id:Mukke氏や小生がエントリネタにした「アイヌ同化政策を正当化する検定意見がついたこと」を「南京事件慰安婦、沖縄集団自決*4と違い、従来攻撃ターゲットにはほとんどなっていなかった」アイヌ問題について今回攻撃ターゲットになった事を「憂慮すべき事態」としている。

参考
■拙エントリ『教科書検定問題で安倍や下村を批判してるようだけど、安倍や下村とつるんでるのがダライ一味だよね?(追記・訂正あり)』
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20150408/1632178906
 ちなみにここでしたダライ一味への非難(安倍や下村たち、アイヌ同化政策を正当化する政治家とつるむ野郎が「中国のチベット統治は同化政策」とかほざいてんじゃねえよ、ダライ一味!)については今でも訂正・変更する必要性は全く感じてないですね。日本ウヨと野合するダライ一味には心底怒りを覚えますね。


■「アクティブラーニングという眩惑」(今野日出晴*5
(内容紹介)
 まあ内容に問題があるとは言いません*6が少なくとも「安倍政権の教育政策」をテーマにした特集で「アクティブラーニング」てそんなに重要かなと疑問には思います。最近の「文科省の公式文書」でアクティブラーニングが強調されてるとしても、そして「文科省版アクティブラーニング」に何らかの問題があるとしても、それはどう見ても「安倍の意思」ではないでしょう。安倍がそんなもんに興味や知識があるとも思えない。
 アクティブラーニングを文科省が強調するようになったのは中教審答申『新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて』(平成24年8月28日:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1325047.htm)だそうですから、「安倍政権誕生後」ではあるんですが。
 まあアクティブラーニングと言っても大抵の人はわけがわからないでしょう。小生もこの論文を読むまでは知りませんでしたので。
 アクティブラーニングつうのは直訳すれば「能動的学習」です。何に対して能動的なのかといえば「座学(講義型授業)に対して」ですね。「課題型レポートを生徒に書かせて発表させる」とかディベートとか、グループ討議とか聞き取り調査(フィールドワーク)とか実験*7とか「座学に対して生徒が何らかの能動性を持つもの全て」がアクティブラーニングに当たるわけです。まあ、別にアクティブラーニングそれ自体は悪いわけではない。「アクティブラーニングという名前で呼んでいたかどうかはともかく」教員労組(日教組、全教など)の教育実践なんかで過去にされてることでもあるでしょう。
 ただそれは講義型授業の否定ではないし、アクティブラーニングなら何でもいい訳ではない。「あるべきアクティブラーニングとは何なのか」つうのはそんなに簡単な話じゃないわけです。


■歴史のひろば『関東大震災時の朝鮮人虐殺事件をどう記憶し伝承していくか』(新井勝紘)
 産経ウオッチャーならご存じでしょうが未だに産経などウヨメディアは「関東大震災朝鮮人虐殺なんかなかった」などと平気でデマ飛ばしてるわけです。そういうデマを克服し、どう「朝鮮人虐殺事件をどう記憶し伝承していくか」というのは日韓・日朝友好という観点で非常に重要でしょう。
 と同時に「また震災が起こったら同じ事が起こるんじゃないか」という恐怖感を在日外国人(特に在日朝鮮・韓国人)からなくすという意味でも重要なわけです。 なお、関東大震災では他にも「中国人虐殺や亀戸事件、甘粕事件」といった虐殺もおこっていることに触れておきます。
 ちなみに新井論文では最近の研究動向がいくつか紹介されていますので、ここでもいくつか紹介しておきましょう。
・小薗崇明「関東大震災下に虐殺されたろう者」(たとえばhttp://shikaku.in/event/id/141/参照)
 「朝鮮人でないというなら日本語をしゃべれ」といわれ、しゃべったら、地方出身でなまっていたが故に「日本人じゃない!」と決めつけられて虐殺されたという話(後で紹介する福田村事件もその一例です)がありますがそれと似たような話です。
 つまりは筆談や手話ならともかく、「ろう者(耳が聞こえない人)」に話しかけても応答は出来ない訳です。しかしそれが暴徒には「日本語が分からない→朝鮮人」「わかっているが話せない→朝鮮人」と認識されて時に虐殺の対象になるわけです。健常者だとこういうことはつい忘却してしまいますが、「虐殺はないにせよ」阪神大震災東日本大震災でも「ろう者」のような障害者にとって行政等の対応は十分だったのかというのは大切な視点でしょう。
・ 石井雍大『千葉県福田・田中村事件研究の歩み』
 福田村事件についてはウィキペディア「福田村事件」などを紹介しておきます。

■福田村事件(ウィキペ参照)
 関東大震災後の混乱の中で、香川県被差別部落出身者15名が千葉県で地元の自警団に暴行され、9名が虐殺された事件。
 犠牲者の追悼慰霊碑が野田市三ツ堀の円福寺境内にある(2003年建立)。
■発生日時・場所
 関東大震災発生から5日後の1923年9月6日、千葉県東葛飾郡福田村(現在の野田市)三ツ堀の利根川沿い。
■被害者
 香川県三豊郡の薬売り行商人15名。うち殺害された者は妊婦や子どもを含む9名(妊婦の胎児を含め、10名とする説もある)。
■加害者
 福田村および隣接する田中村(現柏市)の自警団。8人が殺人罪に問われて懲役3年から10年の刑を受けたが、彼らの大半は、昭和天皇即位による恩赦で釈放された。事件の中心人物は出所後村長となり、市町村合併後は野田市議となった。
■背景と事件後
 事件の真相は今なお明らかではないが、「行商人一行の話す方言(讃岐弁)が千葉県人には聞き慣れずほとんど理解できなかった」「千葉県人との意思疎通の際に話す標準語も発音に訛りがあり流暢でなかった」ことなどを理由に朝鮮人と見なされ、虐殺が起こったと言われている。
 部落解放同盟は事件後、加害者たちが極めて軽い処分を受け、その後永年真相解明がなされなかった理由の一つには被害者が被差別部落出身者であること(部落差別が反映されていること)とみている。 解放同盟の主張の背景には、被害者出身県である香川県が、事件をなかったことのように扱って来たことへの不信があったと見られる。

http://blogs.yahoo.co.jp/kumakuni05/35051565.html
■石井雍大先生インタビュー(2014年9月11日)
聞き手:
 調査を始めたいきさつを教えてください。
石井先生:
「千葉県における関東大震災朝鮮人犠牲者追悼調査実行委員会」(船橋市)という会がありまして、この事務局の中心的な方から、千葉県野田市の近くの旧福田村で殺されたのは香川県の人らしいので、調べてほしいと言われたからです。
(中略)
 当時の新聞にも、小さい記事の中に、朝鮮人と間違われ殺された日本人で香川県とだけ書いてあり、細かいことはかいてありません。その資料では14人の売薬行商人が虐殺されたと書いてあります。リーダーの「合田亀助」という名前だけ出ていました。名前と香川県出身ということだけでは雲をつかむ事だったがそれ以外の手掛かりはないということで困りました。そこでそのまま打ち捨てていたのが実状です。
聞き手:
 行商の支配人が亀助さんですか?
石井先生:
 そうです。リーダーです。私は高校教師のころ(香川県観音寺市に勤めていたことがありまして、そこで知った人の名前が「合田」さんだったんです。「合田」とは珍しいと思っていたら同僚があのかたは部落の方*8なんだと教えてくれた。その名前は観音寺市豊中町あたりに多いということで、そこの部落解放同盟の方に連絡し、その話をしたら「聞いたことがある」と言ってくれました。昔、朝鮮人と間違われ撲殺されたと報告があり部落中の人が大声で泣いたことがあるということでした。これは調査に行かないといけないと思い始めました。
(中略)
 その時の生き残りの方が2人いることもわかりました。
 この事件では、福田村と田中村の自警団が香取神社に集まってくるわけです。いちおう福田村事件と呼んでいますが、実際は田中村と半々くらいの人が関わっているので、「福田・田中村事件」というのが正しいと思ってます。
(中略)
 その後、千葉の部落解放同盟と共同で慰霊碑を建てようということになりました。その除幕式で漏れ聞いたのですが、本来なら事件そのものの話をしないといけないのですが、あまりにも生々しいので、直接の言及を避けて、除幕式では朝鮮人虐殺の講演をしたんですよ。地元の人はこの問題にあまり関わりたくないようで、その除幕式にも自治会長さんなどしか参加していなかった。だけど私はいまだにこの問題は生きている、時効にはなってない、と思います。
聞き手:
 我々のゼミでこの事件を調査しようと思ったのは、千葉の方ではあまり触れたくないというのがあるからでそこの部分を明らかにしようと思ったからです。
石井先生:
 虐殺した人たちは群衆でしたから、誰がやったということがなかなか特定できないんです。被害者側が15人がいたというから、15人の犯人をだすというようなことが行われた可能性があると思います。「君すまんけど出頭してくれ」と、身代わりを出した人もいたと思います。自分から名乗り出た人もいたと思うけれども。そういうことで、その後裁判になり服役するとその人たちにカンパをしたりして、村を挙げてその人たちを支援したという実態があるんです。
(後略)
聞き手:
 耳の不自由な方も、日本語がうまく喋れないということで殺されたのでしょうか。
石井先生:
 昨年一件、東京聾唖学校の卒業生が浅草新谷町付近で自警団によって殺害されたことが明らかにされました。
(中略)
 やっぱり障害者への差別意識でしょうかね。そういうところから「殺っちゃえ」ってなったんだと思います。でもいくらなんでも日本人とわかってたと思いますよ。朝鮮人と間違えるはずがないんですよ。
聞き手:
 福田村事件でも、その根底には、貧乏な行商人に対する差別意識がそこにあったんですね。
石井先生:
 そうですね。
(中略)
聞き手:
 香川県の言葉というのはいわゆる標準語とはかなり違いますよね。千葉県民からするとかなり言葉が違ったはずです。そういう要素はあったんでしょうか?
石井先生:
 あったと思いますよ。当時は今みたいにテレビがあるわけではないので、違う地方の方言を聞いたら「どこの国の人だろう?」となるんでしょう。青森なんかは今でも言葉がわからないというし、だからそれに近かったんじゃないかと思いますね。当時は文化圏が小さいから。
(中略)
聞き手:
 もしかしたらこの事件の裁判の時に、ひとつの言い訳として朝鮮人と間違えたというふうに被告たちが言ったのかもしれないですよね。自分たちが、鬱憤ばらしで、差別意識で日本人を殺したというよりも「間違えました」という方が罪が軽くなると思ったのかもしれないですね。
石井先生:
 そうですね。それはあると思いますよ。それともう一つ裁判(ボーガス注:記録を読ん)でびっくりしたのが、悪い朝鮮人を殺したら褒められるんじゃないかと思ったからか、「なんで裁判にかけられるんだ」と開き直っている人もいたんですね。そもそもおそらく悪い朝鮮人が反乱を起こすかもしれないというような噂は警察が煽ったんですからね。「だからその通りにしたんだ。それがなぜ悪い」という感覚があったのかもしれないですね。
(後略)

http://www.jinken-net.com/gozonji/step/0308-2.html
(前略)
 厳しい差別のため、部落の人たちは地元で安定した仕事につくのは不可能でした。農業で暮らそうとしても香川県は全国一面積が小さな県です。耕地が少ないことから小作料も高く、小作料をめぐって小作争議が多発していました。産業もすくなく仕事もない。部落の人たちは農業をやるにもわずかな農地で立地条件は悪かった。さらに厳しい差別の中で被差別部落の人たちは行商に生活の道を求めていきました。(ボーガス注:福田村事件の被害者の出身である)K部落*9では事件当時二軒を除き、すべて行商だったと言われています。
 行商を選んだのは(1)比較的資本力がなくても取り組めた、(2)現金の収入を得るのに有利である、など、生活確保のため厳しい手段であるけれども、積極的な選択でもありました。
 1931(昭和6)年の全国部落調査によると、行商が一番多かったのは香川県で、「殊に香川県のごとき各職業中行商に従事するもの最も多く」、「従業戸数に於ては5割以上の多数に及べり」(『部落産業経済概況』中央融和事業協会)と指摘しています。


参考
赤旗
■『「朝鮮人虐殺の歴史 伝えたい」、関東大震災90年で追悼式典 東京・墨田』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-09-02/2013090215_01_1.html
■『関東大震災・亀戸事件90年追悼会、歴史学び平和へ共に、東京・江東』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-09-10/2013091001_04_1.html
■『関東大震災、中国人犠牲者を追悼、虐殺事件 国家責任問う』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-09-10/2013091014_01_1.html


神奈川新聞
■時代の正体〈22〉関東大震災朝鮮人虐殺(上)
http://www.kanaloco.jp/article/76206
■時代の正体〈23〉関東大震災朝鮮人虐殺(下)
http://www.kanaloco.jp/article/76175
■「90年前と同じ」に警鐘 横浜市副読本問題で
http://www.kanaloco.jp/article/78359


週刊金曜日『横浜・副読本「虐殺」を削除:朝鮮人「殺害」に』
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=3475
朝鮮日報関東大震災時の朝鮮人虐殺犠牲者 40人確認=韓国政府』
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/12/16/2015121601458.html?ent_rank_news
中央日報「関東大虐殺、慰霊塔もないとは話になりますか」
http://japanese.joins.com/article/091/205091.html

シノドス関東大震災における朝鮮人虐殺:なぜ流言は広まり、虐殺に繋がっていったのか』(加藤直樹*10×山田昭次*11×荻上チキ*12
http://synodos.jp/society/11601
■「朝鮮人虐殺はなかった」はなぜデタラメか
http://01sep1923.tokyo/


【新刊広告】
■太田尚樹『尾崎秀実とゾルゲ事件近衛文麿の影で暗躍*13した男』(吉川弘文館
 吉川弘文館といえば「山川出版社」「校倉書房」「塙書房」などとともに「日本史業界の有名どころ」なのだが、そこが陰謀論本の新刊広告かと思うともう「唖然呆然」である。これも安倍政権誕生の副産物なのだろうか。副題「近衛文麿の影で暗躍」で分かるようにこの本は、「尾崎が近衛ブレーン(昭和研究会メンバー*14)として日本を戦争に持っていったというデマ本」である。「吉川の本だからまともだ」と思ったら大間違いであること、しかし「ほとんどの吉川の本はまともであること」をお断りしておく。本屋で見つけたら太田本を斜め読みぐらいはしてもいいかと思う(さすがに買う気はない)。
 この太田氏、「ゾルゲ・尾崎陰謀論」について以前も著書を書いておりネット上にも批判がある。


■『「日中和平工作を妨害せよ」:太田尚樹『赤い諜報員』*15の「コミンテルン陰謀説」』
http://www.geocities.jp/yu77799/nicchuusensou/oota.html
 なお、こうしたゾルゲ・尾崎陰謀論コミンテルン陰謀論は何も太田の専売特許ではない(田母神の例の「張作霖暗殺コミンテルン陰謀論」も太田の「尾崎陰謀論」とは性格が違うがそうした陰謀論の一種である)。
 いくつか紹介しておく。
昭和12年6月30日「朝飯会」の怪:工藤美代子『近衛家七つの謎』*16より
http://www.geocities.jp/yu77799/Comintern/kudou.html
汪兆銘工作はコミンテルンの陰謀か?:三田村武夫大東亜戦争スターリンの謀略』*17(1)
http://www.geocities.jp/yu77799/nicchuusensou/ouchoumei3.html
汪兆銘工作はコミンテルンの陰謀か?:三田村武夫大東亜戦争スターリンの謀略』(2)
http://www.geocities.jp/yu77799/nicchuusensou/ouchoumei4.html
■あるいは共産主義者でいっぱいの日本:中川八洋*18近衛文麿の戦争責任』*19(1)
http://www.geocities.jp/yu77799/Comintern/nakagawa1.html
■トリミングと曲解と・・・:中川八洋近衛文麿の戦争責任』(2)
http://www.geocities.jp/yu77799/Comintern/nakagawa2.html

*1:著書『教室からの改革』(1989年、国土社)、『米国カリキュラム改造史研究』(1990年、東京大学出版会)、『教育方法学』(1996年、岩波テキストブックス)、『学びの身体技法』(1997年、太郎次郎社)、『教師というアポリア』(1998年、世織書房)、『教育改革をデザインする』(1999年、岩波書店)、『学びの快楽』(1999年、世織書房)、『「学び」から逃走する子どもたち』(2000年、岩波ブックレット)、『授業を変える学校が変わる』(2000年、小学館)、『学力を問い直す』(2001年、岩波ブックレット)、『教師たちの挑戦』(2003年、小学館)、『習熟度別指導の何が問題か』(2004年、岩波ブックレット)、『学校の挑戦』(2006年、小学館)、『教師花伝書』(2009年、小学館)、『教育の方法』(2010年、左右社)、『学校を改革する』(2012年、岩波ブックレット)、『学び合う教室・育ち合う学校:学びの共同体の改革』(2015年、小学館)、『専門家として教師を育てる:教師教育改革のグランドデザイン』(2015年、岩波書店)など

*2:なぜなら「教育の目的=金儲け」ではないからです。「教育の目的=金儲け」という理屈だと例えば、例の「I濱教授のチベット研究」など何の価値もないでしょう。つうか「金儲けに繋がらないならチベット研究なんか必要ねえよ(まあどう考えてもチベット研究なんか金儲けにつながりそうもないですが)」というのがまさに「教育における新自由主義」でしょうが。

*3:著書『民俗学運動と学校教育:民俗の発見とその国民化』(2001年、東京大学出版会)、『戦後教育のなかの「国民」:乱反射するナショナリズム』(2007年、吉川弘文館

*4:もちろんこうした記述についても現在の検定には問題があるわけですが

*5:著書『歴史学歴史教育の構図』(2008年、東京大学出版会

*6:つうか正直バカなので内容がよく分かりませんが

*7:まあ科学授業はともかく歴史授業では実験はないですが。

*8:合田姓一般が被差別部落出身と思われても困るので指摘しておけば香川ではそういうケースが多いんだ(もちろん香川でも常に被差別部落出身ではないでしょうが)と言う事でしょう。

*9:差別を避けるためのイニシャルでしょう。

*10:著書『九月、東京の路上で:1923年関東大震災ジェノサイドの残響』(2014年、ころから)

*11:著書『金子文子:自己・天皇制国家・朝鮮人』(1996年、影書房)、『関東大震災時の朝鮮人虐殺:その国家責任と民衆責任』(2003年、創史社)、『朝鮮人戦時労働動員』(共著、2005年、岩波書店)、『植民地支配・戦争・戦後の責任:朝鮮・中国への視点の模索』(2005年、創史社)、『関東大震災時の朝鮮人虐殺とその後:虐殺の国家責任と民衆責任』(2011年、創史社)、『関東大震災時の朝鮮人迫害:全国各地での流言と朝鮮人虐待』(2014年、創史社)、『全国戦没者追悼式批判:軍事大国化への布石と遺族の苦悩』(2014年、影書房)、『関東大震災朝鮮人虐殺』(共著、2016年、論創社)など

*12:著書『ウェブ炎上』(2007年、ちくま新書)、『ネットいじめ』(2008年、PHP新書)、『社会的な身体』(2009年、講談社現代新書)、『セックスメディア30年史』(2011年、ちくま新書)、『検証 東日本大震災の流言・デマ』(2011年、光文社新書)、『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』(2012年、幻冬舎新書)、『ディズニープリンセスと幸せの法則』(2014年、星海社新書)など

*13:暗躍も何も尾崎の言論活動は「近衛内閣以前からのもの」だし、ほとんど近衛と関係ありません。

*14:そもそも尾崎は昭和研究会のメンバーではあるが中心人物とまでは言えないし、近衛との面識もほとんどない。昭和研究会の提言にしてもそのままストレートに政策になったわけでもない。太田のような陰謀論はあまりにも事実とかけ離れている。

*15:2007年、講談社

*16:2009年、PHP研究所

*17:1987年、自由社

*18:『歴史を偽造する韓国:韓国併合と搾取された日本』(2002年、徳間書店)、『日本核武装の選択』(2004年、徳間書店)、『皇統断絶:女性天皇は、皇室の終焉』(2005年、ビジネス社)、『女性天皇は皇室廃絶:男系男子天皇を、奉戴せよ』(2006年、徳間書店)、『亡国の「東アジア共同体」:中国のアジア覇権を許してよいのか』(2007年、北星堂書店)などの著書があるトンデモ右翼。

*19:2010年、PHP研究所